特定健診制度の考え方 地域医療担当理事 中石滋雄 はじめに∼演者の考え • 特定健診・特定保健指導の基本理念は間違ってはいない。 • しかし、現行の健診・保健指導のルールではうまくいくはず はない。 – 健診の内容・実施方法には問題が多い。 – 保健指導の内容・実施方法にはさらに問題が多い。 – 広報が著しく不足している。(国・市町村) • それでも、医療機関は、健診・保健指導に積極的にかか わるべきである。 – 医療機関が関与せずに特定保健指導を放置した場合、 医療 費財源が民間市場に流れ出る危険がある。 – 生活習慣病対策として網羅的健診と受療管理が必要である。 – 医療機関が健診・保健指導に積極的に関与し、真に国民のた めのものになるように変えていく必要がある。 特定健診制度の理念 • 国民の健康づくり(憲法25条)を実践すること 1. すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生 活を営む権利を有する。 ⇒一人ひとりの国民の健康管理 1. 国は、すべての生活部面について、社会福祉、 社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努め なければならない。 ⇒国による制度基盤の構築の義務 国民からみた特定健診制度 • 一人ひとりの国民の継続的な健康管理・受療 管理 – みずからの健康状態を知ることができる。(自覚 症状のない生活習慣病の早期発見) – いつでも過去の健康状態を参照できる。 – 適切な健康管理の支援・受療管理の支援をうけ ることができる。 • 管理するのは本人である。 • コントロールではなく、マネジメントである。 一人の国民からみた従来の健診制度 (企業・行政・医療機関が別々に管理する情報) 健診結果異常なし 健診で境界型を指摘 A社 独立開業 健診で糖尿病を指摘 治療中断 住民健診 C診療所 D病院 発症 40歳 50歳 60歳 70歳 75歳 一人の国民からみた特定健診制度 (継続的な健康管理の支援・受療支援) 耐糖能異常を指摘 A社 医療保険者による健診受診支援 健診情報管理・受療支援 糖尿病指摘 受診勧奨が早くなる 住民健診 C診療所 受診開始が早くなる C 診療所で受療 中断期間が短くなる 糖尿病が軽症でとどまる? D病院 D 病院で受療 治療中断を警告 40歳 50歳 60歳 70歳 75歳 保健指導の効果 耐糖能異常を指摘 保健指導 A社 糖尿病の発症が遅くなる? 住民健診 糖尿病がさらに軽症でとどまる? C診療所 C 診療所で受療 D病院 D 病院で受療 40歳 50歳 60歳 70歳 75歳 かかりつけ医からみた特定健診制度 • 一人ひとりの地域住民の健康管理・疾病管 理に貢献するための基盤となる。 – 発症前から地域住民の健康管理に関わることに よって、生活習慣病の発症予防に貢献できる。発 症後も責任を持って、治療にあたることができる。 – 健診受診支援・受療支援の責任をもつ医療保険 者と協力して仕事をする必要がある。 産業医からみた特定健診制度 • 健診の意義が変容する。 – 従来の健診は、従業員の労働効率を高めること がその目的であった。(事業主のための従業員 の健康管理) – 特定健診制度により、事業主は医療保険者と協 力して、従業員の健康管理について責任をもつこ とになった。(従業員のための従業員の健康管理) 行政からみた特定健診制度 • 系統的・網羅的な国民の健康管理の支援 – すべての国民が、“もれなく”健康管理を行う機会 を提供する。 – すべての国民が、適切な保健指導・医療をうける 機会を提供する。 • 構築されるであろう健診結果データベースは、健 康づくり等の政策立案に極めて有用である。今後、 このデータベースを国民の健康づくりに役立てる ため、国は最大限の努力を尽くさなければならな い。 学会からみた特定健診制度 • 人類史上、類のない生活習慣病に関する疫 学データベースを構築することが可能となる。 本邦における医学研究に対する貢献ははか り知れない。 医療保険者に課された責任 • 特定健診制度において、医療保険者は給付管 理等のみならず、健診受診支援・健診情報管理・ 受療支援・医療情報管理を担当することになり、 従来と比較にならないほど重い責任を負うことに なる。 • 被保険者に対し、有用で信頼できる保健情報・ 医療情報を提供し、実際にその資源を利用でき る環境を整える義務を負うことになる。 • 医療保険者が課された責任を全うするためには、 医療機関(かかりつけ医)・事業主(産業医)と緊 密に連携することが必要である。 かかりつけ医が特定健診・特定保健 指導を実施するために必要なこと • かかりつけ医自身の課題:特定健診制度の 理念を理解すること。 • 行政等の課題:データの電子化に対する行政・ 代行機関による適切な支援。 かかりつけ医がとくに特定保健指導を 実施するために必要なこと • かかりつけ医自身の課題:かかりつけ医による特定保 健指導実施スタイルの確立。 – 医師の初回面接/指導計画策定/終了後評価と准看護師・ (管理栄養士でない)栄養士等実践的指導実施者による 実践的指導とからなる院内連携体制の構築 – 行動変容の考え方の理解 • 医師会等の課題:保健指導対象者のマネジメント 医 療機関型特定保健指導モデルの提示 • 行政の課題:実践的指導実施者に対する講習の早期 の実施(あるいは講習受講義務免除期間を暫定的に 設定すること。) 実践的指導実施者の問題 • 准看護師・看護師・助産師 • (管理栄養士でない)栄養士(食生活の指導の み) • 薬剤師 • 理学療法士(運動習慣の指導のみ) – ほかに 歯科医師・歯科衛生士など • 実践的指導を実施するために必要な講習 – 運動習慣の改善 約150時間 – 食生活の改善 約30時間 かかりつけ医からみた特定保健指導 の問題点1 • ルールが厳密でない。 – 生活習慣病治療薬の使用の有無は、自己申告 ではなく、医療保険者がレセプトに基づいて公平 に判断すべきである。 – 喫煙の有無は、客観的評価が難しく、もともとメタ ボリック症候群の診断基準にも含まれないことか ら、保健指導レベルの階層化条件から除外する べきである。(禁煙指導は独立したテーマとして 取り上げるべき) • 脂質異常症のメタボリック症候群の判定基準 は、中性脂肪が150mg/dl以上か、HDLコレ ステロールが40mg/dl以下のはず。LDLコレ ステロールは判定基準には含まれない。 かかりつけ医からみた特定保健指導 の問題点2 • 各種基準に微妙なずれがある。 – メタボリック症候群判定と保健指導レベル階層化 のずれ – 学会診断基準と受診勧奨基準のずれ 現場の混乱が予想される。 • 受診者用報告書にメタボリックシンドローム判定 を求めているが、これと階層化された保健指導 レベルとが異なる事例が、少なからず発生する ことが予想される。 – 女性で腹囲88cm 身長160cm 体重64kg 血糖 101mg/dl 血圧140/80 中性脂肪151mg/dlの場 合、メタボリックシンドローム判定は、③非該当である にもかかわらず、保健指導レベルは積極的支援とな る。保健指導対象者の理解を得られない。 かかりつけ医からみた特定保健指導 の問題点3(医療に対する考え方) • “標準的な健診・保健指導プログラム”の基本的 考え方となっている軽症生活習慣病患者を医療 機関に受診させずに、先に保健指導をおこなうと いう考え方。(医学的評価の欠落・鑑別診断の 重要性の認識不足) • “標準的な健診・保健指導プログラム”では、医療 とは投薬することであると考えられているように 思われる?疾患の診断基準を満たす患者への 生活指導は、本来、保健指導ではなく療養指導 と呼ぶのがふさわしく、医療そのものである。 かかりつけ医からみた特定保健指導 の問題点4(指導対象者の範囲) • 保健指導の対象範囲が広すぎること。(大海 になわをうつようなもの。) 後期高齢者医療制度への支援金の 加減算 • 後期高齢者医療制度への支援金の加減算は適 切なコスト評価への妨げとなる。 – 提供するサービスに対して妥当な報酬ではなく、減 額される支援金より多いかどうかが、サービスを採用 するための判断基準となる。 – 基本的な考え方としてはアウトカム評価を求めている にもかかわらず、加減算のための参酌標準において はアウトプット評価の比重を高く設定しているため、 特に、特定保健指導において粗製濫造を招く可能性 が高い。ひいては、質の高い保健指導を実施しようと する医療機関の取り組みへの妨げとなる。 特定健診制度が機能した後の医療界 • 医療保険者の権限が、現在と比較にならない ほど強くなる。(医療保険者、とくに健保組合 による医療機関の選別の危惧) – 医療保険者が、重大な責任も同時に負うことを強 調する必要がある。 – 国民皆保険・フリーアクセスを守るシステムづくり の必要性がある。 • 特定健診制度に関与しない医療機関には生 活習慣病患者が来院しなくなる? 演者の考え • 国が生活習慣病対策を放棄しない限り、特定 健診が廃止されることはない。制度に多くの 問題点、矛盾を抱えており、医師会が中心と なって改善を訴える必要がある。 演者の考え2 • 特定保健指導は、 (いわば、生活習慣病予 備群指導料として・・)単なる努力義務に変化 させるべきである。 – 実施可能な施設が、希望する対象者にのみ実施 する。(現在の医療保険における栄養指導と同様 なもの。) – 対象者判定方法、実施方法は大幅に変更する必 要がある。 演者の考え3 • かかりつけ医は特定健診制度にどのように 対応するべきか? – 通院患者・近隣に居住する住民の特定健診を、 “将来の患者候補として”積極的に引き受ける。そ の健診受診者が保健指導によって患者にならな いように努力する。 – 健診制度において変更すべき点を積極的に提言 する。 小規模医療機関が特定保健指導を 実施するために必要なこと • 少数例を実施する場合 カルテに準じて記録 し、特定健診と同様に大阪府医師会に代行 入力を依頼する。(まだ準備はできていない が・・・) • ある程度の対象者数を実施する場合、何らか の支援システムを利用することが望ましい。 特定保健指導実施支援システム • ITを用いた特定保健指導実施システムが健 康支援産業各社から販売されている。 • 購入型のものは特定保健指導の今後の見通 しが確実でないことを考えると小規模医療機 関は手を出しにくい。 特定保健指導支援システム“カルナ“ • “カルナ”は、特定健診のデータをもとにインター ネットを用いて、特定保健指導の支援を行う システム。 • 初期投資が不要。収入が発生してからその 一定割合を支払う。 • 開発は九州大学(第3内科)と九州電力。 • すでに3年の稼動実績を持つ。 かかりつけ医からみたカルナの利点 • インターネットに接続できるパソコンが1台あ れば利用できる。(デスクトップでも部分的に は利用できる。) • 初期投資がない。 • システムの更新がいらない。プログラムはす べて九州電力のデータセンターの中にある。 • 保健指導のナビ機能が充実しており、保健指 導の準備を効率化し、報告文書等を自動的 に作成できる。 カルナ利用料 カルナの採用状況 • 福岡市国保と福岡市医師会が締結した集合 契約において、医師会会員医療機関を独占 的に代行。 • 5月22日から開催される日本糖尿病学会で 公表予定。 • 大阪糖尿病クリニックネットワーク 17医療 機関で採用を内定。 • 千葉の民間ネットワークで採用を検討。 糖尿病疾病管理プログラムとしての “カルナ” • 本来、“カルナ“は、特定健診・特定保健指導 のみならず、糖尿病の患者管理(ディジーズ・ マネジメント)を行うために開発されたシステ ムである。 面談予定者一覧の表示(予約日当日) 面談予定日を登録した受診者が面談ナビゲーションシステムの一覧に表示されます 面談予定者一覧 面談スター ト 面談ナビゲーションシステム 15 面談ナビゲーション(インターネット環境ありの場合) プログラムについてのご説明画面です プログラムのご説明画面 「次へ」ボタンを押すこ とで,順次面談をナビゲー ションしていきます 面談ナビゲーションシステム 16 面談ナビゲーション(インターネット環境ありの場合) 受診者の健診結果の表示例です 健診結果画面 診断結果に応じ て背景や文字の 色が変わります 面談ナビゲーションシステム 17 面談ナビゲーション(インターネット環境ありの場合) 生活習慣改善の努力レベルの表示例です 生活習慣改善の努力レベル判 定画面 健診結果や問診結果より判 定された生活習慣改善の努 力レベルをわかりやすく表 示します 面談ナビゲーションシステム 18 面談ナビゲーション(インターネット環境ありの場合) 毎日取り組む具体的な目標の表示例です 行動目標の設定画面 目標例:食事編 目標例:運動編 面談ナビゲーションシステム 19 面談ナビゲーション(インターネット環境ありの場合) 面談結果報告書をその場で受診者にお渡しすることができます 面談結果報告書のダウンロー ド画面 面談結果報告書の出力 面談結果報 告書の配布 面談結果報 告書のダウ ンロード 面談ナビゲーションシステム 20 面談ナビゲーション(インターネット環境なしの場合) 事前に面談報告書をダウンロードしておき,面談報告書のエクセルファイルに直 接面談内容の記入を行います 面談時 事前に面談ナビゲーショ ンシステムより面談報 告書をダウンロード 面談内容を直 接エクセルファ面談 イルに入力 結果 報告 書 面談結果報告書 システ ムに自 動登録 面談ナビゲーションシステム 健診データ共有サービス 今後開発予定 21 カルナ説明会 • A 天王寺区・生野区のかかりつけ医を対象とした特定健 診対応プロジェクト 日時: 5月17日(土) 14:00∼17:00 会場: 大阪府医師協同組合6F 会議室B 内容:特定健診対応システムのご案内 • B 大阪糖尿病クリニックネットワークメンバーを対象とし た特定健診対応および糖尿病疾病管理プロジェクト 日時: 5月18日(日) 13:00∼15:00 会場: ホテルラフォーレ新大阪19F ヨークの間 (http://www.laforethotels.com/shinosaka/) 内容:特定健診対応システムのご案内 糖尿病疾病管理 モデル事業のご案内 カルナ説明会 • ご参加をご希望の先生は、 カルナヘルスサポート [email protected] までお申し込みください。 Intermission 健診制度の変更に関する留意点 地域医療担当理事 中石滋雄 特定健診受診券 • 特定健診を実施するには、医療保険者から 交付される特定健診受診券(例 大阪市特定 健康診査あ受診券)の回収と、被保険者証 (保険証)の確認が必要である。 • 保健センター等が実施する集団健診は、大 阪市国保被保険者(本人・家族)のみが受診 可能である。受診券と保険証の両方を提示し てはじめて受診できる。 大阪市国保の特定健診 • 4月下旬、特定健診受診券(A4版1枚)が、 送付された。 • 対象は、40才から74才までの被保険者(本 人・家族)すべてである。(約50万人) • 受診券は、年度内有効であるが、4月1日以 降に住民票を移した場合、無効となる。 社保・共済・国保組合 • 健康保険・共済被保険者(本人)は、大阪府 医師会の集合契約の対象ではない。健康保 険被扶養者(家族)のみが集合契約の対象で ある。 • 医師国保、薬剤師国保などの国保組合は被 保険者(本人・家族)が対象である。 社保・共済家族の取り扱い • 政府管掌健康保険の被扶養者(家族)には、 特定健診受診券が交付されるものと思われ る。 • 健康保険組合・共済の家族には、特定健診 受診券が発行される場合と、受診券が発行さ れず、後日、受診者が健康保険組合に請求 する場合とがありうる。受診者が提示したも のが有効であるかどうかは、医療保険者問い 合わせ窓口にご質問ください。 空腹時血糖とHbA1c • 国のルール(標準的な健診・保健指導のプロ グラム)においては、血糖検査として空腹時 血糖とHbA1cのいずれかを実施するように 定めている。 – 健保・国保組合は、食事後10時間経過している 場合空腹時血糖を、そうでない場合HbA1cを求 めている。 – 大阪府内市町村国保は両方を測定することを求 めている。 特定健診と生活機能評価 • 特定健診と生活機能評価を同時に実施する と、特定健診分の費用が大幅に減額される。 (事実上、生活機能チェックを無料で実施する ように求めている。) • 特定健診と生活機能評価を別の機会に実施 するとそれぞれ満額が支払われる。 生活機能チェック 問診 身長・体重・BMI 血圧 費用 2835円 生活機能チェック チェック項目を 判定して、該当 するもののみ 生活機能検査に すすむ。 費用 2835円 生活機能検査 関節・筋力の触診等 口腔内視診 反復唾液嚥下テスト 心電図 貧血・アルブミン検査 費用 7938円 生活機能評価 • 生活機能チェック+生活機能検査=生活機能 評価 • 生活機能評価の対象は、65才以上であり、 要支援・要介護認定を受けていないもの。 特定健診・後期高齢者健診と生活機能評価の関係 年 齢 40才∼64才 要支援・要介護認定 *1 後期高 特定健診 ○(受診券が必要) 者健診 生活機能評価 料 金 自己負担金(免除あり) 基本健診 7,948円 詳細な健診 基本 無料 貧血検査 241円 詳細 600円 心電図検査 1,575円 眼底検査 588円 特定健診(基本健診)のみ 7948円 特定健診(詳細な健診) 同上 受けていない ○(受診券が必要) ○(受診券は不要) *2 生活機能評価のみ 生活機能チェック 2835円 同上 生活機能検査 7938円 65才∼74才 特定健診+生活機能チェック 7948円 *3 特定健診+生活機能検査 9859円 *4 要支援・要介護認定を受けている ○(受診券が必要) 受けていない ○(受診券は不要) 要支援・要介護認定を受けている ○(受診券は不要) 40才∼64才と同様 ○(受診券は不要) *2 契約未締結 同上 無 料 75才以上 *1 40才∼64才で要介護・要支援認定をうけている場合も特定健診については同様です。 *2 特定健診・後期高齢者健診と生活機能評価を同時に実施すると、請求費用において不利になります。 *3 特定健診相当分 5113円 *4 特定健診相当分 1921円 契約未締結 無 料 特定保健指導を実践する者 • 医師5分(初回面接/指導計画策定 終了後 評価)+准看護師15分(実践的指導) で特 定保健指導の時間要件を満たす。 • 医師は特定保健指導実施者である。 • 准看護師は実践的指導実施者である。 実践的指導実施者が実践的指導を 実施するためにうけるべき講習 • 食事指導を実施するためには約30時間の、 運動指導を実施するためには約150時間の 講習をうける義務がある。 • この講習を企画できるリーダーを厚生労働省 が定めており、おそらく、大阪府医師会内に はいない。 • 大阪市や大阪府にはこの講習を実施できる ものがいるはずである。 大阪市国保の特定保健指導 • 5月に回収した特定健診データから特定保健 指導対象者を選定し、その対象者に利用券 を送付するのは、(おそらく)7月∼8月になる ものと思われる。 • 7月までに実践的指導実施者を養成するた め研修会を開催することが必要であるが、ど こも手をつけていない。 • 本年度に関しては、講習受講要件を免除する ように強く働きかける必要がある。 健診データの送付・請求 • 大阪市の準備する手書きの大阪市特定健康診 査個人票に記入し、大阪府医師会に提出するこ とで、健診データの代行入力を依頼することがで きる。(コンピューター処理用のOCR用紙に記入 して提出することになる可能性がある。) • 大阪市特定健康診査個人票の地区医師会への 提出期限は実施月の末日である。これを府医師 会がとりまとめて、翌月5日までに代行入力し、 国保連合会・支払基金に提出する。 • 代行入力費用は未定。 後期高齢者医療制度による健診 • 大阪府広域連合(後期高齢者医療制度)加 入者(75才以上 特定疾患指定患者では65 才∼74才の場合もある。)に対する健診は、 特定健診に準じて行われる。受診券は5月下 旬から6月上旬に郵送される予定。 • 特定保健指導は実施されない。 肝炎ウイルス検査 • 項目 B型肝炎ウイルス抗原検査 C型肝炎 ウイルス抗体検査(確認検査あり) • 対象 40才以上の大阪市民 • 特定健診・後期高齢者(医療)健診・生活保 護受給者を対象とした健康診査と同時に実 施することが必要である。 • 自己負担金 1000円 • 特定感染症検査等事業とは別の制度 その他の健診 • がん健診等については従来と同じ。 • 大阪市総合健康診査(ナイスミドル健診)の 胃がん健診と大腸がん検診は同一医療機関 での実施が必須となった。 特定健診の実際 特定健診 • 基本的な健診 • 詳細な健診 基本的な健診の項目 • 問診票 (生活習慣に関わるもの) • 血液検査 脂質(TG HDLC LDLC) 血糖 (空腹時血糖 または HbA1c) 肝機能検査 (GOT GPT γGTP) • 尿検査 蛋白 糖 • 血圧 腹囲 BMI(身長・体重) この2項目は保健指導対象者の階層化においてきわめて重要 =その重要性に比較して、データの信頼性はきわめて低い 大阪市国保の問診表では削除されている。 =なるべく全員に保健指導利用をすすめるという姿勢のあらわれか? 大阪市特定健康診査個人票 ②いいえ に丸をしていただくことを おすすめします。 詳細な健診 • 貧血検査 – 貧血の既往のあるもの(質問表問7)、診察で貧血が疑わ れるもの。 • 心電図・眼底検査 – 1年前の健診等で血糖・脂質・血圧・肥満のすべての基準 を満たすもの。(医療機関で管理されているものを除く) – 生活習慣病の合併症検査を1年前のデータで判定する?? – 診察で不整脈があっても心電図検査の適応はない? – 眼底検査は糖尿病と高血圧の合併症をみるためだけに ある?? (注記) • 基本健診のみ 本人負担なし 医療機関が 大阪市国保に請求する金額 7948円 • 診察で貧血を認めた場合 基本健診+詳細な 健診(貧血) 本人負担600円 健診費用 7948円+241円=8189円 医療機関が大阪 市国保に請求する額 7589円?? まとめ • 特定健診を実施するときには、特定健診受診 券を回収し、保険証を確認して保険番号を確 認してください。 • 特定健診受診券は、支払いが終了するまで 手元で保管してください。 • 受診者が提示した受診券が有効か無効が判 断できないときは、記載されている医療保険 者問い合わせ窓口にご質問ください。 ご静聴ありがとうございました。
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