熊本県光化学スモッグ緊急時対策 実施要項の制定等について

熊本県光化学スモッグ緊急時対策
実施要項の制定等について
熊本県環境保全協議会
「環境保全関係法令研修会」
熊本県環境保全課 松崎
熊本県大気汚染常時監視テレメータシステム
熊本県における大気汚染常時監視測定地点、測定項目
この地点のほか、
天草地域では九
州電力が7地点
で測定している。
(7地点中2地点
で光化学オキシ
ダント測定中)
光化学オキシ
ダントは合計1
9局で測定し
ている。
熊本県大気汚染常時監視の経緯
昭和48年度(1973年):熊本市でオキシダントの測定開始
当時は、環境基準の0.06ppmを上回ることはなかった。
昭和49年度(1974年):テレメータシステムによる常時監視開始
S49~S51年に荒尾市と八代市で、硫黄酸化物による
スモッグ注意報6回発令
昭和54年度(1979年):オキシダントについては、八代市で環境基準を上回る濃
度が測定され、以後年々上昇を続け、最近では、全ての
地点(17地点)で環境基準を超過
平成18年度(2006年):6月7日、熊本市で光化学スモッグ注意報の発令要件と
なるオキシダント濃度が0.12ppmを超えたため、観測史
上初の光化学スモッグ注意報を発令
平成19年度(2007年):4月27日から5月27日まで、天草市河浦町、苓北町、
菊池市の各地域で光化学スモッグ注意報を発令
西日本全域で問題となる。
光化学スモッグとは?
自動車や工場などから排出される窒素酸
化物や炭化水素、揮発性有機化合物(VO
C)などが、太陽からの強い紫外線を受け
ると光化学反応を起こし、オゾンなどの光
化学オキシダント(酸化性物質)を発生し
ます。
気象条件によっては、この光化学オキシ
ダントがたまり白いモヤがかかったように
なることがあります。この状態が「光化学
スモッグ」と呼ばれています。
光化学スモッグ発生のメカニズム
光化学スモッグが発生しやすい条件とは?
・ 季節は4月から10月頃
・ 日差しが強くて、気温が高い(20℃以上)
・ 風が弱い(3m/s以下)
※視程が悪いと、発生の可能性が高い。
光化学スモッグの影響
光化学スモッグによる影響としては、眼の
刺激やのどの刺激があり、目がチカチカす
る、涙が出る、のどが痛い、咳が出る、息苦
しいなどの症状が出ることがあります。
また、ひどい場合は、吐き気、頭痛、失神、
手足のしびれなどの症状も考えられます。
光化学スモッグ注意報等とは
熊本県は、光化学オキシダントが高濃度になった際
には、光化学スモッグ注意報等を発令します。
発令内容
発令基準
予 報
光化学オキシダントが0.1ppm以上で、0.12ppmを超
えそうなとき
注意報
光化学オキシダントが0.12ppm以上で、継続すると
認められるとき
警報
光化学オキシダントが0.24ppm以上で、継続すると
認められるとき
重大警報
光化学オキシダントが0.4ppm以上で、継続すると
認められるとき
光化学スモッグ注意報発令時に注意すること
1 野外活動を中止し、できるだけ屋内に入る。
窓は風向きに注意して開閉。
2 目や喉に異常が出た場合には、きれいな水道水で洗った
り、うがいをする。さらに、息苦しさや胸が苦しくなった場合
は、医師の診察を受ける。
3 自動車の運行はできるだけ自粛する。
※ 気管支ぜん息のある方、乳幼児、高齢者、病弱者などは
影響を受けやすい。
スモッグのない青空
スモッグの状態
光化学オキシダントによる朝顔の影響
※影響はあるものの、農作物への被害は報告されていません。
注意報等の情報提供
・県庁ホームページ(携帯向け含む)
・報道関係(テレビ、ラジオ)
・各自治体の放送等
☆光化学スモッグメール
~県が一斉配信するメールサービス~
「[email protected]」あてに空メールを送り、
自動返信されるメールから登録作業を行う
と、注意報等発令時に情報を送信します。
(詳しくは県環境保全課まで)
光化学スモッグ緊急時対策実施要項の制定
• これまでは、光化学スモッグの対策も大気汚
染緊急時対策実施要綱で行っていた。
• 広域に発生する光化学スモッグに対応し、県
民等の健康被害を未然に防止するために、
新たに平成20年3月に要項を策定した。
• 新要項では、注意報等の発令地域を県内全
域に広げ、予報等の発令等を行うこととした。
• 特定工場には、警報発令時からばい煙の排
出量削減の勧告等を行うこととした。
特定工場
別表1(第4条関係)
ばい煙に係る特定工場
ばい煙発生施設から排出される湿りガス量の総排出量が、定格能
力において、温度が摂氏零度であって圧力が1気圧の状態に換算し
て毎時4万立方メートル以上となる工場又は事業場
揮発性有機化合物(以
下「VOC」とい
う。)に係る特定工場
VOC排出施設が設置
されている工場又は事
業場
揮発性有機化合物(以下「VOC」という。)に係る特定工場
VOC排出施設が設置されている工場又は事業場
備考
1 ばい煙発生施設は、法第2条第2項及び熊本県生活環境の保全等に関
する条例第7条第2項に規定するばい煙発生施設をいう。
2 VOC排出施設は、法第2条第5項に規定するVOC排出施設をいう。
別表2(第5条、第6条、第7条、第8条関係)
発令呼称
発 令
基
準
周知対象
措
置
光化学ス
モッグ予
報
大気中の光化学オキシダ
ント濃度の1時間値(以
下「1時間値」とい
う。)が0.1ppm以上とな
り、0.12ppmに達するおそ
れがある場合
・ 市町村及び関係機関に、注意報の発令に備えた準備を要
請
市町村、関係機関、
・ ばい煙に係る特定工場の燃料使用量、排出ガス量又は窒
特定工場及び報道
素酸化物排出量(通常の量。以下同じ。)及びVOCに係る
特定工場のVOC排出量の削減準備を要請
光化学ス
モッグ注
意報
1時間値が0.12ppm以上に
なった場合
・ 屋外活動の自粛及び自動車運行の自粛を要請
・ ばい煙に係る特定工場の燃料使用量、排出ガス量又は窒
素酸化物排出量及びVOCに係る特定工場のVOC排出量を削減
するよう協力を要請
1時間値が0.24ppm以上に
なった場合
・ 屋外活動の自粛及び自動車運行の自粛を要請
市町村、関係機関、
・ ばい煙に係る特定工場の燃料使用量、排出ガス量又は窒
特定工場、報道及
素酸化物排出量及びVOCに係る特定工場のVOC排出量を原則
び県民等
として20%削減するよう勧告
光化学ス
モッグ警
報
光化学ス
モッグ重
大警報
1時間値が0.4ppm以上に
なった場合
・ 屋外活動の自粛及び自動車運行の自粛を要請
・ ばい煙に係る特定工場の燃料使用量、排出ガス量又は窒
素酸化物排出量及びVOCに係る特定工場のVOC排出量を原則
として40%削減するよう命令
注意報等発令時の周知内容
発 令
呼
称
周
知
内
容
光化学スモッグ注意報
1 屋外になるべく出ないこと。
2 学校、幼稚園、保育所などにおいては、できるだけ屋外での運動を避け、屋内
に入ること。
3 目やのどなどに刺激を感じた人は、洗眼、うがいをするとともに、関係市町村
、保健所又は県環境保全課に連絡すること。
4 自動車を運転している人、これから運転する人は、できるだけ運行を自粛する
こと。
光化学スモッグ警報
1 屋外に出ないこと。
2 学校、幼稚園、保育所などにおいては、屋外での運動を中止して屋内に入り、
窓を閉鎖するなどの措置をとること。
3 目やのどなどに刺激や痛みを感じた人は、洗眼、うがいをするとともに、関係
市町村、保健所又は県環境保全課に連絡すること。
4 自動車を運転している人、これから運転する人は、できるだけ運行を自粛する
こと。
光化学スモッグ重大警報
1 屋外に出ないこと。
2 学校、幼稚園、保育所などにおいては、警報時と同様の措置を再確認し、徹底
すること。
3 目やのどなどに刺激や痛みを感じた人は、洗眼、うがいをするとともに、関係
市町村、保健所又は県環境保全課に連絡すること。
4 自動車を運転している人、これから運転する人は、運行を自粛すること。また
、重大警報発令に伴う交通規制が行われている場合は、それに従うこと。
別表3(第5条関係)
測定局
発令地域
発令地域の範囲
荒尾市役所
荒尾地域
荒尾市、南関町、長洲町、和水町
有明保健所
玉名地域
玉名市、玉東町、植木町
山鹿健康セン
ター
山鹿市地域
山鹿市
菊池市役所
菊池・阿蘇地域
菊池市、阿蘇市、大津町、南小国町、小国町、
産山村
京町
錦ヶ丘
古町
天明
楡木
熊本地域
熊本市、合志市、菊陽町
益城町役場
南阿蘇地域
高森町、西原村、南阿蘇村、益城町
宇土運動公園
宇城・上益城地域
宇土市、宇城市、城南町、富合町、美里町、御
船町、嘉島町、甲佐町、山都町
八代市役所
八代地域
八代市、氷川町
小田浦公民館
芦北町地域
芦北町
水俣保健所
水俣地域
水俣市、津奈木町
人吉保健所
人吉・球磨地域
人吉市、錦町、多良木町、湯前町、水上村、相
良村、五木村、山江村、球磨村、あさぎり町
天草保健所
苓北志岐
九電河浦
九電苓北木場
天草地域
上天草市、天草市、苓北町
備考
1 九電は、九州電力株式会社が所管する測定局を表す。
2 大気環境測定車の測定により注意報等を発令する場合の発令地域は、測定車が設置されている発令地域とする。
別図1 予報発令時の連絡系統(第8条関係)
広報課
危機管理・
防災消防総室
健康福祉政策課
健康危機管理課
社会福祉課
少子化対策課
高齢者支援総室
障害者支援総室
医療政策総室
健康づくり推進課
環境省水・大気環境局大気環境課
環境省九州地方環境事務所
気象庁熊本地方気象台
報告
気象情報照会
メール
FAX(保健所及び市町村は
発令地域のみ)
熊本県環境保全課
私学文書課
教育政策課
データ送信
熊本県大気汚染監視テレメータシステム中央監視局
体育保健課
保健環境科学研究所
データ送信
熊本市環境企画課
大気汚染監視テレメータシステム
データ送信
県保健所
地域振興局
警察本部
データ送信
大気汚染常時監視測定局
(生活安全企画課犯罪抑止対策室)
関係市町村
環境担当課
特定工場
報道機関
※報道機関は以下の通りとする。
・熊本日日新聞社
・時事通信社
・日本放送協会熊本放送局
・熊本放送
・テレビ熊本
・熊本県民テレビ
・熊本朝日放送
・エフエム熊本
・朝日新聞熊本総局
・毎日新聞熊本支局
・読売新聞熊本支局
・日本経済新聞熊本支局
・西日本新聞熊本総局
・共同通信熊本支局
別図2 注意報等(予報を除く。)発令時の連絡系統(第8条関係)
広報課
報道機関
※報道機関は予報と同様
危機管理・
防災消防総室
健康福祉政策課
健康危機管理課
社会福祉課
少子化対策課
高齢者支援総室
障害者支援総室
医療政策総室
健康づくり推進課
環境省水・大気環境局大気環境課
環境省九州地方環境事務所
気象庁熊本地方気象台
報告
気象情報照会
メール
FAX(保健所及び市町村は
発令地域のみ)
熊本県環境保全課
熊本県大気汚染監視テレメータシステム中央監視局
県立大学
各私立高校
各私立中学校
各私立幼稚園
私学文書課
教育政策課
データ送信
熊本県医師会
関係施設
各教育事務所
教育庁内各課
(体育保健課除く)
各地方機関(美術館等)
体育保健課
美術館及び装飾
古墳館の分館
県立学校
保健環境科学研究所
データ送信
熊本市環境企画課
大気汚染監視テレメータシステム
データ送信
県保健所
大気汚染常時監視測定局
(熊本市を除く)
医療機関
地域振興局
警察本部
データ送信
地区医師会
(生活安全企画課犯罪抑止対策室)
関係市町村
環境担当課
特定工場
地域課
交通規制課 等
各警察署等
庁内各課
消防署
保健センター
各公立保育所
各公立幼稚園
各公立小中学校
公園、運動施設
地方報道機関 等
県
民
別表1(第6条関係)解除要件
発令呼称
解除要件
光化学ス
モッグ予報
原則として1時間値が0.1ppmを連続して2時間下回った場合
光化学ス
モッグ注意
報
原則として1時間値が0.12ppmを連続して2時間下回った場合(予報
への移行は行わない。)
光化学ス
モッグ警報
原則として1時間値が0.24ppmを連続して2時間下回った場合(注意
報へ移行又は解除)
光化学ス
モッグ重大
警報
原則として1時間値が0.4ppmを連続して2時間下回った場合(注意報、
警報へ移行又は解除)
別図3 被害状況の届出報告(第11条関係)
(相談窓口)
報告
県環境保全課
関係各課等
報告
(相談窓口)
県保健所
報告
報告
関係各課等の
所管施設等
医師会
届出
届出
関係者等
医療機関
(相談窓口)
届出
報告
関係市町村
(熊本市除く)
報告
市町村の
所管施設
届出
関係課及び
所管施設
届出
県 民
関係者等
(相談窓口)
報告
熊本市
(相談窓口)
報告
届出
関係者等
様式1(第10条関係)
燃料使用量等削減計画(変更、廃止)届出書
年
熊本県知事
月
日
様
届出者
氏名又は名称及び住所並びに法
人にあってはその代表者の氏名
印
熊本県光化学スモッグ緊急時対策実施要項第9条第1項の規定に基づき、次のとおり届け
出ます。
工場又は事業場
の名称
※整理番号
工場又は事業場
の所在地
※受理年月日
特定工場の種類
ばい煙に係る特定工場
VOCに係る特定工場
※審査結果
削減計画
(廃止理由)
別紙1、別紙2、別紙3のとおり
※備考
平日における緊急時の連絡先
担当課
電話番号
職氏名
FAX番号
メールアドレス
休日における緊急時の連絡先(可能な限り複数人により携帯電話番号等を記入すること。
)
担当課
電話番号
様式2(第10条関係)
燃料使用量等削減実施報告書
年
熊本県知事
月
日
様
届出者
氏名又は名称及び住所並びに法
人にあってはその代表者の氏名
印
熊本県光化学スモッグ緊急時対策実施要項第9条第3項の規定に基づき、次のとおり報告
します。
工場又は事業場の名称
工場又は事業場の所在地
特定工場の種類
注意報等発令日時
発令呼称
ばい煙に係る特定工場
VOCに係る特定工場
平成
年
月
日
光化学スモッグ警報
時
・
分
光化学スモッグ重大警報
平成20年度の県の対策
• 光化学オキシダント測定局の4局増設
– これまで、測定局が設置されていなかった、阿蘇、
上天草、合志・菊陽・大津、御船・甲佐地域に新
たに測定局を設置し、詳細な調査を実施する。
• 大気環境測定車の追加
– さらに、測定局のない地域においては、新たに移
動大気環境測定車を導入し、調査を行う。