製品速報 最終電気的仕様 LTC3205 マルチディスプレイ LEDコントローラ 2003年8月 特長 概要 ■ LTC®3205は高度に集積化されたマルチ・ディスプレイ LEDコントローラです。このデバイスには高効率、低ノ イズのフラクショナル昇圧/降圧チャージポンプが内蔵 されており、メインとサブの白色LEDディスプレイおよ びRGBカラーLEDディスプレイに電力を供給します。 LTC3205は、完全な3パネル用LED電源と電流コント ローラを構成するのに、4個の小型セラミック・コンデ ンサと2個の抵抗しか必要としません。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 昇圧/降圧フラクショナル・チャージポンプにより最 大92%の効率 1∼ 4LEDの メ イ ン ・ デ ィ ス プ レ イ 、 1∼ 2LEDの サ ブ・ディスプレイおよびRGB LEDのディスプレイ用 の独立した電流/調光コントロール 3線シリアル・インタフェースを使ってプログラム可 能なLED電流 ±0.7%のLED電流のマッチング 低ノイズ固定周波数動作* 最少の外付け部品点数 自動ソフトスタートによる突入電流制限 メイン・ディスプレイとサブ・ディスプレイ用の4つ のプログラム可能な調光レベル RGBディスプレイ用に最大4096色の組み合わせ 低いシャットダウン電流:ICC < 1µA 小型24ピン(4mm × 4mm)QFNパッケージ LTC3205のチャージポンプはVINとLEDの順方向電圧の 状態に基づいて効率を最適化します。このデバイスは降 圧モードで起動しますが、イネーブルされているLEDの 電流源のどれかがドロップアウト状態になり始めると自 動的に昇圧モードに切り替わります。内部回路が、起動 時とモード切り替え時の突入電流と過度の入力ノイズを 防ぎます。 アプリケーション ■ ■ ■ メイン、サブ、RGBの各ディスプレイの最大電流は1本 の抵抗を使って独立に設定されます。各LEDの電流は内 部の電流源によって制御されます。すべてのディスプレ イ の 調 光 と ON/OFFの 制 御 は 3線 の シ リ ア ル ・ イ ン タ フェースを通しておこないます。メインとサブのディス プレイには4つの調光レベルがあり、赤、緑、青のLED には内部のPWMにより16の調光レベルが利用できるの で、結果的に4096とおりの色の組み合わせになります。 携帯電話 ワイヤレスPDA マルチディスプレイのハンドヘルド機器 、LTC、LTはリニアテクノロジー社の登録商標です。 *米国特許6,411,531 LTC3205は24ピン(4mm × 4mm)QFNパッケージで供給 されます。 標準的応用例 4-LEDメイン・パネルの効率 と入力電圧 1µF 1µF 100 90 MAIN DISPLAY VIN SUB DISPLAY RGB ILLUMINATOR CPO 1µF 1µF LTC3205 MAIN1-4 SUB1-2 SERIAL INTERFACE 3 RGB SERIAL PORT IRGB IMS 4 RED GREEN BLUE 2 3 3205 TA01a EFFICIENCY (PLED/PIN) (%) VIN 2.8V TO 4.5V 80 70 60 50 40 30 20 10 FOUR LEDs AT 15mA/LED (TYP VF AT 15mA = 3.2V) TA = 25°C 0 3.0 3.3 3.6 3.9 INPUT VOLTAGE (V) 4.2 3205 TA01b 3205i リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、 その使用に関する責務は一切 負いません。 また、 ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。 なお、 日本語の資料はあくまで も参考資料です。 訂正、 変更、 改版に追従していない場合があります。 最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。 1 LTC3205 絶対最大定格 パッケージ/発注情報 (Note 1) ORDER PART NUMBER GREEN BLUE SUB2 SUB1 MAIN3 MAIN4 TOP VIEW VIN、DVCC、CPOからGND ......................... −0.3V∼6V DIN、SCLK、LD、STEPUP、 ENRGB ...................................... −0.3V∼(DVCC+0.3V) ICPO (Note 4) ........................................................ 250mA IMAIN1∼4、ISUB1、2 (Note 4) ..................................... 50mA IRED、GREEN、BLUE (Note 4) ................................... 100mA IMS、IRGB (Note 4) ................................................... 1mA CPO短絡時間 ........................................................ 無期限 動作温度範囲 (Note 2) .............................. −40℃∼85℃ 保存温度範囲 .......................................... −65℃∼125℃ 24 23 22 21 20 19 MAIN2 1 18 RED MAIN1 2 17 SGND C2– 3 16 VIN 25 C1– 4 15 CPO 9 10 11 12 UF PART MARKING DVCC 8 STEPUP 7 LD 13 IRGB DIN 14 IMS C2+ 6 SCLK C1+ 5 ENRGB LTC3205EUF 3205 UF PACKAGE 24-LEAD (4mm × 4mm) PLASTIC QFN TJMAX = 150°C, θJA = 37°C/W, θJC = 2°C/W EXPOSED PAD IS PGND (PIN 25) MUST BE SOLDERED TO PCB より広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社へお問い合わせ ください。 電気的特性 ●は全動作温度範囲の規格値を意味する。それ以外はTA=25℃での値。注記がない限り、VIN = 3.6V、DVCC = 1.8V。 SYMBOL PARAMETER CONDITIONS MIN TYP MAX UNITS 入力電源 VIN Operating Voltage ● 2.8 4.5 V DVCC Operating Voltage ● 1.5 5.5 V ICC Operating Current ICPO = 0, Step-Down Mode ICPO = 0, Step-Up Mode 50 4.2 µA mA VIN Shutdown Current 1 µA DVCC Shutdown Current 1 µA V V 白色LED電流 (MAIN1∼MAIN4、SUB1、SUB2) IMS Servo Voltage 25µA < IMS < 75µA ● 1.193 1.175 1.223 1.223 1.253 1.271 400 432 Full-Scale LED Current Ratio (ILED/IMS) MAIN1-MAIN4, SUB1, SUB2 Voltage = 1V ● 368 Half-Scale LED Current Ratio (ILED/IMS) MAIN1-MAIN4, SUB1, SUB2 Voltage = 1V ● 184 200 216 mA/mA Quarter-Scale LED Current Ratio (ILED/IMS) MAIN1-MAIN4, SUB1, SUB2 Voltage = 1V ● 92 100 108 mA/mA LED Current Matching Any Two MAIN or SUB Outputs 0.7 mA/mA % RGB LED電流 (RED、GREEN、BLUE) IRGB Servo Voltage 25µA < IRGB < 75µA ● LED Current Ratio (ILED/IRGB) RED, GREEN, BLUE Voltage = 1V 1.193 1.175 1.223 1.223 1.253 1.271 360 400 440 V V mA/mA RGB PWM周波数 RGB LED Switching Frequency RGB PWM (Duty Factor) Range 3.5 0/15 kHz 15/15 % 3205i 2 LTC3205 電気的特性 ●は全動作温度範囲の規格値を意味する。それ以外はTA=25℃での値。注記がない限り、VIN = 3.6V、DVCC = 1.8V。 SYMBOL PARAMETER CONDITIONS MIN TYP MAX UNITS チャージポンプ(CPO) 1:1 Mode Output Impedance 0.8 Ω 2:3 Mode Output Impedance VIN = 3V, VCPO = 4.2V (Note 3) 2.5 Ω CPO Regulation Voltage ICPO = 20mA, 2:3 Mode 4.7 V CLK Frequency 0.6 0.8 1.1 MHz DIN、SCLK、LD、STEPUP、ENRGB VIL Low Level Input Voltage ● 0.15 • DVCC V VIH High Level Input Voltage ● 0.85 • DVCC IIH Input Current DIN, SCLK, LD, STEPUP, ENRGB = DVCC ● –1 1 µA IIL Input Current DIN, SCLK, LD, STEPUP, ENRGB = 0V ● –1 1 µA V シリアル・ポートのタイミング tDS DIN Valid to SCLK Setup 35 ns tDH DIN Valid to SCLK Hold 35 ns tL SCLK Low Time 35 ns tH SCLK High Time 35 ns tLW LD Pulse Width 35 ns tCL SCLK to LD 35 ns tLC LD to SCLK 0 ns Note 1: 絶対最大定格はそれを超えるとデバイスの寿命に影響を及ぼす値。 Note 3: 2:3モードの出力インピーダンスは(1.5VIN−VCPO)/IOUTと定義される。 Note 2: LTC3205Eは、0℃∼70℃の温度範囲で性能仕様に適合することが保証 されている。−40℃∼85℃の動作温度範囲での仕様は設計、特性評価および統 計学的なプロセス・コントロールとの相関で確認されている。 Note 4: 長期電流密度制限に基づく。 標準的性能特性 入力と出力のチャージポンプ・ ノイズ LEDピンのシンク電流と電圧 4-LEDメイン・パネルの効率と 入力電圧 100 90 ILED 3mA/DIV (100% SETTING) EFFICIENCY (PLED/PIN) (%) VIN AC COUPLED (20mV/DIV) VOUT AC COUPLED (50mV/DIV) 0mA 200mV/DIV 3205 G01 ICPO = 150mA VIN = 3.6V CIN = CCPO = 1µF 500ns/DIV 80 70 60 50 40 30 20 3205 G02 10 FOUR LEDs AT 15mA/LED (TYP VF AT 15mA = 3.2V) TA = 25°C 0 3.0 3.3 3.6 3.9 INPUT VOLTAGE (V) 4.2 3205 TA01b 3205i 3 LTC3205 標準的性能特性 2:3モードのチャージポンプの 開ループ出力抵抗と温度 (3/2VIN−VCPO)/ICPO 1:1モードのスイッチ抵抗と 温度 3.2 3.0 OUTPUT RESISTANCE (Ω) SWITCH RESISTANCE (Ω) VIN = 3.3V 0.9 VIN = 3.6V VIN = 3.9V 0.8 0.7 4.8 VIN = 3V VCPO = 4.2V CIN = CCPO = CFLY1 = CFLY2 = 1µF ICPO = 100mA TA = 25°C 4.7 VIN = 3.6V VIN = 3.5V 4.6 CPO VOLTAGE (V) 1.0 2:3モードのCPO電圧と 負荷電流 2.8 2.6 2.4 4.5 4.4 4.3 VIN = 3.1V 4.2 VIN = 3.2V 4.1 VIN = 3.3V 4.0 2.2 VIN = 3.4V 3.9 0.6 –40 –15 35 10 TEMPERATURE (°C) 60 2.0 –40 85 –15 10 35 TEMPERATURE (°C) 3.8 85 60 VIN = 3.0V VINシャットダウン電流と 入力電圧 0.5 1000 1.0 800 TA = 85°C 700 600 2.7 3.0 4.2 3.3 3.6 3.9 VIN SUPPLY VOLTAGE (V) 0.4 0.3 TA = 25°C TA = –40°C 0.2 TA = 85°C 0.1 0 4.5 DVCC = VIN 2.7 3.3 3.6 3.9 DVCC VOLTAGE (V) 3.0 3205 G07 4.5 TA = 25°C TA = –40°C 0.6 TA = 85°C 0.4 0.2 0 2.7 3.0 4.2 3.3 3.6 3.9 VIN INPUT VOLTAGE (V) 4.5 3205 G09 2:3モードの電源電流と ICPO(IIN−3/2ICPO) RGB LEDのオン/オフ特性 10 TA = 25°C IMS = IRGB = 0µA VIN = 3.6V 9 TA = 25°C 8 80 SUPPLY CURRENT (mA) SUPPLY CURRENT (µA) 4.2 0.8 3205 G08 1:1モードの無負荷電源電流と VIN 90 VIN SHUTDOWN CURRENT (µA) FREQUENCY (kHz) DVCC SHUTDOWN CURRENT (µA) VIN = DVCC TA = 25°C 250 3205 G06 DVCCシャットダウン電流と 入力電圧 発振器周波数と電源電圧 TA = –40°C 150 200 100 LOAD CURRENT (mA) 3205 G05 3205 G04 900 50 0 70 60 7 ILED 3mA/DIV 6 5 4 3 0mA 2 5µs/DIV 1 50 2.7 3 3.3 3.6 3.9 INPUT VOLTAGE (V) 4.2 4.5 3205 G12 3205 G011 0 0 100 50 150 LOAD CURRRENT (mA) 200 3205 G10 3205i 4 LTC3205 ピン機能 MAIN1∼MAIN4 (ピン2、1、24、23):メイン・ディス プレイの白色LED用電流源出力。メイン・ディスプレイ の電流はIMSピンの抵抗によって制御されます。メイ ン・ディスプレイのLEDは、プログラムされたフルス ケール電流の100%、50%、25%または 0%に、ソフト ウェアによる制御で設定することができます。表1と表2 を参照してください。 C1+、C1−、C2+、C2− (ピン5、4、6、3):チャージポ ンプのフライング・コンデンサのピン。X5Rあるいは X7Rの1µFセラミック・コンデンサをC1+ からC1− へ、 さらにC2+からC2−へ接続します。 DIN (ピン7):16ビットのシリアル・ポートの入力デー タ。シリアル・データはクロックごとに1ビットづつシ フトされて入力され、LTC3205を制御します(表1を参 照)。DINのロジック・レベルはDVCCを基準にします。 SCLK (ピン8):16ビットのシリアル・ポートのクロック 入力(図3を参照)。SCLKのロジック・レベルはDVCCを 基準にします。 LD (ピン9):16ビットのシリアル・ポートのロード入 力。LDの立下りエッジでコマンド・データがコマン ド・ラッチにロードされます(図3を参照)。LDのロジッ ク・レベルはDVCCを基準にします。 ENRGB (ピン10):このピンは、赤、緑、青の各電流源 をイネーブルまたはディスエーブルするのに使います。 ENRGBを“H”にすると、LTC3205は、シリアル・ポート を通して前もってプログラムされている色の組み合わせ にしたがって、RGBディスプレイを照明します。メイ ンとサブのディスプレイがオフで、ENRGBが“L”だと、 LTC3205はシャットダウンされます。ENRGBのロジッ ク・レベルはDVCCを基準にします。 STEPUP (ピン11):このピンをロジック“H”にすると、 LTC3205のチャージポンプを2:3の昇圧モード動作に強 制するので、デバイスが重要な通信をおこなっている間 に1:1モードから2:3モードに切り替わる可能性を排除し ます。STEPUPのロジック・レベルはDVCCを基準にしま す。 DVCC (ピン12):このピンはLTC3205のロジックの基準 レベルを設定します。 IRGB (ピン13):このピンはRED、GREEN、BLUEの各 LEDピンのLED電流の大きさをコントロールします。グ ランドへの抵抗があれば、IRGBピンは1.223Vにサーボ制 御されます。RED、GREEN、BLUEの各LEDの電流は、 フルスケールにプログラムされているとき、IRGBピンの 電流の400倍になります。(表1と表3を参照して下さい) IMS (ピン14):このピンはメインとサブの両方のLED ディスプレイのLED電流の最大量をコントロールしま す。グランドへの抵抗があれば、IMSピンは1.223Vに サーボ制御されます。メインとサブのディスプレイの LEDの電流は、シリアル・ポートからどの設定が選択さ れているかにしたがって、IMSピンの電流の100倍、200 倍、または400倍になります。 CPO (ピン15):チャージポンプの出力。この出力を 使って、白色、青色、および「真の」緑色の各LEDに電源 を供給します。赤色LEDにはVINまたはCPOから電力を 供給することができます。X5RあるいはX7Rの低イン ピーダンスの(セラミック)1µF電荷保存コンデンサが CPOに必要です。 VIN (ピン16):チャージポンプの電源電圧。VINピンは直 接バッテリに接続し、1µFのX5RまたはX7Rのセラミッ ク・コンデンサを使ってバイパスします。 SGND (ピン17):コントロール・ロジックのグランド。 このピンは低インピーダンスのグランド・プレーンに直 接接続します。 RED、GREEN、BLUE (ピン18、19、20):RGB照明用 LEDの電流源出力。RGB LEDの電流はIRGBピンの抵抗に よって制御されます。RGB LEDはソフトウェアによる コ ン ト ロ ー ル に よ っ て 0/15∼ 15/15の 任 意 の デ ュ ー ティ・サイクルに独立に設定することができるので、 LEDごとに16色、全体では4096色をイルミネータに与え ることができます。表1と表3を参照してください。 RGB LEDはチャージポンプ発振器の速度の1/240で変調 されます。 SUB1、SUB2 (ピン22、21):サブ・ディスプレイの白 色LED用電流源出力。サブ・ディスプレイの電流はIMS ピンの抵抗によって制御されます。サブ・ディスプレイ のLEDは、フルスケールの100%、50%、25%または0% に、ソフトウェアによる制御で設定することができま す。表1と表2を参照してください。 PGND (ピン25、露出パッド):チャージポンプの電源グ ランド。このピンは低インピーダンスのグランド・プ レーンに直接接続します。 3205i 5 LTC3205 ブロック図 C1+ C1– C2+ C2– 5 4 6 3 800kHz OSCILLATOR 25 PGND 15 CPO VIN 16 1:1 AND 2:3 CHARGE PUMP – + ENABLECP + 2 MAIN1 – 1 MAIN2 24 MAIN3 IMS 14 23 MAIN4 + – 22 SUB1 2 21 SUB2 2 IRGB 13 SGND 17 18 RED DVCC 12 STEPUP 11 ENRGB 10 LD 9 19 GREEN CONTROL LOGIC 2 PWM 2 4 4 20 BLUE 4 COMMAND LATCH 16 DIN 7 SCLK 8 SHIFT REGISTER 3205 BD 3205i 6 LTC3205 動作 パワー・マネジメント 効率を最適化するため、LTC3205のパワー・マネジメン ト・セクションにはCPOピンに電力を供給する2つの方 法が備わっています。1:1直接接続モードと2:3昇圧モー ドです。LTC3205のメイン・ディスプレイとサブ・ディ スプレイのどちらかがイネーブルされていると、パ ワー・マネジメント・システムは低インピーダンス・ス イッチを使ってCPOピンをVINに直接接続します。VINに 印加される電圧が十分高くてすべてのLEDにプログラム された適切な電流が供給されていると、システムはこの 「直接接続」モードにとどまり、最大効率が得られます。 内部回路がMAINとSUBのすべての電流源を監視し、こ れらの電流源がプログラムされている電流をもはや供給 できない「ドロップアウト」の開始点を検出します。バッ テリ電圧が低下するにつれ、順方向電圧が最大のLEDが 最初に「ドロップアウト」スレッショルドに達します。メ イン・ディスプレイの4個のLEDまたはサブ・ディスプ レイの2個のLEDのどれかがドロップアウト・スレッ ショルドに達すると、LTC3205は昇圧モードに切り替わ り、自動的に2:3チャージポンプをソフトスタートさせ ます。固定周波数チャージポンプはVIN電源に生じるノ イズ量を最小に抑えるように設計されています。 つかの要因に依存します。ただし、与えられたROLに対 し、利用可能な電流量はアドバンテージ電圧(1.5VIN− VCPO)に直接比例します。3.1Vの電源で白色LEDをドラ イブする例について考えてみましょう。LEDの順方向電 圧が3.8Vで、電流源が100mVを必要とする場合、アドバ ンテージ電圧は3.1V • 1.5−3.8V−0.1V、つまりわずか 750mVです。入力電圧が3.2Vに上がると、アドバンテー ジ電圧は900mVへジャンプし、利用可能な強度が20%向 上することに注意してください。 図1から、利用可能な電流は次式で与えられます。 IOUT = 1.5VIN – VCPO ROL 温度の関数としての標準的ROL値を図2に示します。 ROL + – + 1.5VIN CPO – 3205 F01 図1.等価開ループ回路 2:3昇圧チャージポンプには特許を取得した固定周波数 アーキテクチャが使われており、低いノイズ・レベルで 高い効率と大きな電力を両立させています。 ソフトスタート機能 昇圧モードに切り替わるときの過度の突入電流と電源の 垂下を防ぐため、LTC3205にはチャージポンプのソフト スタート機能が採用されています。CPOピンで使える電 流は1.2msの期間にわたって直線的に増加します。 チャージポンプの強度 LTC3205が2:3昇圧モードで動作するとき、チャージポ ンプをテブナンの等価回路としてモデル化して、利用可 能な電流量を実効入力電圧(1.5VIN)と実効開ループ出力 抵抗(ROL)から求めることができます(図1)。 ROLはスイッチング項(1/(2fOSC • CFLY ))、内部スイッチ抵 抗、スイッチング回路の重なり合わない期間などのいく 3.0 OUTPUT RESISTANCE (Ω) 赤、緑、または青のLEDがどんなデューティ・サイクル で点灯するようにプログラムされている場合でも、 チャージポンプは連続的に動作します。 3.2 VIN = 3V VCPO = 4.2V CIN = CCPO = CFLY1 = CFLY2 = 1µF 2.8 2.6 2.4 2.2 2.0 –40 –15 10 35 TEMPERATURE (°C) 60 85 3205 F02 図2.標準的ROLと温度 ゼロ・シャットダウン電流 LTC3205はシャットダウン電流が非常に低くなるように 設計されてはいますが、シャットダウン時にVINに約 400nA流れます。シャットダウン電流をゼロにする必要 のあるアプリケーションでは、DVCCピンをグランドに することができます。こうすると、VIN電流がゼロ近く まで減少します。 3205i 7 LTC3205 動作 内部ロジックにより、DVCCがグランドになるとLTC3205 はシャットダウンします。ただし、DVCCを基準にしてい るすべてのロジック信号(DIN、SCLK、LD、ENRGBおよ びSTEPUP)は、これらのピンの絶対最大定格に違反しな (つまり、グランド) に いように、DVCCまたはそれより下 する必要があることに注意してください。 シリアル・ポート マイクロコントローラ互換のシリアル・ポートには、 LTC3205のすべてのコマンド入力とコントロール入力が 備わっています。DIN入力のデータはSCLKの立上りエッ ジでロードされます。D15が最初にロードされ、D0が最 後にロードされます。すべてのビットがクロックによっ てシフトレジスタに入力されると、LDを“L”にすること により、コマンド・データはコマンド・レジスタにロー ドされます。このとき、コマンド・レジスタがラッチさ れ、LTC3205は新しいコマンド・セットにしたがって動作 を開始します。シリアル・ポートはスタティック・ロジッ ク・レジスタを使用するので、動作可能な最小速度はあり ません。シリアル・ポートの動作を図3に示します。 シリアル・ポートのビットと多様なディスプレイの動作 との対応関係を表1に示します。ビットD15とビットD14 はメイン・ディスプレイの4個のLEDの輝度をコントロー ルします。ビットD13とビットD12はサブ・ディスプレイ の2個のLEDの輝度をコントロールします。赤、緑、青の 各LEDには4つのビットが割り当てられており、各LEDに 16の輝度レベルのリニアな範囲が与えられます。 メインとサブの両方のディスプレイの電流レベルはIMS ピンの電流の倍数を正確にミラーリングしてコントロー ルします。 メインとサブのディスプレイのLED電流は次の関係にし たがいます。 IMAIN/SUB = N ここで、Nはどの電流設定が選択されているかにした が っ て 、 400、 200、 100ま た は 0に 等 し く な り ま す 。 RMAIN/SUBはIMSピンの抵抗値です。スケール係数は人間 の眼の視覚に合わせて擬似対数で間隔が設定されていま す(ゼロはシャットダウン時に必要な特別の場合です)。 LTC3205は最大6個の白色LED(メイン・ディスプレイ用 に4個、サブ・ディスプレイ用に2個)に電力を供給でき ますが、どのアプリケーションでも6個揃える必要があ るということではありません。メインLED用の4つの出 力とサブLED用の2つの出力のどれでも、未使用の出力 をCPOに接続してディスエーブルすることができます。 表2.メインとサブのディスプレイの電流レベル D15 D13 0 0 1 1 MAIN LED電流とSUB LED電流のプログラミング メインとサブのディスプレイのコントロール・ビットの デコード方式を表2に示します。 tLC tDS 1.223V RMAIN/SUB tDH tH FRACTION OF FULL-SCALE CURRENT (%) 0 25 50 100 D14 D12 0 1 0 1 tL tCL tLW SCLK DIN X D15 D14 D2 D1 D0 X LD 3205 F03 図3.シリアル・ポートのタイミング図 表1.シリアル・ポートのマッピング Table 1. Serial Port Mapping D15 D14 MAIN1MAIN4 Current Level (Table 2) D13 D12 SUB1SUB2 Current Level (Table 2) D11 D10 D9 Blue LED Duty Cycle (Table 3) D8 D7 D6 D5 D4 Green LED Duty Cycle (Table 3) D3 D2 D1 D0 Red LED Duty Cycle (Table 3) 3205i 8 LTC3205 動作 メインまたはサブのディスプレイの未使用のLEDピン 6本 の 白 色 LEDピ ン( MAIN1∼ MAIN4、 SUB1お よ び SUB2)の ど れ で も 電 圧 が ド ロ ッ プ ア ウ ト す る と 、 LTC3205は1:1モードから2:3チャージポンプ・モードに 切り替わります。未使用のLEDピンが未接続のままだ と、または接地されていると、そのピンは自動的にド ロップアウトするので、LTC3205はチャージポンプ・ モードに強制されます。この問題を避けるため、MAIN とSUBのディスプレイの未使用のLEDピンはCPOに接続 します。ただし、この構成でも電力は浪費されません。 LEDピンの電圧がCPOの約1V以内のとき、そのLED電 流はスイッチ・オフされ、20µAの微小テスト電流だけ が残ります。MAINとSUBの各LEDピンのブロック図を 図4に示します。RED、GREENおよびBLUEの各ピンは チャージポンプの状態に影響を与えることはないので、 使用しない場合、フロートさせても、あるいは接地して もかまいません。 CPO 1V + –+ MAIN1-MAIN4 SUB1, SUB2 – ENABLE 20µA ILED 3205 F04 表3.RGBのデューティ・サイクル D11 D7 D3 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 1 1 1 1 D10 D6 D2 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 1 1 D9 D5 D1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 D8 D4 D0 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 HEX CODE 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F DUTY CYCLE (%) 0/15 1/15 2/15 3/15 4/15 5/15 6/15 7/15 8/15 9/15 10/15 11/15 12/15 13/15 14/15 15/15 赤、緑、青のLEDのデコード方式を表3に示します。 赤、緑、青のLEDのフルスケール電流は、メイン・パネ ルとサブ・パネルの場合と同様に、IRGBピンの電流に よってコントロールされます。IRGBピンは1.223Vに安定 化されており、LED電流は正確にIRGB電流の倍数です。 図4.MAINパネルとSUBパネルのLEDをディスエーブルする内部回路 RGBイルミネータ・ドライバ 赤、緑、青のLEDのデューティ・サイクルは、1/15刻み で0/15( オフ)∼15/15( 完全にオン)の範囲で個別に設定 することができます。可能な16の輝度レベルの組み合わ せにより、全部で4096色のRGBインジケータLEDを実現 できます。 RGBパネルのLED電流は次の関係にしたがいます。 = 400 IRED,GREENBLUE , 1.223V RRGB ここで、RRGBはIRGBピンの抵抗の値です。 アプリケーション情報 マイクロコントローラへのインタフェース LTC3205のシリアル・ポートはMC68HC11タイプのマイ クロコントローラのシリアル・ポートに直接接続するこ とができます。マイクロコントローラはマスタ・デバイ スとして構成設定し、そのクロックのアイドル状態は “H” (MC68HC11ファミリーの場合、MSTR = 1、CPOL = 1およびCPHA = 1)に設定します。推奨する構成設定と データ・フローの方向を図5に示します。 LTC3205 µCONTROLLER MOSI SCK GPIO DIN SCLK LD 3205 F05 図5.マイクロコントローラとのインタフェース 3205i 9 LTC3205 アプリケーション情報 データがデバイスの中にシフトされた後、そのデータを ロードするのに、LD信号のための別のI/Oラインが必要 であることに注意してください。LD信号の立下りエッ ジでコマンド・データがコマンド・レジスタにラッチさ れます。LDが“L”になると、LTC3205は直ちに新しいコ マンド・データに従って動作を開始します。マイクロコ ントローラにこの機能が予め備わっていない場合、マイ クロコントローラの任意の汎用I/Oラインを構成設定し て、LDピンをコントロールすることができます。 VIN、CPOコンデンサの選択 LTC3205と一緒に使われるコンデンサの種類と容量によ り、レギュレータ制御ループの安定性、出力リップル、 チャージポンプの強度など、いくつかの重要なパラメー タが定まります。ノイズやリップルを減らすには、VIN とCPOの両方に等価直列抵抗(ESR)の小さな多層セラ ミック・コンデンサを使用することを推奨します。タン タル・コンデンサやアルミ・コンデンサはESRが大きい ので推奨できません。CPOのコンデンサの値により、与 えられた負荷電流に対する出力リップルの大きさが直接 支配されます。このコンデンサのサイズを大きくする と、出力リップルが小さくなります。ピーク・トゥ・ ピーク出力リップルはおよそ次式で与えられます。 VRIPPLEP-P ≅ IOUT 3fOSC • COUT は一般に例外的にすぐれたESR特性をもっています。密 な基板レイアウトとMLCCを組み合わせると非常にすぐ れた安定性が得られます。COUTの値により出力リップ ルの大きさが支配されるのと同様、CINの値により入力 ピン(VIN)に現れるリップルの大きさが支配されます。 チャージポンプが入力充電フェーズあるいは出力充電 フェーズのどちらにあってもLTC3205への入力電流は比 較的一定ですが、クロックの非重複期間中はゼロに下が ります。非重複時間は短いので(約25ns)、これらの欠け た部分「切れ込み」は入力電源ラインをわずかに乱すだけ です。タンタルのようなESRが大きいコンデンサでは、 入力電流変化とESRの積による入力ノイズが大きくなる ことに注意してください。したがって、セラミック・コ ンデンサはESR特性が並外れて優れているので再度推奨 します。図6に示されているように、非常に小さな直列 インダクタを通してLTC3205に電力を供給することによ り、入力ノイズをさらに減らすことができます。10nH のインダクタにより高速電流ノッチが除去されるので、 入力電源への電流負荷がほぼ一定になります。コストを 下げるため、約1cm(0.4インチ)のPC基板のトレースを 使って、10nHのインダクタをPC基板上に作ることがで きます。 10nH VIN VIN 0.1µF 1µF LTC3205 GND 3205 F06 こ こ で 、 fOSCは LTC3205の 発 振 器 周 波 数( 標 準 1MHz) で、COUTはCPOの電荷保存用出力コンデンサです。出 力コンデンサの種類と値の両方がLTC3205の安定性に大 きく影響することがあります。LTC3205はリニア制御 ループを使ってチャージポンプの強度を調節し、出力に 必要な電流とつり合わせます。このループの誤差信号は 電荷保存用出力コンデンサに直接保存されます。この電 荷保存用コンデンサは制御ループの支配的ポールを形成 するのにも寄与します。リンギングや不安定性を防ぐに は、出力コンデンサがすべての状態で少なくとも0.6µF の容量を保つことが重要です。同様に、出力コンデンサ のESRが大きすぎると、LTC3205のループ安定性を低下 させる傾向があります。LTC3205の閉ループ出力抵抗は 0.6Ω に な る よ う に 設 計 さ れ て い ま す 。 負 荷 電 流 が 100mA変化すると、出力電圧は約60mVだけ変化しま す。出力コンデンサのESRが0.6Ω以上あると、閉ルー プ周波数応答は単純な1ポールの場合のようにはロール オフしなくなり、負荷過渡応答が劣化して不安定になる ことがあります。多層セラミック・チップ・コンデンサ 10 図6.10nHのインダクタ(約1cmの配線)を使った 入力ノイズの低減 フライング・コンデンサの選択 注意:フライング・コンデンサの電圧はLTC3205の起 動時に反転することがあるので、フライング・コンデン サにはタンタルあるいはアルミのような有極性コンデン サは決して使わないでください。フライング・コンデン サには必ずセラミック・コンデンサを使ってください。 フライング・コンデンサはチャージポンプの強度を支配 します。定格出力電流を達成するために、各フライン グ・コンデンサには少なくとも0.7µFの容量が必要で す。コンデンサは材質が異なると、温度や電圧が上がる につれて異なった率で容量を失います。たとえば、X7R の素材で作られたコンデンサは−40℃∼85℃で容量のほ とんどを維持しますが、Z5UあるいはY5Vタイプのコン デンサは同じ範囲でかなりの容量を失います。 3205i LTC3205 アプリケーション情報 Z5UおよびY5Vのコンデンサは電圧係数も非常に劣り、 定格電圧が印加されると60%以上の容量を失うことがあ ります。したがって、異なったコンデンサを比較すると き、規定容量値を比較するより、与えられたケース寸法 に対して得られる容量を比較する方が多くの場合適切で す。たとえば、定格電圧および定格温度の全条件にわ た っ て 、 0603ケ ー ス に 入 っ た 、 1µF、 10Vの Y5Vセ ラ ミック・コンデンサは、同じケースで供給される 0.22µF、10VのX7Rよりも大きな容量を与えるとはかぎ りません。最小容量を全温度および全電圧にわたって確 保するにはどの値のコンデンサが必要かを決定するに は、コンデンサの製造元のデータシートを調べる必要が あります。セラミック・コンデンサの製造元とその連絡 先を図4に示します。 表4.コンデンサの推奨メーカー AVX www.avxcorp.com Kemet www.kemet.com Murata www.murata.com Taiyo Yuden www.t-yuden.com Vishay www.vishay.com 負荷が非常に軽いアプリケーションでは、スペースやコ ストを節約するため、フライング・コンデンサを小さく することができます。2:3フラクショナル・チャージポ ンプの最小出力抵抗の理論値は次式で与えられます。 1.5VIN – VOUT 1 = ROL(MIN) ≡ 2fOSCCFLY IOUT ここで、fOSCはスイッチング周波数(800kHz標準)で、 CFLYはフライング・コンデンサの値です。スイッチ抵抗 がさらに加わるため、チャージポンプは理論上の限界よ りも通常弱いことに注意してください。ただし、負荷が 非常に軽いアプリケーションでは、最初にコンデンサ値 を決定するときのガイドラインとして上式を使うことが できます。 レイアウトの検討事項とノイズ LTC3205によって高いスイッチング周波数と過渡電流が 生じるので、基板のレイアウトには注意が必要です。適 正なグランド・プレーンを与え、すべてのコンデンサへ の配線を短くすれば性能が向上し、あらゆる条件で十分 なレギュレーションが得られます。推奨レイアウト構成 を図7に示します。 フライング・コンデンサのC1+、C2+、C1−、C2−の各 ピンにはエッジ・レートの非常に高い波形が現われま す。これらのピンのdv/dtが大きいと隣接するプリント 配線との間にエネルギーの容量性結合を生じることがあ ります。フライング・コンデンサがLTC3205の近くに配 置されていないと(つまり、ループで囲まれた面積が大 きいと)、磁界が発生することがあります。容量性のエ ネルギー転移を防ぐには、ファラデー・シールドを使う ことができます。これは、敏感なノードとLTC3205のピ ンの間に置かれた、接地されたプリント配線です。高品 質のACグランドを確保するには、それをLTC3205まで 連続して伸びた切れ目の無いグランド・プレーンに戻し ます。 電力効率 白色LEDドライバ・チップの電力効率(η)を計算するに は、LEDの電力を入力電力と比較します。これら2つの 数値の差は、チャージポンプの中であれ、電流源の中で あれ、失われた電力を表します。数学的に述べると、電 力効率は次式で与えられます。 η≡ PLED PIN GND PIN 1 VIN CPO 3205 F07 図7.単層PCBの最適レイアウト 3205i 11 LTC3205 アプリケーション情報 LTC3205の効率は実際に使われている動作モードに依存 します。LTC3205はパス・スイッチとして動作し、メイ ンまたはサブのディスプレイのLEDのひとつがドロップ アウトするまではVINをCPOに接続することを思い出し てください。この機能により、与えられた入力電圧と LEDの順方向電圧に対して可能な最適効率が与えられま す。スイッチとして動作しているとき、効率は次のよう に近似されます。 η≡ 輝度コントロール LTC3205にはメインとサブのディスプレイ用に対数的に 間隔をとった3つの輝度設定が用意されていますが、別 の手段で輝度をコントロールすることもできます。外部 の電圧源を使って電流をIMSピンまたはIRGBピンに注入 して輝度をコントロールする方法の一例を図8に示しま す 。 た と え ば 、 R1と R2が 50kだ と 、 VCNTRLを 0Vか ら 2.5Vに掃引するにつれ、LED電流は20mAから0mAの範 囲で変化するでしょう。 PLED VLED • ILED VLED = ≅ PIN VIN • IIN VIN これは入力電流がLED電流に非常に近くなるためです。 中程度の出力電力から高い出力電力では、LTC3205の消 費電流は無視できるので、上式は有効です。たとえば、 VIN = 3.9V、IOUT = 20mA • 6個のLED、VLED = 3.6Vのと き、測定された効率は92.2%ですが、これは理論的計算 値の92.3%に非常に近い値です。 LEDがどれかドロップアウトすると、LTC3205は昇圧 モードに切り替わります。2:3の分数比のチャージポン プを採用しているので、LTC3205は倍電圧のチャージポ ンプによって達成されるよりも高い効率を実現します。 2:3昇圧モードの効率は、実効入力電圧が実際の入力電 圧の1.5倍あるリニア・レギュレータの電力効率に似て います。こうなるのは、2:3フラクショナル・チャージ ポンプの入力電流は負荷電流の約1.5倍だからです。理 想的な2:3チャージポンプでは、電力効率は次式で与え られるでしょう。 ηIDEAL ≡ PLED VLED • ILED V = ≅ LED 3 PIN V • I 1.5VIN IN LED 2 熱管理 入力電圧が高く、出力電流が最大の場合、LTC3205内の 電力消費がかなり大きくなることがあります。接合部温 度が約160℃を超えると、サーマル・シャットダウン回 路が自動的に出力を停止します。最大接合部温度を下げ るには、PC基板への十分な熱接続をおこなってくださ い。PGNDピン(中央の露出パッド)をグランド・プレー ンへ接続し、デバイスの下に隙間なく連続したグラン ド・プレーンを確保すると、パッケージとPC基板の熱 抵抗を大きく減らすことができます。 ( V ILED = 400 1.223V – CNTRL R2 R1||R2 LTC3205 IMS IRGB ) R2 14 VCNTRL 13 R1 24.9k 3205 F08 図8.別のリニアな輝度コントロール 代りに、デジタル出力しか利用できない場合、設定の数 は単にVCNTRLをデジタル信号に接続することにより、3 から6へと2倍にすることができます。1.8Vのロジック電 源の場合、図9に示されている回路のLED電流の設定は 2.5mA、 5mA、 7.5mA、 10mA、 15mAお よ び 20mAで す。このトポロジーを任意のビット数にまで拡張して、 RGBパネルに適用することもできます。 LTC3205 IMS IRGB 71.5k 14 13 VDIG 0V TO 1.3V OR HIGHER 38.3k 24.9k 3205 F09 図9.代わりのデジタル輝度コントロール 最後に、PWM輝度コントロールは、図10に示されてい るように、PWM信号をIMSプログラミング抵抗に与える ことにより実現することもできます。この信号は0V(完 全にオン)から1.3Vを超す任意の電圧(完全にオフ)の範 囲にします。 LTC3205 IMS IRGB 14 24.9k 13 24.9k PWM SIGNAL 0V TO 1.3V OR HIGHER BRIGHTNESS = 1 – D 3205 F10 図10.メインとサブのディスプレイのPWM輝度コントロール 3205i 12 LTC3205 標準的応用例 超低輝度のメインとサブのディスプレイ LTC3205 IMS IRGB PWM SIGNAL 0V TO 1.3V OR HIGHER 50Hz TO 15kHz BRIGHTNESS = 1 – D 487k 14 13 24.9k 24.9k BRIGHT DIM 3205 TA08 すべてチャージポンプのメイン、サブ、RGB、およびカメラ・ライトのコントローラ SUB PANEL (DUTY CYCLE = 50%) CAMERA LIGHT CPO ILLUMINATOR 15 1µF LTC3205 IRGB MAIN1 MAIN2 MAIN3 MAIN4 SUB1 SUB2 RED GREEN BLUE IMS 2 1 24 23 22 21 18 19 20 13 14 24.9k 12.4k WHITE WHITE WHITE WHITE WHITE WHITE ILED = 40mA 1µF 8 10 1 D1 BLUE ILED = 20mA 7 9 6 MAIN PANEL 1µF LTC3202 D0 GREEN 1µF C1+ C1– C2+ C2– 3 4 VIN VOUT 1µF RED FB GND 2 5, 11 WHITE WHITE WHITE WHITE 30Ω 30Ω 30Ω 30Ω 3205 TA02 3205i 13 LTC3205 標準的応用例 メイン、サブ、およびキーパッドのイルミネーション MAIN PANEL CPO SUB PANEL KEYPAD 15 1µF LTC3205 MAIN1 MAIN2 MAIN3 MAIN4 SUB1 SUB2 RED GREEN BLUE IMS IRGB 2 1 24 23 22 21 18 19 20 13 14 16.6k 24.9k WHITE WHITE WHITE WHITE WHITE WHITE BLUE BLUE BLUE BLUE BLUE BLUE 39Ω 39Ω 39Ω 39Ω 39Ω 39Ω 3205 TA03 高効率20mA×6LEDのカメラ・ライト 100 15 90 1µF LTC3205 MAIN1 MAIN2 MAIN3 MAIN4 SUB1 SUB2 2 1 24 23 22 21 WHITE WHITE WHITE WHITE WHITE WHITE PLED/PVIN EFFICIENCY (%) CPO 効率と入力電圧 VLED = 3.3V 6 × 20mA 80 70 60 50 40 30 20 10 0 IMS 3.0 3.3 14 3.6 VIN (V) 3.9 24.9k 4.2 3205 TA04b 3205 TA04a 8LEDのスタンドアローン型カメラ・ライト CPO 15 1µF LTC3205 MAIN1 MAIN2 MAIN3 MAIN4 SUB1 SUB2 RED GREEN IRGB 2 1 24 23 22 21 18 19 WHITE WHITE WHITE WHITE WHITE WHITE WHITE WHITE 3205 TA05 IMS 13 14 24.9k 24.9k 3205i 14 LTC3205 標準的応用例 4LEDの160mAスタンドアローン型カメラ・ライト 160mA CAMERA LIGHT CPO 15 1µF LTC3205 MAIN1 MAIN2 MAIN3 MAIN4 SUB1 SUB2 RED GREEN BLUE IMS IRGB 2 1 24 23 22 21 18 19 20 13 14 24.9k 24.9k WHITE WHITE WHITE WHITE 3205 TA06 パッケージ寸法 UFパッケージ 24ピン・プラスチックQFN (4mm×4mm) (Reference LTC DWG # 05-08-1692) 0.70 ±0.05 4.50 ± 0.05 2.45 ± 0.05 3.10 ± 0.05 (4 SIDES) PACKAGE OUTLINE 0.25 ±0.05 0.50 BSC RECOMMENDED SOLDER PAD PITCH AND DIMENSIONS 推奨する半田パッドのピッチと寸法 4.00 ± 0.10 (4 SIDES) 露出パッドの底面 BOTTOM VIEW—EXPOSED PAD 0.23 TYP R = 0.115 (4 SIDES) TYP 23 24 0.75 ± 0.05 PIN 1 TOP MARK (NOTE 5) 0.38 ± 0.10 1 2 2.45 ± 0.10 (4-SIDES) (UF24) QFN 0603 0.200 REF 0.00 – 0.05 0.25 ± 0.05 0.50 BSC NOTE: NOTE: 1. DRAWING PROPOSED TO BE MADE A JEDEC PACKAGE OUTLINE MO-220 VARIATION (WGGD-X)—TO BE APPROVED (承認待ち) 1. 図はJEDECパッケージ外形MO-220のバリエーション(WGGD-X)にするよう提案されている 2. ALL DIMENSIONS ARE IN MILLIMETERS 2. すべての寸法はミリメートル 3. DIMENSIONS OF EXPOSED PAD ON BOTTOM OF PACKAGE DO NOT INCLUDE 3. MOLD パッケージ底面の露出パッドの寸法にはモールドのバリを含まない。モールドのバリは (もしあれ FLASH. MOLD FLASH, IF PRESENT, SHALL NOT EXCEED 0.15mm ON ANY SIDE, IF PRESENT ば)各サイドで0.15mmを超えないこと 4. EXPOSED PAD SHALL BE SOLDER PLATED 5. SHADED AREA IS ONLY A REFERENCE FOR PIN 1 LOCATION 4. 露出パッドは半田メッキとする THE TOP AND BOTTOM OF PACKAGE 5. ON 網掛けの領域はパッケージのトップとボトムのピン1の位置の参考に過ぎない 6. DRAWING NOT TO SCALE 6. 図は実寸とは異なる 3205i 15 LTC3205 標準的応用例 RGBディスプレイのカメラ・ライトとしての使用 L1 2.2µH Li-Ion 4 1µF 1µF 5 1 VIN SW SHDN 2.2µF LT1930A VRGB = 6V IRGB = 300mA TOTAL D1 38.3k FB 3 10k GND 5 4 C1+ C1– 6 3 1µF 16 C2 + C2 – VIN CPO 10µF 2 15 1µF 10 12 FROM MICROCONTROLLER 7 8 9 MAIN1 ENRGB MAIN2 DVCC DIN MAIN3 MAIN4 LTC3205 SCLK SUB1 LD SUB2 RED GREEN BLUE 2 WHITE WHITE WHITE WHITE 1 WHITE WHITE RED GREEN BLUE ILED = 20mA 24 23 22 21 18 19 20 3205 TA07 SGND STEPUP IMS 17 11 IRGB 14 13 24.9k 24.9k 6.2k Si1406DH IFLASH = 100mA PER R, G, B, LED FLASH 関連製品 製品番号 説明 LT®1618 定電流、定電圧、1.4MHz高効率昇圧レギュレータ 最大16個の白色LED、VIN:1.6V∼18V、VOUT(MAX):34V、IQ:1.8mA、 ISD:≤1µA、10ピンMS 注釈 LTC1911-1.5 250mA (IOUT) 、 1.5MHz、 高効率降圧チャージポンプ 75%の効率、VIN:2.7V∼5.5V、VOUT(MIN):1.5V/1.8V、IQ:180µA、 ISD:≤10µA、MS8 LT1932 定電流、1.2MHz高効率白色LED昇圧レギュレータ 最大8個の白色LED、VIN:1V∼10V、VOUT(MAX):34V、IQ:1.2mA、 ISD:≤1µA、ThinSOTTM LT1937 定電流、1.2MHz高効率白色LED昇圧レギュレータ 最大4個の白色LED、VIN:2.5V∼10V、VOUT(MAX):34V、IQ:1.9mA、 ISD:≤1µA、ThinSOT、SC70 LTC3200-5 低ノイズ、2MHz、安定化されたチャージポンプ 白色LEDドライバ 最大6個の白色LED、VIN:2.7V∼4.5V、 VOUT(MAX):5V、IQ:8mA、 ISD:≤1µA、ThinSOT LTC3201 低ノイズ、1.7MHz、安定化されたチャージポンプ 最大6個の白色LED、VIN:2.7V∼4.5V、VOUT(MAX):5V、IQ:6.5mA、 白色LEDドライバ ISD:≤1µA、10ピンMS LTC3202 低ノイズ、1.5MHz、安定化されたチャージポンプ 最大8個の白色LED、VIN:2.7V∼4.5V、 VOUT(MAX):5V、IQ:5mA、 白色LEDドライバ ISD:≤1µA、10ピンMS LTC3251 500mA(IOUT)、1MHz∼1.6MHz、 拡散スペクトラム 85%の効率、VIN:3.1V∼5.5V、VOUT(MIN):0.9V∼1.6V、IQ:9µA、 降圧チャージポンプ ISD:≤1µA、10ピンMS LTC3405/ 300mA (IOUT)、 1.5MHz同期式降圧DC/DCコンバータ 95%の効率、VIN:2.7V∼6V、VOUT(MIN):0.8V、IQ:20µA、ISD:≤1µA、 LTC3405A ThinSOT LTC3406/ LTC3406B 600mA (IOUT)、 1.5MHz同期式降圧DC/DCコンバータ 95%の効率、VIN:2.5V∼5.5V、VOUT(MIN):0.6V、IQ:20µA、ISD:≤1µA、 ThinSOT LTC3440 600mA (IOUT)、 2MHz同期式昇降圧DC/DCコンバータ 95%の効率、VIN:2.5V∼5.5V、VOUT(MIN):2.5V、IQ:25µA、ISD:≤1µA、 10ピンMS LT3465/ LT3465A ショットキ内蔵1.2MHz/2.7MHz 最大6個の白色LED、VIN:12.7V∼16V、VOUT(MAX):34V、IQ:1.9mA、 ISD:<1µA、ThinSOT ThinSOTはリニアテクノロジー社の商標です。 16 リニアテクノロジー株式会社 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6秀和紀尾井町パークビル8F TEL 03-5226-7291• FAX 03-5226-0268 • www.linear-tech.co.jp 3205i 0803 0.2K • PRINTED IN JAPAN LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2003
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