第2回 ふくいの山と林業のあり方検討会員発言概要 - 福井県

第2回 ふくいの山と林業のあり方検討会員発言概要
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日 時:平成 21 年 9 月 2 日(水)
会 場:県庁 7 階 特別会議室
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出席者:金井 久美子
13:00~15:30
NPO法人 地球緑化センター 事務局次長
木原 克敏
国京 克巳
名田庄森林組合 組合職員
若越建築文化研究所 代表
辻端 武彦
坂東 秀夫
㈱ネーチャー6 社長
福井県森林組合連合会
堀川 哲人
㈱住まい工房
代表理事専務
社長
前田 桝夫 福井大学 教育地域科学部
水口 尊 水口木材㈱ 社長
教授
アドバイザー:前田林業㈱ 専務取締役 前田 多恵子 氏
オブザーバー:九頭竜森林組合 代表理事組合長 馬場 功
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氏
内 容
<事務局説明後の意見>
(委員)
・ 葉がらし乾燥(天然乾燥)について、県でデーターの構築はどこまで進んでいるの
か。葉がらしは緊急の課題。すぐにでも資料提供が必要。
(事務局)
・ 葉がらしについては平成5、6年に推進し、その時にある程度マニュアルがある。
その後、状況が変化し、葉がらし材がなかなか使われなくなった。今、もう一度葉
がらし材を使うことに視点をおかないと、なかなかコストが下がらないというとこ
ろである。今後、データーを出していきたい。
【意見交換】
<主伐に向けた林業経営の復活>
・ 使いやすい県産材の生産に向けた、間伐材、主伐材について、出口としての住宅ま
で踏まえた、生産、仕分け、区分について、もう少し踏み込んだ記載があると良い。
・ 建設業・企業の元気回復事業が今年から始まり、期待している。福井県のスギを使
った住宅を建てていこうということで、それにふさわしい間伐材、主伐材の供給を
考えている。
・ 県産材を使った住宅というとき、生産者に対し、具体的にどういった材の供給が必
要かということを詰めていきたいし、そのようなことに触れてもらうと良い。
・ 素材生産の立場からすると、まず、山に道がない。道がないと必要な材を必要な量
出せない。何年かで集中的に整備して欲しい。
・ 県と生産者と建築・製材が手を組み合って、大量に天然乾燥された材をストックし
ておく資本構築が必要。
・ 集落付近の山際に獣害ネットを設置することを主目的に間伐をしているが、間伐材
は葉がらしするほどの木ではなく、早く出した方が良い。中には 60 年以上のものも
あるが、一体的に仕事をするので、一緒に出している。ロットにもよるが必ずしも
葉がらしが有効ではないと思う。
・ 収益を上げるには、集落など、まとまった区域での間伐や主伐が必要。
・ これだけ木材が安ければ、山への関心はなくなる。40歳前後の若年層は山に対す
る関心、ましてや森林整備への関心はなく、山に投資する気持ちはほとんどない。
県のアンケートの森林所有者は 50 代 60 代以上の方。こういった方が居なくなれば
山の境界すら分からなくなる。
・ 若い人の山離れを食い止めるには、木材価格の上昇しかない。S50年代のグリー
ン県政の頃は 45 年生の官行造林の木を出していたが、7,000 円/石(25,000 円/m3)
、
山元で 2~3,000 円/石だった。今はその 1/3、(2~3,000/m3)になっている。市場に
もっていっても 10,000 円/m3 くらい。これが倍の 20,000 円/m3 くらい、山元で 10,000
円/m3 くらいまで返せるようになれば関心も出てくる。
<使いやすい県産材の生産>
・ 使いやすい県産材生産というのは、第 1 が乾燥材生産だと思う。現状において、小
さい製材所が多い中で、乾燥機の導入は難しい。補助金を頂いても、数千万する機
械の導入はできない。その負担金を製品に費やするということも、なかなかできる
現状ではない。乾燥材とグリーン材は単価的に、あまり変わらない。乾燥機に入れ
た製品においては、それに対しての上乗せをした販売をしている。市場にでている
品物は、天然乾燥した製品がほとんどである。
・ 売り先の需要を指導いただければ、我々製材所としても、こうゆう物を作れば、売
れるんだよと、活気性がでてくると思う。
・ 川下の需要体制ができていない状況で、我々川中で製品をいくら作っても売れてい
かない現状、だぶついてる現状である。
・ 日本の住宅文化である和室を推進し、これに対する補助制度がほしい。和室、廊下、
縁側を作ることに対し補助を出すなど、個別的な補助制度を要求する。
・ 人工乾燥はスギに不向きな部分があり、大径木を人工乾燥することは基本的に難し
い。このため、天然乾燥しかないと考えている。間伐材とか小径木は、人工乾燥で
対応はできると思う。そういった人工乾燥機もあり、そして天然乾燥材をストック
できるような、大きな市場的なスペースを確保して、そこから集中的に供給できる
体制をとれば、本当に県産材なのかということも明確になる。もし本当に県産材を
使ったふりをしている人がいるのならば、それを阻止することが、本当に県産材を
使うことにつながると思う。
・ 高いから使えない、横架材として使うには、一般的に 12cmですが、節が出てくる
し、上手に使う方法ではない。できるだけ幅を持たした材を構造材として使いたい。
それが既存のプレカットの機械には入らないという問題点がある。そうなると当然、
大工さんの手刻みによって加工される必要がある。そうすると加工場がない。今ま
では既存の材木屋で買う分に関しては、材木屋の小屋を借りて、大工さんが手刻み
していた。そういった加工場が無くなる分、加工場を手配しなければならない。で
きれば集中でストックできるヤードと人工乾燥と加工場を確保する必要がある。
我々が目指す伝統的な工法を、手刻みでできるようなスペースを、いろんな工務店
の集まりとか、材木屋の集まりとか、いろんな関係を縦横結束して構築していけた
らなと思っている。
・ スギの活用というのは、正直なところ各県でやっている。同じようなことばっか
し・・結局、川上と川下が結ばれていない。なぜかというと、住宅を設計した場合
に、県産材が見えない。書類しかお客さん見えない。お客さんは安けりゃいいから
県産材とは言わない。滋賀県は補助をだす変わりに現物を出している。結局それは
形になって見える。私は文化財の修繕をしているときは、いつ修理したかを明確に
わかるように、焼印を押す。それに近いこと行い、それを使っていただければ、お
客さんは解る。アンケートの結果で、木造にしたいという意見が多いが、お客は見
えない。見えないことが一番ダメ。手間がかかっても、それが形になって、目に見
える触って見えるものにしなければダメである。
・ 農業の場合は、いろんな補助がある。その中で価格保障がある。減反なら減反補償
がでる。木材についても価格補償を導入すればいいと思う。60 年生の木は、まだ子
どもである。主伐材に関しても補助を出せばいい。アンケートでも環境面のCO2
削減とかで、皆さんは、賛成している。
・ 時間を掛けて人も育ってくるのだと実感している。
(担い手や中心的人材等林業全体)
・ いつも疑問に思うことは、木材の利用が進まないのはなぜなのか。今までの山側の話
では、「人」が出てこない。消費者とか、町側の人が何を望んでいるのか、それがな
いとなかなか木を理解してもらう人というところまで届かない。
・ 木を育てることと、人を育てること、担い手を含んで人を育てる。地球温暖化、低炭
素社会の実現に向け国の方では進めているが、森の良き理解者を沢山増やしていかな
ければいけない。
・ 街の人は驚くほど森のこと、木のことを解っていない。深刻である。
「木を伐ってはい
けない。」伐ることは悪と言う認識が圧倒的である。木を使ってもらうと言う消費者側
にどういうアプローチするのかと言うことが大事である。
・ 木の良さを一般の人に解りやすく伝えることが大事。
「木の通訳者」という人が、職業
や仕事としていたら、もっとつながっていくのでは。
・ 一般の人たちは地球温暖化とか異常に深刻に思っている。木を使うことにより山が健
全になる。使うことによって自分たちも山に貢献する。
<暮らしを守るふくいの山>
・ 奥山まで森林整備を進めてきたとのことで、この資料の対応のとおり進めて行いけば
よい。野生動物や花粉症については、資料のとおり進むべき方向としてはこれでよい
のでは。
・ 都市との交流。最近、京都の建築を目指す学生11人が間伐したり、地域の人との交
流をした。森林・山を理解する人を増やすことが大事、裾のを広げる。
・ 暮らしを守るということを考えた場合、山だけでとらえないで、山、里、海を一環と
して住民のなかで捉えていかなければいけない。
・ 福井においては個人所有が多いのではないかと思う。このため山は荒廃しているのが
現状である。個人の森林所有者を豊かにするにはやはり、木が売れなくてはいけない。
・ 目先の事も大事であるが、長い目でみて、子どもの教育など、訴え続ける。将来を担
う子ども達が、小さいときから教えれば凄いことになる。
・ 本年度より J-BRE という吸収源・排出源の取引の制度も始まっている。地球温暖化に
貢献する森林として、貨幣価値として評価・取引されるようになった。地球温暖化防
止に貢献しているというステータスをしっかりと訴えていかないといけない。