1 平成23年度事業報告 法人東京都自動車整備振興会 平成23年度の

平成 23年度 事業報告
社団
法人
東京都自動車整備振興会
平成23年度の我が国経済は、米国の景気低迷に加え、ギリシャ等EU諸国の債務
問題によるユーロの信認低下など不透明な状況で推移した。また平成23年3月に発
生し未曽有の被害をもたらした東日本大震災により製品生産を担う工場等が被害を
受けたこと及び原子力発電所の被災により首都圏では計画停電が実施されるなど生
産能力の低下を余儀なくされた。
さらに、夏から秋にかけてタイで発生した大洪水により我が国の家電や自動車な
どメーカーの部品工場等が水没したことから製品生産に大きな影響がでたことに加
え、超円高による輸出産業への大きな打撃があった。
全国の自動車保有台数は平成19年の7,923万台をピークに4年前から減少傾向が続
き、平成23年3月末には全国で7,866万台となった。なお、昨年12月20日からエコカ
ー補助金が復活したことにより、平成24年3月の国内新車販売台数(軽自動車含む)
は、前年同月比71.8%増の75万1,888台で、平成19年3月以来、単月で5年ぶりに75万
台を超えた。これは復活したエコカー補助金が追い風となり需要が伸びた結果である
が、昨年3月は東日本大震災の影響で販売が落ち込んでおり、その反動も重なったこ
とによる販売増も含まれている。また、エコカー補助金による販売増は需要の先取り
との危惧もあり、エコカー補助金制度の今後の動向に注視する必要がある。
平成23年度の日整連による自動車分解整備業実態調査によると、全国の自動車整
備業の総整備売上高は前年度と比較すると1,152億円(2.1%)増の5兆6,021億円とな
り2年連続で前年を上回ったが、その実感は乏しく、また原油価格高騰によるガソリ
ンなどの燃料価格が上昇していることから今後ユーザーの車離れへの懸念があるなど、
整備業界を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いている。
本会は、このような諸情勢のもと、クルマ社会の健全な発展を図るため、自動車
の安全確保と公害の防止はもとより、社会的使命である環境保全を念頭に自動車整
備事業の振興を基本理念として積極的な事業展開を行った。
なお、平成23年3月11日に東北地方を中心に発生した東日本大震災は、東日本各地に
甚大な被害をもたらし、現地の自動車整備工場並びに振興会においても想像を絶する
被害があった。これに迅速に対応するために、会員に対して義援金を募り、本会も総
会の会場を変更するなどして経費を削減し、会員からの義援金と合わせて被災4県
(福島・宮城・岩手・茨城)に対して5月に総額1,100万円及び工具などの物資を送っ
た。
また、継続的な支援が必要とのことから、特に被害の大きかった3県(福島・宮
城・岩手)の自動車整備振興会へ第二次支援として12月に総額850万円を送った。
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整備事業健全化対策としては、指定整備事業者への巡回相談の実施と自動車検査員
の実務研修会を開催し、広報活動と合わせて事業経営の健全化を目的に法令遵守の徹
底に努めた。また、自動車整備士のイメージアップに繋がる取組みとして、国家資格
を有する者であることをアピールするためのワッペンを作成した。
整備技術の向上対策では、高度な自動車整備技術への対応に重点をおき、ハイブ
リッド車両関連研修、ディーラーによる新機構・故障診断研修等に加え、外部診断器
活用講習(ステップアップ編)を新たに実施するなどして、新環境対策車への対応を
積極的に展開した。また、高度な電子制御技術搭載車への対応としてカーエレクトロ
ニクス研修会を新たに開催し電子知識教育の推進を図った。
さらに、整備技術の向上に対応する人材の育成では、自動車整備技術者認定資格制
度の普及促進を図るとともに、将来を担う次世代教育として東京都が推進する中学生
の職場体験受け入れ事業(インターンシップ)を、会員事業場にご協力をいただき取
り組んだ。
なお、7月2日(土)に教育会館にて第13回東京都自動車整備技能競技大会を実施し、
練馬ブロックが金賞受賞した。また、11月5日(土)に行われた第18回全日本自動車整備
技能競技大会には練馬支部、西多摩支部から各1名が代表選手として出場し健闘した。
環境対策として、自動車整備事業場が排出するCO2削減のため日整連の環境家計
簿の活用を推奨するとともに周知を図った。なお、地球温暖化防止の更なる推進を図
る目的から、会員に対してCO2排出量を削減する為の具体的な取組事例を掲載した
「地球温暖化防止実践マニュアル」を配布した。
また、関東運輸局並びに東京運輸支局が行う環境に優しい自動車整備事業場の表彰
対象事業者を推薦し、更なる環境への取り組みを図った。
IT化促進対策では、「TOSS業務統合システム」の充実を図るとともにホームペ
ージ(TOSSNET)掲載情報の拡充に加え、FAINESへの更なる加入促進を
図った。
ユーザー広報対策としては、「てんけんくんラッピングバス」をブロック毎の5路線
に走行させ、GOODマークステッカーを活用した整備付車検を訴えるとともに、定
期点検促進キャンペーンを実施して点検整備の普及促進を図った。また、毎日自動車
整備新聞を発行、ラジオCMに連動したチラシを作成し、マイカー点検教室での配布
など「ユーザーの自己管理責任」
「点検整備啓発」のパブリシティー活動を展開した。
業界振興(要望活動等)対策では、関係方面に要望活動を展開し、東京都の自動車
税納税通知の封筒に点検整備の実施を促す文言が印刷されユーザーに通知されるに
至った。
また、永年の懸案事項であった練馬軽自動車検査場が新設され2月に業務を開始し
た。
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組織運営対策としては、公益法人制度改革への対応として設置した組織運営特別
委員会から4月に答申があり、この答申内容の周知を図る目的から7月に各ブロッ
クへの説明会を開催し、その後、順次支部への説明会を開催した。また、3月臨時
総会において一般社団法人移行後の新定款となる「定款の変更の案」並びに最初の
代表理事及び業務執行理事を承認可決した。なお、一般社団法人移行を見据えて、
現定款の理事数をこれまでの〔90名以上99名以内〕から〔20名以上30名以内〕に変
更する定款変更案等も合わせて承認可決した。
事務局組織の一元化については、商工組合と相互の業務補完を継続して業務の合理
化を図り、組織のスリム化と経費削減に努めた。
また、練馬軽自動車検査場が新設され2月に業務を開始したが、当会としてこの対
応を図った。
さらに、当会品川支所の窓口業務の利便性向上や建物の老朽化による震災対応等の
ため、当局と構内移転について折衝してきた結果、次年度に支局に隣接した場所へ移
転することとなった。
以下、平成23年度事業計画の推進事項の取組結果をご報告する。これら振興会事
業の推進にあたり関係各位から頂いたご指導ご協力に深く感謝申し上げる次第であ
る。
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平成23年度推進事項の取組結果
取組結果
(○所期の目的達成、△実施するも効果薄、
×実施を断念)
推進事項
(1) 整 備 事 業 の
適正化
①整備料金適正化への取組み
・故障診断についての対応
・リース請負整備料金につい
ての対応
②巡回相談等の拡充
1整 備事業 健全 化対策
(2) 指 定 整 備 事
業者の法令順守
の徹底
③不正防止対策に関する自主点
検の奨励
④未認証工場にかかる情報収集
と行政への情報提供
①指定工場部会との連携による
法令順守の徹底
○2012年5月発行の2011版の標準作業点数表か
ら故障診断に伴う問診作業等の点数を掲載。
故障診断についてユーザーに理解いただく為
に、事業者用の故障診断適正運営ガイドブッ
クとユーザー周知用のポスターを配布。
○22年度に実施したリース車両メンテナンスに
関する調査の結果を踏まえて、日整連が10月
~12月に、リース会社の対応の改善状況を把
握することを目的に、都内30事業場を含めて
全国的に実態調査を実施。
○24支部115事業場に訪問し、管理規程、保安
基準適合証、指定整備記録簿、完成検査等の
実施方法等の相談に応えた。
○適正化対策研修会の際に法令遵守に関する自
主点検表を推奨した。
○未認証情報6件を収集し、支局に報告した。
○検査用機器及び、指定整備の基本的理解不足
の指摘が多い為、研修会において注意喚起文
書を指定工場部会連携のもとに配布した。
支局の監査等で管理規程が実態と則してない
という指摘が多かったため、管理規程の見本
及び、行政処分事例集をデーター化し、各ブ
ロックに配布した。
②ブロック毎の適正化研修会の ○指定整備事業者及び事業場管理責任者を対象
充実
とした研修会を支局整備課に協力いただき、
11 月にブロック毎に開催した。
③自動車検査員実務研修の推進
○自動車検査員の資質向上を図り、指定整備の
より一層の適正化を目的に12月、3月に研修
会を開催した。(保安基準・処分基準・指定
整備記録簿記載等)
(3)GOODマークステッカーの利用促進と環境改 ○環境に優しいCO 2 削減車と称して普及パンフ
善対策事業との連携
レット・エコメンテナンス表等を作成し促進
活動を展開。
毎日新聞読者に対し、折込配布でGOODマーク
ステッカーを通じて自動車整備業界は環境保
全に取組んでいることをアピールした。
売り上げの一部を緑の東京募金に寄付。
(4)自動車整備士の地位向上のための取り組み ※
○自動車整備士のイメージアップに繋げるため
に、刺繍ワッペンを作成し、24年度に展開。
ラッピングバスに自動車整備士のイメージ
アップになるような広報活動を展開。
(5)オアシス事業の普及促進
○自動車整備業界におけるイメージアップ戦略
の一環として、「オアシス事業展開」に取組
む整備工場を紹介した動画をTOSSNETに掲載
して推奨した。
(1) 新 し い 環 境 ①ハイブリッド車両関連研
○「ハイブリッド車点検整備」研修会を5回開
対策車への対
修の強化
催し21名の受講があった。
応
また、ディーラー別研修会では、ハイブリッ
ド車研修を6回実施し、電気自動車講習を4回
実施した。
②外部診断器活用講習の強化
○外部診断器活用講習会を、本部主催(一般募
・基礎的な診断器活用講習の
集)と支部募集をそれぞれ実施した。
充実 ※
本部主催は基礎講習を23回、ステップアップ
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2整 備 技術 の向上 対策
(2) 整 備 技 術 の
向上に対応する
人材の育成
・高度な利用方法への対応に
講 習 を 28回 開 催 し 、 計 129名 の 受 講 が あ っ
即した診断器活用講習の実
た。支部募集ではステップアップ講習を13回
施 ※
開催し、計69名の受講があった。
③低圧電気特別教育講習会の推 ○低圧電気特別教育講習会を21回開催し525名
進
の受講があった。
④ディーラーによる新機構・故 ○12ディーラーの協力により18回実施し99名の
障診断研修の推進
受講があった。なお、東日本大震災の影響に
より2ディーラーによる開催は中止となっ
た。
⑤電子知識教育の推進 ※
○カ―エレクトロ二クス(電子初級)研修会
は、(株)デンソーのご協力により6回開催し
42名の受講があった。
①自動車整備技術者認定の普及
○スーパーアドバイザー4名、コンサルタント3
促進
名、更新教習5名の計12名の受講があった。
②東京都のインターンシップ(中 ○会員事業場のご協力により、53回142名の実
学生実習生受入れ)の推進
習生受け入れのご協力を頂いた。
(3)東京都自動車整備技能競技大会の実施と全日本
自動車整備技能競技大会への参加
3環境 対策
4 IT化促進 対策
(1) 環 境 対 策 の
推進
①整備事業場のCO2削減取り
組み
(2) 環 境 に 優 し
い自動車整備工
場の推進
(3) 自 動 車 リ サ
イクル法への取
り組み
①関東運輸局長表彰及び東京運
輸 支 局 長 表 彰 事 業場 推 薦 の実
施
①引取業務及びフロン類回収業
務の円滑実施
②引取業及びフロン類回収業の
更新登録支援
(1) イ ン タ ー
ネットによる情
報提供の充実
①FAINESの加入促進
○ 6 月 か ら 「 月 会 費 1 年 分 相 当 額 6,300 円 を
Tossメンバーズカードへチャージ返金」キャ
ンペーンを実施し加入促進に努めた結果、48
件の新規加入があった。
○法令通達、整備士試験、研修講習案内、ブ
ロック支部情報等、自動車整備関連情報の迅
速な情報伝達に努めた。
(2)ホームページ(Tossnet)の充実
(1) 点 検 整 備 の
普及促進
○4月上旬にブロック毎に予選を実施し、合計
67名の出場者があった。7月2日(土)に教育
会館にて東京都大会を開催。11月5日(土)
東京ビッグサイトにて開催の全日本大会には
練馬支部、西多摩支部から各1名が代表選手
として出場し健闘した。
○ TOSSNET に 環 境 家 計 簿 を バ ナ ー 掲 載 し て 推
奨。さらに、平成21年度より引き続き研修会
を通じて受講者に対し、環境家計簿システム
について周知を行っている。
地球温暖化防止の更なる推進を図るためCO2
排出量削減する為の具体的な取組事例を掲
載した「地球温暖化防止実践マニュアル」
を配布。
○ 関 東 運 輸 局 長 表 彰 で は 5事 業 場 の 推 薦 を 行
い、東京運輸支局長表彰では4事業場の推薦
を行い全事業場が受賞した。
○会員事業場の引取業及びフロン類回収業の新
規登録の支援を実施した。
○会員事業場の引取業及びフロン類回収業の更
新登録の支援を実施した。
①マイカー点検教室の充実
5 ユーザ ー広 報対策
②GOODマークステッカーの
利用促進と環境改善対策事業
との連携
③ラッピングバスの運行
5
○自動車ユーザーに定期点検整備の必要性等の
啓発を目的に、6月~8月にかけて4支部にお
いて計8日間実施。なお、10月~11月が点検
推進月間となっており、24支部で実施。
さらに3月には2支部で4日間実施した。
○環境に優しいCO 2 削減車と称して普及パンフ
レット・エコメンテナンス表等を作成し促進
活動を展開。
毎日新聞読者に対し、折込配布でGOODマーク
ステッカーを通じて自動車整備業界は環境保
全に取組んでいることをアピールした。
売り上げの一部を緑の東京募金に寄付。
○品川ブロックを走行するバス1台のデザイン
を変更するとともに、各ブロック1台の計5台
を都内の各路線で走行させた。
④毎日自動車整備新聞の発行
⑤ラジオ広報の実施
6業界振 興 対策
7組織 運営 対策
(1) 自 動 車 整 備
事業等に係る要
望活動
①行政庁等への意見具申
②日整連、関ブロ各県、関連団
体との連携
(1) 公 益 法 人 制
度改革への対応
①組織運営特別委員会の答申を
踏まえた対応 ※
(2) 組 織 の 活 性
化
①支部組織の統合・再編
②事務局組織の一元化
③災害時の自治体との連携
④レクリエーション
○防災意識の高まりと共に、自治体との連携を
行った。
×本年3月に発生した東日本大震災の影響もあ
り、本年は自粛した。
※
(3)軽自動車検査場(練馬)施設新設に伴う対応
(4)品川支所構内移転への対応
○「毎日自動車整備新聞」第11号を都内約41万
世帯の毎日新聞読者に対し折込配布、全会員
事業場に各10部、「マイカー点検教室」来場
者に配布し、点検整備の重要性をアピールし
た。
○関東ブロック共同広報の一環として、武田鉄
矢さんをCMキャラクターとして起用し、
「点検整備」、「整備付き車検と黄色い認証看
板」「不正改造車」等についてラジオ広報活
動を展開した。
○10月から11月にかけて、関東ブロック共同広
報「武田鉄矢さんのラジオCM」の東京版並
びに点検整備促進のためのラジオパブリシ
ティ放送を実施した。
○9月5日に東京都予算等に対する要望を行っ
た。(自動車税納税通知の封筒に点検整備の
実施を促す文言が追加された。)
○9月28日に国家予算等に関する要望を行った。
(永年の懸案事項であった練馬軽自動車車検
場が2月に新設された。)
○日整連、関ブロ各県、関連団体との連携のも
と事業展開を図った。
○組織運営特別委員会が一般社団法人移行に
向けた課題等の審議を重ねた結果、組織運
営特別委員会より平成23年4月12日付
けで答申があり、坂本会長が5月24日の
通常総会において本答申を尊重して一般法
人化に向かう旨の表明をした。
また、7月からブロック支部を対象に一
般法人移行説明会を開催した。
○各ブロックで具体化に向け動き出した。
○振興会商工組合の業務の補完と連携体制の強
化をもって一体的事業展開を図った。
○練馬軽自動 車検査場新設への 対応を図っ
た。
○当局と折衝の結果、次年度に構内移転するこ
ととなった。
※
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