平成17年度 教育研究発表会 - 宇部工業高等専門学校

教育研究発表会
講 演 要 旨 集
2005 年
日時:平成 17 年 8 月 22 日(月)
会場:視聴覚教室
宇部工業高等専門学校
目
9:45∼11:00(座長
冨永
次
彰)
A1 卒業研究の課題が数値解析の場合の指導法の事例(メインテ−マ)・・・・・・ 1
機械工学科
谷本
昇
A2 電気工学科の卒業研究について(メインテ−マ)・・・・・・・・・・・・・・ 3
電気工学科
A3
橋本
基
卒業研究と就職・進学との関連(メインテ−マ)・・・・・・・・・・・・・・ 5
制御情報工学科 落合
積
11:10∼12:00(座長
藤本
勉)
A4 高専における研究のあり方の一事例(メインテ−マ)・・・・・・・・・・・・・ 7
物質工学科
深川勝之
A5 語りの技法によるビ−トルズのディスク−ル(歌詞)分析(研究)・・・・・・ 8
一般科
福屋
利信
13:00∼13:50(座長
落合
積)
P1 高専祭を担当して(学生指導)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
機械工学科
城戸
秀樹
P2 進路選択を主眼とする学生指導の中等教育機関等との比較研究(学生指導)・・12
電気工学科
藤本
14:00∼15:15(座長
勉
品川恵美子)
P3 吹奏楽部顧問としての歩み(学生指導)・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
制御情報工学科 三宅 常時
P4 スポ−ツゲ−ムを科学する:
サッカ−ゲ−ムにおける得点シ−ンの分析と指導での活用(学生指導)・・・・17
一般科 ○藤岩 秀樹、岩元 修一、西田 克美、光本 真一
P5 中小企業と産学連携活動(地域連携)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
経営情報学科
木村
弘
15:25∼16:30(司会
村上
総合討論
定瞭)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
A1
卒業研究の課題が数値解析の場合の指導方法の事例
機械工学科
谷本
曻
1.
はじめに
機械・構造物は色々な荷重を様々な方向から受けてその機能が有効に働き人間の生活を
豊かにしている。機械・構造物の部材は、実際には単純な形状は少なく3次元変形状態で
あり多軸応力状態である場合が多い。これら3次元・多軸応力状態の未解決問題を理論的
に実験的に解明することは、学生にとっても指導教員にとっても容易でない場合が多い。
そこで、比較的容易な3次元あるいは2次元問題で多軸応力状態の基礎事項の習得とその
計算のプログラムの作成技術の習得を卒業研究の課題として与えることとしている。昨年
度の課題は、例えば、
「回転円板の弾性変形の数値解析」である。学生は、授業科目「材料
1)
力学」 で主に一次元問題を、しかも、一軸応力状態の基礎事項、すなわち、丸棒の引張り
(圧縮)
、丸棒の曲げおよび丸棒のねじりを主に学習している。そこで、1次元1軸応力状
態の基礎知識を基に限られた時間内で3次元多軸応力状態を学生に理解させるためにはど
のように指導すれば良いのか、その方法が重要であり容易でない。回転円板に関する基礎
理論は参考書 2)に記述されている。
「学生はこの理論解析を理解し(その参考書の記述に従
って式の導出を行い式の変形を確認する)
、計算言語(フォートラン言語)を用いてプログ
ラムを自ら作成し、数値計算を行い、既存のソフトを用いてグラフ化し、考察する」こと
を卒業研究の課題とした。本報告はその指導方法の事例である。
2.方法および考察
この章では、1次元1軸応力状態の基礎知識しか学習していない学生に、限られた時間内
で3次元多軸応力状態を理解させるために、次の各視点のそれぞれの関係から指導する方
法を示す。2.2 部材の形状・大きさから、2.3 荷重の様式から、2.4 座標系から、
2.5 応力成分の数から、2.6 フックの法則から。詳細は当日説明する。
2.1 回転円板とその応力の式
参考書・教科書に記述されている、回転円板の半径σrr および円周方向応力σθθと半径
方向変位 u の式を以下に示す。問題は2次元問題、多軸応力問題、極座標問題および動的
問題となる。
任意の半径位置 r で、
σrr=(3+ν)EF/8/(1-ν2)(r12+r22-r2-r12r22/r2)
σθθ=(3+ν)EF/8/(1-ν2)(r12+r22-(1+3ν)/(3+ν)r2+r12r22/r2)
u=(F/8)r{(3+ν)(r12+r22)/(1-ν)+(3+ν)r12r22/(1-ν)/r2-r2}
式(1)と(2)において、
(σrr)max=(3+ν)EF/8/(1-ν2)(r2-r1)2
for r=(r1r2)1/2
2
2
2
(σθθ)max=EF/4/(1-ν ){(1-ν)r1 +(3+ν)r2 }
for r=r1
ここで
1
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
E : 縦弾性係数(ヤング率)、ν: ポアソン比、F : F=(1-ν2)wω2/E/g、w : 比重量、
ω : 角速度、 g : 重力加速度、r1 : 内半径、r2 : 外半径、t : 厚さ、t≪r2
そして
σ’: 相当応力、 σ’={(σrr-σθθ)2+σrrσθθ}1/2
(6)
2.2 部材の形状・大きさから
(a) 質点の回転運動
(b) 1次元棒の回転運動
(b-1)初等的方法
(b-2) 微分法
(c) 円板の回転運動
2.3 荷重の様式から(物体にどのような効果を及ぼすか)
(a) 引張り(圧縮)、曲げ、ねじり
(b) 一般
2.4 座標系から
(a) xyz 座標---直交直線座標
(a-1) x 軸だけ---1次元---丸棒の引張り
(a-2) xyz 軸---3次元---一般
(b) rφθ座標---直交曲線座標
(b-1) rφθ 軸---3次元---球座標---一般
(b-2) rφ軸---2次元---極座標---円板
2.5 応力成分の数から
(a) 1つ---丸棒の引張り(圧縮)、曲げ、ねじり
丸棒の引張り(圧縮)の応力状態を1軸応力状態であるという。
(b) 多軸応力状態
(b-1) 平面問題---平面ひずみ状態、平面応力状態
(b-2) 一般論
2.6 フックの法則から
(Ⅰ) xyz 座標
(a) 1軸応力---丸棒の引張り(圧縮)、曲げ、ねじり
(b) 多軸応力
(b-1) 平面問題---平面ひずみ状態、平面応力状態
(b-2) 一般論
(Ⅱ) rθφ座標
(a) 1軸応力---丸棒の引張り(圧縮)、曲げ、ねじり
(b) 多軸応力
(b-1) 平面問題---平面ひずみ状態、平面応力状態
(b-2) 一般論
3. 結 果
卒業研究の課題が数値解析の場合の指導方法の事例を「回転円板の弾性変形の数値解析」
について示した。1次元1軸応力状態の基礎知識しか習得していない学生に、限られた時
間内に参考書に記述されている3次元多軸応力状態を理解させるために、第2章で示した
各視点からの関係を順序立てて丁寧に指導すれば容易でないが可能であることが解った。
引用文献
1) 尾田十八・鶴崎明・木田外明・山崎光悦、
:材料力学<基礎編>、
( 森北出版、2003)、p.1-231.
2) 例えば、大橋義夫、:材料力学、(培風館、昭 51)、p.43-66, p.253-275.
2
A2
電気工学科の卒業研究について
電気工学科
橋本
基
1.はじめに
卒業研究について、電気工学科全体の概略と、橋本研究室の状況について報告する。
2.電気工学科の卒業研究の概略
電気工学科の全体的な卒業研究のスケジュールを以下に示す。
4年生後期
・工学演習という科目の中で、教員が順に90分の枠で、研究分野および研究内
容について説明する。
5年生
4月(前期の第1∼2週目)
・各教員ごとに、その年度の卒業研究のテーマとその概要をHRに掲示する。
・全教員が順に、10 分/1人程度で掲示した卒業研究テーマについて説明する。
・学生が研究テーマを選択し、配属先が決まる。
11月頃
・中間発表
2月始頃
・卒業研究発表会
・卒業論文の提出
3.橋本研究室の状況
3.1
研究分野
当研究室では、画像計測をメインテーマとして研究を行っている。パソコンに画像(静
止画、動画)をデータとして取り込むシステムの開発、また取り込んだ画像データを処理・
解析し、種々の量(距離、速度、大きさ、色等)を求める手法の開発等である。基本的に
全てのテーマはパソコンを使用し、プログラム(C言語)を作成することになる。そのた
め、卒研テーマの説明会では、「プログラミングが好きな人を希望」としている。
3.2
研究テーマの調整
研究室配属時には、学生はこちらから提示したテーマの内、1つを選んできている。原
則としてそのテーマを与えるが、能力や進路によって調整することがある。特に専攻科進
学希望者の場合、3年間継続可能なテーマを与えるようにしている。
3.3
実施
卒業研究は以下のような4期に分けて考えている。
(1)導入期
最初に、配属学生全員に対してそれぞれのテーマについてより詳しく、またそのテーマ
3
の最終的な目標(夢や理想)と今年度の目標(今年度の卒研でどのようなものができれば
よいか等)についての説明を行う。ここでは、学生の能力に合わせて目標のレベル・内容
を設定し、学生が「これならできそうだ」と思うようにしている。そして多くの場合、前
年度からの継続テーマであるので、前年度の卒論を渡しそれを読ませる。新しいテーマに
ついても、前年度(またはそれ以前)の論文で関連するテーマのものを読ませる。1∼2
週間後、読んだ卒論について研究室内で発表させる。これは就職試験対策を兼ねている。
平行して、研究室内のパソコン環境の設定と使い方を教える。最近はOS(Windows)
のインストールから行わせている。次にC言語による画像処理プログラミングの基本につ
いて教える。画像データファイルを読み込み、簡単な画像処理(反転や2値化処理)をし、
画像データとしてファイルに保存するようなプログラムである。このプログラムをベース
にし、画像処理の部分を目的(テーマ)に合わせて作成すればよいことを教える。
導入期は5月の連休明け頃までである。
(2)準備期
導入期を終わると、学生は自分で勉強しながらパソコンに慣れ、プログラムを書き出す。
プログラミングの能力は学生により個人差があり、能力の低い学生については一緒にプロ
グラムを作成する。能力の高い学生はどんどんプログラムを書くが、より効率的なプログ
ラムの書き方を教える。
準備期は6月頃、就職の内々定が得られるまでを目安としている。進学者の場合は、試
験時期によりもう少し遅くなることがある。
(3)発展期
目標とする処理を行うプログラムが徐々にでき、結果がでてくる。機会を見て、それぞ
れの卒研テーマでの目標について再度説明する。結果が出てくるようになると、目標とす
ることがよく理解できるようになる。学生の能力や進度状況によっては、目標とするレベ
ル・内容を変更することもある。必要に応じ、参考になる文献を紹介し読ませる。
11 月頃、学科で卒業研究の中間発表を行う。ここで研究の目的、方法、結果、今後の課
題等をまとめるので、今後やることがより明確になってくる。
(4)まとめ期
卒業研究のまとめとして、研究内容を発表し、卒業論文としてまとめる。発表会ではB
5で1ページの予稿を書かせるが、1ページにすることが難しいようである。必要なこと
が入っていなかったり、あまり重要でないことが入っていたりする。何度か書き直しさせ
る。卒業論文は最低 30 ページとし、基本的に勉強したこと、やったことを全て整理して書
くようにさせている。論文全体の構成と、内容については特に結果の図・表および評価や
考察についてチェックし、必要であれば書き直しさせる。
4.まとめ
電気工学科の卒業研究の概要と、橋本研究室の状況について述べた。特にこれといってアピ
ールできる点はないが、卒業研究では目標を明確にし、学生に「おもしろそうだ、できそうだ」
と思わせることが重要と考えている。
4
A3
卒業研究と就職・進学との関連
制御情報工学科
落合
積
1.はじめに
制御情報工学科は、機械系、電気電子系および情報系を柱とする学科であり、本科に所
属する教員もそれぞれ機械系、電気電子系および情報系を専門分野とする。卒業研究の配
属において、学生自身が希望する分野やテーマはあるものの、各研究室への配属人数には
限度があるため、必ずしも第1希望の研究室に配属されているとは限らない。
そこで,本報告では、学生の研究室配属希望状況および配属された研究室の専門分野と
その後の進路にどのような関連があるかを、限られたデータ(平成11年度,平成16年
度および平成17年度)を基に調査した結果を述べる。
2.卒業研究配属希望
制御情報工学科では、卒業研究の配属は、5 年次初めに各研究室の受入れ人数を提示し、
希望調査を行う。定員を超える希望者がある場合には、推薦順位(3、4年の優の数の平
均)を考慮して上位の学生から配属することとしている。
平成11年度、平成16年度および平成17年度の卒業研究配属希望調査データを基に、
学生の配属希望状況を表 1 に示す。
表 1 卒研配属と希望順位(5 年配属時点)
年度
11
16
17
教員数 学生数
7
26
1
4
1
4
平 均
機械系
7
32
電気電子系
1
5
情報系
1
4
平 均
機械系
7
28
電気電子系
1
4
情報系
2
4
平 均
機械系
電気電子系
情報系
第1希望
77%
100%
100%
82%
75%
100%
100%
80%
79%
100%
100%
83%
第2希望
0%
0%
0%
0%
6%
0%
0%
5%
7%
0%
0%
6%
第3希望
4%
0%
0%
3%
6%
0%
0%
5%
3%
0%
0%
3%
第4希望以降
19%
0%
0%
15%
13%
0%
0%
10%
11%
0%
0%
8%
3.卒業研究の分野と就職・進学
学生が実際に配属された研究室の専門分野と就職・進学率および就職先や進学先の分野
を、表 2.1 から表 2.3 に示す。
(1) 系別就職・進学率
機械系、電気電子系および情報系の各系における就職と進学の割合を表 2.1 に示す。
ただし、平成 17 年度は見込である。
表 2.1 各系における就職・進学率
年度
11
16
17
平均
機械系
就職
64%
71%
62%
66%
進学
36%
29%
38%
34%
電気電子系
就職
進学
100%
0%
60%
40%
25%
75%
62%
38%
5
情報系
就職
0%
50%
12%
19%
進学
100%
50%
88%
81%
配属先研究室の専門分野と就職先業種ならびに進学先学科(系)を表 2.2、表 2.3 に示す。
表 2.2 研究室の専門分野と就職先業種
年度
11
16
17
就職先業種
研究室(教員数)
機械系
電気電子系
情報系
合計
機械系
電気電子系
情報系
合計
機械系
電気電子系
情報系
合計
(7)
(1)
(1)
(7)
(1)
(1)
(7)
(1)
(2)
表 2.3
年度
11
16
17
進学先学科
研究室(教員数)
機械系
電気電子系
情報系
合計
機械系
電気電子系
情報系
合計
機械系
電気電子系
情報系
合計
(7)
(1)
(1)
(7)
(1)
(1)
(7)
(1)
(2)
学生数
16
4
0
20
22
3
2
27
14
1
1
17
機械系
6%
0%
0%
5%
14%
67%
0%
19%
27%
0%
100%
29%
就職先業種(各系の内数)
電気電子系 情報通信系 サービス
6%
38%
19%
0%
50 %
25%
0%
0%
0%
5%
40%
20%
5%
31%
27%
0%
0%
0%
0%
100%
0%
4%
33%
22%
7%
47%
13%
0%
100%
0%
0%
0%
0%
6%
47%
12%
その他
31%
25%
0%
30%
23%
33%
0%
22%
6%
0%
0%
6%
研究室の専門分野と進学先学科(系)
学生数
9
0
4
13
9
2
2
13
9
3
7
19
機械系
11%
0%
0%
8%
22%
0%
0%
15%
0%
0%
0%
0%
進学先学科(各系の内数)
電気電子系
情報系
システム
0%
0%
56%
0%
0%
0%
0%
25%
75%
0%
8%
61%
11%
11%
34%
0%
50%
0%
0%
100%
0%
8%
31%
23%
0%
11%
78%
0%
0%
67%
0%
86%
14%
0%
37%
53%
その他
33%
0%
0%
23%
22%
50%
0%
23%
11%
33%
0%
10%
4.考
察
(1) 配属希望
8割以上の学生が第1希望で配属されている。
(2) 就職・進学
就職・進学率は、研究室の専門分野別に見ると、情報系研究室の学生は、機械系、電
気電子系研究室の学生に比べて進学率が高く、増加傾向にある。
就職に関しては、配属研究室の専門分野に関わらず情報通信業が多い。一方、進学に
関しては、機械系研究室の学生は、システム工学系(専攻科を含む)が多いが、情報系
研究室の学生は情報工学系への進学が多い。
5.おわりに
制御情報工学科の研究室配属状況ならびにその後の就職・進学状況について述べた。
進学に関して、システム工学系を希望する学生が多いものの、情報工学系を希望する学
6
A4
高専における研究のあり方の一事例
物質工学科
(当日、配布)
7
深川
勝之
語りの技法によるビートルズのディスクール(歌詞)分析
A5
一般科
福屋利信
1.はじめに
ビートルズの歌詞は、前期と後期とでは著しく異なる。前期、ロックンロール・バンドと
してのビートルズは、ティーンネイジャーなら誰でも体験するラブソングをおおらかに歌っ
た。後期は、社会的メッセージ性を帯びる曲が大半を占めるようになり、ロックンロール・
バンドから、アメリカ対抗文化(counter-culture)の洗礼を受けた重厚なロック・バンドに
成長している。こうした常に変化していこうとするビートルズのポジティヴな姿勢が、彼ら
の音楽に普遍性を与えている要因のひとつである。
本研究の目的は、ビートルズのディスクール(歌詞)における語り手の視点の変化を、最
新の電子コーパスの力を借りて言語学的に検証しようとする。
2.方
法
ビートルズのアルバムを以下のように前期と後期に分けた。
前期:ア・ハード・デイズ・ナイト
ビートルズ・フォー・セール
ヘルプ!
ラバー・ソウル
後期:リボルバー
サージェント・ペッパーズ
ホワイト・アルバム
アビー・ロード
次に、語りにおいて(ビートルズにおいては歌いにおいて)、人称代名詞“I”が使用され
ている頻度を、電子コーパスを使用してコンコーダンス分析した。
3.結
果
“I”が使用された回数
*(
)内は全語彙数に対する比率(%)
ア・ハード・デイズ・ナイト:184(9.2)
ビートルズ・フォー・セール:131(10.7)
ヘルプ!:154(7.2)
ラバー・ソウル 183(7.3)
4.考
リボルバー:99(4.6)
サージェント・ペッパーズ:73(3.2)
ホワイト・アルバム 131(3.4)
アビー・ロード 58(3.4)
察
歌い手(ビートルズ)が歌の主人公を“I”と称して歌うとき、その“I”は、語りの技法で
言えば一人称の語り手ということになる。しかし、自作自演のビートルズにおける“I”は、
一人称の歌い手であると同時に歌い手本人であることも多い。さらには、聞くものが容易に
自分と同化し得る“I”である。なぜなら、前期のビートルズの曲のほとんどは、誰もが経験
する恋愛がテーマであったからである。すなわち、この“I”は、editorial-we に近く、聴
き手の誰もが歌の主人公になった気分で口ずさめることを可能にしている。後期のアルバム
群と比べた際の、前期のアルバム群における“I”の使用頻度の高さは、専門的に言えば、聴
き手がビートルズの歌を通してビートルズと恋愛感情を共有できるコンテクストが構築され
8
ていると言えよう。
それに対して、後期のアルバム群では、人や場所の表現は固有名詞の使用が圧倒的に多く
なる。(前期のアルバム群においては、「固有名詞」の使用はミッシェルのみ)。このことは、
歌い手であるビートルズが、すべてを見渡せる視点から、聴き手に物語を語る全知の語り手
(omniscient narrator)の役割を担う傾向を示している。その傾向は、ビートルズの歌が客
観性を増し、聴き手の知的感性を刺激したり啓蒙することを目的とするディスクール(歌詞)
に変化したことを反映していよう。このディスクールの変化に対応して、速やかにロマンテ
ィックな恋愛の語り部からシュール・リアリスティックな吟遊詩人的語り部へと移行した言
語的感受性の鋭さこそ、レノン=マッカートニーのコンビが、こんなにも成功した理由のひ
とつである。
今回のディスクール分析は、ビートルズの曲に使用される言葉の変化について、明確なパ
ターンを抽出し、前期と後期の間の際立った相違を提示した。ここで示した一般性から個別
性への移行、主観性から客観性への移行は、ビートルズの言語使用が洗練さと芸術性を増し
たことを立証している。
引用文献
Beatles. A Hard Day's Night. EMI, 1964.
-------. The Beatles For Sale. EMI, 1964.
-------. Help!. EMI, 1965.
-------. Rubber Sole. EMI, 1965.
-------. Revolver. EMI,1966.
-------. Sergeant Pepper's Lonely Hearts Club Band. EMI, 1967.
-------. The Beatles. EMI, 1968.
-------. Abbey Road. EMI, 1969.
Coleman, Ray. Lennon-The Definitive Biography. London: David Grossman Literary Agency,
2000.
Miles, Barry. Paul McCartney: Many Years From Now. London: Random House, 1997.
Sheff, David. All We Are Saying: The last major interview with John Lennon and Yoko Ono.
New York: St Martin's Press, 2000.
Wiener, Jon. Gimme Some Truth: The John Lennon FBI Files. Berkeley: University of California Press,
1999.
9
P1
高専祭を担当して
機械工学科 城戸秀樹
1.はじめに
最近、学生主催の大学祭や学園祭が行われなくなっているという話を聞く。学生の自主性
や責任感といったものが欠如してきていることが原因であろうか。学生の気質が変化してき
ている今、学生の指導・支援方法を考えていく必要がある。昨年度の高専祭を例として、私
が感じたことを述べる。
2.準備段階
高専祭は、40名程度の実行委員で行った。実行委員を、
「企画」
、
「デコレーション」、
「バ
ザー・展示」
、
「ライブ」
、
「会計」、
「広報」、
「ホームページ」といった部門に振り分け、それぞ
れの部門で部門長(責任者)を決定した。各部門の仕事を以下に簡単に説明する。
• 「企画」
:メインステージで何を行うかを決める。各実行委員が一個程度の企画を担当
し、企画書、台本の作成、必要物品の準備等を行う。
• 「デコレーション」
:正門、裏門、舞台となるトラック等の飾り付けを行う。
• 「バザー・展示」
:バザーの場所の振り分け、当日必要なテント、机、椅子等の物品配
布や、クラブの展示等を行う。
• 「ライブ」
:ライブステージの設営、参加バンドの調整等を行う。
• 「会計」
:各部門への予算の分配等お金の管理を行う。
• 「広報」
:ポスターやパンフレットの作成を行う。
• 「ホームページ」:ホームページの作成、更新を行う。
最初に、テーマを『千紫万紅』とし、全てを和風で行くことを決めた。次に、予算の配分
を決定し、各部門毎に準備を始めた。しかし、準備の進行は、授業、学校行事や、さまざま
な理由で予定より遅れた。
企画部門は、企画書や台本の作成が遅れたため、全体のリハーサルの回数が少なくなり、
全体の進行を把握できなかった。これは、部門長が自分の担当企画を持ち、他の企画部門の
実行委員の進行具合を把握できなかったことにより起こった。したがって、部門長は自分の
担当企画を持たずに、全体を把握することを第一とするのが好ましい。
デコレーション部門は、計画性が足りず準備が遅くなり、準備終盤は夜遅くまで作業をす
ることになった。部門長が自分の頭の中だけに完成図を持っており、他の実行委員にそれを
伝えなかったために、時間があっても部門長がいないと作業が出来ないといった事が多々起
こった。最初に部門全員に完成したイメージを持たせる必要がある。
バザー・展示部門は、寮食堂への調理協力の禁止などで多少の問題は起こったが、比較的順
調に準備できた。
ライブ部門は、担当の実行委員が野外でやりたいという希望を出してきて、近所への騒音
や雨対策といったことが、最後まで心配であった。騒音問題については、リハーサルを行う
10
前後、高専祭の直前にご近所を回り、お願いとお詫びを行った。ご近所の方々は、寛大な方
が多く、反対に応援していただいた。終了後、回った時も、ほとんど苦情はなかった。雨対
策については、多少は行っていたが、全く不完全なものであった。企画書の段階では、雨が
降っても大丈夫との事であったが、実際は雨が降っていたら中止しなければならず、ちゃん
とした企画書を作らせるように指導すべきであった。
広報部門は、パンフレットに載せるスポンサーから苦情があり、対応が大変であった。完
成してきたパンフレットの誤字をみんなで訂正し、その労力はスポンサー料に比べ大変大き
かった。このような理由で、スポンサーを集めるかどうか良く考えさせる必要がある。
3.高専祭
準備段階ではいろいろ問題が起きたが、高専祭当日は各企画、バザー・展示、バンドなど順
調に進行できていた。学生の本番の強さには驚かされた。また、最初はばらばらであった実
行委員が、みんなで高専祭をやり遂げ、最後には一つになっていたように思う。
会計の締めが年度末まで伸びてしまい、業者の方々には大変迷惑をかけることになった。
高専祭を今後も続けるためにも、早めに会計の締めを行うようにしなければならない。
4.反省会
高専祭終了後、実行委員長や各部門長と反省会を行った。そのときに挙げられた反省点は
以下の通りであった。
• 人数のカウントがうまくいかなかった。
• 高専祭は文化部をもっとアピールしたい。
• パンフレットの案内と広告の区別がつきにくい。
• 開会式に参加する高専生が少ない。アピールを早い段階で行う。
• 学生会執行部と高専祭実行委員は別の方が好ましい。
• 実行委員の人数をもう少し少なくして、まとまったほうが良い。
このような意見は毎年出ているようで、なかなか解決は難しい。引継ぎ会などをきちんと
行い、できるだけ良い方向に行くように支援する必要がある。
5.まとめ
各部門長が自分の仕事を責任を持ってやらなかったので、実行委員長にかなりの負担がか
かることになった。これは、部門長を決定したときに、部門長の仕事をきっちり説明してな
かったために起こったと思われる。よって、実行委員長の最大の仕事は、各部門長に信頼で
きる人物を任命することである。学生主事補の担当が決定する時点で、すでに実行委員の役
割が決定していることもあるので、次年度の実行委員長に説明しておく必要がある。
今後、さらに学生主催の行事は、難しくなっていく可能性がある。まだ、宇部高専の学生
は、学生会や高専祭といった行事を行いたいと言ってくれているので、うまく指導・支援し
ていきたい。
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P2
進路選択を主眼とする学生指導の中等教育機関等との比較
研究
電気工学科・学科長・藤本
勉
1.はじめに
平成 17 年 5 月に、新規高卒者の採用について企業総数 2,332 社の約半数は、業績がよく
なっても採用増や復活を考えていないとの調査結果が報告された 1),2)。その理由として「大
卒者で必要な人員を充足できる(61.3%)」、「高卒者の育成に時間をかけられない(29.4%)」
、
「パート・アルバイト、派遣、請負を活用(27.3%)」の外に、高校生自身の「質の低下」を
指摘する企業が多いことを述べている。
今年度、電気工学科生に対する求人数は激増したが、その中には、いわゆる工業高校の
乗換え採用が漸増していることが指摘できる。
平成 16 年 11 月に企業の求人来校の開始、4 年生の最終日である 3 月 4 日に第 1 回進路
希望調査の実施、春休み中の個別面談、5年生の初日である4月6日に第2回進路希望調
査の実施、随時面談をして志望企業を決定した。7月中旬には就職希望者 30 名全員の採用
が内定して、電気工学科における平成 17 年度の職業紹介は完了した。
今年度は、学科長宛に推薦依頼書とともに、①志望動機、②その会社で何がしたいのか、
あるいは何ができると考えているか、③在学中に、取り組んだものは何か、④自己PR、
を記載したものの提出を求めた。採用試験受験後は、受験感想文(無記名)を求めている。
本報告は、これらを要約して今年度の進路指導を総括する。
2. 「なぜ、その会社に入りたいのですか?(志望動機)」
多くの学生にとって、名前も知らない企業に自分のその後の人生・生活設計を委ねる決
・会社の事業内容に興味を持った:15(名)
・会社の基本理念、経営理念に共感を持った:6
・会社の name value に惹かれた:4
・地元の企業で働きたい:2
・インターンシップを通じて会社内の様子を知り、好感を持った:2
・専門研修など教育制度の充実ぶりに魅力を感じた:2
・家族が働いている・高専の授業内容がきっかけになり、職種から企業選択した・先輩のすすめがあった
:各 1
断をすることになる。両親・家族の支援が期待できないケースが多く、ほとんど、学科長
など学校側の提案により応募企業を決定することになる。提出書類、面談をもとに「学生
が、何がしたいのか」を探り、それに対して「何々をする会社である」、「どういう仕事・
職種である」さらに「その企業は将来を委ねることができる」などを来校した採用担当者
との面談、企業業績、過去の採用実績、さらに(学校推薦=単願であるため)採用確実度な
どをもとに企業を提案することになる。
3. その会社で「何がしたい、何ができる」と思っていますか?
今年度は、中国特需・団塊の世代の大量定年を控える(化学)製造業からの求人が多く、
結果として製造現場勤務を希望するものが多い結果になった。工業高校卒の場合は、生産
技能職が多いが、高専卒に対しては生産技術職(プロダクションエンジニア)の求人であ
る。共にものづくり現場への配属であるが、技能職より高度の専門知識・技術が求められ
る。一方、研究・設計・開発希望者は、院卒・四大卒の配下に留まることになるであろう
か。今年度、電気工事業、サービス業の希望者はいなかった。
12
「何がしたい」
(現場派):16(名)
・実際に電気機器(電動機、発電機、ボイラーなど)を扱う仕事がしたい
・電気機器の整備・点検・安全管理に関わる仕事
・希望企業の有力販売製品に携わる仕事
・オリジナル製品を作りたい
(デスクワーク派):7
・生産技術向上のための研究開発
・先端製品についての研究開発
・コンピューターシステムの設計
(その他):2
・その企業に就職できるのであればどのような仕事でもよい
「何ができる」
・アルバイトの経験から得たものを生かすことができる
(周囲とのコミュニケーション力を仕事仲間とのチームワーク作りに生かす)
(注意力、観察力で仕事を安全にこなすことができる)
・専門力を生かして電気設備の管理をし、より安全で効率のよい作業を助ける
・何事も途中であきらめず最後までやり通すことができる
4.(成績、クラブ活動、資格、インターンシップ、アルバイト、趣味など)「自分はこれをし
た、これができる」というものは何ですか?
・クラブ活動:14(名)
(スランプを乗り越える力を得た、努力する大切さを知った、目標設定し達成に向け頑張る事の大切さ
を知った、協調性や指導力がついた、途中であきらめず最後までやり通せた)
・アルバイト:9
(働いて報酬をもらうまでの大変さ・嬉しさを知った、責任感がついた、チ
ームワークの大切さを学んだ)
・インターンシップ:8 (仕事、社会の厳しさを知る事ができた、責任感を学んだ)
・資 格:2 (初級システムアドミニストレータ)
・寮生活:1 (周囲の人間と協力して生活する大切さを学んだ)
・その他:7 (文化祭でのステージ責任者、高専祭での実行委員、ロボコン出場、高専生活で責任感が
ついた、学外でのスポーツクラブに所属し活動した、学生会活動)
5.その会社に「自分のここを買って(評価して)ほしい」というものは何ですか?
・目標に向け前向きに一生懸命努力することができる
・周囲とのコミュニケーション能力、協調性、自分の言いたいことを的確に伝える表現力
・粘り強い性格、根気よさ、忍耐力、最後まで物事をやり通すことができる
・好奇心旺盛なところ、積極的に誰とでも仲良くできる
・やる気、向上心
・今まで誰もやったことのないことに挑戦するチャレンジ精神
・肉体的、精神的な強さ
・システムエンジニアに必要な基礎知識を学生生活中に学んだこと
6.むすび
紙面の都合で詳細は当日述べるが、現状「質の低下」を指摘せざるを得ない場面がある。
卒業後の進路を見据えて、日々の学生生活を送るように指導することが求められる。
参考文献
1) 佐藤・原・佐野・上西・堀田:新規学卒採用の現状と将来― 高卒採用は回復するか ―、労働政策研究報告
書 No.28、独立行政法人労働政策研究・研修機構(2005・5・19)
2) asahi.com:「高卒増やさず」が半数 業績回復後の採用予定調査 - 就職・転職 -(2005・6・9)
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P3
吹奏楽部顧問としての歩み
制御情報工学科
三宅
常時
吹奏楽部の顧問の引き受けは平成4年が最初であった。当時は音楽部と言う名前であっ
た。その後、3年間遠ざかり、平成8年(1996)から再び顧問となった。
最初はどのように指導してよいか分からないので、1年間様子を見ることにした。以下は
当時の1年間のスケジュールである。
4月
7月
8月
11 月
1月
3月
入学式で演奏
野球応援、合宿
全日本吹奏楽コンクール山口県大会
高専祭
西日本高専音楽祭
卒業式で演奏
平成8年の新入部員は2名であった。全日本吹奏楽コンクールは平成8年は不参加であっ
た。部員は十人そこそこであった。部活動は大変低調であり、部室には練習する学生は皆
無であった。新入部員2名は、7月に部を辞めると言ってきたが、何とか口説いて居ても
らった。野球応援では部員数が少ないので迫力のある演奏は出来なく、またお茶をなぜか
吹奏楽部には配給されず、すぐにバテてしまった。楽器を吹くには水分補給が重要であこ
とが認識されていなかった。高専祭を何とか過ごした。
音楽祭は大島商専、呉高専、徳山高専、宇部高専の4高専で行なわれてる。平成8年の
会場は、シンフォニア岩国で大変立派な会場である。音楽祭では全く練習が出来てなく大
変であった。当時の部の実力は4高専中最低であり、吹奏楽を演奏出来る状態では無かっ
た。一番実力がある 呉高専がまぶしく見えていた。
平成9年から全日本吹奏楽コンクール山口県大会に再び参加をすることにした。指揮者と
して OB に来てもらうことになった。今もそうだが、前期の最大の行事はこのコンクール
である。合宿をすることになり、奥湯田のユースホステルで行なった。部員が十数人なの
で出来たのであった。コンクールは宇部市渡辺翁記念館で行なわれた。大学 B 部門で参加
した。部員数も少なく、実力も無いので、あまり難しくない曲を選曲して臨んだが、見事
に銅賞であった。部員皆大きく落胆したのである。
平成 10 年のコンクールは頑張ろうと、曲も少しレベルを上げて練習した。徳地青年の家
で合宿を行なった。部員も少し増え、楽器の数も増加した。青年の家まで、ティンパニー3
台を含め 2ton トラックで運んだ。会場は美祢市民会館であった。銀賞を頂いた。部員皆ほ
っとしたのである。大学部門の審査は高校の部門に比べ 1 ランク厳しい。この当時金賞は
夢の中の夢であった。平成 11 年からのコンクールはマンネリ化していった。合宿は例年2
泊3日で行なっている。平成 12 年(2000)に部名を音楽部から吹奏楽部へ変更した。活
動内容を内外に分かりやすくするためである。
以下に全日本吹奏楽コンクール山口県大会大学 B 部門の成績を示す。
平成 8 年
光市民ホール
不参加
平成9年
宇部市渡辺翁記念館
銅賞
平成 10 年
美祢市民会館
銀賞
平成 11 年
徳山市文化会館
銀賞
14
平成 12 年
平成 13 年
平成 14 年
平成 15 年
平成 16 年
宇部市渡辺翁記念館
防府市文化会館
山口市民館
シンフォニア岩国
萩市民館
銀賞
銀賞
銀賞
銀賞
金賞
平成 16 年に念願の金賞を頂いた。コンクールに於ける賞というのは、順位ではない。全
日本吹奏楽コンクール大学部門としての演奏が金賞に値するかどうかである。宇部高専吹
奏楽部の演奏が大学部門の金賞レベルに達したことを意味した。
【 野球応援について 】
毎年 7 月に高校野球応援を行なっている。野球応援は、コンクール前になるので、吹奏楽
部としては大きな負担である。しかし、一旦応援を行ないだすと、部員は演奏に燃えてく
る。愛校心が湧いて来るのだと思う。最近は宇部球場が多いが、下関球場または西京スタ
ジアムまで楽器を 2ton トラックで運んでいる。平成 8、9年の頃に比べ野球応援の演奏法
も上達してきている。最近では、流行りの曲に加え、吹奏楽部で楽譜を書いて応援が盛り
上がるように工夫している。
【 合宿について】
平成 10 年8月に秋吉台国際芸術村が完成したので早速利用した。国際と名乗るだけあり音
響関係は充実している。部員数が増えてくると、それなりの大きさの部屋と音響設備は必
要になる。さらに宿泊施設やレストランもあり、他に吹奏楽の練習が出来る施設は見つか
らない。しかしながら、合宿の初めと終りには、学校と芸術村の間を楽器と学生を運ばな
ければならないのは一苦労である。合宿ではコンクールの曲を究めるのが目標であるが、
初心者のレッスンや木管・金管などのパート練習も重要な項目である。さらに外部から講
師を呼んで集中的にレッスンを行なっている。楽器を奏でる場合、楽器によって奏法は全
く異なる。例えば 1 枚リードの楽器であるであるクラリネットとサキソフォンは同じよう
に奏法出来るように一般的に思われるが、アンブシャーや息の吹き込み方は両者で全く異
なる。そのためクラリネットを吹くことが出来る人がサキソフォンの奏法を教えることは
出来ないのである。3 日間は朝 9 時から始まり夜 10 時まで、昼と夜の食事の時間を除いて
練習が行なわれる。合宿から復路は皆疲れ果てている。
【 西日本高専音楽祭について】
前記したように、音楽祭は4高専で行なわれてる。開催地は遠くは呉市から、岩国市、徳
山市、宇部市で開催される。部員の楽器を 2ton トラックで運搬するのであるが、これが大
変である。以前は大島商船で開催された時、大畠駅からチューバを背負って大島商船まで
歩いて行き演奏した後、チューバを背負って帰ったこともあると OB から聞いている。吹
奏楽部において音楽祭は、後期の一つの大きなイベントである。プログラムは、各高専 20
分∼25 分程度演奏し、最後に合同演奏がある。宇部高専は、クラシック曲を2曲とポピュ
ラー曲を2曲で例年構成している。合同演奏は各高専の部員がほとんど参加するため、130
名∼140 名の合奏となる。これだけの人数の収容が可能なステージを持つ会場は限られてく
る。音楽祭は2日間で行なわれるが、リハーサルは殆んど合同演奏の曲を行なう。今まで
2回主管を経験した。合同演奏の曲は難度の高い曲が2曲選ばれる。曲の割り振りをする
のが大変である。4高専の部員の能力を考えて割り振りを行なわないと、演奏が出来なく
なるからである。加えてこの人数の演奏する舞台設定も大変である。しかし合同演奏が始
まるとその迫力は凄いものがある。なにしろコンクールで出場する最大人数の3倍程度の
人数で演奏するのである。学生はこの魅力に取り付かれ毎年音楽祭を楽しみにしている。
15
【 定期演奏会について】
平成 16 年のコンクールで金賞を受賞した。その勢いで第1回宇部高専吹奏楽部定期演奏
会をすることになった。
「いつかは定期演奏会を」をスローガンに、吹奏楽部として長年の
夢であった。定期演奏会を実行できることは吹奏楽部として 1 人前になったような意識が
ある。定期演奏会は全てを自ら用意しまければならない。会場の予約にはじまり、パンフ
レット、ポスター、舞台設定、新聞社への広告、エキストラの依頼、楽器の搬入搬出など
多くの準備を必要とする。定期演奏会は 1 部と 2 部から構成される。1 部はクラッシク又は
吹奏楽曲を演奏する。曲数は4∼5である。2部はポピュラーな曲を 6∼8 曲用意する。加
えてアンコール曲を 2 曲用意する。コンクールでは1曲を4ヶ月かけて練習するが、定期
演奏会では全ての曲を6ヶ月で準備する。演奏時間は 2 時間で、1 部と 2 部の入れ替えに
15 分程度休憩を入れている。第1回定期演奏会は 1 月末に湖水ホールにて行った。宇部吹
奏楽団からエキストラが 5 人参加して頂いた。入場者数は 130 人を超える数であった。定
期演奏会を終えた時には部員皆感激していた。
【 アンサンブルコンテストについて】
平成 15 年からアンサンブルコンテストに参加をすることにした。アンサンブルコンテス
トは3∼8人で演奏を行う。この年までは合奏しか行ってこなかった。部員の数が増すに
つれて各個人の能力差は大きくなってきている状態では、合奏曲の難易度をあまり上げる
ことが出来ない。部員の不満を吸収するため、能力がある程度同じ奏者集まることが出来
るアンサンブルコンテストに参加を決めたのである。全日本アンサンブルコンテスト山口
県大会と厚狭地区アンサンブルコンテストに参加している。全日本アンサンブルコンテス
ト山口県大会は各団体の代表的な奏者が出場するのでレベルは高い。全日本吹奏楽コンク
ールよりも全日本アンサンブルコンテストで全国へ行きたいと思う部員も少なくない。平
成15年度の全日本アンサンブルコンテスト山口県大会は不運に見舞われた。開催日時が
突然変更になり、西日本高専音楽祭の日程と同じになってしまったのである。この年は西
日本高専音楽祭の主管校が宇部高専であったため、泣く泣く諦めたのである。しかし厚狭
地区アンサンブルコンテストには4団体が出場をした。
【 ソロコンテストについて】
ソロコンテストへの出場を平成 15 年から始めた。目的は部の中で指導的な部員を養成す
るためである。独奏はピアノの伴奏はあるものの全て自分で音楽を作る必要があり、合奏
やアンサンブルで必要とされる能力を超えたの能力が必要とされる。例えば、今年中国ユ
ース音楽コンクールへ出場を予定しているトロンボーンでは音域を 4 倍に広げる必要があ
る。ソロコンテストへ出場した部員はその後大きく成長する。さらに、指導的な役割を自
ら担うようになる。
【 まとめ】
吹奏楽部を担当した当初部員は 10 名程度であったが、現在は 40 名を超える部に発展して
来ている。吹奏楽部の活動を通して、人間関係を学び自己を高める楽しさを学んでほしい
と思っている。生きている以上人のコミュニケーションは必要であるし、社会で仕事をす
るには一人では出来ないことは学生も良く心得ている。合奏やアンサンブルは人との演奏
を基本にしており、人間関係を作っていく必要がある。独奏は全てを自分で表現する必要
があり、自己を高めるのに天井は無い。物や遊びはやがて飽きてくるが、自己を高める行
為はやればやるほど楽しくなってくる。学生の楽しんでいる姿に力を頂いて、毎日歩んで
いる。
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P4
スポーツゲームを科学する
:サッカーゲームにおける得点シーンの分析と指導での活用
一般科
○藤岩秀樹,岩元修一,電気工学科
西田克美,光本真一
1.はじめに
本校のサッカー部では,毎年,多くの部員が在籍し,自らが掲げた目標を達成するべく
日々トレーニングに励んでいる。また,年間を通じて公式試合のみならず,数多くの練習
試合を実施し,すべての部員に対してトレーニング成果発揮の場を提供している。これら
の試合は可能な限り映像として記録し,編集・分析したうえで,反省材料としてチームミ
ーティングの場面で活用している。このような一連の作業には手間隙を要するが,スポー
ツ(サッカー)の“楽しさ”だけでなく,“面白さ”を伝えるという観点からも大いに役
に立っている。また学生にとっては,スポーツ活動のみならず,漠然とした現象を客観的
(科学的)に捉え,取り組みに反映させていくという方法論を身近に学ぶことにもなり,
意義あるものになっている。
本報告では,実際のクラブミーティングで使用したサッカーゲームにおける得点シーン
の映像と資料をもとに,スポーツゲームをどのように分析し,指導に役立てているのかに
ついて紹介する。
2.方 法
2.1.分析対象
ここで取り扱う内容は,2004 年 3 月から 8 月(2004 シーズン),ならびに 2005 年 3 月
から 6 月(2005 シーズン途中)までの期間に本校サッカー部が実施したゲーム(公式試合,
練習試合)のうち,対戦が双方のトップチーム(控え選手主体のチーム編成ではないもの)
により行われた 27 試合,計 65 ゴールとした。
2.2.ゲームの記録と分析項目
対象ゲームは全て VTR(SONY デジタルビデオレコーダー:DCR-TRV50)に記録した。
さらに試合毎に 4 名の部員がゲーム中のチームパフォーマンス(ボールゲット及びボール
ロス位置,ボールタッチ数)について記録し補足した。これらの記録をもとに改めて VTR
を再生,編集し,以下の項目について分析を行った。
1)得点の内訳(オープンプレー,セットプレー,オウンゴール)
2)得点者のポジション
3)得点に至った攻撃の開始位置
4)得点に至る攻撃に要した時間
5)得点に至る攻撃時のパス数
6)得点に至るシュート時のタッチ数
7)得点となったシュートが打たれた地点
3.結果の一例
各表および図には,
「2004 シーズン」における得点シーンの分析結果の一部を示した。
相手チームからボールを奪い,得点に至るまでの所要時間は 10 秒以内が 51.6%,15 秒
以内では 83.9%に達していることがわかる(表 1)
。また,その際のパス数についてみると
2 本以内が 54.9%,4 本以内が 87.1%であることがわかる(表 2)
。さらにフィールドのど
の位置でボールを奪い得点に至っているのかみると,中盤(Middle Third)の位置が最も
多く実に 58.1%に達していることなどがわかる(図 1)。
17
このように漠然と記録されている VTR の映像からスポーツゲームの局面を定量的に捉
えてやることで,チームのある一定の傾向を探ることができ,
「どのようにゴールを奪うか」
という、いわゆる「戦術」の裏づけとして活用することができるものと考える。
〈2004シーズン〉
表1. 得点に至る攻撃に要した時間
〈2004シーズン〉
表2. 得点に至る攻撃時のパス数
時間
得点数
比率
パス数
得点数
比率
0 ∼ 5秒
5
16.1
0
3
9.7
5 ∼ 10秒
11
35.5
1
7
22.6
10 ∼ 15秒
10
32.3
2
7
22.6
15 ∼ 20秒
2
6.5
3
5
16.1
20 ∼ 25秒
1
3.2
4
5
16.1
25 ∼ 30秒
1
3.2
5
3
9.7
30 ∼ 35秒
1
3.2
6
1
3.2
計
31
計
31
オウンゴール1得点は除く
オウンゴール1得点は除く
〈2004シーズン〉
Attacking Third
9 (29.0%)
攻撃方向
Middle Third
18 (58.1%)
Defending Third
4 (12.9%)
オウンゴール1得点は除く
図1. 得点に至った攻撃の開始位置
4.おわりに
本報告では,実際のサッカーゲームをどのように分析し,指導に役立てているのかにつ
いて事例を紹介した。スポーツ競技には「結果(勝敗)
」がついてまわるので,表面的には
このような研究が「勝利」の確立を上げることに役立つのかもしれない。しかしながら,
「勝
敗」よりも,クラブでの活動を通して何を学ばせるのか,どのような人間を育てたいのか,
といったことの方が重要であり,この点についての議論が何よりも優先してなされるべき
だと感じていることを付け加えておく。
18
P5
中小企業と産学連携活動
経営情報学科
木村
弘
1.はじめに
これまで大企業が中心であった産学連携において、中小企業の取り組みが活発化し、各地で
成果が報告されるようになった。中小企業は経営資源の制約の問題もあるため、産学連携によ
る資源の相互補完がもたらす効果が期待されている。
しかしながら、基本となる産学連携のマッチングでの問題を完全に解決する事は困難であろ
うし、技術開発や商品開発に成功したものの、その後の販売が思うように展開できないといっ
た問題が生じている。特に、長期にわたり大企業の下請を営んでいたり異業種に進出したりし
た中小企業では、本業以外での販路を保有していないために身動きがとれず、産学連携の一環
で経営相談やマーケティング面での支援が要請されるようになっている。
そこで本報告では、事例を通じ、中小企業の産学連携に関するいくつかの留意点や産学双方
の役割について考察を行っていきたい。事例となるのは、現時点でも販売促進活動を展開中の
取り組みであるため、その成否というよりも、現実の中小企業と学側組織とがどのような問題
に直面し、どのように克服しようとしているのかという点を重視したい。
2.中小企業の台頭
産学連携の取り組み数は大幅に増加しているが、なかでも産学連携に取り組む中小企業が増
加していることが指摘されている(榊原,2000)。中小企業が産学連携を実施することは、経営
資源の制約を補完することや自律的な経営を目指すためにも大変に意義深いと考えられる。そ
して、中小企業の多くは地域において産学連携を推進するリサーチパーク等を基盤にしたプロ
ジェクトに参画しており、特定の大学等とのみ連携する局所的な関係が形成されていることが
指摘されている(小林,1998)。
その他に中小企業の産学連携を見ると、いまだ学側の敷居の高さや情報開示が十分でなく必
要な情報を入手しにくい状況にあることや、産学連携のメリットを実感できていないことが指
摘されている。提携先としては公設試験研究機関や国立大学が多く、高専や私立大学が少ない
事が判明しているほか、今後の産学連携に望むことして経営相談やマーケティング面での支援
をあげている中小企業があることは重視しなければならない。
3.T&Bの事例
3−1.開発の背景
今回の事例となるのは、宇部高専テックアンドビジネスコラボレイト(T&B)が支援する研究
会で実現した美容シャワーの商品開発である。もとになる技術は、以前にプロジェクトの一員
である(有)バブルタンクで開発された微細気泡の技術であり、この技術を応用して何らかの
商品開発が実現できないだろうかというのが商品開発の始まりであった。この研究会の構成メ
ンバーは中核企業に(株)ミトモが、技術供与する協力企業に(有)バブルタンクが、その他
の実験・研究面等での支援として宇部高専、山口大学工学部、山口県産業技術センターから構
成されている。
プロジェクトの中核企業になったミトモは住宅リフォームを本業とし、その他にシステムキ
ッチン、ログハウス、介護システムハウスなど住宅関連の事業を手がける中小企業である。事
19
業の9割を住宅リフォームに依存するため、シャワーヘッドを生産したり他と差別化した商品
を研究開発したりするだけの設備やノウハウが整っていない。そこで、宇部高専 T&B を中心と
した産学連携を活用し、技術については微細気泡に関するものを移転し、詳細なデザインや実
験等は宇部高専や山口大学および山口県産業技術センターに委託することによって資源の制約
を克服したのである。プロジェクトにおける各参加者の役割分担は明確であり、試作品から完
成品までを約半年という短期間で実現することができた。
3−2.販売促進面での問題
商品の開発に成功したものの、現在、われわれは販売をいかに行っていくのかという問題に
直面している。計画としては、量販店への売り込みだけではなくテレビショッピング、カタロ
グ販売業者等と交渉中であるが、なかでも直接的にわれわれと意見交換しているのは、最近注
目されるようになったセールスレップ企業である。セールスレップとは、自社の代わりに商品
の売り込みを行う営業活動を外部化することであり、このプロジェクトで取引しているのは、
近年、セールスレップで注目されている(株)東京営業部である。
通常、中小企業が他地域に進出する場合、自社で営業部を設置できないときは代理店に委託
して販売するか商社を通じて販売するが、売上規模が小さいと商社は商品を扱わない。このた
め、地方の中小企業やベンチャー企業は大規模な市場を抱える首都圏への進出を断念せざるを
えない。東京営業部では、首都圏に拠点を持たないこうした地方の中小企業やベンチャー企業
の営業活動の代行を事業内容としているのである。また、成功報酬型の制度をとっているため、
地方の中小企業は首都圏進出のリスクを抑制しながら営業展開を迅速かつ的確に進めることが
できる利点がある。
われわれは東京営業部に商品販売の支援を得ることによって、地方の中小企業が本業だけで
は進出しえない首都圏での販売を試みようとしている。ここで気をつけなければならないのは、
この制度を利用すると簡単に営業活動が実現すると思いがちであるが、やはり商品そのものに
魅力がなければ売れるはずもなく、さまざまなリスクを負うのは販売元の中小企業であるとい
うことである。
4.考察
事例から、中小企業が産学連携を推進する上でいくつかの留意点を導出することができる。
第一に、T&B の企業に対する敷居の低さである。過去の中小企業白書等では、産学連携の問
題として学側の敷居の高さに関する意見が多くあげられている。この点について、宇部高専 T&B
では中小企業に対して技術開発のような込み入った内容だけでなく、簡単な相談から気軽に受
け付けるように留意している点が奏功していると考えられる。
第二に、中小企業が提携相手としてあげることが多い公設試験研究機関を含めた産学官(公)
の三者関係を構築したことである。2003 年度版の中小企業白書では、中小企業の提携先で最も
多かったのが公設試験研究機関であった。つながりの深い両者間の関係に学側の組織も参画す
ることによって、公設機関では扱いきれない問題についても幅広い学術的知識の蓄積から有益
な情報を引き出すことができうる。
第三に、産学連携の発展性や持続性を意識して実現させていこうとしていることがあげられ
る。事例をみると、商品の技術は以前に開発されていた微細気泡に関するものであり、それを
同じT&Bの会員であるミトモに水平的に技術移転させることで技術の応用を行っている。特
にここでは、専有的な技術を保有していない企業に対して産学連携の成果を提供している点に
注目しなければならない。T&Bの他の会員を巻き込んだ取り組みによって、多くの中小企業
の新事業創造に寄与できるだけでなく、高専のような小規模な組織においても多様な分野へと
成果を広げていくことができるからである。このような複数の小規模組織からなる産学連携組
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織では、いくつかの企業とのネットワークを構築することによってイノベーションの源泉とな
る多様性(多面性)を確保しながら継続性を維持することが重要となる。
以上のことから、産学連携において、産側は商品開発などの実務を推進させていく行動力が
重要であることがわかる。一方の学側では、技術を保有してプロジェクトを全般にわたって統
括できることが望ましいが、そうでなくともプロジェクトで扱う技術を水平的に応用でき、成
果が継続的に創出されるような戦略的視点と組織づくりについて提言することも重要な役割で
ある。その他、今後は成果である技術や商品の販売方法や、企画段階から市場を意識した商品
づくりをしていくことが望まれるため、経営学的な視点を導入することの重要性は増してくる
と思われる。
5.おわりに
本報告では、新事業創造に取り組む中小企業が産学連携によってどのように商品開発に成功
し、どのように販売活動を展開しようとしているのかを考察し、この事例から中小企業の産学
連携において注目すべき点や産学双方の役割について考察した。
そして、産学連携によって実現したシャワーヘッドの開発の事例から、中小企業の産学連携
において留意すべき点として、①産学間関係として学側の敷居の低さ、②提携先の選定として
産学官(公)の三者関係の構築、③産学連携の発展性・持続性として技術の水平移転と多面的
な産学間関係をあげた。そして双方の役割としては、産側は実務的な役割の推進を、学側は具
体的な戦略的視野の策定や組織づくりを担うことで相互補完関係を構築することが重要である
と指摘した。
ここであげた留意点はこの事例を通じたものであり、これらがどこまで一般化できるかは今
後の研究に委ねられることになる。事例からもわかるように、商品開発の完了が産学連携活動
の最終地点ではない。その後も、他の技術開発や応用分野を模索したり、販売面では顧客の声
に耳を傾けながら、次なる商品アイデアを創出していくことが必要となる。
参考文献
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総合討論
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