大会参加者へのご案内 演者へのお願い 宿泊・懇親会出席者へのご案内

大会参加者へのご案内
○
○
○
○
5 月25日(土)~5 月26日(日)にわたり受付を行います。
駐車場は、「天童ホテル駐車場」をご利用下さい。
大会参加費は 2,000 円(非会員 3,000 円)です。
27日の昼食は、事前に昼食を申し込まれた方のみ用意しております。
(事前登録されてない方で昼食が必要な方は、メールまたは FAX にて
事務局までお申し込みください。締め切りは5月17日(金)です。
)
演者へのお願い
○ 発表 30 分前まで、スライド受付で試写確認を行って下さい。当日ス
ライドを差し替える場合は、USB メモリまたは CD-ROM にデータを
入れてお持ちください。
○ 発表時間は 1 題 7 分、討論 3 分です。発表時間を厳守して下さい。
○ 前のセッションが始まりましたら次演者席にお着き下さい。
○ セッション終了後に、お預かりしているメディアをお返ししますので、
スライド受付までお越し下さい。
宿泊・懇親会出席者へのご案内
○日
○場
○会
時:5 月 25 日(土)午後 6 時 30 分 開会
所:天童ホテル
TEL023(654)5511
フリーダイヤル 0120(67)4126
費:12,000 円(宿泊費を含む)
* 詳細な案内は、当日受付で配布致します。
* 不明な点がございましたら
【実行委員会事務局】
山形大学医学部附属病院 放射線部
TEL・FAX 023(628)5587 (PETセンター直通)
E-mail:[email protected]
までご連絡下さい。
日
程
5 月 25日(土)
13:30 ~
開会の挨拶
実行委員長
岡田
明男(山形大学病院)
代表理事
挨拶
山田
金市(山形大学病院)
13:40 ~ 14:20 研究発表 Ⅰ
(一般撮影)
座長
黒田
功
14:20 ~ 15:00 研究発表 Ⅱ
(RI1)
座長
平藤
厚子(山形済生病院)
15:00 ~ 15:50 研究発表 Ⅲ
(MRI)
座長
相間
幸治(篠田総合病院)
15:50 ~ 16:00 休
(山形市立病院済生館)
憩
16:00 ~ 17:00 特別講演
「自然と共に歩む」
一般社団法人日本樹木医会業務執行理事
財団法人山形県みどり推進機構
樹 木 医
山田
寛爾
先生
18:30 ~ 20:30 懇親会
20:30 ~
夜のミ-ティング
5 月 26 日(日)
9:00 ~ 10:00 一般社団法人山形県放射線技師会
第3回社員総会
10:10 ~ 10:50 研究発表 Ⅳ
(RI2)
座長
武田
幸司(山形県立中央病院)
10:50 ~ 11:40 研究発表 Ⅴ
(CT)
座長
瀬野
昌文(山形県立中央病院)
11:40 ~ 12:10 研究発表 Ⅵ
(血管撮影)
座長
石井
英夫(山形大学病院)
12:10 ~ 12:20 閉会の挨拶
時期開催地
12:20 ~
昼
食
置賜地区
会長挨拶
研
究
第 1 日目
Ⅰ
一般撮影
13:40~14:20
発
表
5 月 25 日(土)
座長
黒田
功 (山形市立病院済生館)
1.小サイズカセッテ型の FPD の開発
富士フィルムメディカル株式会社
○小川 博之
2.当院一般撮影装置における入射表面線量の把握
鶴岡市立荘内病院 放射線画像センター
○上竹 俊介 伊藤 昭俊
3.FPD の使用経験
健友会本間病院 放射線科
○後藤 直子
梶原 拓
阿部 美紀
齊藤 覚
富樫 康次
4.X 線透視検査における可視化がもたらす医療従事者の被ばく低減
済生会山形済生病院 放射線部
○青山 和弘
Ⅱ
RI1
14:20~15:00
座長
平藤
新宮 幸博
大内 智彰
厚子 (済生会山形済生病院)
5.デリバリーFDG-PET 検査における肝 SNR を用いた画質評価
日本海総合病院 放射線部
○佐藤 公彦
倉部 淳
遠藤美砂子 難波ひろみ
6.フラットパネル CT 搭載 SPECT 装置 BRIGHTVIEW X の有用性
株式会社日立メディコ
○萱沼 伸行
7.骨シンチグラフィ診断支援ソフトウェアに搭載する新たなデータベース
構築とその診断精度に関する試験的研究
富士フイルム RI ファーマ株式会社 学術企画部
○河上 一公
8.脳血流 IMP-SPECT 読影補助解析「ZSAM」について
日本メジフィジックス株式会社 製品企画第一部
○高谷 佳秀
Ⅲ
MRI
15:00~15:50
座長
相間
幸治(篠田総合病院)
9.3T-MRI における PROPELLER 法を用いた骨盤領域の撮像条件の検討
日本海総合病院 放射線部
○山村 修平 工藤 秀夫 難波ひろみ
10.Cube-T1 強調像の基礎的検討
済生会山形済生病院 放射線部
○三澤 正和 平 由布子
大内 智彰
11.non EPI DWI を用いた中耳真珠腫への有用性の検討
山形大学医学部附属病院 放射線部
○日野 隆喜 芳賀 和幸
宮野 望
谷地 守
渡辺 道子
江口 陽一
12.32ch Head コイルにおける感度特性評価
山形大学医学部附属病院 放射線部
○宮野 望 芳賀 和幸
谷地 守 渡辺 道子
日野 隆喜
江口 陽一
13.SPACE を用いた脳 3D-T1WI の有用性について
東北中央病院 診療放射線室
○須田
菊池
第2日目
Ⅳ
RI2
10:10~10:50
雅 奥出 豊 佐藤 雅子
彩 佐々木竜馬 児玉潤一郎
5 月 26日(日)
座長
武田
幸司 (山形県立中央病院)
14.SPECT・CT による腎ジメルカプトコハク酸テクネチウム
(99mTc-DMSA)摂取率と容積の算出における画像処理条件の検討
山形県立新庄病院 放射線部
○小野 宗一
甲州由美子
奥山洋一郎
日野 強
富士フィルム RI ファーマ株式会社
営業本部 臨床応用技術部 ソフト開発グループ
細谷 徹夫
15.I-131 核種による SPECT の OSEM 再構成パラメータの検討
山形市立病院済生館 中央放射線室
○高橋恵梨香
16.IMP-Graph Plot 法における再現性の検討
済生会山形済生病院 放射線部
○真木 敏
縄 俊一 平藤 厚子
木村 純一 大内 智彰
17.脳血流シンチにおける減弱補正法の違いによる SPECT 画像の検討
山形大学医学部附属病院 放射線部
○藤田 恭輔 岡田 明男
保吉 和貴 大場 誠
Ⅴ
CT
10:50~11:40
座長
瀬野
昌文
藤原 知佳
江口 陽一
(山形県立中央病院)
18.2 機種の 64 列CT検査での被ばく線量の比較
山形市立病院済生館 中央放射線室
○阿部 康一 兵庫 真紀
佐竹 歩美 矢吹 康雄
皆川 靖子
19.冠動脈CTの正確性の検証とカテーテル検査との比較
鶴岡市立荘内病院
放射線画像センター
○佐藤 香織
20.妊娠中の緊急X線検査による胎児への影響
鶴岡市立荘内病院
放射線画像センター
○伊藤 昭俊 伊藤 与一
21.Test Bolus Tracking(TBT)を用いた心臓 CT の造影濃度について
山形県立河北病院 放射線部
○今野 雅彦 齋藤 亮
大場 治美 星 守
22.大腸 CT 検査(CTC)の前処置と残渣の程度について
山形県立河北病院 放射線部
○今野 雅彦 齋藤 亮
大場 治美 星 守
Ⅵ
血管撮影
11:40~12:10
座長
石井
英夫
(山形大学病院)
23.下肢血管撮影における炭酸ガス造影の基礎的検討
山形大学医学部附属病院 放射線部
○谷地 守
山田 金市
江口 陽一
24.循環器診療における患者被ばく線量管理ソフトの開発と検証
山形大学医学部附属病院 放射線部
○藤原 知佳 山崎 智香 大沼 千津
山田 金市 江口 陽一
25.当院における血管撮影検査の現状
公立置賜総合病院
放射線部
○今野 祐治
武田 嘉一
秋保 正和
土屋 一成
1.小サイズカセッテ型の FPD の開発
富士フイルムメディカル株式会社
○小川 博之
一般撮影がだんだんと CR から FPD に移行される中で、小サイズカセッテ分野の要望が
高かった。
今回我々は小サイズカセッテ型の FPD を開発した。小サイズカセッテで求められる仕
様・条件や、技師様の使用感等を説明する。
整形分野の撮影や耳鼻科分野の撮影、小乳児分野の撮影とあらゆる分野での活躍が期待
される。従来からの弊社 FPD 技術に加え、さらに付加価値をつけた技術を説明する。
2.当院一般撮影装置における入射表面線量の把握
鶴岡市立荘内病院 放射線画像センター
○上竹 俊介 伊藤 昭俊
【目的】
最近放射線に関する情報が増えている為に,医療被曝についても関心が高まっている。
当院の近年設置された撮影装置にはNDD法算出による表面線量が表示されている。この
値がどの程度参考になるのか確かめる為、当院で実際に使用しているプリセット撮影条件
を使用して,入射表面線量を測定し、各部位のプリセット撮影条件で装置の表示値と実測
値とで差がないかを検証する。また日本放射線技師会の掲げる「被ばくガイドライン200
6」と測定値の比較評価し、現状を把握する。
【使用機器】
撮影装置
UD150L-40(島津製作所)
表面線量計
PSD
(Unfors)
アクリル水ファントム
【方法】
実際の撮影に近くなる様に被写体を置き、被写体の入射表面に線量計を配置し当院一般
撮影で使用しているプリセット撮影条件でX線を曝射する。測定で得られた入射表面線量
の値と一般撮影装置に搭載されているNDD法算出による表面線量表示との誤差を検証す
る。測定で得られた入射表面線量の値と「被ばくガイドライン2006」を比較評価する。
【結果】
当日報告
3.FPD の使用経験
健友会本間病院 放射線科
○後藤 直子 阿部 美紀 富樫 康次
梶原 拓
齊藤 覚
【はじめに】
当法人では、CR 装置の更新に伴い新たに FPD を導入した。昨年の7月下旬より運用が
始まり、使用経験と運用方法について報告する。
【システム概要】
①一般撮影
一般撮影装置 東芝 KXO-80G
カセット型 DR 装置本体
(併用)
Cnsole Advance DR-ID 600
FUJIFILM CALNEO C 1717Wireless
1417Wireless
CR 読取装置 FUJIFILM PROFECT CS
②ポータブル撮影
ポータブル撮影装置 東芝 IME-100A
カセット型 DR 装置本体
FUJIFILM CALNEO C 1417Wireless(併用)
ユーティリティーボックス DR-ID 700PU
MS-X レイグリッド MS-3P 型
ノート PC 型 Console Advance CALNEO flex
iPad
【運用方法】
① 一般撮影
1.患者情報を入力 2.撮影メニューを選択 3.撮影
4.画像表示
5.画像編集 6.PACS へ送信
②ポータブル撮影 1.患者情報・撮影メニューを事前入力 2.病棟にて患者情報選択し撮影
3.画像表示 4.編集 5.放射線科へ戻り PACS へ送信
【メリット・デメリット】
《メリット》
・画像表示 ・撮影間隔が早い ・撮影後すぐに画像確認が可能 ・停電時にも撮影
・画像表示が可能 ・被曝線量の低減
・充電が無くなってもバッテリー交換で撮影が可能
・撮影に応じてケーブルの有無を瞬時に切り替え可能
・ポータブル撮影でカセッテ枚数を気にすることなく撮影が可能
《デメリット》
・無線で使用する際、稀に通信エラーが発生 ・ノート PC 型 Console で画像を確認す
る際、濃度調整が難しい ・iPad の使用が難しい
【今後の課題】
・撮影後、無線で院内の PACS へ送信できる体制を整える
・オーダーシステムとの連携を整える
4.X 線透視検査における可視化がもたらす医療従事者の被ばく低減
済生会山形済生病院 放射線部
○青山 和弘 新宮 幸博 大内 智彰
【目的】
X 線透視検査では透視室内で検査を行う場合が多いが。被ばく低減については、個々の管
理に任せているケースが多い。そこで、被ばくの意識改革のために可視化を行ったので報
告する。
【方法】
ポケット線量計を医療従事者(医師・診療放射線技師・看護師)の X 線管球側に近い胸
部と背部のプロテクタの外側に装着し、検査ごとに線量の計測を行った。その際、線量を
報告するとともに、被ばく低減方法について話し合うこととした。
【結果】
・すべての医療従事者が、距離をとるようになり、被ばく線量が減少した。
・線量モード・パルスの再検討により、透視線量は約 1/4 に減少した。
・透視を出しながらの観察から、ラストイメージホールド画像・撮影画像の観察に移行し
透視時間が短縮した。
・さらなる被ばく低減の方法について相談され、3.75 パルス/sec や防護板の使用の検討
を開始した。
・多くの検査で、背面も被ばくしていることが確認された。
・ERCP のような、立ち位置が固定される検査では、胸部の線量より背部の線量が多くな
る傾向があった。
【考察】
・線量計を付けることにより、被ばくの事態を把握し意識するようになった。
・線量低下を実感すると、さらに低減するように自ら試みるようになった。
・背面が被ばくしていることが確認され、立ち位置等の工夫も必要であると考える。
【結論】
・リアルタイムに被ばく線量を伝えることで、被ばくの意識が芽生え、被ばく低減につな
がった。
・医療従事者に対して、可視化したデータとともに被ばく低減方法を伝えることで、さら
なる被ばく低減につながり、職種間の交流も増えチーム医療につながった。
・検査によっては、胸部より背部が被ばくしている実態を多くの医療従事者にひろめ、検
査方法の再検討・さらなる被ばく低減方法の検討が必要と考える。
5.デリバリーFDG-PET 検査における肝 SNR を用いた画質評価
地方独立行政法人山形県・酒田市病院機構 日本海総合病院 放射線部
○佐藤 公彦
遠藤美砂子
倉部 淳
難波ひろみ
【目的】
当院では平成 24 年 6 月よりデリバリーによる FDG-PET 検査を開始している。デリバ
リーでは検定量・検定時刻が決まっているため投与量を患者ごと一定にすることができず、
患者の体重、予約の順番、薬の到着の遅れなど様々な要因により投与量は大きく前後する。
今回、当院でこれまで検査を行った症例から「がん FDG-PET/CT 撮像法ガイドライン」
にて画質評価の1つの指標となっている肝 SNR を用いて、ガイドラインを満たしているか
どうか検討した。
【方法】
体重当たりの投与量を①2.99MBq/kg 以下、②3.50~3.99MBq/kg、③5.00MBq/kg
以上の 3 群にグループ分けし、それぞれの群から 30 例ずつ抽出して肝 SNR を計測した。
また、同一患者で収集時間を変化させたときの肝 SNR の変動を計測した。
【結果】
肝 SNR の平均値はいずれの群でもガイドラインの基準値である 10 以上を満たしていた
が、体重当たりの投与量が少なくなると肝 SNR も低くなる傾向にあり、ガイドラインでの
基準を下回る例もいくつかあった。収集時間を長くすると肝 SNR の上昇がみられた。
【考察】
肝 SNR は臨床画像の画質評価における指標の一つであり、簡便に測定が可能である。撮
像時間を長くすることで肝 SNR の上昇がみられたことから、体重あたりの投与量ごとに至
適撮像時間の設定が必要である。
【結論】
当院でのデリバリーによる FDG-PET 検査は、ほぼガイドラインの基準値を満たしてい
た。投与量が少ない場合の肝 SNR の上昇には収集時間を長くすることが有用である。
6.フラットパネル CT 搭載 SPECT 装置 BRIGHTVIEW X の有用性
株式会社日立メディコ 核医学治療製品営業本部 核医学製品営業部
○萱沼 伸行
BRIGHTVIEW X はフラットパネル型検出器の位置同定および減弱補正用 X 線 CT を備
えており、以下に特徴的な機能および性能を示す。
1.低線量・高分解能 CT
X 線 CT の検出器に 0.2mm×0.2mm ピクセルの高分解能 Flat Panel Detector(以下:
FPD)を採用している.この FPD を用いることにより,体軸方向で 14cm/回転の撮像が可
能であり,スライス厚は最小 0.33mm の 3 次元等方向ボクセル撮影が可能である.
CT 撮影時の回転速度は 12 秒,24 秒,60 秒のモードがあり,息止め撮影および自然呼
吸撮影の両方に対応ができる.各収集モードにおける管電流は,0.5 mA-80 mA の範囲
で可変であり,標準的な減弱(吸収)補正用の収集では,CTDIVOL0.5mGy での低被ば
くな撮像が可能である.
2.Concurrent Imaging
BRIGHTVIEW X は、Concurrent Imaging という最大 15 種類までの異なる SPECT
撮像条件を同時に撮像できる機能を有している。この機能を用いることで体格の小さい小
児や Small Heart 対策として、異なる拡大率のデータの同時収集を行い、診断データとし
ての撮像ミスを減らすことができる。さらに、異なる R-R 分割数、エネルギーウィンドウ、
収集時間、マトリックスサイズ等の撮像条件を変えた同時収集も可能であり、様々な診断
情報が提供できる。
以上に示した特徴的な機能および性能により診断精度の向上が期待される。
7.骨シンチグラフィ診断支援ソフトウェアに搭載する新たなデータベース構築とその診
断精度に関する試験的研究
富士フイルム RI ファーマ株式会社 学術企画部
○河上 一公
【背景】
現在の BONENAVI(Version 1)に搭載されている日本人データベースは群馬県立がん
センターにおける 904 症例が登録されたものであり、感度 90%、特異度 81%、正診率
82%の性能を有している。しかし、年齢や性別が考慮されない人工ニューラルネットワー
ク解析が用いられている等の課題も存在する。
【目的】
課題解決を目指して新たに症例を収集・追加して新たなデータベースを構築し、その診
断精度に関して試験的に検討を行う。
【方法】
現在のデータベース 904 症例に新しい症例を追加する。また人工ニューラルネットワー
ク解析に年齢、性別等の情報を追加し、再度トレーニングを行い、新しいデータベースを
搭載した BONENAVI(Version 2)を開発する。得られたデータベース/ソフトを用いて
ROC-area での評価を行った。
【結果】
年齢と性別を含めた新しい症例を追加したデータベースは 1,532 症例となった。また、
試験的検討における解析結果では、Version1 から 2 における ROC-area の変化は、男性
症例では 0.860 から 0.889、女性症例では 0.921 から 0.965 と診断精度の向上が確認
できた。
【結語】
新しいデータベースを構築することで BONENAVI の解析精度向上が期待できる。
8.脳血流 IMP-SPECT 読影補助解析「ZSAM」について
日本メジフィジックス株式会社 製品企画第一部
○高谷 佳秀
1.はじめに
認知症疾患治療ガイドライン 2010 で AD の補助診断として推奨され、また認知症患者
の増加や治療薬の開発も相まって、認知症における脳血流 SPECT 検査は増加している。
一方脳核医学を専門としない医師が脳血流 SPECT を読影する機会が増加している。この
ため脳血流 IMP-SPECT 画像の読影補助解析として「Z-score summation analysis
method」
(ZSAM)を開発した。
2.ZSAM 解析の流れ
ZSAM は 3D-SSP 解析を行った Z-score 画像にテンプレート ROI を設定し、解析症例
の ROI 内の Z-score 合計値(Z-sum)を算出する。この Z-sum 値を正常群の Z-sum 正
常閾値と比較して、テンプレート ROI 内の血流低下の有無を判定する。
3.ZSAM における Normal Database(NDB)
3D-SSP 解析では使用する NDB が大きく影響する。先行研究において、IMP 3D-SSP
解析のための NDB は、機種別に再構成条件を一致させて用いることが推奨されている。
4.AD/DLB が疑われる例における診断補助
断層画像で判定に苦慮した症例における診断補助、多施設共同研究における ZSAM 判定
と従来の読影との比較について報告する。
9.3T-MRI における PROPELLER 法を用いた骨盤領域の撮像条件の検討
地方独立行政法人山形県・酒田市病院機構 日本海総合病院 放射線部
○山村 修平 工藤 秀夫 難波ひろみ
【目的】
1.5T-MRI 装置に比べ 3T-MRI 装置を用いた骨盤領域の撮像では呼吸運動、腸管の蠕動運
動、血管からのアーチファクトがより問題となる。特に婦人科領域の T2w sagittal 撮像と
なると、撮像したい部位である子宮、卵巣も蠕動運動や呼吸運動により動いてしまいアー
チファクトで見えづらくなる。そこで、動きについて有用な撮像法である PROPELLER 法
を用いてモーションアーチファクトの目立たない適切な撮像条件の検討をおこなった。
【使用装置】
GE Signa HDxt 3.0T
【方法】
PROPELLER 法でモーションアーチファクト軽減に関係するファクターである NEX を
1.5, 2.0. 2.5、アクセルファクターを 2.0, 3.0, 4.0 とそれぞれ変化させて、PROPELLER
T2w Sagittal を撮像した。普段使用している FSE T2w Sagittal との視覚的評価及び差
分法による SNR 測定をおこなった。
【結果】
FSE T2w Sagittal と PROPELLER T2w Sagittal と比較して、SNR 測定、視覚評価
では PROPELLER T2w Sagittal が良好な結果となった。しかし、呼吸運動などのモーシ
ョンアーチファクトは軽減されているが、PROPELLER 法特有のストリーク状のアーチフ
ァクトなどがあり、完全にアーチファクトが抑制された画像が撮像できたとは言えない。
したがって、撮像時間、撮像条件、前処置などを含めて再考の余地がある結果となった。
10.Cube-T1 強調像の基礎的検討
済生会山形済生病院 放射線部
○三澤 正和 平 由布子 大内 智彰
【目的】
Volume 撮像シーケンスである Cube はフローボイドが強いため、造影後の血管と微小
な転移性脳腫瘍との鑑別に有用であるとされている。そこで Cube-T1 強調像について基
礎的検討を行ったので報告する。
【使用機器】
・Optima MR450w 1.5T Ver.22 (GE 社製)
・バードゲージ型 QD Head Coil、GEM Head Neck Unit (GE 社製)
・MRI ファントム 90-401 型 (日興ファインズ工業株式会社)
【方法】
1.ファントムによる評価
Gd 混入量が異なる 2 種類の PVA ゲルを撮像し CNR とコントラストを測定する。
①TR=300,400,500,600,700,800,900ms(TE10ms,ETL20)
②TE=10,20,30,40,50,60,70ms(TR500ms,ETL20)
③ETL=10,20,30,40,50,60,70(TR500ms,TE10ms)
2.ボランティア画像による評価
条件を変化させた Cube-T1 にて頭部を撮像し、白質と灰白質の CNR とコントラスト
を比較する。
【結果】
・TR500~700ms で高い CNR を示した。コントラストは TR が長いほど低下した。
・TE が長いほど CNR・コントラスト共に低下した。
・ETL が大きいほど CNR が低下したが、コントラストに差は表れなかった。
・撮像時間は TR が長く、ETL が小さいほど延長した。
・ボランティア画像もファントムとほぼ同様の傾向となった。
・ETL が 30 を超えるとブラーリングが目立った。
【考察】
・Cube 法は FSE 法と同様の特性であったが、ETL の作用などわからない部分も多かっ
た。
・CNR とコントラスト、撮像時間を考慮すると、TR=500ms,TE=10ms,ETL=20 程度
が適当と考える。
11.non EPI DWI を用いた中耳真珠腫への有用性の検討
山形大学医学部附属病院 放射線部
○日野 隆喜 芳賀 和幸 渡辺 道子
宮野 望
谷地 守
江口 陽一
【背景】
近年当院では、後天性中耳真珠腫に対して内視鏡を用いた内視鏡下中耳手術
(EES:Endoscopic Ear Surgery)が積極的に行われている。術前診断として MRI の鑑別診
断の精度の向上が必要であり、その中でも耳鼻科領域において歪みの少ない non EPI
DWI(SE 系)が有用であると言われている。
【目的】
真珠腫の描出に有用であると言われている non EPI DWI の撮像条件を検討した。
【使用機器】
Philips 社製 Achieva 3.0T
32ch Head coil
MRI ファントム(日興ファインズ工業株式会社)
【方法】
①ファントムによる non EPI DWI と EPI DWI の歪みの比較
②臨床で必要とされる撮像範囲(30mm)を想定し、ファントムにて撮像時間・SNR を考
慮し、スライス厚(1mm、3mm、6mm)・Matrix(128×128、192×192、256
×256)の検討
③健常ボランティアにてファントム実験と同様の条件で最適条件の検討
【結果】
①ファントム実験において EPI DWI に比べ non EPI DWI は歪みが小さかった。
②スライス厚の検討では 1mm で撮像時間の延長・SNR の低下が顕著に見られた。
Matrix
の検討では分解能があがるにつれ、撮像時間の延長が見られた。
③ボランティア撮像ではファントム実験と同様の結果が得られた。
【考察】
non EPI DWI は SE 系シーケンスのため、歪みの影響は少ないが SNR を確保することが
困難である。そのため、臨床で必要となる撮像範囲、スライス厚をファントム実験の結果
より考慮すると 1mm の 128×128 か 3mm が妥当と考えられた。
12.32ch Head コイルにおける感度特性評価
山形大学医学部附属病院 放射線部
○宮野 望
芳賀 和幸 日野 隆喜
谷地 守
渡辺 道子 江口 陽一
【目的】
当院では、2012 年 10 月に 3.0TMRI 装置に 32ch Head コイル(以下 32ch)の新
規導入を行った。そこで、32ch と従来使用していた 8ch Head コイル(以下 8ch) との
SNR、信号値を比較検討した。
【使用機器】
MR 装置:Philips Acheiva 3.0T
コイル:8ch・32ch Head コイル
ファントム: 楕円型ファントム
【方法】
① 各コイルにおいて中心にファントムを置き,ファントムセンターにて Axial、Coronal、
Sagittal を以下の条件で同一断面を 2 回ずつ撮像した.
(SE 法,TR:500ms,TE:10ms,Matrix:256×256,Slice 厚 5mm,FOV:256×256mm)
② 同一条件・断面において感度補正を使用して撮像した.
③ それらの画像より Image-J と日本放射線技術学会画像分科会によるSNR測定プログ
ラムを用いて、信号値・SNR の測定、SNRmap の作成を行った。
【結果】
・ 各断面において、8ch・32ch ともにファントム表面付近は信号値が高く、中心部にな
るにつれ信号値が低下した。
・ 各断面全体的に 8ch は信号値・SNR ともに 32ch に比べ高い値を示した。
・ 32ch ではコイル頭側、後面において高い信号値・SNR を示した。
・ 感度補正を行うことにより、各断面全体的に 32ch は 8ch に比べ SNR は高い値を示
した。
【考察】
8ch に比べ 32ch は、コイル素子径が小さいことからノイズ成分は少ないが感度域が狭
く、その分信号値・SNR の低下がみられたと考えられる。
感度補正を行うことにより全体的な信号値の上昇、ノイズ成分の少なさから 32ch の
SNR が大幅に上昇したのではないかと考えられる。
そのことより 32ch の使用には感度補正の必要性が感じられた。
13.SPACE を用いた脳 3D-T1WI の有用性について
公立学校共済組合 東北中央病院 診療放射線室
○須田 雅
奥出 豊
佐藤 雅子
菊池 彩 佐々木竜馬 児玉潤一郎
【はじめに】
3.0T 装置の普及にともない、全脳を 3D にて撮影する施設が増えており、1.5T 装置の
当院でも要望がある。しかし、FE 法の FLASH 法を用いて T1WI を撮像した場合、血管が
高信号になり、造影後は病変の把握に邪魔になる時がある。今回、血管を低信号に描出す
るために SPACE を用いて脳 3D-T1WI を撮像し、その有用性について検討したので報告
する。
【使用機器】
MAGNETOM Avanto SQ-18ch
VB17SP4 (1.5T)
SIEMENS
【方法】
1.5T では 3.0T と比較して SNR が低いため撮像時間が長くなるが、臨床上、十分使用
可能な撮像時間となるよう撮像条件を設定した。
SPACE を用いた 3D-T1WI で十分な T1 コントラストが得られているか、自作ファント
ムを用いて CNR を測定し、SE 法および FLASH 法と比較した。また、臨床にて撮像を行
い、有用性を検討した。
【結果】
SPACE を用いた 3D-T1WI では、
SE 法や FLASH 法と比較して多少 CNR が低かった。
臨床では、血管が高信号とならず、造影後の脳転移などの撮像には有用であった。
【考察】
SPACE 法は Turbo SE 法を基本としており、早い流速の血管は flow-void となり低信
号になる。したがって血管を描出したくない転移性脳腫瘍の検出等には SPACE 法が有用
である。しかし、血管の情報の必要な内耳や三叉神経の検査等については FLASH 法が有
用であり、検査の内容によって使い分ける必要があると思われる。
14.SPECT・CT による腎ジメルカプトコハク酸テクネチウム(99mTc-DMSA)摂取
率と容積の算出における画像処理条件の検討
山形県立新庄病院 放射線部
○小野 宗一 甲州由美子
奥山洋一郎 日野 強
富士フィルム RI ファーマ株式会社
営業本部 臨床応用技術部
ソフト開発グループ
細谷 徹夫
【目的】
腎 DMSA 摂取率は腎実質機能に対する定量的評価が可能である。しかし従来の Planar
では関心領域や Back Ground の設定に依存するためその精度を維持することが困難であ
った。そこで再現性と定量性にすぐれた SPECT・CT 法による腎 DMSA 摂取率を求める
ため Uptake 解析ソフトを富士フィルム RI ファーマ株式会社と共同開発し、Phantom デ
ータと検証し画像処理における最適条件を検討した。
【方法】
使用装置は SIEMENS 社製 Symbia T である。
シリンジの収集条件は以下の通りである。
360 度近接起動、continuous モード、128Matrix、1.45 倍、2 秒/step、散乱ウィン
ドウ付加。腎の収集条件は以下の通りである。360 度近接起動、continuous モード、
128Matrix、1.45 倍、10 秒/step、散乱ウィンドウ付加。腎における再構成条件は以下
の通りである。3DOSEM、Subset6、Iteration5、Gaussian Filter 係数 6.6、散乱補正
あり、CT 吸収補正あり。はじめに Uptake 解析ソフトにより Phantom の腎容積に最も
近似する Threshold 値を求めた。次に Phantomで設定した Uptake 値に最も近似するシ
リンジの再構成条件を求めた。
【結果】
腎に対する Threshold 値は 25%で最小誤差+0.8%であった。シリンジにおける再構成
条件は 3DOSEM にて subset6、Iteration2、Filter なし、散乱補正あり、吸収補正なし、
Threshold 値 0%で Uptake 誤差は 0%であった。
【考察】
SPECT・CT 法による腎 DMSA 摂取率は Planar 法に比較し術者間誤差が無く再現性に
すぐれた特徴を持ち planar 法では得られない Functional Volume も求めることが可能で
ある。
【結語】
SPECT・CT 法における腎 DMSA 摂取率は OSEM 法と Uptake 解析ソフトにより容積
誤差+0.8%、Uptake 誤差 0%の高精度の結果が得られた。
15.I-131 核種による SPECT の OSEM 再構成パラメータの検討
山形市立病院済生館 中央放射線室
○高橋恵梨香
【目的】
SPECT の再構成に OSEM 法の使用が可能となり、大量投与ができない I-131 核種を用
いた SPECT 撮影も行われるようになった。高エネルギーγ 線の低カウント検査を想定し
た OSEM 再構成についてファントム実験による基礎的検討を行った。
【方法】
ファントムの外容器にバックグラウンド(BG)として 0.74kBq/ml の I-131 を満たし、
BG の 1.5 倍から 6 倍の濃度の I-131 を直径 30mm の 6 本の円柱容器に封入し、ファン
トム中心から同一距離に円状に配置した。ズーム 1.0 倍、
64×64 マトリクス、30 秒/step、
6 度毎 360 度(15 分間)を 4 回転収集し、加算することにより収集時間 15、30、45、
60 分の 4 種類の投影データを得る。Order10、カットオフ周波数 0.45cycl/cm の
Butterworth フィルタを用い subset と iteration の組み合わせを変化させて OSEM 法
(EvolutionTM)で 144 種類の画像を作成した。吸収補正は X 線 CT で行い、散乱線補正
は行わなかった。
得られた SPECT 像の同一スライス位置の各円柱部と BG 部に ROI を設定し平均カウン
トと標準偏差を求め、subset と iteration の組み合わせによる、①ターゲット対バックグ
ラウンドの平均値の比(T/B)により定量性を、②S/N(平均値/標準偏差)によりノイズの増減
を検討した。また、③収集時間による T/B、S/N の変動を検討した。
【結果】
収集時間 60 分の SPECT データで検討した。いずれの濃度も iteration の増加とともに
T/B は上昇しその後低下に転じた。subset 数が大きいほど低 iteration 側にピークを持ち、
subset×iteration が 30 程度の時が T/B が最も大きくなり、ホットスポットの表現に有
利である。ピーク値は理論値の約半分であった。濃度がBGの 1.5、2.0 倍では検出できな
かった。
②いずれの濃度も iteration の増加に従って S/N 値は低下し収束してゆく。subset
数が大きいほど低値で推移した。①、②の検討よりコントラストを維持し統計ノイズが抑
えられる subset 数 10-15、
iteration2-3 が適すると思われる。③収集時間を長くすると、
S/N は改善するが、T/B は僅かながら低下する傾向が見られた。
【まとめ】
I-131 核種による SPECT のファントムによる OSEM 再構成の検討を行った。
subset10、iteration3 の組み合わせが適すると思われる。
16.IMP-Graph Plot 法における再現性の検討
済生会山形済生病院 放射線部
○真木 敏
縄 俊一
平藤 厚子
木村 純一 大内 智彰
【目的】
IMP-Graph Plot 法は、非採血により低侵襲的に脳血流定量値を求めることができる
が、解析を行う放射線技師によって定量値にばらつきが生じる可能性が示唆されている。
検査開始から 4 年近くが経過し、徐々に検査を行う技師も増えてきたため、当院におけ
る解析の現状を把握し、再現性について検討を行ったので報告する。
【方法】
・無作為に選んだ症例について、技師 4 名にて解析
・得られた mCBF より、個人内でのばらつき及び技師間でのばらつきを評価
・ばらつきの要因を分析し、改めて標準化を行い再度解析・評価
【結果】
・個人の mCBF の変動係数は、概ね低い値となったが、経験数が少ない技師ほど変動が
みられた。
・技師間でも、大きなばらつきは見られなかったが、ほとんどの症例で他者より mCBF
が低くなるなど、技師によって一定の傾向も見られた。
・標準化を行ったことにより、技師間のばらつきが減少した。
【考察】
・個人内でのばらつきは、各種設定の仕方が一定していなかったためと考える。
・技師間で変動がみられたのは、ROI の位置や直線近似範囲の設定に違いがあったため
と考える。
【まとめ】
改めて解析方法の標準化を行ったことでばらつきが減り、より安定させることができ
た。今後、対応技師や検査の経験数に関わらず、安定した結果を維持できるよう、定期
的な確認や再教育が必要と考える。
17.脳血流シンチにおける減弱補正法の違いによる SPECT 画像の検討
山形大学医学部附属病院 放射線部
○藤田 恭輔 岡田 明男 藤原 知佳
保吉 和貴 大場 誠
江口 陽一
【目的】
脳血流シンチの減弱補正には CTAC 法と Chang 法があるが、補正法の違いにより得ら
れる結果に違いが生じると言われている。そこで、当院で使用しているプロトコルを用い
て2種類の減弱補正による特性を評価し、また臨床画像ではどのような違いが生じている
かを検討した。
【使用機器・解析ソフト】
Symbia T2 (SIEMENS)
、IB-10型脳ファントム(京都科学)
DRIP、 3DSRT(富士フィルム RI ファーマ)
【方法】
再構成法 ①3D-OSEM,CTAC,SC(+)(以下 CTAC 法)
②FBP,Chang’s AC,SC(+) (以下 Chang 法)
で次の項目について比較した。
1.濃度直線性
濃度分布ファントムの各小部屋に濃度比が1:2:4の 9 9 mTc 水溶液を封入し、
SPECT/CT 撮影を行った。各小部屋に ROI をとり、ROI 内のカウント値から濃度直線性
を求めた。
2.濃度再現性
脳想定部ファントムの白質部と灰白質・視床部にそれぞれ放射能濃度比が1:4になる
ように99mTc 水溶液を封入し、SPECT/CT 撮影を行った。前頭部、視床部、左右の白質
部の4か所に ROI をとり ROI 内のカウント値を求め、その比率から濃度再現性を求めた。
3.3DSRT を用いた局所カウント値の比較
当院で脳血流 ECD 検査を行った10例を3DSRT を用いて局所カウント値を求め比較
した。また各々の局所カウント値を大脳平均値で正規化し、局所部位ごとに t 検定を行った。
【結果】
1.濃度直線性は CTAC 法と Chang 法で違いは見られなかった。
2.濃度再現性も減弱補正の違いによる差は見られなかった。
3.
局所カウント値は全ての領域で CTAC 法のほうが高い値を示した。
また t 検定の結果、
一部を除きほぼ全ての領域で有意差が見られた。
【結語】
今回の結果から CTAC 法と Chang 法では、濃度直線性、濃度再現性ともに差が見られ
なかったが、臨床データの比較で有意差を認めたことから減弱補正の違いを理解して使い
分ける必要がある。
18.2 機種の 64 列CT検査での被ばく線量の比較
山形市立病院済生館 中央放射線室
○阿部 康一 兵庫 真紀 皆川 靖子
佐竹 歩美 矢吹 康雄
【目的】
2012 年 6 月に OptimaCT660Pro(GE 社製)が導入され、当院には 64 列 CT が 2
台となった。そこで、6 年前から使用している 64 列 CT と検査時の被ばく線量の差を比較
した。
【使用機器】
OptimaCT660Pro(GE 社製)と Aquilion64(東芝社製)
【方法】
躯幹のルーチン単純撮影における、装置に表示される CTDIvol を比べる。
【撮影条件】
OptimaCT660Pro
・ローテーションタイム 0.5sec
・ビームコリメーション 40mm
・スライス厚 5mm
・ピッチ 1.531:1
・管電圧 120kV
・管電流 200-520mA(Auto mA+Smart mA)
・設定ノイズレベル NI9.88
・被ばく低減 ASiR50%・Smart mA・ODM
Aquilion64
・ローテーションタイム 0.5sec
・ビームコリメーション 32mm
・スライス厚 5mm
・ピッチ 0.844
・管電圧 120kV
・管電流 50-450mA(Volume EC)
・設定ノイズレベル SD9
【結果】
Aquilion64(64 件)
最小値 15.6mGy 最大値 33.6mGy 平均値 29.2mGy
OptimaCT660Pro(62 件)
最小値 5.62mGy 最大値 14.62mGy 平均値 10.49mGy
19.冠動脈CTの正確性の検証とカテーテル検査との比較
鶴岡市立荘内病院 放射線画像センター
○佐藤 香織
【はじめに】
近年、冠動脈狭窄を疑う患者のカテーテル検査の前段階として、冠動脈CTを撮影する
ことが多くなった。当院における約 1 年分の冠動脈CTを施行した患者のカテーテル検査
まで行った割合と結果や、CTとカテーテル検査の画像を比較・検討する。
【使用機器】
・CT:Aquilion 64 (東芝)
・インジェクター:デュアルショット GX (根本杏林堂)
・画像処理端末:ZIOSTATION ver,1.17t (ザイオソフト)
・血管撮影装置:Allura 9C (PHILIPS)
Allura Xper FD10 (PHILIPS)
詳細は当日報告いたします。
20.妊娠中の緊急X線検査による胎児への影響
鶴岡市立荘内病院
放射線画像センター
○伊藤 昭俊 伊藤 与一
【概要】
平成 24 年 8 月、救急センター受診。CT 検査にて左腎臓腫瘍より出血と診断。
被検者は、妊娠 10 週目。本人承諾のもと緊急で IVR を施行。コイル塞栓術にて治療を終
了。その後、産婦人科医師,泌尿器科医師より被ばく線量の問い合わせがあり、生殖器臓
器への実効線量を求めて提出した。今回は、算出方法およびその内容について報告する。
【方法】
実際の検査上での臓器実効線量の測定は、事実上できない現状にある。そこで CT 線量
は『ImPACT』のソフトから求めた。IVR の線量は SDM で求めた。これらの数値をレポ
ートとして提示した。
【結果】
CT における生殖器実効線量は、『ImPACT』より1回のスキャンで 21mGy であった。
Dynamic CT 含めて、4回のスキャンを実施しており、84mGy とした。また IVR での生
殖器背部の皮膚線量は 10mGy を示していた。
『ImPACT』からの実効線量と SDM の示し
た数値では臓器線量として評価対象とならないが、実効線量最大評価として提示した。
【まとめ】
今回、妊娠中の放射線検査を行った事例に対して、医師、被験者に対してわかりやすい
図式の説明文を作成した。またいつ、このような状況にかかわっても対応できるよう、我々
診療放射線技師の専門知識が大事であると思う。また CT 検査における臓器線量算出に
『ImPACT』は有効であった。
21.Test Bolus Tracking(TBT)を用いた心臓 CT の造影濃度について
山形県立河北病院 放射線部
○今野 雅彦 齋藤 亮
大場 治美 星 守
【目的】
心臓 CT 検査において、正確に造影タイミングを計測することはとても重要である。一
般的な計測方法として、Bolus Tracking(BT)法と Test Bolus 法がある。BT 法は、簡
便であるが、
ピークを捕らえることが難しく CT 値のばらつきが大きい。
Test Bolus 法は、
操作が煩雑であるが、正確にピークを捕らえられ、CT のばらつきが少なく、心機能の影響
を受けない。両者の優位点を結合させた方法として、Test Bolus Tracking(TBT)法が開
発された。BT 法と TBT 法による造影濃度を比較する
【方法】
2012 年 10 月から 2013 年 4 月までの期間に、当院で心臓 CT 検査を行った 36 名に
対して、上行大動脈の CT 値を測定した。BT 群 32 例、TBT 群 4 例である。造影剤注入
速度は、体重×0.07(ml/sec)で計算した。
TBT 法の注入方法:造影剤 2 秒+生食 5 秒+Delay5 秒+造影剤 12 秒+生食 7 秒
【結果】
上行大動脈の CT 値は、BT 群で 457.6±70.6HU であり、TBT 群で 481.5±26.2HU
であった。対応のない T 検定による P 値は 0.511 であった。
【考察】
TBT 法を用いた心臓 CT を実施した。TBT 群で平均 CT 値が高かったが、有意差は無か
った。TBT 法を使用しても BT 法と同等の結果が得られた。インジェクタの注入設定は煩
雑さがあるが、検査のスループットは BT 法と同様にスムーズであった。検査数が少ないた
めに、有意差は現れなかったが、件数を増やすことで TBT の特長が有意に現れてくるだろ
う。
22.大腸 CT 検査(CTC)の前処置と残渣の程度について
山形県立河北病院 放射線部
○今野 雅彦 齋藤 亮
大場 治美 星 守
【目的】
当院では、2012 年 10 月より大腸 CT 検査(CTC)を開始した。CTC の特長は、内
視鏡検査で必要とされる程度の腸管の洗浄をしなくても検査が行えることである。この特
長を活かして、下剤の少量化、検査食の充実が可能になった。当院で推奨している前処置
のプロトコルを紹介し、残渣の状態と CTC の画像上の残渣の状態を評価する。
【方法】
2013 年 1 月から 4 月の期間で、CTC を行った 9 名(平均年齢 72±13 歳)に対して
残渣の評価を行った。残渣の評価は、検査前の排便に対して患者の自己申告により 5 段階
評価(1:普通便~5:水様便)を行った。CTC の画像上の残渣評価は、CT スタッフ 3
名による 3 段階評価(良好、普通、不良)で行った。造影剤;ガストログラフィン、検査
食;FG-One★(伏見製薬)
、下剤;マグコロール P250ml
【結果】
画像上の残渣の評価::良好 5 例(55%)普通 1 例(11%)不良 3 例(33%)
良好の症例:便の状態;平均 3.4±0.6
普通の症例:便の状態;平均 2.0
CT 値;平均 183.5±31HU(156-227HU)
CT 値;平均 353HU
不良の症例:便の状態;平均 2.0±1.0 CT 値;平均 363±60HU(316-430HU)
【考察】
画像上良好な症例は、いずれも内視鏡検査で求められる水様便よりは残渣のある状態で
あった。残渣は腸管内で浮遊しているものと推測される。造影濃度は 200HU 前後であっ
たが、他院の報告とも一致している。一方、画像上不良な症例は、普通便に近い状態であ
った。前処置不良や排便困難が原因とみられた。腸管内に大きな便の塊があり、良好な症
例と比較して、あきらかに CT 値が高かった。受診者が高齢であるため前処置の理解不足
も影響しているようであり、前処置の簡便化の必要性を感じている。
23.下肢血管撮影における炭酸ガス造影の基礎的検討
山形大学医学部附属病院 放射線部
○谷地 守
山田 金市 江口 陽一
【背景・目的】
生体に影響が無いとされる炭酸ガスを陰性造影剤として使用することで、ヨードアレル
ギーや腎機能障害患者に対しての血管造影検査をローリスクに行うことができる。 しかし、
炭酸ガス造影はヨード造影に比べコントラストがつきにくいという欠点がある。今回、炭
酸ガス造影とヨード造影のコントラストについて検討した。
【検討項目】
①ヨード造影剤と炭酸ガス造影の濃度の比較。
②管電圧と炭酸ガスのコントラストの関係。
③炭酸ガスの温度とコントラストの関係。
【方法】
①自作ファントムを用い、炭酸ガス造影と希釈したヨード造影剤(1 倍、1/2 倍、1/4 倍、
1/8 倍、1/16 倍、1/32 倍)の DSA 像を撮影した。それぞれの画像のプロファイルカ
ーブを取得し、濃度が最大となる点のピクセル値を比較した。
②管電圧を 60kV~110kV で 10kV 刻みで変化させ、それぞれ炭酸ガス造影を撮影し、
同様に比較した。
③炭酸ガスの温度を段階的に変化させ撮影し、同様に比較した。温度変化は、シリンジに
封入した炭酸ガス 20ml を 0℃、15℃、26℃、60℃、91℃の水(湯)にそれぞれ 10 分間
浸すことで行った。
これらの実験では基準となる部分のピクセル値を 0 とした。
【結果・考察】
①炭酸ガス造影像の最大ピルセル値は 7.04 であった。ヨード造影像は 1 倍から 1/32 倍
の順にそれぞれ 146.71、79.75、41.29、20.65、10.27、4.612 であった。ヨード
造影像の希釈倍率と最大ピクセル値には正の相関があり、そこから、炭酸ガス造影はヨー
ド造影剤を約 22.35 倍に希釈したものと同程度のピクセル値であるということが分かった。
②管電圧 60kV から 110kV の順に最大ピクセル値はそれぞれ 11.94、10.26、9.78、
9.77、9.29、9.22 となり、管電圧を下げることにより僅かにコントラストが向上した。
視覚的には 60kV の時にコントラストが良かった。
③炭酸ガスの温度が低い順に、それぞれ 10.56、10.00、10.10、9.24、9.48 となり、
低温側で僅かにピクセル値が高くなる傾向が見られたものの、視認できる差ではなかった。
24.循環器診療における患者被ばく線量管理ソフトの開発と検証
山形大学医学部附属病院 放射線部
○藤原 知佳 山崎 智香 大沼 千津
山田 金市 江口 陽一
【はじめに】
現在、循環器用 X 線診断装置の入射線量は、IEC/JIS 規格において IVR 基準点での空気
カーマ率及び積算空気カーマを表示するように規定されている。その積算線量は 1 検査に
照射された総線量で、照射部位や最大皮膚線量などは分からない。被ばく線量が、放射線
皮膚障害が起きる可能性に達した場合、その最大皮膚線量部位を把握することは重要であ
り、インターベンション後の皮膚の経過観察部位が容易となる。
東芝社製循環器用 X 線診断装置は、各透視・撮影ごとに寝台の位置情報、C-アームの角
度情報、照射情報、面積線量計の値を CSV ファイルとして取得できる。そのデータを使用
して皮膚表面の被ばく線量分布を作成するソフトを開発した。今回はその精度を検証する。
【方法】
患者被ばく線量管理ソフトは File Maker Pro11 で作成した。循環器用 X 線診断装置
から取得した各透視・撮影条件、寝台の位置情報、C-アームの角度情報、照射情報、面積
線量計の値(CSV ファイル)を PC で取込、ソフト上で焦点皮膚間距離、皮膚面位置での
照射野サイズ、寝台による吸収、後方散乱係数の補正などを行い皮膚面位置の皮膚線量を
計算する。ソフトより得られる皮膚線量の検証のためガラス線量計を用いて比較した。ま
た皮膚面位置の線量分布をグラフィク表示するようにした。線量分布の検証のため一般撮
影用の IP を使用した。
【結果】
1、患者被ばく線量管理ソフトとガラス線量計による実測値で比較した結果、計算結果と
実測値はほぼ一致した。
2、照射野サイズは FPD のサイズより計算しているため、照射野を小さく絞ると計算値と
実測値の差は大きくなった。
3、斜入した場合は照射野を正方形で計算しており、最大皮膚線量が過小評価となる場合
がある。
【結語】
最大皮膚線量とその位置を把握できるため、患者被ばく線量管理に有用と考える。
25.当院における血管撮影検査の現状
公立置賜総合病院 放射線部
○今野 祐治 秋保 正和
武田 嘉一 土屋 一成
【はじめに】
当院の近年の血管撮影室の検査実施状況の推移と現状を報告する。また、2012年度
急増したIVRと新たに始まったIVRがあるのでこれらを報告する。
【結果】
心血管撮影室:心臓カテーテル検査が例年に比べ増加し、また下肢のPPIが急増して
いて、検査数は例年に比べ増加していた。
頭腹部血管撮影室:腹部の検査数が減少し、検査数は例年に比べ減少していた。しかし、
B-TACEというIVRが新たに始まっている。
【まとめ】
今後、検査数の増加、手技時間の増加が見込まれるため、被曝線量・造影剤の使用量の
低減への取り組みを行っていく必要がある。
医師が検査や治療を行いやすい環境づくりを行っていく必要がある