事故事例11~18(pdf)

事例11
【PCB含有高圧コンデンサの調査作業中に発生した公衆感電負傷事故】
受電電圧
6.6kV
受電電力
110kW
主任技術者選任形態
不選任
事故発生年月・天候
8月・晴
感電電圧
6600V
事故発生の電気工作物
引込ケーブル接続点
事故原因
被害者の過失
被害の内容
両手電撃症
経験年数
−
<事故の概要>
・被災者は電気担当者ではなかったが、受電用キュービクル内に保管中のPCB含有高圧コンデン
サの調査を行うこととし、上司(鍵の管理者)から金網柵と受電用キュービクルの鍵を借りた。
・キュービクルの裏扉を開けステンレス製保管箱の中にPCB含有高圧コンデンサがあることを確
認し、その写真を撮るため高圧コンデンサを保管箱から外に出した。撮影後、保管箱に戻そうと
したとき6.6kV引き込みケーブル接続点の充電部に触れ感電負傷した。
・事業場内が全停電したため、上司が受電キュービクルに行き被災者を発見した。
・直ちに救急車を手配し病院に搬送したが、両手に電撃傷を負い、手術、入院となった。
<事故の原因>
被災者は、電気に関する知識が
無かったために充電状態のまま
キュービクル内に入り感電事故と
なった。
<再発防止対策>
○従業員全員に電気に関する安全
教育を行う。
○従業員によるキュービクル内作
業は電気主任技術者等の立会の
もと、全停電して行うよう指導する。
≪お願い≫
電気主任技術者は、日頃の点検の際に従業員と接触する機会などを捉えて、電気に関する認識を
深められるよう積極的に意識啓発をしてください。
なお、
「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適切な処理の推進に関する特別措置法(平成13年7月施行)」
により、保管中のPCB廃棄物について毎年6月末までに都道府県知事等に報告する義務が課せら
れましたが、保管場所がキュービクル内、電気室内などの場合は、事故防止のため停電させてから
確認していただくようお願いします。
また 、「電気事業法/電気関係報告規則(平成13年10月15日改正 )」により、使用中のPC
B含有機器について経済産業局への届出も義務付けられましたが、規則改正後1年以内に届出を行
うこととされていますので、年次点検時の停電に合わせて確認するなど安全に作業していただくよ
うお願いします。
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事例12
【ダンスダンスレボリューション使用中に発生した公衆感電負傷事故】
受電電圧
6.6kV
受電電力
165kW
主任技術者選任形態
不選任
事故発生年月・天候
11月・晴
感電電圧
100V
事故発生の電気工作物
100Vプラグ接地線
事故原因
その他
被害の内容
感電症
経験年数
−
<事故の概要>
・あるカラオケ店内には、カラオケ機器と娯楽機器であるダンスダンスレボリューション(DDR)
が設置してあった。
・DDR用電源プラグは、接地線端子付きのプラグになっており、埋込用コンセント上段に差し込
んであった。その接地線端子は、下段に差し込んであったプラグの電圧相に接触していた。
・被災者は、カラオケ用マイクを右手に持ち出入口ドアノブを左手で握った瞬間、感電負傷した。
・主回路には、漏電遮断器が設置されており、200mA設定であったが、不動作であった。
・被災者は、左手に異常を感じ病院で治療を受け、感電症と診断された。
<事故の原因>
・接地線が必要な設備であったが、その接続がなされていなかった。
・DDRの接地線とマイク金属部分はシールドケーブル等で電気的
につながっていた。
<再発防止対策>
○接 地線 が必 要 な 設 備に
は、必ず接地設備を施
工する。
○カ ラオ ケル ー ム の 出入
口扉ノブは金属部分を
覆い絶縁化する。
接 地線 端 子 が下段 に
差 し込 ん で あった プ
ラ グの 電 源 相に接 触
していた。
感電電流回路:DDRの接地線→DDR本体→カラオケ本体→マイク(右手)→金属製ドアノブ(左手)
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事例13
【フォークリフト充電作業中に発生したアーク火傷事故】
受電電圧
6.6kV
受電電力
1051kW
主任技術者選任形態
不選任
事故発生年月・天候
7月・晴
使用電圧
200V
事故発生の電気工作物
バッテリー式フォークリフト
内蔵充電器プラグ
事故原因
電気工作物の操作
被害の内容
Ⅱ度熱傷
経験年数
−
<事故の概要>
・被災者は、バッテリー式フォークリフトのバッテリーに充電するため充電用差込プラグを右手で
持ち、フォークリフト受け口プラグに差し込んだ時、アークが発生し右手を負傷した。
・この時、配線用遮断器(MCCB 3P30A)が動作した。
・なお、陸運局による法定点検では異常はみられなかった。
<事故の原因>
フォークリフトの充電器受け口プラグの故障に気が付かず、充電しようと電源プラグを差し込ん
だ。
<再発防止対策>
○配線用遮断器を漏電遮断器(ELB)に取り替える。
○プラグ・コネクターを差し込んだ後、操作盤スイッチを入れて通電する。
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事例14
【配線用遮断器増設工事中に発生したアーク火傷事故】
受電電圧
6.6kV
受電電力
268kW
主任技術者選任形態
不選任
事故発生年月・天候
8月・曇
使用電圧
6600V
事故発生の電気工作物
避雷器(LA)
事故原因
作業準備不良
被害の内容
Ⅱ熱傷
経験年数
40年
<事故の概要>
・ある事業場では、パソコンネットワーク用配線用遮断器の増設工事に被災者を含め2名で従事し
ていた。
・第1柱SOGは開放せず、受電用遮断器VCBを開放し、被災者ひとりで作業をしていた。(この
時、避雷器はVCB電源側の受電キュービクル内にあり、充電されていた。)他の作業員は別の作
業をしていた。
・低圧電線を入線した後、圧着端子を取付ける準備のため、受電キュービクル内に入り体の向きを
変えた時、体の右側が避雷器電源側端子(S相、T相)充電部に接触し相間短絡したため、アー
クが発生し火傷した。
・この時、SOGの操作用電源がなく、相間短絡と地絡により配電線を停止させた。避雷器T相が
絶縁破壊をしていたため再閉路は失敗し、波及事故となった 。(供給支障電力900 kW、時間
46分)
・被災者を病院に搬送したが、右胸腹部、頸部の熱傷と診断された。
・当該工事については、主任技術者へ事前に連絡していなかった。
ブレーカー取付予定位置
<事故の原因>
・被災者は、受電キュービクル
内が全停電していると思って
作業をした。
・第1柱SOGを開放せずに、
VCBを開放したためキュー
ビクル内にあった避雷器が充
電されていた。
・今回の工事については、主任
技術者へ連絡していなかっ
た。
<再発防止対策>
感電場所
○受電設備に関係する作業は主任技術者と事前に打合せを行い、停電範囲を確認する。
○受電設備に関係する作業は構内第1柱SOGにて開放し、全停電で実施させる。
○作業前には必ず検電しアースフックを付けるよう指導する。
○キュービクル内にある避雷器が設置している前面にアクリル板を取り付けた。
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事例15
【コンセント・プラグの接触不良により発生した電気火災事故】
受電電圧
6.6kV
受電電力
91kW
主任技術者選任形態
不選任
事故発生年月・天候
6月・雨
使用電圧
200V
事故発生の電気工作物
フォークリフト充電用コンセ
ント・プラグ E付3P
事故原因
保守不備・保守不
完全
被害の内容
被害額3億6千万円相当
経験年数
−
<事故の概要>
・ある事業所の倉庫では、夜間に数台のフォークリフトを充電していた。
・勤務中の従業員が、倉庫内のフォークリフト充電場所付近から火が出ているのを発見し、直ちに
消防署へ通報した。
・電気主任技術者が現地に到着し、消防署及び電力会社と相談し消火活動に支障がないように主管
ブレーカーを切った。
・火災発生から約9時間後にようやく鎮火した。
・フォークリフト充電用コンセントは、約10年前のものを使用していた。
<事故の原因>
調査の結果、フォークリフト充電用コンセント及びプラグの接触不良により異常発熱が発生し、
コードを燃やし倉庫に燃え移ったものと推定した。
なお、事故前には、コンセント受け刃の開き、コンセントの絶縁物の亀裂・脱落、及びプラグの
挿入不足が主任技術者により発見されており、改修依頼が出されていた。
<再発防止対策>
○コンセントは抜けにくい引掛形とする。
○コンセントの下にケーブル固定用の金物を設けて、それにケーブルをひもで結び付けることによ
りケーブルの荷重がコンセントにかからないようにする。
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事例16
【電工ドラム使用中に発生した電気火災事故】
受電電圧
6.6kV
受電電力
183kW
主任技術者選任形態
不選任
事故発生年月・天候
7月・晴
使用電圧
100V
事故発生の電気工作物
電工ドラム
事故原因
過失
被害の内容
工場640m2全焼
経験年数
−
<事故の概要>
・従業員は、工場内にある製袋機のプラグをケーブルを巻いたままの電工ドラムに差し込み電源を
入れた。
・製袋機のヒーターが温まるのを待つ間、従業員はその場を離れ、約15分後、製袋機に戻ってく
ると、電工ドラムから煙が出て発火していた。
・消化器で消そうとしたが火の勢いが強く、工場内の製品などに延焼しはじめたので、消防署へ通
報した。発生から約1時間後に鎮火した。
・電工ドラムは、平成12年12月に購入したもの。
<事故の原因>
製袋機の電源配線に使用した電工ドラムをケーブルを巻いた状態で使用し、負荷電流の20Aに
よりケーブルが発熱し発火した。電工ドラムの定格電流は、電工ドラムの本体が焼失したため確認
ができなかった。なお、一般的に使用される電工ドラムの定格電流は15Aが多く使用されている。
<再発防止対策>
○製袋機用の電源配線には、負荷電流に十分耐える専用の移動電線を使用する。
○従業員に電気設備の安全使用についての教育を実施する。
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事例17
【除草作業中に発生した波及事故】
受電電圧
6.6kV
受電電力
870kW
主任技術者選任形態
兼任
事故発生年月・天候
7月・晴
使用電圧
6600V
事故発生の電気工作物
引き込みケーブル
事故原因
作業者の過失(強
制投入)
供給支障電力・時間
570kW・1時間46分
経験年数
−
<事故の概要>
・従業員が引込柱付近を草刈り機を使って除草作業をしていた時、誤って引込ケーブル及び保護管
を切断した。
・現場に居合わせた電気副責任者が停電を確認し、直ちに主任技術者に連絡したが、休日であった
ため連絡がとれなかった。(この時点で、地絡継電器が動作し構内停電となっていた。)
・電気工事業者に電話で相談したところ、SOGが閉になっているか否かの確認を受けたため、現
地へ行き確認したところ、誤ってSOGを一時的に投入してしまった。(再度、地絡継電器が動作
し構内停電となった。)
・電気工事業者が現場に到着し、地絡継電器が動作したことを確認し、引込ケーブル保護管を除去
し事故点の状態を見たところ、ケーブルの表皮のみを傷ついただけであると判断し、復電するこ
とにした。
・SOGの電源供給用遮断器が投入していることを確認した後、SOGを投入したが復電しなかっ
た。(この時、波及事故となった。)
・直ちに、電力会社に連絡し、電力会社の区分開閉器を切り工場への送電を停止したことにより事
故点が切り離され、供給支障が解消された。
・その後、主任技術者が現場に到着し、上記内容を確認した。
<事故の原因>
・復電する前に、事故点を十分に調査しなかった。
・復電する時に、SOGの電源供給用遮断器を投入
したつもりが、実際は投入していなかった。
その理由は、この遮断器が他の遮断器の入切の方
向と異なっていたために、投入したものと判断し
たため。
<再発防止対策>
○保護継電器が動作した時は、原因の調査を確実に
行い対策を検討のうえ復電することを徹底する。
○高圧配電線の保護カバーに「高圧線注意」の表示
を行った。
○すべての除草作業指示者に今回の事故状況を報告
し、構内に設置してある高圧線への認識を高め、
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周辺での作業時における注意を促した。
○引込柱下部をコンクリートにて固め、周り
に防護柵を設けた。
○復電作業においてSOG投入時には、SO
G電源供給用遮断器が入っていることを確
認する。また、同遮断器は、投入時の開閉
レバーの方向が異なること明示した。
○携帯電話を含めた新緊急連絡網を整備し、
それに従った連絡の徹底を指導した。
事例18
【送電線下の伐採作業中に発生した波及事故】
受電電圧
77kV
受電電力
事故発生年月・天候
3900kW
主任技術者選任形態
選任
2月・晴
使用電圧
77000V
事故発生の電気工作物
送電線2号線(変電所引込部
分)
事故原因
作業者の過失
供給支障電力・時間
3200kW・11分
経験年数
−
<事故の概要>
・ある自家用の事業場では、送電線下で支障する恐れのある樹木を伐採するため2時間の予定で送
電線2号線の停電を行った。
・現地の工事監督者から伐採作業が予定どおり終了した報告を受けた自家用電力指令員は、電力会
社の給電指令所に作業が終了したことを報告した。その後、電力会社の給電指令所から給電の指
示を受けた。
・自家用側の送電線の断路器を投入したところ、電源側にある電力会社の送電線が停電した。
<事故の原因>
調査の結果、送電線の負荷側末端(変電所
内)に接続されていた接地線(構内接地)を取
り外していないことがわかった。
<再発防止対策>
○自家用の電力指令員の構内接地の取扱いに
ついて、再度教育を行う。
○構内接地の管理は現地の工事監督者が管理
するのではなく、電力指令側で管理する。
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