【AQAメールマガジン Vol.22】なぜアクアはCMへの取り組み を選択したのか? *****様、 -----------------------------------------------------------*AQAメールマガジンは、これまで弊社の事業を通じて名刺交換 させていただいた方やメール、ホームページ等へお問い合わせを いただいた方へお送りしております。 -----------------------------------------------------------アクアの大谷です。 いつもアクア・メールマガジンをお読みいただきましてありがとう ございます。いよいよ 4 月、各企業様とも新しい目標に掲げられて いることと存じます。 そして、今回のメールマガジンは、新年度のスタートということで 「アクアのマネジメント」といたしました。 これは、私・大谷が発表役を務め実施した 2 月のアクア社内勉強会 の内容に基づいています。 おかげさまで、 アクアも様々な事業主の方々とのお付き合いにより、 業務範囲が拡大し、それにともなう体制づくりを進め、新しいスタ ッフが加わってきています。 そのような状況の中で、私としてはやはり、アクアの原点の部分を もう一度見直し、新しいスタッフはもちろん、すべてのスタッフに 「アクアのマネジメント」をよく考えてもらえる機会を持ちたいと 考え今回の社内勉強会のテーマを選びました。 ぜひその内容を事業主のみなさまにお読みいただきまして、 「アクア の目指すマネジメント」と「アクアのできる貢献」をより深くご理 解いただければ幸いです。 4 回に分けての配信を予定しております。ぜひ最後までお付き合い をお願い申し上げます。 ------AQA MAIL MAGAZINE-------Vol.22-----{{{{{ アクア相談室 }}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}}} 建築、構造、設備、積算・コスト、設計事務所の選定、FM・建物 収益改善計画ならびに法律的な側面も含めた発注方式のアドバイス 等、各分野の専門担当者がみなさまのご相談にお答えいたします。 ぜひ、下記 URL までお気軽にアクセスしてください。 ■アクア相談室 http://www.aqa-pm.co.jp/advisor/ ------------------------------ *配信先メールアドレスの変更や配信停止のご連絡は下記までメー ルにてご連絡をお願いいたします。 (配信停止/アドレス変更)[email protected] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<< CMの普及の可能性とアクアの目指すマネジメント(1) ~なぜアクアはCMへの取り組みを選択したのか? *発表者:大谷龍則 >>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>> 私たちの社名である「アクア」 この「アクア=AQUA」という言葉のルーツは、古代インドのサ ンスクリット語 argha(アルガ)で、そこから派生したという説があ ります。 この古い語源を持つアクア=「水」を社名とした理由は、 「不透明な 建築システムに水を流し、クリアにしていこう」という、創業当初 から変わらない私たちの理念がつまっています。 そして私たちアクアが「不透明な建築システムに水を流す」ために 採用した手法が、 「CM」です。 このメールマガジンをお読みになっているみなさまは、ご存じの方 が多いことと思いますが、下記に一応、 「CMの説明」を述べさせて いただきます。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ CMとは +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 従来の発注方式は、ゼネコン(元請業者)が発注者より設計図書に 基づいて約束した工事費・工期内で工事を一括して請け負って完成 するという方式である。 これに対して、 CM方式は、 選定されたCMrが発注者の側に立ち、 設計や工事調達方式の検討、工程管理、コスト管理など各種マネジ メント業務を実施する方式として理解されている。 このCM方式は、いくつかのバリエーションはあるものの、従来方 式において受・発注者が抱えている問題点を解決する方式の一つと して、米国、英国など欧米諸国を中心に採用されてきた。そして、 現在の日本の建設産業界においても、その役割が広く認識されると ともに、重要性も増してきている。 -----------------------------------------------------------つまり、私たちは、 「事業主側の準委任を受けて、マネジメント(調 整をする) 」する役割を担っているということです。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ CMの歴史 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ CM方式はアメリカで確立されたプロジェクト実施の方式です。 特にCM方式が採用された建設例として有名なものは、1971 年に竣 工したニューヨークのワールドセンターです。 建設会社であるティッシュマン社は、ニューヨーク市からCMrに 選任され、調達・企画・推進・管理を行い 700 以上の工種に及ぶ専 門工事業者に分離発注方式で施工をさせて事業を完成させました。 この事例によって、アメリカではCM方式の効果についての理解が 広まり、病院、大学キャンパス、事務所建物などCM方式の適用例 が増大していきます。 一方、日本では、1973 年~74 年、オイルショックによる物価高騰へ の対応策としてCM方式の導入が検討されたのが、 最初となります。 1970 年代後半には、建築業協会(BCS)にもCMの導入の動き。 がありました。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 立ちはだかる会計法 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ しかしながら、結局、1990 年代になるまで、CM方式が用いられる ことは殆どありませんでした。それは以下のようなことが理由とし て考えられています。 ●会計法上、公共工事にCM方式を採用することは不可能という理 解(CMrという職能が認められてない) 。 ●ゼネコンは単なる請負契約に基づく施工業務にとどまらず、事実 上、CM業務を行っているという理解。 ●日本のゼネコンによる建設生産方式は、米国においてCM方式の 利点とされている、プロジェクト早期段階での施工情報の入力や ファストトラック(段階的施工)をインフォーマルに内包してい るという理解。 また、日本でなかなかCM方式が普及しなかった背景には、バブル という好景気の時期であったことも要因の一つと考えられます。 特に 1990 年代初頭は空前の建設ブームであり、 建設会社 (ゼネコン) の売上や利益高の好調が続いていたため、コスト面の効率化を目的 とした「CM方式」に、事業主や建設会社のスタンスが置かれるこ とはありませんでした。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ CMが新たなビジネスチャンスに!~アクアの設立 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ しかし、1990 年のバブル崩壊と同時に状況は一変します。 建設市場の縮小、ゼネコンの経常利益の下落などにより、今度は「新 たなビジネスチャンスを生むもの」としてCMが注目されるように なったのです。 同時に日本の建設市場でも、 現在まで様々な変化がおこっています。 それは例えば、 ●建設プロジェクトの大規模化。 ●建設産業の構造改革ニーズの高まり。 ●日本国内での外国企業の建設投資の展開。 ●談合システムの崩壊。 ●日米建設協議などの政治的・制作的要因。 といったことです。 過去の勉強会でも取り上げられていますが、日本の建設市場では、 最高だった実際にバブル期の建設投資額(約 84 兆円)に対し、平成 23 年度には約半減(47 兆円)しています。 つまり、景気の後退とそれにともなう建設不況によって、CM方式 は注目されることになっていったということです。 そのような状況の中の 1996 年に私たちはアクアを設立し、 日本の建 設業界におけるCM普及への取り組みをスタートさせました。 【参考資料】日本におけるCM導入の流れ http://www.aqa-pm.co.jp/workshop/pdf/140212_1_workshop.pdf +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 日本におけるCM +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 【参考資料】CM方式) http://www.aqa-pm.co.jp/workshop/pdf/140212_2_workshop.pdf 基本的なCM方式は、以下の 2 つです。 ●Pure CM プロジェクトの川上から川下に至るまで、透明性を探究したマネジ メント機能。 「どのようにつくるか」ということのみならず、 「何をつくるのか」 も含めて、CMrが発注者に助言をすることが求められる。 ●CM at Risk プロジェクトの川上から川下に至るまで効率性が施行されたマネジ メント機能。 施工段階では、ゼネコンに一括して発注する、ゼネコンに大きなワ ークパッケージを担当させ現場での調整を委託する、CMr自身が 施工主体(専門工事)への発注をするなど請負に近い形態になる。 【出典】建設マネジメント研究論文集 「日本型CMに関する歴史的考察」 (東京大学 野城智也氏) この2つがいわゆる一般的に 「CM」 方式と言われているものです。 ところが日本では、ゼネコンという存在によって業界の構造がつく りだされていたこともあり、前述の2つのプロトタイプとは異なる 日本独自のCM概念が生み出されています。 そしてその背景には、コストプランニング、スケジューリングなど 建設プロジェクトの川上段階(企画・プログラミング・基本設計段 階)のコンサルティング及びマネジメント・サービスに対する発注 者からのニーズが高くなっているという状況があります。 特にアクアが推進しているCM方式と近い、 「日本独自のCM」は、 ●CMrが設計VM/VE含む着工前のマネジメント・サービスを 重点的に行う一方で、ノミネイティド・コンストラクター(専門 工事業者指定)を絡ませながらも、施工統括の相当部分をゼネコ ンに発注する方式。 ということになります。 これは、ゼネコンに匹敵するだけの、設計統能力及び施工統合能力 をもったCMrの担い手が少ないことから、 「むしろゼネコンの能力 を活用すべき」という考え方にもとづいています。 つまりアクアは、独立したCM会社として、プロジェクトの川上で はPM(プロジェクト・マネジメント)的傾向を、そして川下では ゼネコンの機能を最大限に活用するマネジメントを、依頼される機 会が多いということです。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ いかに無駄が多いことか・・・公共にも、民間にも +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ バブル崩壊以降、世論からは公共工事に対する批判、ゼネコンに対 する批判が起こり、その風に乗って、民主党政権が誕生しました。 しかしながら、私はここから少し、日本の歯車がくるってしまった 部分があると思います。 もともと、日本という国は、内需で成立していたはずです。しかし、 日本国内の長引く不況によって、各産業は世界へ出ていかざるを得 なくなりました。それは建設業界も例外ではありませんでした。 そしてその結果は・・・ 日本の建設業界は「グローバルスタンダード」という波にのまれ、 「日本国内でのやり方では世界では勝てない」という現実を目の当 たりにしました。そして「世界で戦える競争力をつけなければなら ない」という課題を突き付けられています。 ではそういった日本の建設市場にあって、アクアはどういった視点 でマネジメント業務を行っていかなければならないのか。それをあ らためて、みなさまにもご説明していきたいと思います。 (続く) *次号では、 「CMの普及の可能性とアクアの目指すマネジメント (2)~建設プロジェクトにおける“三方よし”の実現を!」を 配信いたします。 ============================== [編集・発行]株式会社アクア http://aqa-pm.co.jp/ (本社) 〒104-0053 東京都中央区晴海 1-8-8 トリトンスクエア オフィスタワーW 15 階 TEL:03-3536-1790/FAX:03-3536-1791 (大阪支店) 〒550-0005 大阪市西区西本町 1-10-10 オーエックス西本町ビル TEL 06-4390-4340/FAX 06-4390-4350 ------------------------------ ●知人の方にもこのメルマガをご紹介ください。 配信は下記アドレスへメールにてお申込みください。また、メー ルマガジンの内容についてのお問い合わせもお待ちしております。 (お問合せ)[email protected] ●配信停止や配信先メールアドレスの変更をご希望の場合も、お手 数ですがメールにてご連絡をお願いいたします。 (配信停止/アドレス変更)[email protected] ○このメールは送信専用メールアドレスから配信されております。 このままご返信いただいてもお答えすることができません。ご了 承ください。 ○掲載された記事を無断で複製、転載することを禁じます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Copyright (C) AQA Inc. 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