2. 人材を育てる 科学コミュニケーターの養成 - 日本科学未来館

日本 科 学未 来 館 2011年度の活動
2 . 人 材 を 育 て る 科 学 コ ミュ ニ ケ ー タ ー の 養 成
科 学を伝える人材として科 学コミュニケーター の 養 成に取 組 んでいます。
■ O JT と研 修による人材 養 成
未 来 館が展開する日々の活動に業務として携わること(OJT)を通して、基 礎 力の研鑽と
応用力の強化を行いました。さらに、科学コミュニケーション理論の深化や視野の拡大、発
想 力の強化などをめざした研 修を行うとともに、それぞれのキャリアパスを意識した業務
体験の機会も充実させました。
▶新人向け初期研修 26 項目(約1ヵ月)※4月・10月実施
・オリエンテーション
・組織理解:未来館の科学コミュニケーション活動と科学コミュニケーション活動基本方針につい
て、各部署の活動概要、情報セキュリティ研修、等
・フロアでの科学コミュニケーション研修:解説研修、実演研修、フロア運用研修、等
企画 研 修(ディスカッション)
▶基礎研修・スキルアップ研修 16 講座(通年)
・基礎研修:業務基礎研修(調査)、業務基礎研修(広報・メディア活用)、ファシリテーション研修、プ
レゼンテーション研修、アンケート調査研修、プロジェクトマネジメント研修、メンタル
ヘルス研修、接遇研修(応用)
・発展研修:企画研修(応用)、ライティング研修、コミュニケーション研修、英語プレゼンテーション
研修、英語講演模擬演習
・科学コミュニケーション研修:科学コミュニケーション一日研修(館長・副館長講話等)、科学哲学
研修、キャリアプランニング講座
企画 研 修(実 技)
▶分野研究会(科学技術動向調査とディスカッション) 27回
・外部講師
2011年 8月26 日(金)
:仁坂田英二(九州大学大学院 理学研究院 助教)
:福士謙介(東京大学大学院 工学系研究科 都市工学専攻 環境室リスク管
2011年12 月19 日(月)
理研究室 准教授)
:平松正顕(国立天文台 ALMA 推進室 助教)
2012 年1月11日(水)
■ 2011 年 度の 未 来 館 科 学コミュニケーター 輩 出の 実 績
輩出先 業 種
人数
大学・研究機関等 科学館・博物館等
2名
3名
教育機関
(教員)
2名
企業
2名
その 他
7名
計
16 名
※開館から 2011年度 末までに 159 名の科 学コミュニケーターを輩出しています。
■ 科 学コミュニケーター 事 業 評 価 委 員 会
今後の方 針・計画の改善を図ることを目的として、外部有識 者からなる評価委員会を設 置
し、事業評価を実 施しました。評価 結果は「 A:適切である」でしたが、指 摘事項を事業に反
映することとしました。
開催日:2011年 8月31日(水)、9月27日(火)
( 2 回)
委員長:北原和夫(東京理科大学大学院 科学教育研究科 教授)
委 員:小川義和(国立科学博物館 事業推進部 学習企画・調整課長)
川井恵美子(サントリービジネスエキスパート株式会社 お客様リレーション本部 次世代環
境教育「水育」推進グループ 課長)
小泉周(大学共同利用機関法人 自然科学研究機構・生理学研究所 准教授)
佐倉統(東京大学大学院 情報学環 教授)
千葉和義(お茶の水大学 サイエンス&エデュケーションセンター 教授)
早川信夫(日本放送協会 解説委員室 解説主幹)
平田オリザ(大阪大学 コミュニケーションデザインセンター 教授)
藤井春彦(埼玉県立総合教育センター 所長)
古田豊(立教新座中学校高等学校 教諭)
保坂直紀(読売新聞東京本社 科学部 次長)
増田俊彦(静岡科学館る・く・る 館長)
横山広美(東京大学大学院 理学系研究科 准教授)
2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)
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(講 師・委 員などの 敬 称 略)
日本 科 学未 来 館 2011年度の活動
2 . 人 材 を 育 て る 科 学 コ ミュ ニ ケ ー タ ー 外 部 研 修
外 部 向けの 科 学コミュニケーター育成プログラムとして、短 期 研 修と長 期 研 修を実 施しました。
■短期研修
科学コミュニケーターの基 礎となる情報コーディネーション、プレゼンテーション、ファシ
リテーションをそれぞれ 2日間の講義とグループワークより学びます。
▶カリキュラム
各講座とも、
[ グループワーク+演習+ディスカッション]形式で 3 つのスキルを体系的に学びます。
情 報コーディネーション 講 座
プレゼンテーション 講 座
ファシリテーション 講 座
科 学 技 術を 分析する視 点の深 化
プレゼンテーションスキルの向上
科学コミュニケーションの構築力の強化
・科学情報を論理的に評価する
・情報の社会的価値について考える
短 期研 修
・プレゼンテーションの意義を考える ・コミュニケーションの阻害要因を理
・話す人を観察する
解する
・ファシリテーターの役割を考える
・科学記事作成
・プレゼンテーション構成と発表
・科学コミュニケーション企画の立案
・総括ディスカッション
[講座と自分自身の活動をつなぐ]
・総括ディスカッション
[講座と自分自身の活動をつなぐ]
・総括ディスカッション
[講座と自分自身の活動をつなぐ]
▶2011年度受講生内訳
短期研修( 2日間:10 時間) 合計のべ 200 名(修了者 58 名)受講
[情報コーディネーション講座]のべ 67名
[プレゼンテーション講座]
のべ 66 名
[ファシリテーション講座]
のべ 67名
(受講者の属性) 小・中・高教員(理数系)61名、小・中・高教員(理数系以外)6 名、
広報担当者 13 名、研究者(大学教員・企業研究者)31名、
博物館・科学館職員 21名、NPO/公的機関職員 2 名、
大学院生 40 名、その他 20 名
※「科学コミュニケーター研修プログラム」は、教員免許状更新講習として文部科学省から指定を
受けています。のべ 200 名の受講者のうち 38 名が教員免許状更新講習対象者です。
■ 長 期 研 修(1年コース)
埼玉 県教育委員会より高校教 員( 2 名)を受 入れました。日々の実 践を通じて科 学コミュニ
ケーションの意義を理 解し科 学コミュニケーターとしての総合 力を高めると共に、研 修後
も自身の活動に還元可能な企画の開発に取り組みました。
▶研修テーマ
・学校と研究機関の連携ネットワークの構築について
科学コミュニケーション・ワークショップ「エネルギー問題、どうする?」の開発
長 期研 修
・研究機関と学校との連携による科学教育の推進
科学コミュニケーション・ワークショップ「巡回展パネル(放射線パネル)を活用した科学プレゼン
テーションプログラム」の開発
2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)
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日本 科学未 来 館 2011年度の活動
2. 人材を育てる 日本科学未来館の科学コミュニケーター ①
日本 科 学 未 来 館 での 科 学コミュニケーション活 動をとおして 、科 学 技 術と社 会 をつなぐ役 割を果 たしてい
ます。2011 年 度に活 動した科 学コミュニケーターを 紹 介します 。
天野春樹
荒川裕司
五十嵐海央
出井正道
井上直子
磁性研究装置の研究開発をテーマ
に 理 学 修 士を 取 得 。専 攻とあ わせ
て 取 り 組 ん だ 科 学 コ ミ ュ ニケ ー
ション活動の中で、人の考えを引き
出し気づきを共 有 することの 面白
さに衝 撃が走り現 職 に。イベント「
語ろう! 科学のはじめの一歩」では、
研究者の素顔を引き出すための場
作りに挑戦。挑戦はまだまだ続く。
大学では有機化学の分野で修士課
程を 修 了 。日本 を支 える 科 学 技 術
に対して、市民の理解があまり得ら
れていないように感じ、科学コミュ
ニケーションに興味を持つ。フロア
では、来館者に少しでも楽しんでも
らえるコミュニケーション がした
い。
海洋 生物 資 源学(修士)。環 境 教 育
に携 わった 後 、科 学 的 な 視 点 で の
伝 え 方 を求めて未 来 館へ 。未 来 館
の活動を通じ多様な場面で科学コ
ミュニケーションを行ってきたが、
どんな時でも相手と状 況に合わせ
たアレンジのきく、しなやかな科学
コミュニケーターでありたい。
高校で微生物を用いた商品開発に
携わる。大学で微生物学、食品科学
を 学 ん だ 後 、研 究 所 に 勤 務し 、水
素・メタン二段発酵のプロジェクト
に参加。2006 年度から日本科学未
来 館 に 勤 務 。微 生 物 にロマ ン を 感
じて い る 。科 学 を 知 ることで 視 野
が 広 がって いく感 動 を多くの 方々
と共有したい。
化 学 専 攻( 修 士 )。2 0 0 6 年から未
来 館の展 示フロアにて科 学コミュ
ニケーションを行なっている。メー
カーの技術営業職で培った相手の
考えを引き出すノウハウに加え、来
館者とともに考えることで、科学の
おもしろさ、奥深さに気づいてもら
えたときは、最高の喜びである。
大崎章弘
大西将徳
大堀菜摘子
岡山悠子
落合裕美
機 械 工学 専 攻。博士 後 期 過 程 退学
後 、大 学 助 手 を 経て 20 0 9 年 10 月
より現 職 。前 職 で は 空 中 描 画 によ
る表 現 活 動 の 探 求、体 験 型 装 置の
研 究 開 発 等 を 行な い 、現 在 は自身
をインタフェースに 来 館 者 の 気づ
きや 表 現を引き出す対 話や場づく
りを実 践 中。専 門 はヒューマン・イ
ンタフェース、共創デザイン。
博士(人間・環境学)。日本学術振興
会 特 別 研究 員、高 等 工 業 専 門 学 校
非常勤講師などを経て現職。
「 科学
者だけ が 未 来を 決 め るのでは な
い。未 来はみんなで創るもの」とい
う思 いから日本 科 学 未 来 館へ 。未
来 館が、多くの人が議 論し、明るい
未 来を描き出す 場となることをめ
ざしている。
大 学 で は 主に化 学 を専 攻し 、そ の
後民間で1年半の勤務経験を経て、
20 0 8 年 10 月より未 来 館へ 。科 学
の楽しさを感じるきっかけを、科学
コミュニケーション を 通じて もっ
て もら い た い という思 い の も と 、
日々フロア で のコミュニケーショ
ンを図っている。
専 門 は火 山 岩 岩石学(修士)。民 間
で 2 年間勤務し、2006 年国立科学
博 物 館 サイエンスコミュニケー タ
養 成 講 座 の 受 講 を 機 に 2 0 07 年 4
月より現 職 。4 年目を 迎 え 、人との
つながりの 魅 力という原 点に立ち
返り 、あらゆ る可 能 性 に 挑 戦し 続
けている。
専 門 は 社 会 学 のコミュニケーショ
ン 論(修士 課 程 修 了)。身 体 行 動か
らみるコミュニケーションの観点か
ら、ファシリテーションを研究。
「コ
ミュニケーションを科学する」とい
うテーマのもと、科学と「社会 現 象
や日常生活」の接点を意識した科学
コミュニケーション活動をめざす。
フロア でどのような コミュニケー
ションが 起きているのかを調 査 す
るため、対話ログを取り、研究中。
川崎那緒人
國次 純
久保暢宏
桑子朋子
小林直樹
大 学 で機 械 工学 を 学び、そ の 後 生
きている細 胞のタンパク質を観 察
する方 法 につ いて 研 究( 博 士 号 取
得)。小難しい科学を、
「 誰でも実生
活で簡単に使える形」に整えること
が当 面 の目標。先 端 科 学 の 情 報 が
集まる日本 科 学 未 来 館 でイノベー
ションをおこすべく、研究者と人々
との交流のサポート役を志す。
工学修士。専攻は環境。干潟やゼロ
エミッションなどを研究。環境コン
サル タントを 経て 2011 年 10 月に
現 職。
「 これ からの 環 境 問 題」を来
館 者と一 緒 に考 えて い きた い 。来
館者の「面白かった!」
「 よく分かっ
た!」の言葉が最高の喜び。未 来 館
大好きっ子。
専 門 は表 面 化 学(工学 博士)。実 験
だいすき。
「 見てみる、触ってみる、
やってみ る 」が モット ー 。私にとっ
ての科 学は知らない世界へのパス
ポート 。い つ か 宇 宙 へ…と夢 見 つ
つ、南極観測隊参加、ちきゅう乗 船
を目指して修行中。
佐尾賢太郎
坂巻たみ
提髪玲子
嶋田義皓
志水克大
航空宇宙専攻。長野県松本で一人乗
りヘリコプター の 開 発 に 8 年 携 わ
り、20 08 年 秋より未 来 館へ。現 在
一児の母。科学技術のありがたさと
生命の神秘を噛み締めながら子育
て中。未 来 館 で 科 学 技 術にふ れ た
来 館者の発する思いがけない一言
が仕事を行う原動力となっている。
発 光 性 昆 虫( 蛍 な ど )の 系 統 分 類
で博士号を取得。特別イベント「光
る!私の 実 験 室」や「未 来 館でお月
見!」の全体 統括など担当。人の心
を 動 かし 、自 分 自 身 も 納 得 で きる
仕事を今後も行っていきたい。
ひみつ 道 具で 大 学 に 飛 び入学し 、
大学院では光物性物理学の研究で
博士 号(工学)を取 得。理 科 の 視 点
から日 常 生 活 を 見つ め 、科 学 を日
本固有の文化にしようと 2008 年 4
月より未 来 館へ。
「 百聞は一見に如
かず」がモットー。物 理をきちんと
勉強していない理 系の蔓 延をひそ
かに嘆いている。
ものづくりの 職 人 的かっこ良さに
憧れて、科学技術の世界に。大学で
は 機 械 工学 を専 攻 。修 士 課 程 修 了
後、デジタル機器の制御ソフトウェ
ア開 発を経て 現 職。来 館 者 や 研 究
者など、様々な人々との対 話・議 論
を 通して 、
「科学技術の社会的意
義」の探求に努める。
ナノバイオテクノロジーの研究で博
士 号を取 得し 、製 薬 企 業 で の 研 究
員を 経 て 現 職 。人の 喜ぶ 顔 を 見 る
の が 大 好 き 。大 切 にして い る の は
「考えること・感動すること・楽しむ
こと」。科 学 を 通してたくさん の人
が 考え・感 動し・楽しんでくれる仕
組みが作れないか日々模索中。
大学は得意のカエルで細 胞周期を
研究。JT 生命誌研究館での企画 編
集を経て未来館へ。「未来設計会議
」 イベ ント の 立 ち 上 げ 、常 設 展 示
「生 命 の 科 学と人 間」改修 企 画、公
式 Twitter 企画、研究者アウトリー
チ協力などを行なう。めざすは、未
来に咲く種となるモノづくり。
2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)
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博士(医学)。免疫学を専攻後、ポス
ドク、特任助教を経て、現職。2011
年 度 は 震 災 時 の 活 動として 、w e b
でお問い合わせに答える質問 箱を
担 当。また、実 験 教 室 D N A 鑑 定を
開 発 、実 施 。口ぐ せ は「 忙しくな い
ですよ!」。
日本 科 学未 来 館 2011年度の活動
2. 人材を育てる 日本科学未来館の科学コミュニケーター ②
鈴木真一朗
未 踏ソフトウェア創 造 事 業 で 培っ
た 企 画 力と実 装 力を武 器に、恋 愛
支 援 システムを つくって修 士 号を
取得。その後、商社での研究開発職
を経て、2009 年 10 月より現 職。認
知 科 学と情 報 工学 の 背 景を いか
し、自分にしかできない科学コミュ
ニケーション を 見 いだそうと日々
邁進しています!
竹下陽子
外口慶樹
高橋里英子
高田真希
高見裕一
臨 場 感 の高い 映 像 メディアを実 現
するため 、嗅 覚 刺 激の 提 示 が 視 聴
者へ与える心 理 的効果を研究し修
士 号を 取 得 。通 信 機 器メーカ ーで
新 製 品 の 研 究 開 発 を 4 年 間 行なっ
た後、20 0 8 年 4 月に科 学コミュニ
ケーターとして未来館に転職。枠に
とらわれず柔軟 な 視 点をもった科
学コミュニケーターをめざす。
理 学 博士。生物 の 生 態、進化、発 生
の 境 界領 域 をテーマとした研 究に
従事。GCOE 研究 員などを得て現
職。今ここにある世界のすべてには
物 語 が あり 、そこには 科 学 が 深く
関 わって い る 。そ の 科 学 と 呼 ば れ
る 集 合 は 、い か に 切 り取 れ ば「 未
来」と重ねられるのか。その手法を
考えていきたい。
高 校 教 員、青 年海 外協 力 隊 を 経て
2011 年 1月より現 職 。協 力 隊 で は
電気なし、水道なしでもできる限り
の 実 験 を 生 徒と共 に 楽しむ 中 で 、
見て 納 得 することの 大 切 さ を 実
感。現在の目標は、展 示を通してそ
の科 学 技 術が何で、どうすごくて、
私 達とどう関 わってい るかを相 手
に合わせて解説すること。
物 理 学 を専 攻し 微 粒 子 の 拡 散シ
ミュレーションで修士号を取得。シ
ステム エンジニアを 経 て 2 0 0 8 年
12 月より未 来 館に勤 務。子どもの
頃 に 感じた 科 学 の 不 思 議 さや 、わ
かったとき の 楽しさを 伝 えるため
に日々フロア で 奮 闘 中 。目 標 は 来
館者との対 話の中で新たな発 見を
共有すること。
田端萌子
千葉磨玲
寺田雅美
寺村たから
大学では、ダイオキシン類によるア
ザラシへの毒性評価を行ない修士
号を取 得 。分析 会 社で の 技 術 職を
経験後、
「 研 究 成 果 が 国 民 に伝 わ
る 」ことの 重 要 性 を 感じて 科 学コ
ミュニケー ター 職 に 就く 。来 館 者
が新しい視 点や世界観に出会えれ
ばと、日々奮闘中。
地 球 惑 星科 学で 修士取 得。虫 が 嫌
いで 実 演 に 苦 戦した 経 験 あり 。最
近 は 科 学 の 分 野 間 だ けで なく 、科
学とアートなど様 々な分 野 の イン
タラクションに夢中。それが科学コ
ミュニケーションを面白くすると信
じている。
「 日 々 勉 強 」、
「時間厳
守」、
「 南極進出」を目標にフロアで
修行中。
専門は分子細胞生物学と科学技術
社会論。学部時代、アメリカで植物ウ
イルスの発現機構の仕組みにとりつ
かれ科学の世界に参入。大学院では、
がん細胞の細胞分裂期の研究、そし
て日本の大学発バイオベンチャーに
ついて研究を行い、2011年 4月より
現職。
「人を育て、社会を変革し、未来
を創る」を胸に秘め、日々の科学コ
ミュニケーション活動に勤しむ。
進 化 発 生 生 物 学 を専 攻 。研 究 者を
志していた が、
「 科 学ジャーナリズ
ム授業」をきっかけに進 路変更。国
立公園等インタープリター(環境教
育 )、某 都 内 科 学 館 イン ストラ ク
ターを経て、現 職。世界とのつなが
りを 実 感し 、日 常 の 深 み を 見 出す
コミュニケーションがしたい。愛読
書は「センス・オブ・ワンダー」。
ドラえも ん を 読 んで 理 科 好 きに 。
理学修士(化学)。食品メーカー、通
信 会 社を 経 て未 来 館へ 。展 示フロ
アでの対 話業務では「伝える」こと
と「伝わる」ことの 違いをひしひし
と 感 じ て い る 。より広くより 楽 し
く 、科 学 が「 伝 わ る 」方 法 を マ ス
ターすること が 、未 来 館 在 勤 中 の
目標。
豊田倫子
西原 潔
野副 晋
野田裕美子
蓮沼一美
小学生の頃から理科全 般に興味を
もつ。大 学、大 学 院 では 地 球 科 学、
環 境 学 を専 攻 。医 療 系 メーカー の
研 究 開 発 職を 経て 、20 0 8 年 10 月
より現 職 。館 内 館 外 の 対 話を 中 心
とした 科 学コミュニケーション 活
動を展開しつつ、新たな科学コミュ
ニケーションの場、表現法を日々模
索中である。
大学院と研究所で植物の染色体に
つ いて 研 究し 、2011 年 4 月より未
来 館へ 。言 葉 と写 真 による 表 現 の
方 法 を 模 索しつ つ 、科 学 につ いて
語り合うため の土 壌 づくりを目指
している。根 が 寂しがり屋なので、
様 々な人との出会 いを 大事にして
いきたい。趣 味は写 真とドライブ。
足と頭を使った撮影が目標。
専門は大気環境学。植物から放出さ
れる微量 成分の測定に関する研究
で博士号取得(農学)。生態系の物質
循環を調べるため、閉鎖環境に 2 週
間滞在した経験あり。研究員を経て
2011年10月より現職。二児の父。難
しいことをできるだけわかりやすく
楽しくコミュニケーションできるよ
う、日々修行 中。科 学コミュニケー
ション界のエンターテイナ−を目指
している。
得意科目は「理系科目以外」にも関
わらず 、海 好 きが 高じて 理 系 へ 進
学 。マリアナ 海 域 深 海 底 の 磁 化 構
造 解 析で 修 士 号 取 得 後 、コン サル
ティングファームを経て、20 0 9 度
より現 職 。文 系 理 系 関 係 なく科 学
に 親し め る 場 を つくり 、研 究 成 果
や 研 究者 の 魅 力を 伝 え たい 。科 学
と観光の協働スキームを模索中。
大 学 で は 教 育 学( 理 科 教 育 )を 専
攻。科学コミュニケーションの能力
を高めるため、20 0 9 年 4 月より未
来 館 へ 。新し い 科 学 コミュニケー
ションのあり方を模索しながらも、
日々の業務を楽しんでいる。
長谷川麻子
早川知範
林田美里
細川聡子
松山桃世
専門はロシア文学。
ロシア語通訳翻
訳 業などを経て、
「 こんな私が未 来
館に入ったらいったい何が起きるだ
ろう!?」
という好奇心でコミュニケー
ターに挑戦。
予想通り
「科学の常識」
と格闘する毎日だが、
未知の世界に
出会うこの衝撃をいかに伝え、
この
経験をどう社会に生かすか、
それが
ほんとうの挑戦だ。
そして、
近くて遠い隣国ロシアと日本
をつなぐ仕事もしていきたい。
専 門 は 天 文 学 。アメリカ 、ニ ュー
ヨー ク州 にて博 物 館 学 を 学 び 、プ
ラネタリウム解説員を経て 2010 年
4月より現職。英会話講師の経歴も
持ち、なによりも人と人とのコミュ
ニケーションを大切と考える。最近
の 興 味 はアジ ア 、特に 韓 国 の 科 学
館。
物理学と宇宙をこよなく愛する。米
国カリフォルニア州 にて物 理 学 修
士を履修 後、帰国。I Tエンジニアと
英文科学記事執筆を経 験して現職
に 。来 館 者に「 科 学 する 」ことの 楽
しさを 感じていた だくことが日々
の目標。
植物の匂い認識の研究で修士号を
取得。博士課程途中で研究を離れ、
大 学 のシン ポジウムや セミナーを
インターネットで配信するプロジェ
クトに従 事 。20 07 年 度 4 月より未
来 館 に常 勤として 勤 務 。大 学 や 研
究 所に眠ってい る驚 きと感 動を多
くの人に伝えたい。
2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)
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線虫相手に研究生活 10 年?専門は
分子生物学(理学博士)。暗記嫌い、
謎 解 き 好 き 。ワクワク する仮 定 を
たて て 実 験 、得ら れ た 結 果 からモ
デル を 立 て て さらに 検 証 する 、日
常生活で役立つ研究の醍醐味を伝
えたい。研究者の思考法のちょっと
したコツを、どんな仕掛けで体得し
てもらうか、思案中。
日本 科 学未 来 館 2011年度の活動
2. 人材を育てる 日本科学未来館の科学コミュニケーター ③
水野 壮
三ツ橋知沙
村嶋 恵
山崎 功
渡辺有紀
ゴ キブリや 蚊 を日々 解 剖し 、農 学
博士取得。専門は分子生物学、応用
昆 虫学。昆 虫・三国 志・科 学 の三本
柱で、科学コミュニケーション活動
を行なっていく。展示場内活動歴 2
年 、常 設 、巡 回 、企 画 展 示 担 当 歴 2
年。三国志 検 定 1 級取得。食 用昆 虫
科学研究会発起人。
専 門 は植物 分 子 生物 学(修士)。実
験 三 昧 の 日々を 送るが 、さらに お
もしろい 仕事 を求めて研究 所から
未 来 館へ 。専 門 外 の 科 学 のおもし
ろさを知り、日々の生活もより楽し
くなった。一般社会に伝わる方法を
模索中。
専 門 は栄 養 学(博 士)。食べ 物がか
らだをつくっている!ことに感動を
覚え、からだと栄養、さらに心と栄
養 の つな がりを研 究 。日 常 すぎ て
科学っぽくない栄養学を、ゆるく科
学コミュニケーションして い きた
い。
高 校 卒 業 後 、い ろん な 人や文化 に
接したいと思い米国に留学。ミネソ
タ大学大学院で自然環境教育を専
攻。そ の 後10 年 間ミネソタ科 学 博
物 館 で 勤 務。2011 年 1月から未 来
館 で 勤 務 。外 国 の お 客 にも 楽しん
でもらえる環境を作って行きたい。
白衣と実験に憧れ、農学部に進学。
イネの害虫抵抗性の 研究を通じて
出会った 留学 生 たちの 話を 聞くう
ち、関心はイネより海 外に。修士課
程 卒 業 後 は、青 年海 外協 力 隊 でホ
ンジュラスへ渡り、感染症の媒介虫
対 策に従 事 。未 来 館 で出 会う様 々
な人との出会いが宝物。
江水是仁
尾崎美貴子
小山内裕美
恩田雄一郎
木邑優子
美 術系 歴 史 系博 物 館 勤 務 の 後、未
来 館へ。建築計画の立場から、展示
と 人との 間 で 起こるコミュニケー
ション に 注 目し 、展 示 空 間 の 評 価
を研究。博士(工学)。社会科学的人
文科学的文脈で未来館の「脱構築」
が研究課題の一つ。現在、学芸員養
成 課 程 の 科 目を 担 当 、委 嘱として
未来館の現場に立つ。
高 校 卒 業 後 、い ろん な 人や文化 に
大 学 では 機 械 工学 を専 攻。科 学 技
術 の 進歩はバリアフリーな 社 会に
つながる !?との思いで来 館 者との
バリアフリー化をめざす。自分がわ
くわくする気持ちを、他の人へ伝え
るよう邁進中。
科 学 の 楽しさを伝える事に興味を
もち、20 03 年より未 来 館に勤 務。
一人でも多くの方に「科学って面白
い! 」と 感 じ て い た だ ける よ う 、
日々、科学コミュニケーションに励
んでいる。脳にとても興味があり、
大 学 院 にて生物 物 理 学・神 経 科 学
を学び、2010 年に博士(理学)。
小さい頃に見た MITのロボコン番
組 に 感 動 し 、科 学・機 械 好 き に 。
買ったチョロQはほとんど解体し、
大 学 では 機 械 工学 を 学ぶ。未 来 館
でコミュニケーションの 面 白さに
開 眼 。リピート 来 館 者 倍 増 をひ そ
かな目標に、SC 活動奮闘中!
幸繁優子
笹川浩美
橘 美由紀
中村江利子
藤谷 哲
理 工学 部生体 物 質 工学 研究 室に
て 、た ん ぱく 質 の 修 飾 を 研 究し 、
nature に掲載。鉄鋼先端技術研究
所にて、真空中での原子、分子の動
向 研 究 。2 0 0 6 年 4 月より 未 来 館
で、生命エリア担 当。遺伝 子工学と
社会の関わりに興味がある。
GWイベントは「変化朝顔」担当。サ
アラスカにてインタープリテーショ
ン を 学 ぶ 。理 学 修 士( 地 球 環 境 科
学 )。専 門 は 極 地 の 植 物 。2 0 0 5 年
より常勤として勤務し、VIP 向けの
英 語ツアー 、特 別 企 画 展(「 マンモ
ス から の 警 告 」展 )の 展 示・イベ ン
ト企画に携わった。現在、育児をし
ながら「 3 歳 からわかる科 学」をめ
ざし、勉強中。
大学で環境科学や生物科学を学
び、環 境 計 量 士(濃 度関係)と技 術
士補(環境部門)などの環境関連の
資 格を 取 得 。銀 行 システム 開 発 の
仕事 を 経 験 後 、大 学 院 に戻り海 洋
生物の研究で修士を取得。2003 年
より未 来 館 勤 務 。海 洋 生 態 系や 環
境 問 題について強い 関 心をもって
いる。
大 好きな情 報科 学 技 術を楽しくご
紹 介 で きるサイエ ン ス・コ ミ ュ ニ
ケーション 実 践 の 場としての 未 来
館 に 魅 力 を 感じ 、開 館 時より非 常
勤 で 着 任 。中 高 講 師 を し な が ら
2 0 0 0 年博 士 号( 工 学 )取 得 。専 門
は教育工学。現在都内大学准教授。
担 当 科目は 教 育 方法 技 術、情 報 科
教育法等。
マーナイトは企画から関わる。蛍の
光 交 信・実 験・暗 闇 体 験 付 き「 光
る!私の 実 験 室∼ 光を操 る生物 多
様 性と地 球 環 境」6 回実 施。JST 先
端 的 科 学 館連 携推 進 事 業、千葉 市
科 学 館 第1回「 地 球 環 境 ∼ 蜜 蜂 に
学ぶ 生きる知 恵 」講 演 。農 学 博 士 。
研究所大学研究員。
専門分野は環境教育と持続可能な
開発のための教育( ESD )。大学 卒
業 後 、ス ポーツ用 品 メーカ ー に 勤
務 。退 社 後 、青 年 海 外協 力 隊( フィ
ジ ー )、愛・地 球 博 でインタープ リ
ターなど 。大 学 院( ストレスマネジ
メント領域)ではコミュニケーショ
ン に つ いて 研 究した 。モット ー は
「よく生きる」こと。
●科学コミュニケーション専門主任
堀井京子
池辺 靖
小沢 淳
竹内 恵
橋本裕子
物 理 化 学 専 攻 で 修 士取 得 後、数年
間 精 密 機 器メーカーにて技 術 者と
して 開 発 に 携 わり 、未 来 館 で の 非
常 勤 勤 務 に 至る 。学 生 時 代 から歴
史 、音 楽 、美 術に関 心 が あり 、文化
や日 常 生 活 の 一 部 としての 科 学 、
という視 点をもってお客 様と対 話
することを心がけている
理学博士。宇宙物理の分野で、理化
学研究所、ドイツマックスプランク
宇 宙 空 間 物 理 研 究 所 、ア メ リ カ
NASA /GSFC において 9 年 半 の
研究生活を経て、2004 年より未来
館勤務。地球環境とフロンティア分
野担当。
科 学 技 術系シンクタンクを経て現
職 。専 門 は コ ン ピ ュ ー タ・グ ラ
フィック 。前 職 で は 、情 報 技 術 を
使った 近 未 来 社 会 の 予 測 や、科 学
技 術と文化芸 術の融合領域におけ
る政 策 研 究 な ど を 行なった 。未 来
館では情報科学技術分野の展示企
画を担当。
工学 博 士。石油 会 社の 技 術 者等 を
経て 2003 年より未来館勤務。技術
革新と未来の分野を担当。
理学博士。専門は生化学。学術振興
会特別研究員、非常勤研究員、民間
企 業 で の サイエンスライター 等 を
経て未来館へ。企画展・医療の常設
展 示・実 験 工 房・サイエンスカフェ
な ど に 関 わ る 。研 究 者 ば かりで な
く、誰もが科学を気負わずに語り、
人 生 が 豊 かになる出会 いの場を
作っていきたい。
2012 © National Museum of Emerging Science and Innovation (Miraikan)
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