平成 18 年 12 月 15 日 各 位 株式会社 大正銀行 取締役社長 石川 芳男 業務改善命令に関するご説明とお詫びについて 当行元行員がお客様の預金等を着服・流用するという不祥事件の連続発生に対し、当行 は本日、内部管理態勢に問題があるとして、近畿財務局長から業務改善命令を受けました。 信用を旨とする金融機関として、かかる事態を招いたことについて、日頃から当行を信 頼し、ご支援とご愛顧をいただいておりますお客様を始め、地域の皆様および株主の皆様 方に対し、深くお詫び申し上げます。 当行では法令等遵守を経営の最重要課題の一つと位置づけこれまでも積極的に取組んで まいりましたが、今般の業務改善命令を厳粛に受け止め再発防止に向けた内部管理態勢の 一層の充実・強化を図るとともに信頼の早期回復に向け、全行を挙げて取組んでまいりま す。 記 1.業務改善命令の内容 (1)法令等遵守態勢を確立し健全な業務運営を確保するため、以下の観点から内部管理 態勢を充実・強化すること。 ① ② ③ ④ ⑤ 法令等遵守にかかる経営姿勢の明確化 取締役会等の機能強化による全行的な法令等遵守態勢の確立 営業店における厳正な事務処理の徹底及び相互牽制機能の充実・強化 本部監査機能の改善・強化による実効性の確保 適切な人事管理の実施 (2)上記(1)に関する改善計画を平成 19 年 1 月 15 日迄に提出し、以後、改善計画の 実施完了までの間、その実施状況を 3 ヶ月ごとに報告すること。 2.不祥事件の概要 (1)平成 18 年 7 月発覚の不祥事件について ① 当行高井田支店の渉外担当者であった元行員(32 歳、男性)が、平成 17 年 2 月 から平成 18 年 1 月までの間に前勤務店である高見の里支店(大阪府松原市)にお いて、また、平成 18 年 2 月から平成 18 年 6 月までの間に高井田支店(大阪府東 大阪市)において、お客様の定期預金等の預り金を着服および流用していたこと が平成 18 年 7 月 4 日に判明いたしました。 ② 本件による預金等の着服および流用の累計額は 8,631 万円(うち元行員が着服し ていた発覚時の被害金額は 1,173 万円)であり、この被害金額については元行員 の親族から全額返済を受けており、実損はありません。 ③ ご預金等を着服および流用され、ご迷惑をおかけした 32 名のお客様に対しまして は直ちに当行役員等がお客様をご訪問し事実関係をご説明したうえで深くお詫び をし、お客様のご了解をいただいたうえで、本来あるべき正常なお取引に原状復 帰させていただいております。 (2)上記を含む不祥事件の概要については別紙1の通り。 3.人事処分 上記2.の不祥事件の当事者(元行員)についてはすべて懲戒解雇処分を実施してお ります。 各事件の関係管理者についても処分を行うとともにその都度、社長をはじめ関係取締 役の減給(月額報酬 10%カットを 3 ヶ月∼1 ヶ月実施)をしております。 また、今回の業務改善命令を受けて経営責任を明確にするため社長をはじめ全取締役 の減給(月額報酬の 10%カットを 3 ヶ月∼1 ヶ月実施)を決定いたしました。 4.今後の対応 当行では不祥事件の発覚に対応して外交特別監査の実施をはじめとした内部監査態勢 の整備・強化等の改善策を講じるとともに今回(平成 18 年 7 月)の不祥事件の発覚に対 応して新たな改善策も実施しておりその主なものは別紙2の通りであります。 これらの徹底・実効性を欠いていたため不祥事件の発生に至ったものと深く反省をし ております。 今回の業務改善命令に盛り込まれた改善事項については、次のような考え方のもと、 既に実施している改善策に加えてより実効性の高い改善策を策定し、これらを着実に実 施することにより、内部管理態勢のより一層の充実・強化を図り、信頼回復に努めてま いります。 (1)経営陣による法令等遵守態勢の整備・強化への関与を一層深め不祥事件の再発防止 に向けた取組をさらに強化してまいります。また、法令等遵守意識のさらなる高揚・ 法令等遵守を重視する企業風土の醸成に努めてまいります。 (2)営業店における厳正な事務処理の徹底を図るとともに、本部や営業店役席者等によ る内部牽制機能の一層の充実・強化に努めてまいります。 (3)不祥事件発生の背景といたしまして、元行員がパチンコ等の遊興に金銭を浪費し、 収支のバランスが崩れ、消費者金融会社等からの借入金が多額になっていたことも あり、今後は、行員の身上、生活実態の把握等人事管理を強化し、不祥事件発生の 要因排除に努めてまいります。 以上 (本件に関するお問い合わせ先 企画部 TEL 06-6205-8437) (別紙1) 発覚時期 発生期間 発生支店 当事者 内容 累計事故金額 発覚時の 被害金額 平成17年2月 平成14年7月∼ 本部事務部 平成16年6月迄 事務担当者 金庫内現金の抜き 取り・着服 270万円 250万円 平成17年7月 平成15年4月∼ 森小路支店 平成17年7月迄 外交担当者 定期積金等の預り 金を着服・流用 2,562万円 613万円 次長 定期預金等の預り 金を着服・流用 680万円 210万円 外交担当者 定期預金等の預り 金を着服・流用 8,631万円 1,173万円 平成14年12月 平成17年12月 ∼平成17年11 月迄 平成18年7月 堀江支店 高見の里支 平成17年2月∼ 店および 平成18年6月迄 高井田支店 ・ お客様の被害額については、全て弁済を行っております。 ・ また、上記発覚時の被害金額のうち、平成17年12月発覚の堀江支店にかかる被害金額の一部(80万円)を除き (当該金額については当行の損害金として処理)、当事者本人および親族から全額弁済を受けております。 ・ なお、監督官庁にはそれぞれの不祥事件の発覚の都度、法令等に基づいた届出をおこなっております。 (別紙2) (1)法令等遵守態勢の強化に関して 主要改善策 ・ コンプライアンス部の人員を3名から5名に増員して法令等遵守 実施済 体制を強化(平成17年4月) ・ 全支店長がオブザーバーとして出席しているコンプライアンス 実施中 委員会を社長を委員長として全取締役が出席して毎月1回開催 (平成17年2月) ・ 行員等の法令等遵守意識の醸成・知識等の向上を図るため全 実施中 行員を対象として毎月1回、コンプラミニテストを実施(平成17年 10月) ・ 営業店表彰基準の改定により法令等遵守を業績評価に反映 実施済 (平成18年9月) (2)事故防止のための事務手続き等の 厳正化に関して ・ 外交担当者の現金持出しに関して、お客様へご依頼内容を役 実施中 席者がその都度、電話で確認することとするなど取扱いの管理 強化(平成18年7月) ・ 営業店役席者の検証・検印能力の向上を図るため本部事務部 実施中 の臨店指導を毎月実施(平成18年10月) ・ 取次票の書式をお客様のご依頼内容を具体的に記入し不正が 実施中 できない書式に変更し、その都度役席者がチェックするルール に改訂(平成18年11月) (3)営業担当者等の行動の監視強化に ・ 全店一斉早朝点検による各個人の通勤カバン、机やロッカー 関して 実施中 等の抜き打ち検査の実施(平成16年12月) ・ 外交担当者の連続休暇取得時に支店長が外交担当者の訪問 実施中 先を訪問、取引内容等について聴取・確認(平成18年8月) ・ 営業店の防犯ビデオを人為的操作が不可能なハードディスク 実施済 レコーダーに変更し本部で集中管理 (平成17年12月) (4)内部監査の強化に関して ・ 内部監査部の人員を9名から12名に増員して内部監査体制を 実施済 強化(平成18年8月) ・ 外交特別監査班の設置による外交特別監査を開始、監査主任 実施中 が高齢者や事務不備の多い外交担当者の担当先等のお客様 の自宅を訪問し外交担当者の取引内容等の確認を実施(平成 18年4月) ・ 取次票等の店内検査実施方法を改訂し取次票不使用やお客 実施中 様ご依頼内容の点検を追加するなど店内検査の厳正化(平成 18年11月) (5)人事管理の強化に関して ・ 人事異動の機動的実施(人事異動回数・対象者数、平成17年・ 実施済 25回・155名、平成18年・23回・149名、それぞれ全行員の約半 数) ・ 部店長による「生活指導チェックポイントリスト」に基づく部下行 実施中 員との毎月面談の実施(平成18年8月) ・ 本部役員等による全支店の行員に対する生活指導をポイント 実施済 とした個別面談の実施(平成18年9月) ・ 全部店長による部下行員の家族面談の実施(平成18年10月) 実施済 ・ 支店長研修・新入行員研修、毎月本部で開催する営業店役席 実施中 者会議で法令等遵守、事務ルール厳守の研修・教育を実施
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