平成 25 年度 事業計画 - 共立女子大学・共立女子短期大学

平成 25 年度 事業計画
学校法人
共立女子学園
目
次
Ⅰ.平成 25 年度事業計画策定にあたって特に留意した事項・・・・・・・・・・・・・ 1
(1)学校教育を取り巻く環境・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
(2)本学園の財政状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
(3)本学園の重要課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
Ⅱ.平成 25 年度事業計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
(1)学園中長期計画の策定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
(2)学園国際交流計画に基づく国際交流の推進・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
(3)学園広報活動計画に基づく広報活動の推進・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
(4)大学院・大学・短期大学の活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
(5)中学高等学校・第二中学高等学校・幼稚園の活動・・・・・・・・・・・・・ 9
(6)学生支援活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
(7)教育研究環境の整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
(8)財政施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
(9)人事施策・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14
Ⅲ.平成 25 年度予算の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
(1)資金収支予算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15
(2)消費収支予算・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
Ⅰ.平成 25 年度事業計画策定にあたって特に留意した事項
(1) 学校教育を取り巻く環境
①学校教育の役割の高まり
「知識基盤社会」
「グローバル社会」等と言われる我が国の社会では、予測困難でかつ変化が激
しい時代に対応する力や未来を切り開く力を持った有為な人材を育成することの重要性が益々高
まっている。その中心的役割を担う学校教育に対する国民の期待や関心は、教育改革の必要性や
質の保証に対する意識の高まりとして顕著なものとなっている。本学においても、こうした状況
を踏まえて、適切な経営判断のもと、将来を担う人材を育成・輩出していく責務の重要性を認識
し、真摯な取り組みを通じて社会からの更なる理解や支持を強固なものにしていく必要がある。
また、大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、
知的、道徳的及び応用的能力を展開させる使命を担っている。本学園においても、これまでの大
学の長い伝統と歴史をふまえた本学園ならではの教育研究活動の一層の充実に努めていく必要が
ある。
②18 歳人口の推移と女子の進学動向
大学・短期大学の進学者の多くを占める 18 歳人口は、平成 4 年の 205 万人をピークに減少して
きたが、
平成 20 年頃に横這いとなり、
平成 30 年頃までは 120 万人前後で推移する見込みである。
しかし平成 30 年頃より再び減少傾向となり、100 万人前後まで落ち込むことが予測されている。
長期的に増加傾向であった大学・短期大学への進学率は、近年は横這いに推移しており、平成 24
年度は男子が 51.5%で、女子が 55.5%であり、大学に限った進学率では男子が 50.3%、女子が
44.8%となっている。
(※1)女子の大学・短期大学への志願動向を分野別に見ると、本学の専攻分
野と関連のある教育、保健・看護、家政などの分野が堅調である。このような女子の実学回帰の
要因としては、女性の社会進出、長引く景気低迷、就職活動への意識の高さなどが考えられるが、
本学園がこうした実学回帰の動向に適切に対応することによって、
「女性の自立と自活」という建
学の精神を具現化することにも繋がることであり、本学園としてもその「強み」を伸ばし、社会
の要請に対応した教育の充実を図ることが、重要な課題になっていると言える。また、18 歳人口
の推移を 6 年前に遡らせれば、中学・高等学校の入学該当年齢である 12 歳人口の推移となるもの
であり、中学・高等学校の入学者確保に大きな影響を及ぼすものとして充分に留意しておく必要
がある。
※1 出典 文部科学省 学校基本調査
③公益法人としての説明責任
昭和 46 年に制定された学校法人会計基準については、社会に対する説明の仕組みの構築と経営
判断に一層資するものとする観点から、平成 27 年度からの施行を目指して、現在、改訂の作業が
進められている。これは、社会が学校法人に対してこれまで以上に説明責任を的確に果たすこと
を求めていることを反映したものである。本来、公益法人は単に法令を遵守するのみならず、ス
テークホルダーに対して情報を分かりやすく整理し、自主・自律的な取組みとして説明責任を果
たしていくことが基本であり、本学園も積極的に説明責任を果たしていく必要がある。
(2) 本学園の財政状況
本学園は、安定した財政基盤に基づく運営を行ってきており、平成 15 年度に日本格付研究所
(JCR)より長期発行体格付「A+」
(シングル A プラス)及び「安定的」の評価を得て、以後、毎
年の格付評価においてもこれを維持している。
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直近の決算である平成 23 年度の状況を見ると、帰属収入は約 112 億円であり、平成 17 年度を
底に増加傾向を維持している。平成 23 年度は、平成 17 年度に比し、約 6 億円の増加となってい
る。消費支出は、この 10 年間おおむね 110 億円前後で推移して、平成 23 年度も例年なみの約 110
億円となっている。
人件費は近年 66 億円前後で推移している。これは、人事施策として、大学・短期大学の専任教
員については「基本教員数」
、職員については「職員採用計画」に基づいた採用の実施によるとこ
ろが大きい。人件費依存率(学生生徒等納付金に対する人件費の割合)は、本学園全体で 76.2%
と全国平均(医歯系法人を除く大学法人)の 74.4%(※2)よりやや高い状況である。今後団塊の
世代の定年退職が続き、年齢ピラミッドの是正が図られていくことが見込まれるが、より積極的
な人事施策を講じることにより、人件費依存率の改善を図っていく必要がある。
例年、教育研究経費構成比率(消費支出に対する教育研究経費の割合)は 30%以上を保ってい
るが、平成 23 年度は 34.2%となった。支出を抑制する中でも、教育研究経費については重点的
な配分を行うことが本学の特徴となっている。
翌年度繰越消費支出超過額は、平成 23 年度末で約 34 億円となっている。
「第二中学高等学校教
育推進計画」に基づく施設設備の整備により、消費支出超過額が大きく増加したことが、大きな
要因であるが、第二中学高等学校が移転し不使用となった八王子キャンパスの 5・6・8 号館の解
体・整地を行ったことで、今後、消費支出超過累計額は、改善していくものと見込まれる。
学校会計においては、消費収支を均衡させることにより固定資産の取替更新が可能となり、永
続的な維持・発展を実現する構造となっている。設置校別の収支の積み上げが学園全体の収支に
なることを踏まえ、それぞれが消費収支を均衡させることを基本に、今後、教育・研究活動の一
層の充実はもとより、種々の努力を行っていくことが必要である。
本学園の財政状況は総じて健全な状態を維持していると言えるが、近年見られる志願者数、入
学者数の減少傾向の長期化、経年による施設の更新・新築需要の継続等の事情を考えると決して
楽観視はできないと言わなければならない。
※2 出典 日本私立学校振興・共済事業団 「今日の私学財政」
(3)本学園の重要課題
①学園中長期計画の策定
平成 23 年 6 月 7 日、学園将来基本構想委員会では、大学院・大学・短期大学から中学高等学校・
第二中学高等学校・幼稚園までを含めた将来構想の検討作業を開始することを決定した。
以後、大学院・大学・短期大学の将来構想の具体的な検討は、大学・短期大学将来構想専門委
員会で行われており、現在、同専門委員会では組織の在り方、教育の質保証、教育力の充実など
の事項について検討を重ねている。中学高等学校・第二中学高等学校・幼稚園の将来構想につい
ては、中高・二中高・幼稚園将来構想専門委員会において課題の洗い出し、特色の打ち出し方策
について検討を行っている。
平成 24 年 9 月 25 日の評議員会・理事会において、学園中長期計画を策定することが決定され
た。学園中長期計画は、長期的に学園像を展望しつつ、個々の諸施策を中期的な視点から相互に
関連性・整合性をもって計画的に進捗させることで、事業計画・事業報告、自己点検・評価など
単年度の活動が中長期的な視点からも整合性を担保しつつ、学園将来構想を具体化していくこと
を目指している。
学園全体及び各設置校について今後取り組むべき課題を明確化し、学園の一層の充実・発展を
期するため、学園中長期計画をできるだけ速やかに策定する必要がある。
②教育研究の質を保証・向上させるための自己点検・評価活動
国は、学校法人の自主・自律を尊重しつつも、確実な教育研究の質保証のために、設置基準・
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設置審査・認証評価の厳格化を一層進め、これらを三点セットとして各学校の教育研究の質保証
の機能を高めようとしている。平成 25 年 2 月 4 日、大学設置認可の在り方の見直しを検討してき
た「大学設置認可の在り方の見直しに関する検討会」より、認可制度の厳格化の観点に立った提
言が行われたが、このような認可制度の改正の動向にかかわらず、学校法人としての日常の自己
点検・評価活動は極めて重要であり、多様化する様々な課題に直面する中、教育の質を保証し、
社会の期待に応えていくことは、学校法人にとって極めて重要な課題である。そのために教育研
究を中心とする諸活動について、自己点検・評価を通じて適切な水準を維持し、質の保証・向上
を図っていくための内部質保証システムを機能させていくことが重要であり、また、このことは、
大学・短期大学のみの課題ではなく、中学高等学校・幼稚園についても重要な課題となっている。
③積極的な情報提供
本学園では、従前より教育の質の保証、財政基盤の確立を目指し、その成果がステークホルダ
ーからの理解と支持の強化に繋がるよう、
積極的に情報を提供し、説明責任の遂行に努めてきた。
具体的な活動として「学費の活動目的別使途説明」がある。収支の状況を形態別に記載してあ
る財務計算書類だけでは、どのような目的で支出したのか、収入源泉は何かを把握することがで
きないため「教育・研究」
「教育・研究支援」
「学生支援」
「就職・進学支援」
「教育環境」
「学生選
抜」
「経営管理」の 7 つの区分に分類して、収入源泉を列記し円グラフにして「収入・使途説明グ
ラフ」として本学園のホームページに掲載している。
この取り組みについては、平成 22 年度の大学基準協会による認証評価の際、情報公開に関する
項目について「A」評価を獲得している。
今後、これらの取組みの一層の改善に努めるとともに、自らの活動状況を把握・分析し、自主・
自律的な活動としてより分りやすく情報を提供し、説明責任を果たしていく必要がある。
④神田一ツ橋及び八王子キャンパスの整備
平成 24 年 9 月 25 日の評議員会・理事会において新 2 号館を建築することが決定された。これ
を受けて、現在、新 2 号館の規模、耐震構造、導入機能等についての具体的な検討が学園将来基
本構想委員会のもとに設置された神田一ツ橋キャンパス施設整備検討委員会において行われてい
る。新 2 号館の建築は、平成 28 年の創立 130 周年を見据えて、学園の飛躍発展の機会とすること
を目指している。平成 25 年度には新 2 号館の構想を確定するとともに、同構想決定後は引き続き
神田一ツ橋キャンパスの将来構想の検討に着手することが必要である。また、八王子キャンパス
については、大学施設の転用による第二中学高等学校施設の整備が完了したが、旧第二中学高等
学校跡地の活用のあり方等が課題として残されており、今後は課題の検討を行っていく必要があ
る。
⑤省エネルギー対策
現在、東京都に所在する施設については、低炭素社会の実現を目指した省エネ法(エネルギー
の使用の合理化に関する法律)及び東京都環境確保条例のもと、厳しい省エネルギー対策が求め
られている。省エネ法及び東京都環境確保条例による基準の内容は次掲のとおりである。
本学園では、平成 23 年 4 月に省エネルギー推進委員会を発足させ、これらの基準に対応するた
め、空調の温度設定の一元管理化、廊下など共用部の照明の間引き点灯などの措置を講ずるとと
もに、照明の LED 化などの設備投資による対策等の取り組みを推進している。
省エネルギーは、国家的な課題であり、本学としても全学を挙げて、効率的・効果的な省エネ
ルギーの課題に取り組む必要がある。
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【省エネ法及び東京都環境確保条例による基準の内容】
・省エネ法:5 年間で年平均 1%のエネルギー原単位(エネルギー総排出量を建物の延べ床面
積で除した値)の削減。対象範囲は本学園が所有するすべての施設。
・東京都環境確保条例:基準排出量(平成 17 年度及び平成 19 年度の平均値)に対して、
平成 22 年度∼平成 26 年度で年平均 8%の温室効果ガスの削減。
排出上限量は 14,605t-CO2。
対象範囲は神田一ツ橋キャンパス 1 号地・2 号地。
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Ⅱ.平成 25 年度事業計画
(1)学園中長期計画の策定
①策定の趣旨
大学・短期大学、中学高等学校・第二中学高等学校・幼稚園を含んだ学園中長期計画を策定す
ることが平成 24 年 9 月 25 日の評議員会・理事会において決定された。この計画は、本学園が学
校法人としての社会的責任を果たし、永続維持を達成するために必要な意思決定と適切な活動を
行うための羅針盤の役割を果たすものとして、10 年先を展望しつつ、5 年間の具体的な施策を示
すものであり、平成 25 年中に策定する。この計画は、建学の精神・本学の目的・学園ビジョンに
基づき、諸活動ごとの現状と課題を把握し、これまでの将来構想、自己点検・評価結果、認証評
価結果などを踏まえて策定する。
また、この計画の策定にあたっては、学園として目指すべき方向性について学内において共有
化を図り、施策の進捗管理を 10 年・5 年・各年度のスパンで行うことにより、実施状況を明確化
し、計画を確実に実行することを目指す。
計画は、単年度計画に反映させて予算と連動させることにより、資源(ヒト・モノ・カネ)の
重点的・効率的な配分を行う上で極めて重要な役割を担うものである。計画の項目は、自己点検・
評価、認証評価の評価項目と連動させることとする。なお、計画の実施に当たっては、目標の共
有化を図り、各施策の進捗管理の仕組みを整備し、PDCA サイクルの実質化を図る。
また、計画の進捗管理に当たっては適切な評価指標の設定が重要であり、そのためのデータを
学園全体として整備する体制を構築する。
②検討課題
学校種ごとの主な検討課題としては次のようなものがある。
●大学院にかかる検討課題
大学院の整備充実方策については、
大学院委員会で検討を行っているが、
平成 25 年度は、
次の事項について具体的な検討を進める。
○博士課程の整備
・文芸学研究科及び国際学研究科からの接続を拡充した内容とする研究科の設置
○修士課程
・文芸学研究科の 3 専攻の統合による学部教育との接続の拡充
・看護学研究科の設置
●大学・短期大学にかかる検討課題
大学については次のような事項について具体的な検討を進める。
○既設学部・学科の「強み」を活かす再編
・社会的需要のある学部・学科の定員増、教育内容の再編
○学部・学科間の差別化・特色化
・学部・学科間の重複・競合関係をより是正し、教育内容の特色化を図り、社会的評価を
向上させる
○社会的要請に対応した教育内容の充実
・経済状況や産業構造等の変化による人材養成の要請への対応、特に社会的・職業的自立
に必要な能力等の育成
また、短期大学については、全国的な動向、近年の本学の状況、財政的な視点などを総合的
に勘案してその規模等の在り方について検討する。
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●中学高等学校・第二中学高等学校・幼稚園にかかる検討課題
平成 23 年 6 月 7 日の学園将来基本構想委員会で提言されている「最近の入試の実績等を踏ま
えた中学校・高等学校の課題と対策について」、「最近の入園者の動向を踏まえた幼稚園の課題
と対策について」等を検討課題とする。また、国が策定している学校評価ガイドラインなども
参考にして課題を抽出する。
(2)学園国際交流計画に基づく国際交流の推進
グローバル化が進展するなか、学園の教育研究活動における「国際化」を推進するため、学園
全体の国際交流活動の現状の把握と課題を確認し、それを踏まえた「平成 25 年度共立女子学園国
際交流計画」に基づいて、国際交流活動を推進する。平成 25 年度の国際交流計画の構成は次のと
おりである。
○大学・短期大学
・海外の大学との学術交流の推進
・学生の海外留学・海外研修の実施
・留学生の受け入れ活動の推進
・各種教育機関との交流の実施
・国際交流活動に関する広報活動の推進
○中学高等学校
・夏期海外研修の実施
・国内における国際交流活動の実施
○第二中学高等学校
・夏期海外研修の実施
・途上国の子供支援の実施
(3)学園広報活動計画に基づく広報活動の推進
学生生徒等、教職員、卒業生をはじめとした学園の関係者、さらに広く社会一般に対して学園
の教育・研究活動や学園の将来像などについて情報を提供し、理解を得るという観点から「平成
25 年度共立女子学園広報計画」に基づいて、広報活動を推進する。
平成 25 年度の広報活動計画の構成は次のとおりである。
○学園共通
・学園報の発行
・ホームページの運用
・地域貢献活動の実施
○大学・短期大学
・学生募集活動広報
・櫻友会・後援会との連携
・在学生家族懇談会の実施
・各種媒体を通じた広報活動の充実
○中学高等学校、第二中学高等学校
・生徒募集活動広報
・説明会の実施
・ウイーン少年合唱団特別講演の実施
・各種媒体を通じた広報活動の充実
○幼稚園
・説明会の実施
・体験入園の実施
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(4) 大学院・大学・短期大学の活動
①教育活動の推進等
平成 25 年度は、国際学部において、学生が科目をより体系的に履修することができるように、
これまでの「国際文化コース」及び「国際社会コース」の2コース制にかえて、平成 25 年度入学
者より、新たに 4 区分 17 領域からなる「専攻プログラム」を導入する。また、短期大学において
は、
「コミュニケーション」
「人間と心理」
「国際理解」などの 14 テーマからなる共通講座の開設、
コース名称の変更、カリキュラムの改正を実施する。
平成 25 度から実施する施策の実績を点検・評価しつつ、中長期的には、本学を取り巻く環境変
化にも対応しつつ、次のような観点を踏まえて教育活動を推進する。
・既存の教育資源を基にしつつ学部・学科を再構成し、学部・学科間の差別化を図り、特色を
打ち出すとともに、社会的人材需要に対応した教育を行う。
・再編にあたっては、社会的課題や要請を踏まえ、人材養成目的及び目指す学習成果を明確に
掲げ、その達成のために、学生が自ら主体的に考えて判断する力や、卒業後の社会的・職業
的な自立に必要な力を身に付けられるよう、教育課程を組織的・体系的に編成する。
・定員規模については、現行の大学・短期大学の収容定員をベースに、財政的な視点を踏まえ
て適切な規模を設定する。
・学部・学科構成、定員規模等について、他大学との競合関係も視野に入れて検討する。
・全学的見地から、専任教員の定年退職後の補充計画(専門分野・人数等)を戦略的に検討す
る。
②研究活動の推進
教員の活発な研究活動の展開は、学園発展の原動力である。平成 25 年度においても教員には
この面の取り組みの充実が求められるが、そのために教員の研究活動の支援を充実する。事務
局に公的補助金・教員の研究費取得の支援に係る研究支援プロジェクトが立ち上がっており、こ
れまで①教員研究費取扱規程など研究費に関連する諸規程・マニュアルなどの整備 ②科学研究
費関連の学内書式の見直し ③ホームページ中に研究支援
(学内向け)ページの開設 ④「kyonet」
(学内教育ネットワーク)を使用した迅速な情報発信などを行って研究支援に努めてきた。平成
25 年度は、申請調書と採択結果をチェックし、科学研究費獲得に向け、採択率の向上を目指し
て取り組んでいく。
③「共立力」を備えた人材養成
「共立力」を備えた人材を養成する上で、現在「共立力」養成に向けた正課外教育・正課外
活動の趣旨・目的の一層の明確化を図るとともに、これらの活動の点検・評価のプロセス・シス
テムを構築していくことが課題となっている。
平成 25 年度は、次の事項について具体的な検討を進めていく。
・正課外教育・正課外活動など諸活動全般を活性化するべく「kyonet」のスチューデントプ
ロファイル(学生記録)に活動を記録し、事務局一体となった支援の充実と学生へのフィ
ードバックのあり方
・学長による活動証明書の交付による成果保証のあり方
・正課外教育・正課外活動が、
「社会人基礎力」の育成にどのように寄与しているのかについ
ての検証と体系化
・
「正課教育のキャリア教育」
、
「課外教育のキャリア支援やインターンシップ」、
「就職進路課
の進路支援・就職支援」など正課・正課外が連携して進める就業力の育成
④教育改善への組織的な取り組み(FD の推進)
教育改善に向けた取り組みは、FD の企画・実施・評価を担う FD 委員会を中心に、活動を行
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っている。
これまで、単位制度の実質化、授業回数の確保、授業見学会の充実、GPA 制度の導入などの
方策を順次実施してきているが、平成 25 年度は、次のような取り組みを実施する。
・全教員が大学・短期大学全体の理念や教育上の目的について共通認識を持つとともに、FD
に取り組む必要性や重要性に関する意識の涵養を図ることを目的とした、専任教員及び兼
任教員に対する研修を実施する。
・新人教員や実務家教員など、大学・短期大学での勤務が未経験の教員に対して、大学・短
期大学における教育制度の基本的な枠組みを理解させるための研修を実施する。
・シラバスの内容を充実するため、シラバスの記載項目、記載内容、記載方法などに関する
一定の規則を整備するとともに、専任教員及び兼任教員に対する説明会と併せて教員に対
して個別に記載方法などについて指導や助言を行う。
・学生の学修時間の実態を把握する。また、授業評価アンケートを充実させ、評価結果につ
いて、授業内容や方法の改善に活用する取り組みを組織的に行う。
・他の教員の授業を参観して、自らの授業内容・方法の改善に役立てるための教員相互の授
業参観制度を充実させ、授業技術や教材開発などに関する研修を実施する。
・授業科目に適切な番号を付し分類することで、学修の段階や順序などを表し、教育課程の
体系性を明示するナンバリングについて検討する。対象とする学年や学問の分類を示し、
学生が適切な授業科目を選択できるようにするだけではなく、科目同士の整理・統合を推
進し、個々の科目の充実を図る。
⑤GPA 制度の導入
学生の卒業時における質の保証を図るためには、学部・学科の目指す学習達成目標を踏まえ
て、各授業科目の目標や計画を適切に定め、シラバスなどで成績評価の基準を明示し、その基
準に基づいた客観的な成績評価を行うことが重要である。
学生の学習意欲の向上と適切な履修計画の策定、教職員の履修指導の充実などを目指して平
成 24 年度より GPA 制度を導入したが、平成 25 年度は次のような点に留意しつつ、教職員間の
共通理解のもと、GPA 制度を活用して組織的に教育の質保証・向上に努める。
・到達目標・成績評価方法をシラバスに示し、評価基準を明確にする。
・成績評価の公平化・厳正化を徹底する。
・同一科目で複数クラスがある場合、到達目標・成績評価方法を統一し、過度のバラつきを
是正する。
・スキル科目など、習熟度別・レベル別に展開する授業科目の目標設定を適切にする。
・単位制度の実質化との関わりを踏まえつつ、学生の学修時間を確保する。またそのために
事前学習・事後学習の内容を具体的に提示する。
・教職員間で GPA 制度による成績評価結果の分布などに関する情報を共有し、これに基づく
FD を実施し、その後の改善に活かす。
・学生の学修成果の達成状況について整理・点検する。
⑥自己点検・評価の実質化
大学院・大学は平成 22 年度に、短期大学は平成 21 年度に認証評価を申請し、適格と判定さ
れた。平成 25 年度においても、大学自己評価委員会、短期大学自己評価委員会などの関連委員
会の活動を通して、自己点検・評価を不断の活動として行い、教育の質の保証、教育力の向上
に努める。
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⑦看護学部の設置・円滑な学年進行の実施
平成 24 年 5 月に文部科学大臣に対して申請を行って以降、大学設置・学校法人審議会の審査
を経て、特段の留意事項を付されることなく、11 月 8 日付で学部開設の認可を受けて、平成 25
年 4 月から看護学部が発足した。
共立女子短期大学看護学科と共立女子大学看護学部との比較を示すと次の通りである。
開設
入学定員
修業年限
卒業要件単位
学位の種類
取得資格
キャンパス
共立女子短期大学
看護学科
(平成25年より学生募集停止)
平成16年度
100名
3年
97単位
短期大学士(看護学)
看護師国家試験受験資格
神田一ツ橋キャンパス
共立女子大学
看護学部看護学科
平成25年度
100名
4年
124単位
学士(看護学)
看護師国家試験受験資格
神田一ツ橋キャンパス
また、学年進行計画は、次の通りである。
入学
共立女子短期大学
「看護学科」入学
年度
共立女子大学
「看護学部」入学
在籍
年次
21 年度
22 年度
23 年度
24 年度
25 年度
27 年度
28 年度
1 年次
【21】
【22】
【23】
【24】
〔25〕 〔26〕 〔27〕
〔28〕
1 年次
2 年次
【20】
【21】
【22】
【23】
【24】 〔25〕 〔26〕
〔27〕
2 年次
3 年次
【19】
【20】
【21】
【22】
【23】 【24】 〔25〕
〔26〕
3 年次
〔25〕
4 年次
卒業生
なし
共立女子短期大学
「看護学科」卒業
注:【
26 年度
】は共立女子短期大学「看護学科」学生。
〔
共立女子大学
「看護学部」卒業
〕は共立女子大学「看護学部」学生。数字は、入学年度。
共立女子大学に看護学部を設置することにあわせて、共立女子短期大学看護学科は平成 25
年 4 月より学生募集を停止し、在学生がいなくなるのをまって廃止する。
平成 25 年度から 26 年度にかけては、
「大学看護学部」と「短期大学看護学科」とが並行し
つつ、学年進行していくこととなるが、
「短期大学看護学科」の在学生が卒業するまで、また、
休学や留年で、標準修業年限を超えて在学する場合は在学年限まで、
「短期大学看護学科」の
カリキュラム・教員組織・施設設備・実習病院との提携関係は保証・維持され、
「短期大学看
護学科」の教育を実施していくこととしている。
(5) 中学高等学校・第二中学高等学校・幼稚園の活動
各学校において、それぞれ次のような取り組みを重点課題として、教育活動を推進する。
①中学高等学校
●学力と課題解決能力の向上
基幹教科(国語・数学・英語)について、少人数授業、習熟度別授業、補習・補講などの学
力向上への取組みを引き続き実施するとともに、進路指導の一層の充実に取り組む。
また、創意工夫を活かした特色ある教育活動を展開する中で、基礎的・基本的な知識及び技
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能を確実に習得させ、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力
などを育むとともに、
主体的に学習に取り組む態度を養い、個性を活かす教育の充実に努める。
●人格の陶冶
中高 6 年間は精神面においても大きく成長する時期であり、生活指導を中心にした特別活動
を重視し、指導していく。ホームルーム活動や道徳の授業、学校行事、部活動、礼法などを通
して、他者との関わりの中で自己を知り自己を形成する取組みをさらに充実させていく。
●「学校評価」の実質化
教育活動その他の学校運営について、具体的な目標を設定し、その達成状況を分析して取組
みの適切さを検証することにより、組織的・継続的に学校運営を改善していく。また、自己評
価の実施とその結果の説明・公表により、保護者、地域住民から教育活動その他の学校運営に
対する理解と参画を得て、信頼される学校づくりを進めていく。
②第二中学高等学校
●教育をデザインできる「新校舎」での教育
八王子キャンパスの中央部に位置する校舎をリニューアルし、第二中学高等学校の校舎を移
転した。
「光と風との親和」をコンセプトに作られた新校舎は、生徒が落ち着いて学習に取り組
めるように設計されている。新しい教育環境を活かした特色ある教育活動を展開していく。
●可能性を拡げ、進路を実現するためのコース編成
・中高 6 カ年完全一貫教育(中学入学生)の実施
生徒一人ひとりの進路希望のより高いより確かな実現のために、本校独自の 6 カ年のカリ
キュラムに基づいた完全一貫教育を実践する。
・3 年間の教育プログラム
高校 1 年時にクラスを AP(Advanced Placement Class)クラスと S(Standard Class)ク
ラスに分割し、生徒一人ひとりの特性を踏まえ、実力に応じた丁寧な授業を展開し、学力
の向上を図る。
●弾力的な大学受験制度を活かした進学実績の向上
近年、生徒の志望は多様化し、共立女子大学・短期大学ではない外部大学への進学希望者が
増加してきている状況を踏まえ、こうしたニーズに対応するため、
「併設校特別推薦制度」を設
けている。これは、共立女子大学・短期大学の合格を推薦で得た後も、さらに外部大学を受験
できる制度であり、この制度を利用して安心して難易度の高い大学を受験できる制度である。
このような生徒の立場に立った制度を生かしながら、生徒の進路希望の達成に教職員一体とな
って取り組む。
●意欲あふれる生徒の入学促進
平成 23 年度より「共立女子第二中学校・高等学校給付奨学金制度」を設けている。これは、
入試における合格得点率により入学金から 3 年間の授業料までが免除される制度であり、人数
制限は設けず、基準を満たせば何人でも支給対象とする、高校受験の場合、推薦入試で既に合
格している生徒は、一般入試を奨学生選抜試験として受験することができるなどの特徴を持っ
ている。この制度の広報を徹底し、この制度を活かして意欲あふれる優秀な生徒の入学促進に
努める。
10
●スクールバスを八王子駅からも運行
平成 23 年 9 月から、JR 八王子駅南口からスクールバスの運行を開始した。従来の高尾駅か
らのスクールバスも併せて運行することにより生徒の交通利便性は大幅な向上が図られた。こ
のような通学条件の改善を生かして、入学者の確保、学習活動の充実に努める。
③幼稚園
文京区小日向の閑静な場所を活かし、
「伸びる力・育つ力・求める力を大切にし、明るく健や
かで楽しい保育」
「集団生活の中で互いの心にふれあい、自分を確かめ協力の喜びを培う」とい
う教育目標の達成を目指した教育を推進する。園児が毎日明るい笑顔を交し合い、やりたい事
を考え、楽しい遊びに夢中になれるよう、自由な遊びを中心とした教育に配慮する。家政学部
児童学科との連携を強め、教育理念の実現のために教育力向上にも努める。
平成 25 年度においては、
「遊び」を通じた人間関係の理解に係る教育に加えて、日々の「読
み聞かせ」を通じて「読む力」
「聞く力」
「話す力」を育てていく教育に特に留意するとともに、
預かり保育の充実、保護者との連携の強化、地域住民との交流事業の拡充を図る。
④中学高等学校・第二中学高等学校における特色ある取り組みの支援
平成 25 年度は、特に次のような特色ある取組みを選定し、予算を配分して、教育活動・生徒
に対する支援を行い、一層の充実を図る。
・英語ライティング指導(中学高等学校)
・卒業生チューター制度(中学高等学校)
・電子黒板の活用による学習効果の向上(中学高等学校)
・CALL 教室での英語教育(第二中学高等学校)
・共立女子第二中学高等学校給付奨学金制度(第二中学高等学校)
(6) 学生支援活動
①就職支援推進プログラム
平成 25 年度も、前年度と同様に、学生とのアセスメント結果、ガイダンス(説明会)・プログラ
ム(講座)の出席状況、個別面談記録などの結果を、教職員が「kyonet」のスチューデントプロフ
ァイルで共有し、就職活動・進学準備活動の進捗状況を把握して、学生一人ひとり合った支援を
実施する。
また、ガイダンスで各種プログラムの受講目的・対象・効果などについて分かりやすく説明し、
学生自らが強み・弱みを踏まえてプログラムを受講できるように努めるとともに、スチューデン
トプロファイルに蓄積された学生情報を分析し、プログラムや個別相談の成果を評価することな
どを通じて、学生の満足度の高い進路決定の支援、内定率の向上を目指す。
平成 25 年度も、次のような就職支援推進プログラムを実施する。
●キャリア支援(大学院 1 年生、大学 1・2・3 年生、短大 1 年生)
・インターンシップガイダンス
・内定者報告会、編入体験報告会
・OG 懇談会
●ガイダンス(説明会)の実施(大学院 1 年生、大学 3 年生、短大 1 年生)
・進路ガイダンス(スタート編・夏休み活用編・最終準備編・スタート直前編)
・編入学ガイダンス
・学校推薦ガイダンス
・学内企業セミナーガイダンス
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・留学する学生のためのガイダンス
●プログラム(講座)の実施(大学院 1 年生、大学 3 年生、短大 1 年生)
○筆記試験対策
・就活に役立つ文章力養成講座(共立アカデミー)
・筆記試験の最新動向勉強会
・SPI3 対策講座、CAB・GAB 対策講座(共立アカデミー)※3
・SPI3 模擬試験 ※4
※3「SPI」とは、リクルート社が作成した総合適性診断テスト。
※4「CAB」とは、日本エス・エイチ・エル社が作成したコンピュータ職適正診断テスト。
「GAB」とは、日本エス・エイチ・エル社が作成した総合適性診断テスト。
○応募書類対策・面接対策
1)職種・業界・企業研究
・就職活動の進め方講座
・職種・業界の選び方講座、業界別業界研究講座
・成長企業の選び方講座
・マスコミ・大手企業就職対策講座(共立アカデミー)
・公務員試験対策講座(共立アカデミー)
・エアライン業界就職対策講座(共立アカデミー)
2)応募書類作成・面接対策
・履歴書作成・面接対策講座
・エントリーシート対策講座(共立アカデミー)
・イメージアップ講座(履歴書写真対策、面接対策、企業セミナー対策)
・グループディスカッション講座
・模擬面接会
○情報収集
・インターンシップサイト活用法
・病院合同説明会(看護学科 3 年生)
・就職情報サイト活用法
・学内企業セミナー
・就活のための時事対策講座(共立アカデミー)
●外部機関との連携
・新卒応援ハローワークと連携し、週1日の頻度で卒業年次生対象の講座を開講する。求人
紹介を中心に、内定を獲得するためのスキルアップを図っている。
・東京しごとセンター、地方のハローワークなどの公共機関と連携し、幅広い求人紹介に努
める。
②正課外講座事業の実施
平成 25 年度も「共立アカデミー」と「公開講座」を開設し、正課外事業を実施する。正課外講
座は、
学生だけでなく近隣市民をはじめ社会一般を対象に、生涯学習の機会を提供するとともに、
地域社会との連携を図ることを目的とするものであり、実施に当たってはその趣旨を十分に生か
すように努める。
なお、
「共立アカデミー」では、資格取得、趣味、教養に及ぶ多くの講座を開設しており、
「公
開講座」は、教育研究活動の成果を地域に還元する社会貢献の意義を有し、神田一ツ橋キャンパ
ス、八王子キャンパス、研修センター杉並寮で開講している。中でも八王子キャンパスでは、対
12
象を小・中学生とその保護者とすることで、第二中学高等学校への関心の醸成を図ることにもな
っている。
③学生への経済的支援
経済的に困難な学生が修学を断念することなく安心して学べる教育機会を確保すること、また
学業成績優秀な学生を支援する観点から、平成 25 年度も前年度と同様の奨学事業を実施する。
なお、平成 25 年度に実施する本学独自の奨学金は、次の通りである。
給付奨学金
対象者/応募条件
給付額(年額)
共立女子大学・共立女子短期大学給付奨学金
全学生
①家計支持者の失職・死亡等により家計が
急変し修学が困難になった者
②家計支持者の火災・風水学等の被災によ
り修学が困難になった者
学 費 の 半 額 相 当 分 も しく は状 況に
応じて全額相当分を上限とする
共立女子大学・短期大学国際交流奨学金
全学生
①交換留学②規程留学③語学研修
①授業料の半額
②授業料の半額または4分の1
③5万円
実務体験奨学金
卒業期を除く全学生/経済的支援が必要で
実務体験を誠実に行うことのできる者
36万円
廣川シゲ給付奨学金
全学生/学内外の諸活動に成果を上げた者
成果により3万・5万・10万円の
いずれか
栗山ヒロ給付奨学金
国際学部の2年次以上に在籍する長野県
出身者
10万円
高橋尚子給付奨学金
私費外国人留学生のうち台湾籍を有する者
10万円
齋藤規子給付奨学金
共立女子大学・短期大学に在籍する学生の
うち、学業成績優秀な者
学費の半額相当
高橋節子給付奨学金
本学大学院博士後期課程の2年次以上に在籍
する学業成績優秀な者
10万円
私費外国人留学生授業料減免
経済的支援が必要な私費外国人留学生
減免率による
(毎年度これを定める)
貸与奨学金
対象者/応募条件
貸与額(年額)
学校法人共立女子学園貸与奨学金
全学生/人物・学業成績良好な者
当該年度授業料半額相当
共立女子大学・短期大学応急貸与奨学金
卒業年次学生/卒業の見込みはあるが、家計
の急変等で卒業までの学費が納入できない者
卒業年次の学費の範囲内
東日本大震災の状況に鑑み、平成 25 年度も引き続き被災者への支援を実施する。経済的支援
事業の実施に当たっては、きめ細やかな情報提供と相談体制を整備し、学生支援に遺漏のない
よう努めていく。
(7) 教育研究環境の整備
平成 25 年度においては、主として次のような環境整備事業を実施する。
●神田一ツ橋キャンパス
・本館電話交換機更新工事
・本館演習室・実験室・研究室など改修工事
・3 号館演習室改修工事 など
なお、八王子キャンパス・その他施設については、大規模な支出を伴う環境整備の予定はない。
13
(8) 財政施策
①財政施策検討プロジェクトの編成
平成 14 年度から 19 年度にかけて「第 1 次・第 2 次財政施策検討プロジェクト」を編成して財
政施策の検討を行ったのに続いて、
平成 24 年度においても、
財政施策検討プロジェクトを編成し、
①財政シミュレーションの作成及び財務分析、②施設設備の整備のあり方についての検討、③人
事施策についての検討の 3 つの課題について、検討を行った。平成 25 年度も同様の取り組みを通
じて、財政基盤の確立・充実に繋げていく。
②募金活動の実施
共立女子学園のさらなる教育力の向上を目指して、そのために必要となるより安定した財政基
盤を確保するために、企業・卒業生・在校生保護者・学園関係者・一般篤志家を対象に次のよう
な募金活動を実施している。
募集期間はいずれも平成 22 年 9 月 1 日から平成 27 年 8 月 31 日まで
となっており、平成 25 年度も目標額の達成を目指して、募金活動を実施する。
●教育研究振興資金
・教育活動の進展に伴い必要な設備環境の整備や教育活動の支援資金
・寄付金額 1 口 2 万円、目標額 100,000 千円
●奨学資金
・経済的な理由や自然災害で学業継続が困難になった学生への支援や国際化時代にグローバ
ルな視野を持った人材育成のための海外派遣、受入れ外国人学生の支援資金
・寄付金額 1 口 2 万円、目標額 50,000 千円
③運用可能資金の安定的運用の実施
資金運用取扱規程に基づき、運用可能資金の安定的な運用を継続する。
(9) 人事施策
学園の使命・学園ビジョンの達成に向けて教育研究活動を円滑に推進していくためには、その
基盤となる事務局の目的・機能の明確化、適切な編成、適正な業務計画の立案・執行、不断の点
検・評価に基づく業務の改善等を適時適切に実施できる体制を整備する必要がある。また、個々
の職員がその職務を的確に遂行するための人事・育成制度の構築が重要である。
こうした観点から、これまで財政施策検討プロジェクトにおいて、展開すべき人事施策として、
「人事に関わるリスクマネジメント」
、「総合的な人事制度の導入」、「目標の明確化・業務計画の
見直し」
、
「人事制度・育成制度の検証及び方針策定」、「人件費依存率の圧縮」などについて検討
されてきた。
平成 25 年度には、こうした施策の一環として、早期退職制度(選択定年制度)を導入する。ま
た、今後、定年退職後の計画的補充により職員数が減少していく中で、業務執行の状況について
自己点検・評価を実施し、事務組織の見直し、再編に向けての検討を行うこととする。
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Ⅲ.平成 25 年度予算の概要
(1) 資金収支予算
収入の部
科目
学生生徒等納付金収入
手数料収入
寄付金収入 補助金収入
資産運用収入
事業収入
雑収入
前受金収入
その他の収入
資金収入調整勘定
(当年度収入計)
前年度繰越支払資金
収入の部合計
支出の部
科目
人件費支出
教育研究経費支出
管理経費支出
借入金等利息支出
借入金等返済支出
施設関係支出
設備関係支出
資産運用支出
その他の支出
(予備費)
資金支出調整勘定
(当年度支出計)
次年度繰越支払資金
支出の部合計
平成25年度
8,270,444
206,471
68,480
1,433,851
91,606
21,450
649,754
1,354,120
833,801
△ 2,044,666
10,885,312
2,833,743
13,719,055
平成24年度
8,510,179
219,266
79,000
1,430,636
99,016
22,186
394,921
1,405,930
980,919
△ 1,786,112
11,355,942
4,512,712
15,868,654
(単位:千円)
増減
△ 239,734
△ 12,795
△ 10,520
3,215
△ 7,410
△ 736
254,832
△ 51,810
△ 147,117
△ 258,554
△ 470,630
△ 1,678,969
△ 2,149,599
平成25年度
7,362,784
2,368,627
518,764
16,660
83,330
24,700
254,488
1,400,000
102,050
110,000
△ 100,174
12,141,230
1,577,825
13,719,055
平成24年度
6,961,313
2,398,195
727,723
18,332
83,330
250,200
291,196
2,200,000
95,379
110,000
△ 100,759
13,034,911
2,833,743
15,868,654
増減
401,471
△ 29,567
△ 208,959
△ 1,672
0
△ 225,500
△ 36,708
△ 800,000
6,670
0
585
△ 893,681
△ 1,255,918
△ 2,149,599
※千円未満切捨てで記載 してあるため合計額と一致しない場合がある。
※平成25年3月時点のものであり、そ の後の補正によって変更が生じる場合がある。
●資金収支予算の概要
・当年度収入(前年度繰越支払資金を含まない収入)は、対前年度 4.1%減、4 億 7000 万円
減の 108 億 8500 万円を計上。
・当年度支出(次年度繰越支払資金を含まない支出)は、対前年度比 6.9%減、8 億 9300 万
円減の 121 億 4100 万円を計上。
・当年度収入と当年度支出の収支差額は、12 億 5500 万円の支出超過。
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(2) 消費収支予算
消費収入の部
科目
学生生徒等納付金
手数料
寄付金
補助金
資産運用収入
事業収入
雑収入
帰属収入合計
基本金組入額
消費収入の部合計
消費支出の部
科目
人件費
教育研究経費
管理経費
借入金等利息
資産処分差額
(予備費)
消費支出の部合計
当年度消費支出超過額
前年度繰越消費支出超過額
基本金取崩額
翌年度繰越消費支出超過額
平成25年度
8,270,444
206,471
74,680
1,433,851
91,606
21,450
649,754
10,748,257
△ 349,136
10,399,121
平成24年度
8,510,179
219,266
85,200
1,430,636
99,016
22,186
394,921
10,761,404
0
10,761,404
(単位:千円)
増減
△ 239,734
△ 12,795
△ 10,520
3,215
△ 7,410
△ 736
254,832
△ 13,147
△ 349,136
△ 362,283
平成25年度
7,244,508
3,842,127
557,564
16,660
12,920
110,000
11,783,779
1,384,658
1,784,695
0
3,169,353
平成24年度
6,864,535
3,879,358
796,593
18,332
1,169,023
110,000
12,837,844
2,076,439
3,458,346
3,750,090
1,784,695
増減
379,972
△ 37,231
△ 239,029
△ 1,672
△ 1,156,103
0
△ 1,054,064
−
−
−
−
※ 千円未 満 切 捨て で記 載 して あ る ため合 計 額 と 一致 し な い 場 合が あ る 。
※ 平 成 25年3月 時 点の も の で あり、 そ の 後の 補 正に よっ て 変 更が生 じ る 場 合が あ る 。
●消費収支予算の概要
○帰属収入
・学生生徒等納付金は、対前年度比 2.8%減、2 億 3900 万円減の 82 億 7000 万円を計上。
・補助金は、対前年度予算比 0.2%増、300 万円増の 14 億 3300 万円を計上。
○基本金組入額
・既存施設の改修等で、3 億 4900 万円の組入金額を予定。
○消費支出
・人件費は、対前年度比 5.5%増、3 億 7900 万円増の 72 億 4400 万円を計上。
・教育研究経費は、対前年度比 1%減、3700 万円減の 38 億 4200 万円を計上。
・管理経費は、対前年度比 30%減、2 億 3900 万円減の 5 億 5700 万円を計上。
・資産処分差額は、11 億 5600 万円減の 1200 万円を計上。
○消費収支差額
・当年度の消費収支差額は、13 億 8400 万円の支出超過、累積で 31 億 6900 万円。
以上
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