ここが問題!リニア新幹線 2013.6.15

ここが問題!リニア新幹線
リニア新幹線NEWS
2013.6.15
No.8/リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会発行
ML [email protected]
HP http://web-asao.jp/hp/linear
特集「NO!リニアデー」(1~2面)
国交省交渉で署名提出、大臣宛に凍結要請
(全員参加で国交省鉄道局と交渉)
(報道関係者の前で署名1万9千提出)
リニア新幹線沿線住民ネットワークの「NO!リニアデー」行動が6月7日(金)午後2時から夜まで国会周
辺で行われた。初めに、国土交通省正門に沿線ネットの川村晃生、天野捷一両共同代表や懸樋哲夫事務局長、N
O!リニア連絡会の山根沙姫代表を中心に、沿線ネット参加団体から約30名が集まり、リニア問題について行
動予定を確認した。午後2時半からの交渉では代表団5人が国交省内に入る予定だったが、すべての参加者が出
席可能となり、庁舎内に入った。国交省側は鉄道局幹線鉄道課の柏木亮、新見健吾の両計画係長や施設課の松村
昇課長補佐ら6人の若手官僚が応対した。沿線ネット側は川村、天野、山根、懸樋各氏と相模原連絡会の浅賀き
み江代表が主に発言した。
最初に、この日までに集約された、リニア計画凍結署名1万1660筆とNO!リニア連絡会の南アルプスに
リニアトンネルを掘らないよう求めた独自の署名など7千筆あまりの合わせて1万9130筆の署名を提出し
た。続いて、天野共同代表が太田昭宏国交大臣宛のリニア計画の凍結・再検証を求める要請書を読み上げて提出
した。
国交省も明確に発言~「中間駅停車は1時間に1本と認識」
国交省に対し、自然破壊の問題について、「環境省からも問題点が指摘されたにもかかわらず、国交省はその
意見を無視した」
、
「JR東海の自己負担だが、国費を投入しなければならない恐れがある」と発言したが、国交
省は「環境への影響が無いよう進めると考えている」、「国費は投入しない」などと答えた。「1時間に1本しか
中間駅にリニアが停まらないのに、各県の建設促進期成同盟会は5本停車として地元への経済効果を宣伝してい
る」と指摘したのに対し、国交省側も「1時間に1本と理解している」と述べた。これを受け私たちは、「だと
したら、あたかも5本停車を前提にした経済効果の宣伝は住民を惑わすことになり、根拠のない数字で惑わす宣
伝は、国交省として止めるよう指導すべきだ」と求めた。国交省の担当官僚からは、「JR東海がやっているこ
と」と、監督責任を果たしていないことを強く感じた。私たちは、JR東海の情報開示が極めて少ないことに関
連し、
「公共事業だとすれば、国は監督責任があり、情報を出させるべきだ」と求めた。山根さんからは「南ア
ルプスに抱かれた大鹿村の美しさを国交省の人はぜひ見てほしい」、浅香さんからは「リニアのため伝統ある相
原高校の移転や駅関連施設を地元負担でやれば教育や福祉の予算が削られる」と切実な声が上げられた。国交省
だけでなく、今後環境省にも働きかけよう。
(写真=門平きょう子さん)
院内集会で地質専門家が危険性を指摘、川村共同代表は「リニアは滅亡への軌道」
(院内集会に100名参加)
(地質学者・松島信幸氏)
(講演する川村晃生共同代表)
午後4時から衆議院第一議員会館の多目的ホールで、国交省交渉参加者を含め、約100人が参加して、院内
集会「リニア計画の凍結・再検証を求めて」が行なわれた。司会は門平きょう子さんが担当。冒頭4月15日に
衆院予算委員会でリニアの質問をした佐々木憲昭議員が挨拶、
「国会ではリニアを審議する場が無い」
「リニア問
題に関心を持つ議員が少ない」と現状について紹介、参加者を驚かせた。
講演のスターターは地質学者で理学博士の松島信幸さん。『南アルプス長大トンネル工事の危険性』をテーマ
に、80歳を超えたとは思えないしっかりした口調で「リニアの南アルプストンネルは20キロではなく50キ
ロに及ぶ。その周辺の地質は薄くめくれあがり複雑に重なっている。脆弱で複雑なところに長大トンネルを掘る
のは極めて危険だ」と警告した。二人目の河本和朗さん(大鹿村中央構造線博物館学芸員)は『南アルプスの地
殻変動、活断層、東海地震』と題して、「南アルプスまでフィリピン海プレートが食い込んでおり、東南海地震
が起きれば、その周辺も震度7の揺れに見舞われる。トンネルを造るべきでない」と述べた。最後に、リニア沿
線ネット共同代表の川村晃生さんが『リニア~滅亡への軌道』のテーマで講演、「スピードのみを追求するリニ
アは、便利さや効率を追求してきた技術信仰の延長にあり、人口減少の中で社会の無用の長物となり、負の遺産
を次世代に残すだけ。リニアに象徴されるのは文明消滅への道に私たちは入ろうとしていることだ」と述べ、リ
ニア計画に強い懸念を明らかにした。
このあと、意見交換が行われた。日本自然保護協会の辻村千尋さんは、「日本のアセス(環境影響評価)の手
続きは事業計画ありきで、それに合すメントになっている。法律的には多少改善されたが、それでも公共事業が
アセスで覆された例はほとんど無い。私たちは、事業計画策定にあたって、計画段階で環境問題などについて行
政の責任を問わなければならない。リニアも環境省に対しプレッシャーを強める必要がある」と助言した。JR
東海労、JR総連からも多くの参加があった。
午後6時から、会場で記者会見が行われ、新聞2紙とフリーの記者3人が参加し、リニア沿線ネットとしての
今後の活動の方向などについて質問が出された。これに対し川村共同代表は「リニア計画の凍結を求める国会議
員連盟をつくるよう働きかける」と答えた。また、天野共同代表は「JR東海の情報開示の無さは目に余る。一
般の関心がないのもそのためだ。自治体が主催するリニア公聴会の開催を追求して行きたい」と述べた。
院内集会のあと、参加者の一部は首相官邸前の脱原発行動に合流し、リニア計画の凍結を訴えた。
川崎市議会・まちづくり委員会が、
全会一致でリニア説明会開催の陳情を趣旨採択
3月13日、東京・神奈川連絡会が、麻生の会、宮前の会、中原・高津の会の連名で、川崎市議会大島明議長
あてに提出した「リニア中央新幹線に関する説明会促進の陳情書」は、まちづくり委員会に付託され、5月22
日午前10時から審議が行われた。陳情書の趣旨は、川崎市内5区の20キロにわたってリニア新幹線の大深度
トンネルが掘られる計画で、来年度中に工事を始めるとされるのに、JR東海は一昨年夏に5区で住民説明会を
開いただけで、その後はリニアの正式ルートや立坑の位置、掘削工事の市民生活や環境に与える影響など、市民
の不安や疑問に答える説明会を市内で全く開催していない。私たちの再三の要請にもかかわらず、まちづくり局
は、市民に対しJR東海に説明会を開かせる役割と責任を果たしていない。そのため、市議会として、JR東海
による川崎市内での住民説明会を早急に開催させるよう市当局に強く働きかけるよう尽力してほしいというも
の。
当日は、連絡会を中心に19名が委員会を傍聴した。市側からは、まちづくり局の田中敬三局長、綿貫交通政
策室長、丸山担当課長らが出席、陳情書を読み上げた後、「JR側への説明会開催要請については、文書で何度
も行なっているが、JR側の反応はもう一つ」と説明、今後も県、期成同盟会を通じて働きかけて行きたい」と
述べた。このあと、松原成文委員長(自民)ほか11人の委員による質疑が行なわれ、最後に自民委員から趣旨
採択が提案され、委員長が図った結果、全会一致で趣旨採択された。陳情書の議決には、採択、趣旨採択、継続
審議、不採択があり、趣旨採択は強制力を持たないが、リニアに対する私たちの取り組みが市議会にも理解され
たことで全会一致の議決が行われ、地道な私たちの活動が一歩前進したと言える。議決は翌日の朝刊で朝日、毎
日、読売、東京、神奈川の5紙が報道した。
「JR東海の対応は不誠実」「市が説明会を開くべき」「市の情報活動が不足」
この日の委員会では、出席委員から、市のリニア計画に取り組む姿勢に注文意見が相次いだ。
■佐野仁昭委員(共産党)
「インターネットでリニア新幹線のルート図が載っている。情報が独り歩きしている。JR東海の情報公開が遅
いからだ。次の説明会は川崎市で開かせるべきだ」
■木庭理香子委員(民主党)
「JR東海の対応は不誠実だと感じた。大深度を走る武蔵野南線も音が地上で聞こえる。大深度だから音は大丈
夫ということでなく、電磁波を含め市民の不安に感じていることを確認してほしい」
■竹田宣廣委員(みんなの党)
「2011年秋の説明会に市は参加していない。なぜか。まちづくりの一環として、市主催で説明会を開く考え
はないのか。市として説明会に積極的に取り組むべき。住民は真下を通るということでたいへん心配している。
市は市民と一体となって考えて行かなければならない」
■後藤晶一委員(公明党)
「市として情報活動が足りないのではないか。140万市民のほとんどがリニアを知らない。今後、説明会をし
っかりやってほしい。JR東海は環境保全事務所を置いている、ホームページで公開していると言うが不十分だ。
あらゆる機会をとらえて市民に積極的に知らせるべきだ」
■斉藤隆司委員(共産党)
「市の市民に対する対応は不誠実だ。武蔵野南線建設の時は、小学校の行動に住民が大勢集まって説明を聞いた。
リニアには騒音・振動・水の問題など、市民への影響は大きい。市はJRの事業だからと突き放すのではなく、
市民の側に立って関わり、説明会もJR任せにしないで積極的に開くべきだ」
改めて、JR東海に早急に川崎市で説明会を開かせることなど、市長あての要請書提出
連絡会では、全会一致の趣旨採択を受け、6月12日、まちづくり局の綿貫交通政策室長と会い、市長あてに
「委員会の議決を受け、早急に説明会を開かせること」「仮定の数字で過大な経済効果を謳い住民を惑わす期成
同盟会に協力しないこと」
「市として、リニア事業者、行政、研究者、推進派、凍結派が参加する公聴会を開く
こと」を趣旨とした阿部孝夫市長あての要請書を提出した。
リニア山梨説明会、まちづくりフェスタ、脱原集会~最近の活動から
(まだ続く山梨リニア延伸工事)
(まちフェスでリニア紙芝居上演)
(脱原発集会で院内集会チラシ配布)
5月13日、山梨県でJR東海による今年初の説明会が行われ、東京・神奈川連絡会から4人が参加した。中間
駅イメージの発表、環境調査の現状報告が主だったが、駅のイメージは簡素そのもの。待合室・切符売り場、売
店は無く、駅員は置かず、駅管理者のみ、あとは地元負担で考えて下さいというもの。
中間駅にはできるだけリニアを停めたくないというJR東海の魂胆が見え隠れ。説明会の前に、リニア実験線の
延伸工事現場を見学した。まだ、民家近くで高架軌道の工事が行なわれていた。また、新たな残土置き場(?)
が出来ていた。5月26日は、JR南武線、東急田園都市線の溝の口駅デッキで「第19回環境、公害、まちづ
くりフェスタ」が開かれ、東京・神奈川連絡会もブースを確保し、リニア計画の概要、実験線工事の写真、川崎
市内のリニア想定ルート図などを展示し、市民にチラシを配布。昼休みのステージでは、西村光子、山本太三雄
コンビによる「リニア紙芝居」を上演した。6月2日には東京・芝公園の「つながろうフクシマ、さようなら原
発集会」に参加、JR各社の組合員に対し、リニアのチラシを渡し、6月7日の院内集会への参加を呼び掛けた。
リニア相模原学習会に参加しよう!
6月23日(日)午後2時から、小田急線相模大
野駅そばの「ユニコムプラザ」セミナールーム
で橋山禮治郎氏の講演会「必要か!リニア新
幹線」が開かれる。橋山さんは、公共事業とし
てのリニアの採算性、環境対策、安全性など、
いずれにも欠陥があると指摘、計画発表後も
国交省や国会で審議が著しく不足しているとし
て、計画の再検証を求めています。多くの皆さ
んの参加をお願いします。
<問い合わせ>
大島さん ~042-744-4048
中野渡さん~042-712-7077
会員を拡大しましょう!
会費は年間1000円です。振込は下記へ。
郵便振替口座記号番号
00120-3-489093
口座名
リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここが問題!リニア新幹線~NEWSNO.8
発行:リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会
発行責任者:
天野捷一 044-866-5785
懸樋哲夫 042-565-7478
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・