簿記簿記ブギウギ 日商3級レベル 簿記超入門 未払金・未収金 商品以外の売買に伴う債権・債務 商品売買(売上・仕入)において、「売り上げた商品の代金を後でもらえる権利=売掛金(資産)」 と、 仕入れた商品の代金を後で払わなければならない義務=買掛金(負債)」 を学習しました。 ところでビジネスにおいては備品や消耗品、有価証券など 商品以外の売り買いも頻繁に発生します。 簿記では「商品売買にかかわる資産、負債」と、「商品売買以外の資産、負債」を区別します。 商品以外の物品、有価証券などを売買したとき みばらいきん 後で代金を支払わなければならない義務(=商品売買における「買掛金」)を「未払金」 み し ゅ うきん 後で代金を請求する権利(=商品売買における「売掛金」に相当) を 「未収金」と呼びます ◆未払金 商品以外のものの売り買いにおいて、 「まだ代金を支払っていない=後で支払わなければならない義務」 を ポイント 未払金 と呼びます。 未払金 = 負債 負債なので、 発生したら(増加したら)貸方、 減少したら 借方… です ①物品やサービス(商品以外のもの)を 購入したとき 鶴田商店は備品として書類保管用のキャビネット 20,000 円を購入し、代金は翌月末に支払うこととした キャビネット購入にともない、↓備品(資産)が増えます。 ↓代金を後払いにするので未払金(負債)が発生 借方科目 金額 貸方科目 金額 備品 20,000 未払金 20,000 ※備品は固定資産のうちのひとつです。机や椅子、キャビネット、複合機やプリンタ等は「備品」として仕訳します 2009 © 廣田義幸 簿記簿記ブギウギ www.hirotayoshiyuki.com -1- ②未納の代金を支払ったとき 鶴田商店は先月購入した書類保管用のキャビネット 20,000 円の代金を 小切手を振り出して支払った 支払いが行われたので↓未払金が減少します。 ↓小切手を振り出したので当座預金が減少します 借方科目 金額 貸方科目 金額 未払金 20,000 当座預金 20,000 ◆未収金 商品以外のものの売り買いにおいて、 「売り渡したものの代金をまだ受け取っていない→代金を受け取る権利」 を ポイント 未収金 と呼びます。 未収金 = 資産 資産なので、 発生したら(増加したら)借方、 減少したら 貸方… です ①物品やサービス(商品以外のもの)を 売却したとき 藤波商店は使用しなくなった応接家具セット 50,000 円を売却し、代金は翌月末に受け取ることとした 代金を後で受け取るので 未収金(試算)が発生 ↓ 備品を売り渡しましたので 備品(資産)の減少 借方科目 金額 貸方科目 金額 f未収金 50,000 備品 50,000 商品ではないので、「売掛金」 とはません ! ②未収の代金を受け取ったとき 藤波商店は 先月売却した応接家具セット 50,000 円の代金を 先方振り出しの小切手で受け取った 支払いが行われたので↓未払金が減少します。 ↓小切手を振り出したので当座預金が減少します 借方科目 金額 貸方科目 金額 現金 50,000 未収金 50,000 相手振り出しの小切手を受け取ったので「現金」↑(資産)の増加。支払われたので未収金が消滅しました。 2009 © 廣田義幸 簿記簿記ブギウギ www.hirotayoshiyuki.com -2- ◆重要事項 「逆は必ずしも真ならず」 立場が違えば… 商品ならば売掛金、買掛金、 商品以外のものならば未収金、未払金 …。 それでは、以下の取引について、買い手と売り手、両方の立場からの仕訳を考えてみましょう。 南原商事は内村電機からオフィスで使用するエアコンを購入し、代金 100,000 円は翌月末支払いとした。 ① 南原商事からみた仕訳 南原商事にとってエアコンは自社の備品ですので、前項で見たように「未払金」で処理されます 借方科目 金額 貸方科目 金額 備品 100,000 未払金 100,000 その一方… ② 内村電機からみた仕訳 同じ取引を売り手である内村電機からみればエアコンは商品です。ですから 仕訳も商品売買として仕分けます 借方科目 金額 貸方科目 金額 売掛金 100,000 売上 100,000 このように、ひとつの売買取引を 双方の立場からみたときに、必ずしも仕訳が対称の関係にはならな いことがあります。 売買取引においては、当事者それぞれにとってそれが「商品売買」であるのか、そ うでないのか、を明確に判別することがポイントとなります。 ポイントまとめ 1. 商品以外の売買にともなう掛け払いは、仕訳上 商品売買とは区別する 2.「まだ代金を受け取っていない」=未収金 「まだ代金を支払っていない」=未払金 3.同じ取引でも 片方が商品であり、他方からみると商品ではない、というケースもあることに注意 2009 © 廣田義幸 簿記簿記ブギウギ www.hirotayoshiyuki.com -3- Let’s try ! 未収金 未払金 の仕訳 基本練習 1. 馬場商店は鶴田商会から商品運搬用トラック 300,000 円を購入し 代金は翌月末の支払いとした 借方科目 金額 貸方科目 金額 2. 馬場商会は 上記の購入代金 300,000 円のうち 半額を小切手で、残りを約束手形を振り出して支払った 借方科目 金額 貸方科目 金額 3. 木村商事(オフィス家具店)は猪木商店にキャビネット 150,000 円を販売し、代金は翌月末に受け取ることとした 借方科目 金額 貸方科目 金額 4. 猪木商店は木村商事(オフィス家具店)よりキャビネット 150,000 円を購入し、代金は翌月末の支払いとした 借方科目 金額 貸方科目 金額 答え 1 車両運搬具 300,000 2 未払金 300,000 未払金 300,000 当座預金 150,000 支払手形 150,000 3 売掛金 150,000 売上 150,000 4 備品 150,000 未払金 150,000 2009 © 廣田義幸 簿記簿記ブギウギ www.hirotayoshiyuki.com -4-
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