8.文部科学省における児童虐待 への対応について - 厚生労働省

8.文部科学省における児童虐待
への対応について
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平成25年度 全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議
平成25年7月25日(木)
文部科学省における
児童虐待への対応について
-160-
・子どもを見守り育てるネットワーク推進会議の設置
【関係機関の連携】
・「つながりが創る豊かな家庭教育」を踏まえた取組の推進について
・生徒指導、家庭教育支援及び児童健全育成に係る取組の積極的な相互連携について周知
・児童委員・主任児童委員の活用による家庭教育支援施策の推進について周知
・家庭教育への支援(学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進事業 等)
【主に発生予防のための取組】
2.家庭・地域社会における取組の推進
1
【主に早期発見・早期対応のための取組】
・スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど外部の専門家を活用した学校の教育・相談体制の充実 等
組を推進・普及
・生徒指導において、児童虐待等の複雑化・多様化する児童の問題行動等への対応、解決に役立つと思われる取
・学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供の基本的な考え方の提示
・教職員用研修教材「児童虐待防止と学校」(CD-ROM)の作成・配布
・養護教諭のための児童虐待対応の手引きの作成・配布
・学校、教育委員会における児童虐待防止に向けた取組の充実のための情報提供
【主に早期発見のための取組】
児童虐待は、その発生予防、早期発見・早期対応や虐待を受けた児童生徒の
支援について、学校・家庭・地域社会・関係機関が密接に連携する必要がある。
1.学校等における取組の推進
文部科学省における児童虐待への対応
-161-
学校、教育委員会は要保護児童対策地域協議会を
積極的に参画するなどして、関係機関との一層の連
携・協力を図り、児童虐待の防止等に努めること。
3.要保護児童対策地域協議会への参画
(3)調査研究及び検証
地方公共団体が行う、重大な被害を受けた児童虐待
事例等の検証への参加・協力、児童虐待防止のための
調査研究を実施すること。
(2)教職員研修の充実
教職員用研修教材「児童虐待防止と学校」(文部科
学省作成、H21.5配布)の適切な活用、「子どもの虹
情報研修センター」における教職員を対象とした研修
の活用などによって教職員研修の充実を図ること。
(1)関係機関との連携強化
教育委員会、児童相談所等が、必要に応じて相互の
会議に出席、協力するなどして、日常的な連携の強化
を図ること。
2.教育委員会等の責務
平成22年12月に本通知に基づく取組状況を調査した結果、児童虐待防止等に関する教員研修について一層の取組が求めら
れる状況が見られたことから、平成23年3月、全ての教職員に対し児童虐待防止等への適切な対応に必要な知識等を、各都道
府県を通して周知するとともに、平成24年3月,これらの取組を踏まえ,児童虐待の速やかな通告を一層推進するための留意
2
事項(別添資料1)を,都道府県等を通じて,学校教育関係者に周知した。
(3)通告後の関係機関との連携
学校及び保育所から市町村又は児童相談所
への定期的な情報提供に関する指針」に基づい
て、児童虐待防止のため、幼児児童生徒の出欠
状況等の定期的な情報提供の適切な運用に努
めるとともに、新たな虐待の兆候や状況の変化
等を把握したときは、適宜適切に情報提供又は
通告をすること。
(2)児童虐待の早期対応
児童虐待の疑いのある場合には、確証がない
ときであっても早期対応の観点から通告を行う。
※ 健康診断(身体測定、内科検診、歯科検診)は、
児童虐待を早期に発見しやすい機会であること
に留意。
(1)児童虐待の早期発見
健康状態の日常的な観察や健康診断における、
幼児児童生徒の心身の状況把握や児童虐待の早
期発見に努めること。
1.学校等における対応
<趣旨> 学校、教育委員会等における児童虐待の早期発見・早期対応、通告後の関係機関との連携等を
図る上での留意点等についてまとめ、各都道府県教育委員会等に対して通知。
(21文科初第777号平成22年3月24日文部科学大臣政務官通知)
1.学校等における取組の推進
「児童虐待の防止等のための学校、教育委員会の的確な対応について」
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(平成25年度予算)
(2)「生徒指導推進協力員・学校相談員」の配置
教育委員会等への配置
335箇所
(3)24時間体制の電話相談の実施
相談員の夜間・休日の配置
教育相談窓口紹介カードの配布
いじめ問題をはじめ、暴力行為、不登校等の様々な課題を抱える子どもへの支援、子どもの社会性や人
間関係力の育成等について、地方公共団体やNPO等に調査研究を委託する。
○いじめ対策等生徒指導推進事業
3
(1)スクールソーシャルワーカーの配置
108県市 1,355人配置
(平成25年度概算予算)
(2)スクールソーシャルワーカーの職務内容等
教育と福祉の両面に関して、専門的な知識・技術を有するとともに、過去に教育や福祉の分野において、活動経験の実績等がある者
① 問題を抱える児童生徒が置かれた環境への働き掛け
② 関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整
③ 学校内におけるチーム体制の構築、支援
④ 保護者、教職員等に対する支援・相談・情報提供
⑤ 教職員等への研修活動 等
教育分野に関する知識に加えて、社会福祉等の専門的な知識や技術を用いて、児童生徒の置かれた様々
な環境に働き掛けて、支援を行うスクールソーシャルワーカーを配置し、教育相談体制の整備を支援する。
○スクールソーシャルワーカー等の活用に係る事業
(1)スクールカウンセラーの配置
全中学校への配置
9,835校
小学校への配置
13,800校
緊急支援派遣
201校
児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識・経験を有するスクールカウンセラーや、児童生徒の悩
みや不安などの相談を受けたり児童生徒の非行・問題行動等の早期発見、緊急時の対応等を行う「生徒指導
推進協力員・学校相談員」等を配置するとともに、24時間体制の電話相談を実施し、教育相談体制の整備を
支援する。
○スクールカウンセラー等の活用に係る事業
外部の専門家を活用した学校の教育・相談体制等の充実
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4
児童虐待の防止等に関する政策評価の結果及び勧告(本年1月実施)等を踏まえ、厚生労働省と連携し、学校による児童虐待の速や
かな通告を一層推進するための次の留意事項を整理し、教育委員会、学校等向けに解説したものを通知。(別添資料1)
(備考3)「児童虐待に係る速やかな通告の一層の推進について」(通知)(平成24年3月)
総務省より、児童虐待の発生予防及び早期発見に関し、学校現場における速やかな通告の徹底を行うよう勧告を受けたことを踏まえ、
改めて、児童虐待の疑いがある場合には、速やかに通告しなければならないこと等を通知。(別添資料4)
(備考2)「児童虐待の防止等に関する政策評価の結果及び勧告について」(通知)(平成24年1月)
(備考1)「児童虐待の防止等のための学校、教育委員会等の的確な対応に関する状況調査結果について」(通知)(平成23年3月)
本通知に基づく取組状況を調査(平成22年12月)した結果を踏まえ、改めて、全ての教職員に対し児童虐待防止等に必要な知識等を
周知するよう教育委員会、学校等に通知。(別添資料3)
学校、教育委員会等における児童虐待の早期発見・早期対応、通告後の関係機関との連携等を図る上での留意
点や教職員研修の充実等について、教育委員会、学校等に通知。
HPアドレス:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121502/1310049.htm
○ 「児童虐待の防止等のための学校、教育委員会等の的確な対応について」(通知)
(平成22年3月)
本指針に基づく取組状況を調査(平成22年10月)した結果を踏まえ、学校等と市区町村又は児童相談所との連携が十分機能するよう
努めるとともに、必要に応じて指針に基づく対応を図るよう、厚生労働省と連名で教育委員会、学校等に通知。(別添資料2)
(備考1)「学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供の実施状況について」(通知)(平成23年3月)
学校と市町村、児童相談所等の関係機関の連携が十分に機能するよう、学校及び保育所から市町村又は児童相
談所への児童虐待防止に係る資料、情報の定期的な提供に関する手続等について、文部科学省と厚生労働省で協
議の上、指針を作成し、教育委員会や学校等に通知。
HPアドレス:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000005464.html
○「学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供に関する指針」
(平成22年3月)
学校、教育委員会における児童虐待防止に向けた取組の充実のための情報提供
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5
学校等における児童虐待の早期発見・通告、関係機関との連携、虐待を受けた子どもへの対応等につ
いて、教職員の意識と対応スキルの向上を図るための研修用教材を全国の教育委員会に配布。
○教職員用研修教材「児童虐待防止と学校」(CD-ROM)(平成21年5月)
児童虐待防止に学校、養護教諭が果たす役割、必要な基礎知識、早期発見・早期対応の方法等につ
いて、図表や事例を交え具体的に記載した手引を全国の教育委員会、学校に配布。
HPアドレス:http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/08011621.htm
○「養護教諭のための児童虐待対応の手引」 (平成20年1月)
各学校・教育委員会における児童虐待防止に向けた取組の充実を図るため、学校等における児童虐
待防止に関する現状調査と国内外の取組事例を調査研究し、報告書をとりまとめ、全国の教育委員会、
学校に配布。
HPアドレス:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06060513/001.htm
○「学校等における児童虐待防止に向けた取組について」報告書(平成18年5月)
児童虐待対応の手引き等の作成・配布
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6
平成22年1月、子どもを対象とした相談体制の充実や学校・地域における子どもの居場所づくり等の
取組を推進するため、関係行政機関や民間団体が連携し、「子ども見守り育てるネットワーク推進会議」
を設置。同年7月には、関係機関等の連携強化を充実するため、「子どもを見守り育てる新しい公共の実
現に向けた行動計画」を策定。また、平成23年2月、研究フォーラムを開催し、分科会のテーマの一つに
児童虐待防止を設定し、地域においてどのように子どもを見守り育てるネットワークを構築するのかにつ
いて検討。
HPアドレス:http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/068/
○子どもを見守り育てるネットワーク推進会議の設置
身近な地域において、すべての親が安心して家庭教育を行えるよう、子育てサポーターリーダー等
の養成や民生委員・児童委員等の地域の人材を活用した家庭教育支援チームの組織化等による相談
対応、保護者への学習機会や親子参加行事の企画・提供等の取組を支援する。
(別添資料5 別添資料6)
また、学校等と連携し、いじめや不登校、児童虐待や貧困の連鎖防止など、課題を抱え孤立しがちな
家庭への地域人材による支援、専門家等によるサポート体制の構築、いじめや児童虐待予防など社会
的課題に対応した親向け学習プログラムの開発を平成25年度からモデル事業として実施。(別添資料
7)
さらに、家庭教育支援に携わる地域人材、学校、行政(教育・福祉関係機関)、NPO、企業等、社会全
体の協働による家庭教育支援の活性化を図るため、関係府省等とも連携した研究協議を行い、全国的
な啓発を行う。
○家庭教育への支援
2.家庭・地域社会における取組の推進
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7
平成24年3月に「家庭教育支援施策の推進に関する検討委員会」がとりまとめた報告書の提言を踏
まえ、文部科学省生涯学習政策局長名で、都道府県・指定都市・中核市教育委員会等に対して、家庭
教育支援の推進について通知し、各自治体等の活性化等の取組等の活性化を促した。
(別添資料8 別添資料9)
○「つながりが創る豊かな家庭教育」を踏まえた取組の推進について(平成24年4月)
平成22年9月、文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課長、文部科学省初等中等教育局
児童生徒課長、厚生労働省雇用均等・児童家庭局育成環境課長との連名で、都道府県・指定都市・
中核市に対して、関係部局が連携を深め、生徒指導・家庭教育支援及び児童健全育成の相互連携
による取組の一層の充実を図ることについての通知を発出。
HPアドレス:http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1304657.htm
○生徒指導、家庭教育支援及び児童健全育成に係る取組の積極的な相互連携について
(平成22年9月)
平成21年3月、文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課長、厚生労働省雇用均等・児童
家庭局育成環境課長との連名で、都道府県・指定都市・中核市に対して、児童委員・主任児童委員の
積極的な活用による、児童健全育成及び家庭教育支援施策の推進についての通知を発出。
HPアドレス:http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1262950.htm
(平成21年3月)
○児童委員・主任児童委員の活用による家庭教育支援施策の推進についての周知
家庭教育支援の推進等に関する通知
(別添資料1)
團
23文科初第1707号
平成24年3,月29日
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
海
士 都 道 府 県 知 事
附属学校を置く各国立大学法人学長
繧璽獅一
瀬
鷺漁
文部科学副大臣
森ゆう舗、脚
置灘
(印影印刷)
児童虐待に係る速やかな通告の一層の推進について
日頃より児童虐待防止に向けた取組について御尽力いただき、誠に感謝申し上げます。
さて、「児童虐待の防止等に関する政策評価の結果及び勧告について」(平成24年1月
30日付け文科初第1448号)でお伝えしたとおり、総務大臣から文部科学大臣に対し、
児童虐待の早期発見に係る取組の推進等に係る勧告がなされたところです。総務省は、政
策評価の過程において、小・中学校の児童相談所等に対する通告状況に関する調査、小r
中学校の担当者の児童虐待の防止等に関する意識調査等を実施しています。これらの調査
の結果(別紙1及び別紙2参照)を踏まえ、児童虐待に係る速やかな通告を一層推進する
上で留意すべき事項を下記のとおり整理しましたので、関係各位におかれましては、これ
を参考として、児童虐待に係る速やかな通告について、教職員に対する研修等における周
知徹底を図っていただきますとともにζ所管の学校又は域内の市区町村教育委員会等に対
して周知いただきますよう、よろしくお願いします。
記
【児童虐待に係る速やかな通告を一層推進するための留意事項】
1.一般的な主観により児童虐待が認められるであろうという場合は通告義務が生じること
総務省の調査の結果、別紙1のとおり、速やかな通告がなされなかったことについて、
「児童虐待の確証がない」、「継続的な児童虐待の事実が認められなかった」、「児童が虐
待者をかばう状態にあった」といった、児童虐待の確証を得る程度までに情報を収集で
きなかったことを理由とする事例が最も多くなっている。また、別紙2のとおり、小・
中学校の担当者が勤務する学校において児童虐待に係る相談や情報提供について「抵抗
がない」と感じる旨の回答が約7割にとどまる一方、「抵抗がある」と感じる旨の回答
-167-
18
が約15%あり、その理由として、「学校は、校内で事実を把握し、誤報の可能性がな
くなってから、通告すべきだとの考えであ」ることが最も多く挙げられている。
このため、児童虐待防止法の規定により「待の事実が必ずしも明らかでなくとも、
一般の人の目から れば主 的に児童虐待があったと思うであろうという場合であれ
ば、通告義務が生じること」、また、「こうした通告については 法の趣ヒに基づく
ものであれば、それが結果として誤りであったとしても、そのことによって刑事上
民事上の任を問われることは基本的には想定されないものと考えられる」こと(別
紙3参照)について、教職 の認識が必ずしも十∠でないとみられることから、この点
について、一層の周知を図る必要がある。
2.児童虐待に係る保護者等への対応は市町村の児童福祉担当部署や児童相談所と連携し
て行うべきこと
速やかな通告がなされなかったことについて、別紙1のとおり、「児童虐待の状態が
解消される見込みであった」、「地域でのサポートが効果的と考えた」、(今後の対応上)
「児童の心理状態を考慮した」といった、学校が、児童虐待を受けたと思われる児童生
徒及びその保護者等に対応するうちに、通告する必要がないなどと考えたことを理由と
する事例も多くなっている。学校生活等に課題等を抱える児童生徒を教育の観点から支
援するため、学校が本人や家庭に働きかけることは当然であるが、児童 待と思われる
場Aは、速やかに通告する法的義務が生じるため、学校は、速やかに通告するとともに、
学校だけで’況判断して対応するのではなく 市町村の児童福祉担当部 や児童相談月
と連 して、保護者等への対応を図る必要があることについて、教職員に対して、一層
の周知を図る必要がある。
3.保護者との関係悪化を懸念して通告をためらわないこと
児童虐待に係る通告をすれば、学校が保護者等に対応する必要がなくなるものではな
く、通告後も、児童相談所等と連 して、継続的な対応に努める必要があることはもち
うんである。一方、別紙2のとおり、小・中学校担当者が、勤務する学校において児童
虐待に係る相談や情報提供について「抵抗がある」と感じる理由として、「学校は、保
護者との関係が悪化することを恐れる傾向にある」ことが多く挙げられている。このた
め、上記2のとおり、児童虐待に係る保護者等への対応は児童相談所等と連携して行う
べきであって、当校は、保言者との掲係悪ヒを懸念して通告をためらってはならないこ
とについて、教職員に対して、一層の周知を図る必要がある。
また、児童生徒が気になる状態ではあるが、市町村の児童福祉担当部署や児童相談所
への通告がためらわれる場合などにおいて、教去委 会を通じて市町村の児童福祉担当
部 に対し、児童生∠等が抱える課題に して学校が気づいた点等について早.に相談
し、要造言児童対策地域協議会(要対協)等に登録して地 の幅広い掲高機鶉とともに
事例を検討することは重要な対応方策の一つである。この点についても、教職員に対し
て、一層の周知を図る必要がある。
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19
4 児童生徒と保護者の双方の支援に資する通告の意義を改めて認識すること
児童虐待に係る通告に対する抵抗感に関して、保護者と児童生徒の利害対立として児
童虐待をとらえる見方があるとすればそれは誤りであること、児童虐待は家族全体とし
ての問題であって、これに係る通告は保…者と児童生徒の双方を支援する意 を する
行為であることを改めて認識すべきことについて、教職員に対して、一層の周知を図る
必要がある。
5.児童虐待を疑うきっかけを見逃さず、また、校内の連携を図ること
別紙2のとおり、意識調査において、小・中学校担当者が、特に多いと思う児童虐待
を疑うきっかけが挙げられている。また、平成21年5月に文部科学省が作成、配布し
た教職員用研修教材「児童虐待防止と学校」において、学校が児童虐待の疑いを持って
から通告までの流れを示した上で、児童虐待を疑うポイントが挙げられている(別紙4
参照)。さらに、平成19年10,月に文部科学省が作成、配布した「養護教諭のための
児童虐待対応の手引」において、健康診断や保健室等での児童生徒への対応における児
童虐待の早期発見の機会と視点とともに、教職員が一人で抱え込まず、管理職を始め、
養護教諭、学校医・学校歯科医等を含めた校内連携を図る必要性等について述べられて
いる(別紙5参照)。加えて、家庭環境等が児童虐待の発生に及ぼす影響に留意する必
要がある。
これらを踏まえ、学校は、重篤な結 につながるおそれがあることを三二において、
迅速かつ組 的に対応する必要がある。このため、学校及び教育委員会は、萱理盤
め 職 に対する児童虐待の早期発見、地 と連 した対応等について 児童相談月職
員を講師に迎えるなどして研修等を 極的に実施するとともに、児童虐待の早期発見、
早期対応に一層努める必要がある。
(本件連絡先)
文部科学省
初等中等教育局児童生徒課生徒指導第一係
電話番号 03−5253−4111(内線3299)
03−6734−3299(直通)
e−mail s−sidoul@mext. go. jp
-169-
20
別紙1
総務省による小・中学校の通告状況に関する調査の概要
1
調査の概要
総務省が、全国21区市の42小・中学校を抽出して、平成19~21年度に、児童相談所
又は市区町村児童虐待防止等担当課に対する児童虐待に係る通告をした事例及び通告するか判
断に迷った結果、通告しなかった事例について、それぞれ直近5事例の内容等を尋ねたもの。
調査の結果、通告しなかった事例は6小・中学校で15件あった。また、通告した209事
例のうち詳細を把握した75事例中、虐待の認識時期から通告までに1か月以上の期間があっ
たことをもって総務省が「長期間を要した」と整理したものは6小・中学校で7件あった。
2
児童虐待のおそれを認識したが通告するかどうか判断に迷った結果、通告しなかった事例
通告しなかった理
由の分類(総務省)
件数
児童虐待の確証がな
いため
7
保護者からの暴力の疑いがあったが、暴
力の確証が得られなかったため通告しな
かった。
継続的な暴力がなくとも、
虐待のおそれをを認識し
た際に、速やかに通告す
べき事例である。
児童虐待の状態が解
消される見込みであ
ったため
5
保護者からの暴力や子どもの食事等が不
十分な状況が見られたが、保護者に警告
したところ状況がやや改善されたため、
地域で見守ることとして通告しなかった。
身体的虐待、心理的虐待、
ネグレクトのおそれがあ
り、速やかに通告すべき
事例である。
継続的な児童虐待の
事実が認められなか
ったため
2
保護者が子どもに家事をさせたり妹の面
倒を見させて学校を休ませることなどが
あったが、それほど欠席が続くこともな
かったため、通告しなかった。
ネグレクトのおそれがあ
り、速やかに通告すべき
事例である。
地域でのサポートが
効果的と考えたため
1
保護者に軽度の知的障害があり、子ども
の世話等が不十分な状況が見られたが、
通告よりも地域でのサポートが効果的と
考えたため、通告しなかった。
ネグレクトのおそれがあ
り、速やかに通告し、児
童相談所等のサポートを
受けるべき事例である。
―
―
計
3
15
事
例
の
例
総務省の評価
児童虐待のおそれを認識してから通告までに長期間(1か月以上)要した事例
長期間要した理由
の分類(総務省)
件
数
通告までに
要した期間
事
児童虐待の確証が
ないため
3
・3~4月
・約1年
・約1年4月
子どもの食事等が不十分な状況が見ら
れ、不登校であったため、学級担任等
が家庭訪問を繰り返すなど見守りを続
けた結果、通告まで長期間を要した。
ネグレクトのおそ
れがあり、速やか
に通告すべき事例
である。
児童の心理状態を
考慮したため
1
1~2月
保護者からの暴力等が見られたが、保
護者が今後は暴力をふるわないと話し
たため、通告により子どもが心理的に
傷つくおそれを考え、見守りを続けた
結果、通告まで長期間を要した。
虐待のおそれを認
識した際に、速や
かに通告すべき事
例である。
児童が虐待者をか
ばう状況が続いた
ため
1
約3か月
子どもの顔に傷があることがあった
が、子どもが「転んだ」等と言って保
護者をかばうことが続いたため、通告
まで長期間を要した。
虐待のおそれを認
識した際に、速や
かに通告すべき事
例である。
―(通告しなかっ
た事例から移替え)
2
・約2月
・3~4月
子どもの食事等が不十分な状況が見ら
れ、不登校のため、教員が家庭訪問を
繰り返したもの。
―(再確認の結果、
通告していたこと
が判明したもの)
計
7
―
―
―
-170-
例
の
例
総務省の評価
21
別紙2
総務省による児童虐待の防止等に関する意識調査の概要
1
調査の概要
総務省が、平成22年8~9月、全国26都・市の小・中学校の校長、教頭、主任、その他
の教員、養護教諭、スクールカウンセラー等の担当者に対して、児童虐待の防止に関する意識
等についてアンケート調査を実施したもの。
2
児童虐待又はそのおそれを発見した場合の情報提供に対する抵抗感の有無
勤務先の学校において児童虐待又はそのおそれを発見した場合、速やかに児童相談所や市区
町村児童虐待対応担当課に相談、情報提供することに対して、抵抗があると感じるか尋ねると、
「抵抗がないと感じる」及び「どちらかといえば抵抗がないと感じる」が計71.7%に対し、
「抵
抗があると感じる」及び「どちらかといえば抵抗があると感じる」が計15.1%等となっている。
3
情報提供等に抵抗がある理由
上記2において「抵抗があると感じる」又は「どちらかといえば抵抗があると感じる」と回
答した担当者に、そう思う理由を尋ねると、「学校は、校内で事実を把握し、誤報の可能性が
なくなってから、通告すべきだとの考えであり、その前段階での相談、情報提供は控える傾向
にあるから」が73.4%と最も多く、次いで「学校は、保護者との関係が悪化することを恐れる
傾向にあるから」が57.7%等となっている。
-171-
22
4
児童虐待を疑うきっかけ(複数回答)
小・中学校担当者に、児童虐待を疑うきっかけは何が多いと思うか尋ねると、「不自然なケ
ガがある、他の子どもと比較して身長が極端に低い又は大幅な体重減少があった、衣服が汚れ
ている等の子どもの身体的様子」が88.5%と最も多く、次いで「表情が乏しい、触られること、
近づかれることをひどく嫌がる、乱暴な言葉遣い、粗暴、拒食、過食等の子どもの言動」が
53.8%等となっている。
-172-
23
別紙 3
児童虐待に係る通告の対象が拡大された際の児童虐待防止法一部改正に関
する所管官庁による施行通知の関係部分抜粋
5
児童虐待に係る通告(法第6条関係)
児童虐待の早期発見を図るためには、広く通告が行われることが望ま
しい。しかし、現行の通告の対象は「児童虐待を受けた児童」とされて
おり、基本的には、児童が虐待を受けているところを通告者が目の前で
見た、あるいは児童の体に虐待によるあざや傷があるのを見たといった
児童虐待が行われていることが明白な場合が想定されていた。
このため通告の対象が「児童虐待を受けた児童」から「児童虐待を受
けたと思われる児童」に拡大された。これにより虐待の事実が必ずしも
明らかでなくても、一般の人の目から見れば主観的に児童虐待があった
と思うであろうという場合であれば、通告義務が生じることとなり、児
童虐待の防止に資することが期待されるところである。
なお、こうした通告については、法の趣旨に基づくものであれば、そ
れが結果として誤りであったとしても、そのことによって刑事上、民事
上の責任を問われることは基本的には想定されないものと考えられる。
(注:下線は、抜粋者による。)
「児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律」の施行について(平成16
年8月13日付け雇児発第 0813002 号各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生労働
省雇用均等・児童家庭局長通知)より
-173-
24
「児童虐待防止と学校」
(教職員向け研修教材)
6 疑いから通告へ(学校でできること①)
別紙4
《 通告までの流れ 》
※法律上の要通告の要件
【心証形成】
ひょっとしたら
虐待かもしれない
確証は得られなくても通告
情報収集・総合
×
校内における協議
?
虐待に「違いない」
「明らかに」虐待だ
【確信】(確証)
(
+教育委員会への報告)
【疑 い】(疑問)
虐待の通告
虐待と「思われる」
「何か変だ」
「児童虐待防止と学校」(教職員向け研修教材)モジュール6 より抜粋
【 虐待を疑うための3つの「変」】
子どもが変
・表情が乏しい
・触られること,近づかれることをひどく嫌がる
・乱暴な言葉使い,あるいは極端に無口
・大人への反抗的態度,あるいは顔色を伺う態度
・落ち着かない態度,教室からの立ち歩き,家に帰りたがらない
・嘘や単独での非行(万引きなど),家出,性的に逸脱した言動
・他人へのいじめや生き物への残虐な行為
・集中困難な様子(白昼夢)
・持続的な疲労感,無気力
・異常な食行動(拒食,過食,むさぼるように食べる)
・衣服が汚れている、着替えをしたがらない
・頻繁に保健室に出入りする
・理由の不明確な遅刻や欠席が多い、あるいは急に増えた
「児童虐待防止と学校」(教職員向け研修教材)モジュール6 より抜粋
-174-
25
「児童虐待防止と学校」
(教職員向け研修教材)
6 疑いから通告へ(学校でできること①)
別紙4
【 虐待を疑うための3つの「変」】
保護者が変
・感情や態度が変化しやすい、イライラしている、余裕がないように
見える
・表情が硬い、話しかけてものってこない
・子どもへの近づき方、距離感が不自然
・子どもの普段の様子を具体的に語らない
・人前で子どもを厳しく叱る、叩く
・弁当を持たせない、コンビニ物で済ませる
・連絡が取りにくい
・家庭訪問、懇談などのキャンセルが多い、行事に参加しない
・「キレた」ような抗議をしてくる
・家の様子が見えない
「児童虐待防止と学校」(教職員向け研修教材)モジュール6 より抜粋
【 虐待を疑うための3つの「変」】
状況が変
・説明できない不自然なケガ、繰り返すケガ
・体育や身体計測のときにはよく欠席する
・低身長や体重減少
・親子で居るときに子どもが示す親を伺う態度や表情の乏しさ、
親がいなくなると急に表情が晴れやかになる
・子どもが熱を出したり、具合が悪くなったりして保護者に連絡 しても、
緊急性を感じていないそぶりが伺える
・その家庭に対する近隣からの苦情や悪い噂が多い
「児童虐待防止と学校」(教職員向け研修教材)モジュール6 より抜粋
-175-
26
保健室等における児童虐待の早期発見の機会と視点
養護教諭の職務の特質から、児童虐待の早期発見の機会と視点について次に述べる。
(1)健康診断
学校における健康診断は、定期健康診断、臨時の健康診断、就学時の健康診断がある。健康
診断は、医学的見地から個人及び集団の健康状態を把握するとともに、保健管理や保健指導等
を通して個人及び集団の健康課題の解決に役立てることである。健康診断は、身体測定、内科
検診や歯科検診をはじめとする各種の検診や検査が行われることから、それらを通して虐待を
発見しやすい機会である。下記に健康診断時における早期発見の視点について示す。(これら
の症状や行動があるからといって必ずしも虐待があるとは限らないことに留意する。)
○眼科検診(視力検査)
○身体計測
発育不良、不潔な皮膚、
外傷の放置、
心因性視力低下 など
不自然な傷・あざ など
○歯科検診
ひどいう蝕、歯の萌出
の遅れ、ロ腔内の外傷
○耳鼻科検診
(聴力検査)
(歯の破折や粘膜の損
外傷の放置、
傷など)の放置、口腔
内の不衛生 など
心因性難聴
など
不自然な傷・あざ、衣服を
脱ぐことや診察を非常に怖
など
○事後措置状況
精密検査を受けさせない、何度受診勧告をしても受診させない など
図一7 健康診断における早期発見の視点
15
-176-
27
(2)保健室等での子どもへの対応
養護教諭が行う救急処置や健庫相談活動(担任、保護者、関係者との連携を含む)など、保
健室等での子どもへの対応における虐待の早期発見の視点について、下記に示す。
しかし、先に述べたように、このような症状や行動が見られるからといって必ずしも虐待が
あるとは限らないこと、虐待の種類の区分についてもこれに限るものではなく他の虐待におい
ても共通に見られるものが多いことに留意する。子どもの訴えに耳を傾け・子どもが発するサ
インを見逃さないようにするとともに、情報を総合的に評価して「虐待の疑い」の早期発見に
努めることが大切である。
①身体的虐待
(第3章一2身体的虐待の早期発見の視点とその対応 参照)
●不自然な外傷
・殴られ、蹴られ、つねられた跡など新旧の混ざった内出血跡
・身体各部の不自然な骨折
・服で隠れている部位の外傷
・たばこの火を押し付けた火傷跡、熱湯の火傷跡 など
●受傷原因の説明があいまい
●家庭でのけがで来室する など
② ネグレクト
●衣服が季節に適していない
●衣服や下着が不潔で臭う
●体が汚れている(入浴していない)
●急激な体重減少
●不登校
○無断欠席、遅刻が多く、理由がはっきりしない
●けがの状態が学校で処置をしたときのまま
●治療が必要と思われる状態でも、保護者が受診させようとしない
●空腹を訴える、異常な食欲(朝食の欠食など、家庭での食事が不十分)
●家庭訪問をすると、家の中が極端に散らかっており、不衛生である など
③性的虐待
(第3章一3 性的虐待の理解とその対応 参照)
●性感染症
●妊娠や人工妊娠中絶
●他の人との身体接触を異常に怖がる又は好む
●年齢にそぐわない性的発言
16
-177-
28
第3章 児車虐待の早塑発見・早期対応
●性情報に対し、異常と思える程の関心又は極端な嫌悪を示す
●性的虐待を他の人の話として話す、絵画や作文などに性的関係を暗示させるようなもの
が見られる など
④心理的虐待
○摂食障害が見られる
●リストカットなどの自傷行為が見られる
●表情がいつも暗い など
⑤ その他
●頻回にわたる保健室来室
●頭痛、腹痛、倦怠感などの不定愁訴を繰り返す
●子どもの不自然な言動
●仲の良い友だちからの虐待の情報
●暗いところを怖がる
●便や尿の失敗が頻回にある
●カッとなりやすい、暴力を振るう、他の子どもとのトラブルが多い(弱い者いじめをする
など)
●家に帰りたがらない
●不安で落ち着きがない様子が見られる
●家庭の話をしたがらない(保護者の話題になると話をそらす など)
●教職員に対して反抗的な態度をとる
●教職員に異常なほど甘える
●兄弟姉妹間で保護者等に差別扱いされている など
17
-178-
29
第3章 児童虐待の早期発見・早期対応
④ 校内における児童虐待対応の流れ(例)
校内における児童虐待対応の流れ(例)
虐待の発見・疑われる状況
子どもの発するサインから気付く
気付き
学級担任・養護教諭
その他の全教職員
畢
〈協 議〉
分た、,・
析か
脇町ど
報が.家な
◇・
0
七化、
、蛮動子
撮な行様
把う、の
のよ心参
禅の、獲
問ど体保
管理職等に相談・報告
畢
O 心待の疑いの判断及び通告に馳
校内組織会議の開催
ついての検討
:児童虐待の問題に対応する校内組織会議 :
:○メンバー構成員(例) :
i校長・教頭・教務主任・学年主任・担任・i
○子どもの寅撫
・支擾方法め決定
:養護教諭・生徒指導主事・教青相談主任・:
・保霞者の対応に関すること
:特別支援教育コーディネーター・進路指導:
:主事 など :
・地域との遮携に関すること
《関係機関との連携、民生委
:(*必要に応じて支援チームを編成する。) :
員、兜童委員)
亀噂鱒輔●●のの..●鱒鱒・.●の.●輔.●幡帽噂.●.●幡幡.●.●鱒.・鱒醐噂.●鱒鱒鱒.●の.●樋9
:その他、必要に応じて :
:学校医・学校歯科医・スクールカウンセラー・i
七二
:その他の関係職員 など i
● ● ● o o ● ● ● ● ■ ● ● ■ ● ● ● ■ ● o ● ● ・ ● ● ■ ● ● ● o ・ サ ● ● ● ● ● ● ● ● ●
・メンバーの往割分担
O 職員会議、学年会議への報告・
(必要に応じて協議)など.
竪
轟騰
○ 継続支援
・事例検討会
・支擾計画の見直し、
・関係二二との連携
相談・通告=教育委員会、児童相談所、
福祉事務所、市町村
※事例により関係機関との遮絡謂
整役や校内の支擾体制の窓ロを
決める。
図一9 校内における児童虐待対応の流れ(例)
29
-179-
30
(別添資料2)
22初児生第64号
雇児総発0304第1号
平成23年3月4日
各都道府県教育委員会担当課長
各指定都市教育委員会担当課長 殿
各 都 道 府 県 私 立 学 校 主 管 課 長
附属学校を置く各国立大学法人学長
都 道 府 県
各 指 定 都 市
児童福祉主管部(局)長 殿
児童相談所設置市
文部科学省初等中等教育局児童生徒課長
厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長
学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な
情報提供の実施状況について(通知)
児童虐待が疑われる事案として、関係機関が関与しながら死亡に至ってしまった
事件において、学校と市町村、児童相談所の関係機関の連携が十分に機能しなかっ
たことが問題点の一つとして指摘されたことを踏まえ、平成22年3月24日に「学
校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供に関する指針」
( 以下
「指針」という。)を策定し、定期的な情報提供の対象とする幼児児童生徒等、頻度
・内容、依頼の手続等の事項についての基本的考え方をお示ししたところです。
今回、平成22年10月8日付22初児生第31号・雇児総発1008第2号通
知により、指針に基づく実施状況について調査を依頼し、その結果について別添の
とおりとりまとめましたので、下記の点に御留意の上、児童虐待防止対策の一層の
推進を図っていただくようお願いします。
また、都道府県・指定都市教育委員会等におかれましては、幼児児童生徒等に係
る定期的な情報提供について、市町村や児童相談所等から依頼があった場合には、
必要な連携・協力をしていただくとともに、所管の学校又は域内の市区町村の教育
委員会に対し、本通知の趣旨について周知徹底をお願いします。
記
1
調査結果では、調査対象期間中に、指針に基づく定期的な情報提供を学校等に
依頼しなかった市区町村及び児童相談所がある。
その理由について、
「 定期的な情報提供の依頼のシステム構築に向けて調整中の
ため」とする市区町村及び児童相談所については、早急に指針に基づく対応を図
っていただくようお願いする。
2
指針に基づく定期的な情報提供を学校等に依頼しなかった理由として、市区町
村が電話連絡や口頭、訪問等により学校等に対して適宜情報交換を依頼している、
関係機関との連絡会議の中で学校等から情報提供があるなどの回答を得たところ
であるが、そうした回答を行った市区町及び児童相談所においても、指針の内容
に則して、特に、必要な情報提供の確保を図る観点から、いま一度確認・点検を
行っていただき、学校等と市区町村又は児童相談所との連携が十分機能するよう
努めるとともに、必要に応じて、指針に基づく対応を図っていただくようお願い
する。
(本件担当)
文部科学省初等中等教育局児童生徒課生徒指導第一係
電話番号 03-5253-4111(内3299)
厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課児童相談係
電話番号 03-5253-1111(内7829)
-180-
8
別添
「学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供
に関する指針」に基づく情報提供等に関する調査結果
「学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供に関する指針」(平成22
年3月24日通知。以下「指針」という。)に基づく定期的な情報提供について、平成22年
3月24日から10月1日までの実施状況を確認したところ、以下の結果となった。
1.指針に基づく定期的な情報提供の依頼状況
指針の「4
定期的な情報提供の依頼の手続」に基づき、定期的な情報提供の内容、提供
を希望する期間等を記載した書面を学校、保育所等に対して送付したところは、市区町村が
279 か所(15.9%)、児童相談所が 26 か所(12.7%)となった。
また、指針に基づく定期的な情報提供の対象となる子どもがいないため、依頼を行わなか
ったところは、市区町村が 337 か所(19.3%)
、児童相談所が 26 か所(12.7%)となっており、
定期的な情報提供のシステム構築に向けて調整中のところは、市区町村が 334 か所(19.1%)
、
児童相談所が 57 か所(27.8%)となっており、それ以外の理由により、指針に基づく依頼を
行わなかったところは、市区町村が 800 か所(45.7%)
、児童相談所が 96 か所(46.8%)とな
った。
なお、それ以外の理由の主なものとしては、「市区町村が電話連絡や口頭、訪問等により
学校に対して適宜情報交換を依頼している。」、「関係機関との連絡会議の中で学校等から情
報提供がある」等があった。
市区町村
か所数
①
指針に基づく定期的な情報提供
を学校及び保育所に依頼した
② 指針に基づく定期的な情報提供
の対象となる幼児児童生徒がいな
いため、指針に基づく依頼を行わ
なかった
③ 定期的な情報提供のシステム構
築に向けて調整中
④ 上記②、③以外の理由により、
指針に基づく依頼を行わなかった
合
計
②を除いた小計
※
児童相談所
割合(%)
か所数
割合(%)
279
15.9
(19.7)
26
12.7
(14.5)
337
19.3
( - )
26
12.7
( - )
334
800
19.1
(23.6)
45.7
(56.6)
27.8
(31.8)
46.8
96
(53.6)
57
1,750
100
205
100
1,413
(100)
179
(100)
表中( )内の割合は②を除いた割合(市区町村 1,413 か所、児童相談所 179 か所に対
する割合)
-181-
9
別添
※ ④の主な理由
・市区町村が電話連絡や口頭、訪問等により学校等に対して適宜情報交換を依頼してい
る。
・関係機関との連絡会議の中で学校等から情報提供がある。
・定期的に市区町村職員や児童相談員が学校等を訪問して情報提供を依頼している。
・要保護児童対策地域協議会を通じて、すでに情報交換ができる体制が確立している。
2.指針に基づく定期的な情報提供の依頼が行われた児童の実人数
上記1の市区町村及び児童相談所が行った依頼に係る学校に在籍する幼児児童生徒及び
保育所に在籍する乳幼児の実人数は、市区町村が17,633人、児童相談所が2,262
人であり、その内訳は小学校が最も多く、次いで保育所、中学校の順となっている。
市区町村
人数(人)
児童相談所
割合(%)
人数(人)
割合(%)
幼 稚 園
798
4.5
75
3.3
小 学 校
8,335
47.3
1,049
46.4
中 学 校
3,064
17.4
416
18.4
高等学校
794
4.5
53
2.3
その他
178
1.0
48
2.1
4,464
25.3
621
27.5
17,633 100.0
2,262
100.0
保 育 所
合
計
(注)指針に基づく「定期的な情報提供の対象となる子ども」とは、
(1)市町村が求める場合、要保護児童対策地域協議会において児童虐待ケースとし
て進行管理台帳に登録されており、かつ、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、
中等教育学校、特別支援学校に在籍する幼児児童生徒及び保育所に在籍する乳幼
児。
(2)児童相談所が求める場合、児童相談所が管理している児童虐待ケースであって、
協議会の対象となっておらず、かつ、学校等及び保育所から通告があったものな
ど児童相談所において必要と考える幼児児童生徒等。
-182-
10
(別添資料3)
22初児生第65号
平成23年3月4日
各都道府県教育委員会担当課長
各指定都市教育委員会担当課長
各 都 道 府 県 私 立 学 校 主 管 課 長
附属学校を置く各国立大学法人担当課長
殿
文部科学省初等中等教育局児童生徒課長
磯 谷
桂
介
(印影印刷)
児童虐待の防止等のための学校、教育委員会等の的確な対応
に関する状況調査結果について(通知)
標記の調査について、この度、調査結果を別添のとおりとりまとめましたので、送
付します。
児童虐待の防止等については、「児童虐待の防止等のための学校、教育委員会等の
的確な対応について」(平成22年3月24日付け21文科初第777号文部科学大
臣政務官通知)等において、児童虐待の早期発見・早期対応、通告後の関係機関との
連携を図る上での留意点等について周知し、適切な対応をお願いしてきたところです。
別添の調査結果では、児童虐待の防止等に関する内容を盛り込んだ教職員に対する研
修の充実などについて、一層の取組が求められる状況が見られました。
ついては、各教育委員会等におかれましては、下記の事項に御留意の上、教育委員
会における児童虐待の防止等のための取組の充実に努めるとともに、所管の学校又は
域内の市区町村教育委員会等に対し、児童虐待の防止等のための取組がより一層適切
に推進されるよう御指導をお願いします。
記
1
関係機関との連携の強化について
学校、教育委員会における児童虐待の防止等のためには、関係機関との連携が重
要であることから、学校、教育委員会等は積極的に児童相談所や自治体福祉部局等
が主催する会議へ参加したり、要保護児童対策地域協議会へ参画したりするととも
に、児童虐待の防止や早期発見・早期対応のための必要な情報交換や知識の醸成な
どに努め、実質的な連携を図られたい。
2
教職員に対する研修について
学校の教職員が児童虐待の防止、早期発見・早期対応及び児童虐待を受けた児童
生徒の支援等に適切に対応できるようにするため、教育委員会等は、法定研修や管
理職、生徒指導担当教員に対する研修に児童虐待の防止等に関する内容を必ず盛り
込む、所管の学校に対して児童虐待の防止等に関する校内研修の積極的な実施等を
促す、児童虐待の防止等についての教職員用研修教材の活用を図るなどして、すべ
ての教職員に児童虐待の防止等への適切な対応に必要な知識等を周知するよう必要
な研修の充実を図られたい。
(本件連絡先)
文部科学省初等中等教育局
児童生徒課生徒指導第一係
電話番号 03-5253-4111(内線 3299)
03-6734-3299(直通)
e-mail
[email protected]
-183-
11
児童虐待の防止等のための学校、教育委員会等の的確な対応
に関する状況調査結果概要
平成23年3月
児 童 生 徒 課
1
調査の趣旨
「児童虐待の防止等のための学校、教育委員会等の的確な対応について」(平成22年3月
24日付け21文科初第777号文部科学大臣政務官通知)に基づく、児童虐待防止等のため
の教育委員会等の取組状況を把握するため本調査を実施した。
※調査対象期間:平成22年3月24日から平成23年3月31日まで(同期間内の予定含む。)
2 調査結果
(1)関係機関との連携状況
①要保護児童対策地域協議会への出席状況
・指定都市教育委員会:16か所(88.9%)
・市区町村(指定都市を除く。以下同じ。)教育委員会:1,193か所(75.0%)
注)カッコ内の割合は、平成 22 年 4 月 1 日現在、指定都市・市区町村教育委員会が構成員となってい
る要保護児童対策地域協議会数をもとに、指定都市教育委員会は 18 市、市区町村教育委員会は 1,591
市区町村で除して算出したもの。
なお、指定都市・市区町村教育委員会が出席していない要保護児童対策地域協議会の中には、学校
に在籍していない子どものケースを扱っている場合、学校の担当者が出席している場合なども含まれ
うる。
②自治体福祉部局主催の会議・研修への出席状況
・都道府県教育委員会:40か所(85.1%)
・指定都市教育委員会:13か所(68.4%)
・市区町村教育委員会:1,161か所(63.8%)
注)カッコ内の割合は、都道府県・指定都市・市区町村教育委員会の総数で除して算出しているが、総
数には自治体福祉部局主催の会議・研修を実施していない自治体も含まれうる。
(2)教職員に対する児童虐待防止等に関する内容を盛り込んだ研修の実施状況
<法定研修(初任者研修・10年経験者研修)>
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
都道府県教育委員会
34
33
31
34
72.3%
70.2%
66.0%
72.3%
指定都市教育委員会
15
15
9
11
78.9%
78.9%
47.4%
57.9%
注)下段の割合は、都道府県・指定都市教育委員会数の総数で除して算出したもの。
<校長研修>
小学校
都道府県教育委員会
指定都市教育委員会
26
59.1%
14
100.0%
中学校
25
56.8%
13
100.0%
高等学校
18
40.9%
11
100.0%
特別支援学校
20
45.5%
12
100.0%
注)下段の割合は、平成 21 年度を対象に別途調査して把握した校長研修の実施自治体数で除して算出した
もの。したがって、校長研修を実施した自治体数と、児童虐待の防止等に関する内容を盛り込んで研修
を実施した自治体数とが必ずしも整合しないことから、割合が 100 %を越える場合は、100 %として表
示した。
<生徒指導担当教員に対する研修>
小学校
都道府県教育委員会
29
82.9%
指定都市教育委員会
12
85.7%
中学校
31
79.5%
13
86.7%
高等学校
26
65.0%
6
60.0%
特別支援学校
27
79.4%
9
100.0%
注)下段の割合は、平成 22 年度を対象に別途調査して把握した生徒指導担当教員に対する研修の実施自治
体数で除して算出したもの。したがって、生徒指導担当教員に対する研修を実施した自治体数と、児童
虐待の防止等に関する内容を盛り込んで研修を実施した自治体数とが必ずしも整合しないことから、割
合が 100 %を越える場合は、100 %として表示した。
-184-
12
児童虐待防止等のための学校、教育委員会等の的確な対応に関する状況調査結果について
文部科学省児童生徒課
〈調査結果概要〉
調査1 児童相談所等関係機関との連携の状況
貴機関は、a.~e.に掲げる、児童虐待防止等に関する会議又は研修に参加し(H22.3.24~H22.11.30)、または参加する予
定がありますか(H22.12.1~H23.3.31)。
また、貴機関は、f.に掲げる、児童虐待防止等に関する会議又は研修を主催し(H22.3.24~H22.11.30)、または主催する
予定がありますか(H22.12.1~H23.3.31)。
都道府県教委
回答数
割合
会議又は研修
a.
b.
c.
d.
e.
f.
要保護児童対策地域協議会
児童相談所主催の会議・研修
自治体福祉部局主催の会議・研修
貴機関以外の教育委員会主催の会議・研修
その他の機関が主催した会議・研修
貴機関主催の会議・研修
25
15
40
11
18
33
-
31.9%
85.1%
23.4%
38.3%
70.2%
指定都市教委
回答数
割合
16
13
13
8
10
14
市区町村教委
回答数
割合
88.9% 1,193
68.4%
669
68.4% 1,161
42.1%
526
52.6%
439
73.7%
514
75.0%
36.8%
63.8%
28.9%
24.1%
28.3%
私立学校主管課
回答数
割合
2
1
12
6
10
4
-
2.1%
25.5%
12.8%
21.3%
8.5%
国立大学法人
回答数
割合
4
11
8
14
10
8
-
19.6%
14.3%
25.0%
17.9%
14.3%
注1) a については、平成22年4月1日現在、市区町村教育委員会が構成員となっている要保護児童対策地域協議会数をもとに、指定都市委員会は18市、市
区町村教育委員会は1,591市区町村で除して割合を算出した。なお、指定都市・市区町村教育委員会が出席していない要保護児童対策地域協議会の
中には、学校に在籍していない子どものケースを扱っている場合、学校の担当者が出席している場合なども含まれうる。
注2) b から f については、都道府県・市区町村教育委員会等の総数で除して割合を出しているが、総数には b から f の会議・研修が実施していない
自治体も含まれうる。
調査2 教職員に対する研修の状況
1.教員及び養護教諭を対象とする研修
(1) a.~i.に掲げる研修において、児童虐待の防止等に関する内容を盛り込んで実施し(H22.3.24~H22.11.30)、または実
施する予定がありますか(H22.12.1~H23.3.31)。
また、j.に掲げる児童虐待の防止等に関する内容を盛り込んだ研修に参加し(H22.3.24~H22.11.30)、または参加する
予定がありますか(H22.12.1~H23.3.31)。
都道府県教委
回答数
割合
研修
初任者研修・10年経験者研修
a.
初任者研修
b.
10年経験者研修
生徒指導担当教員に対する研修
c.
悉皆
d.
悉皆でないもの
教頭研修
e.
悉皆
f.
悉皆でないもの
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
34
33
31
34
29
29
28
30
29
29
26
26
29
31
26
27
15
16
16
15
23
24
16
21
23
23
17
18
15
16
12
13
15
14
10
11
72.3%
70.2%
66.0%
72.3%
61.7%
61.7%
59.6%
63.8%
61.7%
61.7%
55.3%
55.3%
82.9%
79.5%
65.0%
79.4%
-
-
-
-
-
-
-
-
53.5%
53.5%
39.5%
41.9%
-
-
-
-
-
-
-
-
指定都市教委
回答数
割合
15 78.9%
15 78.9%
9 47.4%
11 57.9%
14 73.7%
14 73.7%
9 47.4%
11 57.9%
10 52.6%
10 52.6%
8 42.1%
8 42.1%
12 85.7%
13 86.7%
6 60.0%
9 100.0%
10
-
12
-
5
-
8
-
6
-
7
-
4
-
6
-
11 64.7%
10 58.8%
10 83.3%
11 78.6%
10
-
9
-
9
-
10
-
3
-
3
-
3
-
3
-
-185-
市区町村教委
回答数
割合
-
-
-
-
345
329
7
12
143
133
5
5
-
-
-
-
588
607
15
22
207
204
6
10
-
-
-
-
561
555
27
13
112
113
1
2
-
-
-
-
19.0%
18.1%
0.4%
0.7%
7.9%
7.3%
0.3%
0.3%
-
-
-
-
32.3%
33.4%
0.8%
1.2%
11.4%
11.2%
0.3%
0.5%
-
-
-
-
30.8%
30.5%
1.5%
0.7%
6.2%
6.2%
0.1%
0.1%
私立学校主管課
回答数
割合
-
-
-
-
1
1
1
1
0
0
0
0
-
-
-
-
0
1
2
0
0
1
1
0
-
-
-
-
1
1
1
1
0
0
0
0
-
-
-
-
2.1%
2.1%
2.1%
2.1%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
-
-
-
-
0.0%
2.1%
4.3%
0.0%
0.0%
2.1%
2.1%
0.0%
-
-
-
-
2.1%
2.1%
2.1%
2.1%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
国立大学法人
回答数
割合
-
-
-
-
4
4
3
1
6
5
3
3
-
-
-
-
4
7
2
4
4
6
1
2
-
-
-
-
2
3
1
3
1
2
1
2
-
-
-
-
7.1%
7.1%
5.4%
1.8%
10.7%
8.9%
5.4%
5.4%
-
-
-
-
7.1%
12.5%
3.6%
7.1%
7.1%
10.7%
1.8%
3.6%
-
-
-
-
3.6%
5.4%
1.8%
5.4%
1.8%
3.6%
1.8%
3.6%
13
都道府県教委
回答数
割合
研修
校長研修
g.
悉皆
h.
悉皆でないもの
i.
a.~h.を除く研修
j.
他機関が主催する研修
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
26
25
18
20
18
19
14
17
13
13
8
11
37
35
26
30
17
17
11
9
指定都市教委
回答数
割合
59.1%
56.8%
40.9%
45.5%
-
-
-
-
-
-
-
-
78.7%
74.5%
55.3%
63.8%
36.2%
36.2%
23.4%
19.1%
14
13
11
12
11
10
8
9
4
4
4
4
15
15
10
11
9
9
8
7
100.0%
100.0%
100.0%
100.0%
-
-
-
-
-
-
-
-
78.9%
78.9%
52.6%
57.9%
47.4%
47.4%
42.1%
36.8%
市区町村教委
回答数
割合
-
-
-
-
672
664
34
18
121
123
1
1
364
342
14
18
419
404
7
9
-
-
-
-
36.9%
36.5%
1.9%
1.0%
6.7%
6.8%
0.1%
0.1%
20.0%
18.8%
0.8%
1.0%
23.0%
22.2%
0.4%
0.5%
私立学校主管課
回答数
割合
-
-
-
-
0
1
1
0
0
0
0
0
3
3
3
1
5
7
10
0
-
-
-
-
0.0%
2.1%
2.1%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
6.4%
6.4%
6.4%
2.1%
10.6%
14.9%
21.3%
0.0%
国立大学法人
回答数
割合
-
-
-
-
3
4
1
4
0
3
0
2
5
1
0
2
8
11
3
5
-
-
-
-
5.4%
7.1%
1.8%
7.1%
0.0%
5.4%
0.0%
3.6%
8.9%
1.8%
0.0%
3.6%
14.3%
19.6%
5.4%
8.9%
注1) 都道府県・指定都市教育委員会における「生徒指導担当教員に対する研修」については、平成22年度を対象に別途調査して把握した各研修の実施自
治体数で除して割合を算出した。また、都道府県・指定都市教育委員会における「教頭研修」及び「校長研修」については、平成21年度を対象に別
途調査して把握した各研修の実施自治体数で除して割合を算出した。
したがって、各研修を実施した自治体数と、児童虐待の防止等に関する内容を盛り込んで研修を実施した自治体数とが必ずしも整合しないことか
ら、割合が100%を越える場合は、100%として表示した。
注2) 「生徒指導担当教員に対する研修」、「教頭研修」及び「校長研修」(都道府県・指定都市教育委員会が実施するものに限る。)以外については、
都道府県・市区町村教育委員会等の総数で除して割合を算出しているが、都道府県・指定都市教育委員会における初任者研修及び10年経験者研修
以外は、研修を実施していない機関数も含まれうる。
(2) 小・中・高等・特別支援学校の教員及び養護教諭を対象とする研修を実施する際、平成21年5月に文部科学省から配付
した研修教材「児童虐待防止と学校」を活用し(H22.3.24~H22.11.30)、または活用する予定がありますか(H22.12.1~
H23.3.31)。
研修
都道府県教委
研修数
指定都市教委
研修数
14
8
34
34
34
27
初任者研修
10年経験者研修
生徒指導担当教員に対する研修
教頭研修
校長研修
上記以外の研修
市区町村教委
研修数
0
0
0
4
0
8
私立学校主管課
研修数
159
56
372
349
336
140
国立大学法人
研修数
3
6
8
5
5
3
0
0
0
0
0
0
2.教育機関と児童相談所の職員合同研修
平成22年度、子どもの虹情報研修センターで開催された「教育機関と児童相談所の職員合同研修」を、貴機関の職員及び所管の学校
の教職員が活用しましたか。
また、平成23年度、子どもの虹情報研修センターで「教育機関と児童相談所の職員合同研修」が開催された場合に、貴機関の職員及
び所管の学校の教職員が活用する予定ですか。
都道府県教委
回答数
割合
平成22年度
平成23年度(予定)
注)
3
10
指定都市教委
回答数
割合
6.4%
21.3%
1
5
5.3%
26.3%
市区町村教委
回答数
割合
18
125
1.0%
6.9%
私立学校主管課
回答数
割合
0
1
0.0%
2.1%
国立大学法人
回答数
割合
1
4
1.8%
7.1%
割合は、都道府県・市区町村教育委員会等の総数で除して算出した。
調査3 児童虐待防止等のための調査研究・検証の状況
貴機関は、地方公共団体が行う、児童虐待事例等の検証に参加又は協力し(H22.3.24~H22.11.30)、または参加又は協力する予定が
ありますか(H22.12.1~H23.3.31)。
また、貴機関は、児童虐待防止等のため、調査研究を行い(H22.3.24~H22.11.30)、または行う予定がありますか(H22.12.1~
H23.3.31)。
都道府県教委
回答数
割合
児童虐待事例等の検証への参加又は協力
児童虐待防止等のための調査研究の実施
25
15
53.2%
31.9%
指定都市教委
回答数
割合
11
5
市区町村教委
回答数
割合
57.9% 1,055
26.3%
457
58.0%
25.1%
私立学校主管課
回答数
割合
7
0
14.9%
0.0%
国立大学法人
回答数
割合
11
11
19.6%
19.6%
注1) 「児童虐待事例等の検証」とは、児童虐待の防止等に関する法律第4条第5項に基づき行われる児童虐待を受けた児童がその心身に著しく重大な被
害を受けた事例等の検証をいう。
注2) 割合は、都道府県・市区町村教育委員会等の総数で除して算出した。なお、「児童虐待事例等の検証」を実施した自治体数は未把握であり、すべて
の自治体において検証が行われたかについては不明。
-186-
14
(別添資料4)
23文科生第722号
23文科初第1448号
平成24年1月30日
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市教育委員会教育長
各
都
道
府
県
知
事
附属学校を置く各国立大学法人学長
殿
文部科学省生涯学習政策局長
合
田
隆
史
(印影印刷)
文部科学省初等中等教育局長
布
村
幸
彦
(印影印刷)
児童虐待の防止等に関する政策評価の結果及び勧告について(通知)
児童虐待の防止等のための学校、教育委員会等における的確な対応については、
これまでも、各種通知等においてお願いしてきたところです。
しかしながら、総務省による児童虐待の防止等に関する政策評価の結果、虐待対
応件数が毎年度増加し続けていること、小・中学校において、児童虐待のおそれを
認識したが通告するかどうか迷った結果通告しなかった事例や、児童虐待のおそれ
を認識してから通告までに1か月以上を要した事例がみられたことから、本年1月
20日に総務大臣から文部科学大臣に対し、児童虐待の発生予防及び早期発見に係
る取組の推進について、別添のとおり勧告がなされました。
貴職におかれては、政策評価の結果等を踏まえ、所管の学校又は域内の市区町村
教育委員会に対し、児童虐待の早期発見に努め、児童虐待の疑いがある場合には、
確証がないときであっても、速やかな通告をすること等、児童虐待の防止及び早期
発見・早期対応の取組について一層の周知徹底を図られますようお願いします。
なお、今後、今般の勧告を踏まえ、通告の取組状況等を調査することを予定して
おりますので申し添えます。
(本件連絡先)
文部科学省
生涯学習政策局男女共同参画学習課家庭教育企画係
電話番号 03-5253-4111(内線 3073)03-6734-3073(直通)
e-mail
[email protected]
初等中等教育局児童生徒課生徒指導第一係
電話番号 03-5253-4111(内線 3299)03-6734-3299(直通)
e-mail
[email protected]
-187-
15
別添
『児童虐待の防止等に関する政策評価書
平成24年1月
総務省』抜粋
(全文:総務省ホームページ http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/seisaku_n/ketsyka.html)
第4
1
評価の結果及び勧告
評価の結果
ⅱ)早期発見
保育所からの通告件数は平成 19 年度 5,440 件から 21 年度 6,115 件に、学校からの通告件数も
19 年度1万 2,102 件から 21 年度1万 3,244 件にいずれも増加している。しかし、保育所や学校
には早期発見の努力義務があり、児童虐待のおそれを発見したときは通告義務があるにもかか
わらず、速やかな通告がなされたものは、調査した 17 保育所 25 事例のうち 22 事例(88.0 %、16
保育所)及び 42 小・中学校 75 事例のうち 68 事例(90.7 %、40 小・中学校)にとどまっている。
また、一部の保育所や小・中学校において、児童虐待のおそれを認識したが通告しなかった
もの(5 保育所 8 事例、6 小・中学校 15 事例)もみられた。
以上のとおり、児童虐待の防止等に関する政策については、
①虐待対応件数は増加の一途であること
②虐待死亡児童数は減少していないこと
③各施策における効果の発現状況をみても、早期対応から保護・支援については一定の効果
がみられたものの、残りの施策についてはいずれも不十分なものとなっていること
から、政策全体としての効果の発現は不十分であると考えられ、以下のような問題・課題の解
消が必要となっている。
(1) 児童虐待の発生予防に係る取組状況
虐待対応件数が毎年度増加し続けていることについては、児童虐待自体が増加していると
いう側面と、潜在していたものが顕在化している側面が考えられるが、児童虐待の発生を予
防できているかという観点で虐待対応件数の増加について考えた場合、潜在していた児童虐
待が顕在化しているという側面についても、児童虐待自体が発生しているということに変わ
りはなく、更なる発生予防対策が必要であると考えられる。
(2) 児童虐待の早期発見に係る取組状況
ア
関係機関における早期発見に係る取組
調査した 17 保育所及び 42 小・中学校で児童虐待のおそれを認識したが通告するかどうか
判断に迷った結果通告しなかったものが5保育所において8事例、6小・中学校において 15
事例みられた。また、平成 19 年度から 21 年度までに、調査した 17 保育所が通告した 47 件
のうち、詳細を把握した 25 事例中、速やかな通告がなされていると考えられるものは 22 事
例(88.0 %、16 保育所)、調査した 42 小・中学校が通告した 209 件のうち、詳細を把握した 75
事例中、速やかな通告がなされていると考えられるものは 68 事例(90.7 %、40 小・中学校)
にとどまっており、保育所の残る3事例(12.0 %、3保育所)、小・中学校の残る7事例(9.3
%、6小・中学校)は、児童虐待のおそれを認識してから通告までに長期間(1か月以上)
を要しているものであった。
児童虐待のおそれを認識したが通告するかどうか判断に迷った結果通告しなかった理由及
-188-
16
別添
び通告までに長期間を要した理由として、保育所及び小・中学校は、児童虐待の確証が得ら
れなかったこと等を挙げている。
当省の政策評価の途上で、文部科学省は、平成 22 年8月、都道府県教育委員会等に対し、
児童虐待のおそれを発見した場合には、その確証がないときであっても速やかに通告しなけ
ればならないことについて、改めて学校等への周知を要請している。しかし、同省は、小・
中学校におけるその後の速やかな通告の実施状況については、点検・確認を行っていない。
2 勧告
関係省は、児童虐待の防止等に関する政策を効果的に推進する観点から、当省の意識等調査
結果も参考にしつつ、次の措置を講ずる必要がある。
(1) 児童虐待の発生予防に係る取組の推進
② 児童虐待の発生予防について、更なる効果的な取組を検討すること。(文部科学省及び厚
生労働省)
(2) 児童虐待の早期発見に係る取組の推進
ア 保育所及び小・中学校における取組の推進
② 平成 22 年8月に発出した課長通知を踏まえた小・中学校における児童虐待の通告の実
施状況を把握し、その結果、速やかな通告の徹底が必要な場合には、その原因を分析し
た上で、速やかな通告の徹底方策を検討すること。(文部科学省)
-189-
17
1/3
1/3
市町村 1/3
都道府県
国
【補助率】
研修の実施
-190-
活動の実施
・家庭教育支援チーム
による相談や支援
・親への学習機会の提供など
(新規:1,000箇所)
【家庭の支援活動】
・家庭教育支援拠点機能の整備
放課後等の支援活動(放課後子ども教室)については、
「放課後児童クラブ」と「放課後子どもプラン」として
引き続き連携して実施
【放課後等の支援活動】
・活動拠点(居場所)の確保
・放課後等の学習指導
・自然体験活動支援
・文化活動支援 など
【学校の支援活動】
・授業等の学習補助
・教職員の業務補助
・部活動指導補助
・学校行事支援
・学校環境整備
・登下校の見守り など
(対前年度500箇所増)
実施箇所 12,000箇所
地域社会全体で様々な教育支援活動を実施し、地域の教育力の向上を図る
地域住民等
参画・協力・支援
・これまでの経験や知識を活かし、学習の支援や専門性のある活動等の
支援、子どもの安全確保のための見守りや遊び、交流活動等を行う
教育活動支援員、学習アドバイザー、安全管理員
スクールガード・リーダー、家庭教育支援員等
・各活動の企画運営の中心となって、学校や地域、地域の
団体等との総合的な調整等を行う
コーディネーター
○コーディネーターの配置
○活動内容、運営方法の検討
○支援活動の実施
〈市 町 村〉 運営委員会の設置
○域内の他事業との連携や総合的な教育支援活動の在り方の検討
○コーディネーター・教育活動支援員等の研修の実施
○子どもの健康等に関する指導助言 等
〈都道府県〉 推進委員会の設置
都道府県・市町村の委員会の一本化や合同研修の実施など、各地域の実情に応じた教育支援活動を有機的に組み合わせて実施が可能
地域住民等の参画による「学校支援地域本部」「放課後子ども教室」「家庭教育支援」「地域ぐるみの学校安全体制の整備」「スクールヘルスリーダー派
遣」の教育支援活動を引き続き支援するとともに、各地域の実情に応じたそれぞれの取組を有機的に組み合わせることを可能とし、より充実した教育支援
活動を支援することにより、地域の教育力を向上させ、地域の活性化を図るとともに、子どもが安心して暮らせる環境づくりを推進する。
25年度予算額 4,924百万円 (前年度予算額 4,692百万円)
学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進事業
(別添資料5)
31
-191-
【家庭教育支援員例】
PTA経験者、元教員、元保育士、民生委員、児童委員 等
地域の身近な小学校等に家庭教育に関する情報提供や相談対応等を専
任で行う家庭教育支援員を配置し、家庭教育支援体制を強化
全国1,000箇所
学校等を活動拠点に
支援内容を検討
【チーム員構成例】
子育てサポーターリーダー、元教員、民生委員、
児童委員、保健師 等
中学校内での親子携帯講座
【支援活動例】
○ 家庭教育支援チームによる家庭訪問
○ 企業訪問による出前講座
○ 空き教室を活用した交流の場づくり
悩みを抱える保護者、仕事で忙しい保護者など、
様々な家庭の状況に応じて、アウトリーチも含
めた情報提供や相談対応を実施
【講座例】
○ 小学校入学時講座
○ 思春期の子どもの心の理解
○ 父親の家庭教育参加促進
○ 携帯電話やインターネットに
関する有害情報対策
就学時健診や保護者会、参観日など、多くの親が
集まる機会を活用した学習機会、親子参加行事等
の実施
家庭教育支援員などの地域人材と専門家
との連携によりチームの組織化
○ 学習機会や親子参加行事の企画
○ 教員やSC、SSW等との連携により、家庭や
地域の状況に応じた支援をコーディネート
家庭教育を支援する様々な取組を展開
連携の仕組みづくり
家庭教育支援拠点機能の整備
課題について意見交換
等を担う中核的人材を養成
○ 支援活動の企画・運営、
○ 関係機関・団体との連携
地域人材の養成
身近な地域において、すべての親が安心して家庭教育を行えるよう、地域人材の養成や、家庭教育支援チームの組織化、
学校等との連携により、保護者への学習機会の提供や相談対応等の支援活動を実施するほか、家庭教育支援員の配置
による家庭教育支援体制の強化を図る。
家庭教育支援の取組(「学校・家庭・地域の連携による教育支援活動促進事業」で実施)
(別添資料6)
参 画
32
(新
規)
207百万円
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公民館
行政他部局
NPO
・地域の農産物、伝統工芸品などの地域資源に
ついての学習成果を活かした地域の産業振興。
・中間年齢層が求める講座等の開催を通じ、地
域での活動に参加を促進することを通じた地域
振興。
④地域振興支援プログラム
地場産業
サポステ
消防団
した地域観光の振興等。
・ 地域人材による女性活躍促進キャリア教育。
・ 図書館を活用した起業支援、博物館を活用
・ グリーンエネルギーへの転換の必要性に
伴うスマートコミュニティ化を推進するための
環境、エネルギー教育。
・ 地域の実情に応じた人権教育の取組み。
⑤その他地域の教育的資源を活用
した地域課題解決支援プログラム
・ 消防団等と連携し、災害発生時の避難方法
等に対する啓発活動や体験型避難訓練等の
実施や、地域の防災マニュアルの作成。
・ 公民館等が避難所となった際の運営方法や
関係機関との円滑な連携体制の構築等、ICT
機器等を活用した地域防災拠点体制の構築。
②地域の防災拠点形成支援プログラム
【事業内容】
(委託)上記5テーマ×30箇所=150箇所
取組の定着までのプロセスを踏まえ、最大3年を上限として段階的な事業計画とすることが可能。
(直轄)「事業評価・検証委員会」の実施、周知・広報活動、全国大会の実施
地域自らが特色を持った地域づくりを行い、地域コミュニティの再生が図られることにより、元気な日本を取り戻す。
・ 学校等と連携し、いじめや不登校、児童虐待
や貧困の連鎖防止など、課題を抱え孤立しが
ちな家庭への地域人材による支援、専門家
等によるサポート体制の構築。
・ いじめや児童虐待予防など社会的課題に対
応した親向け学習プログラムの開発。
③地域人材による家庭支援プログラム
・ 「地域若者サポートステーション」と連携した
ニート等への居場所の提供、就労支援。
・ 学校教育への不適応や学校外での学習に
問題を抱える児童・生徒への学びの支援。
・ 専修学校、NPO、企業・福祉施設等が連携
した擬似職場体験の機会提供、職業教育支援。
①若者の自立・社会参画支援プログラム
全国に約16,000館設置された「ソーシャルキャピタル」(社会関係資本)としての公民館を活用
地域社会における様々な現代的課題(経済低迷、少子高齢化に伴う人口・労働力の減少、過疎化の進行 等)に対し、公民館等が行
政の関係部局の垣根を越え、関係諸機関等と連携・協働して課題解決のため実施する地域独自の取組みを支援し、社会教育を活
性化することを通じて、地域のきずな、地域コミュニティの再生及び地域活性化を図り、元気な日本を取り戻すことを目指す。
公民館等を中心とした社会教育活性化支援プログラム 25年度予算額
(別添資料7)
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(別添資料8)
2 4 文 科 生 第 1 7 号
平 成 2 4 年 4 月 2 7 日
各都道府県教育委員会教育長
各指定都市・中核市教育委員会教育長
各都道府県知事
附属学校を置く各国立大学長
殿
文部科学省生涯学習政策局長
合 田
隆 史
(印影印刷)
「つながりが創る豊かな家庭教育」~親子が元気になる家庭教育
支援を目指して~を踏まえた取組の推進について(依頼)
文部科学省では、平成23年5月に「家庭教育支援の推進に関する検討委員会」
を設置し、家庭教育支援の在り方等について検討を行ってきたところですが、この
たび、別添のとおり「『つながりが創る豊かな家庭教育』~親子が元気になる家庭教
育支援を目指して~(報告)」がとりまとめられました。
報告においては、家庭教育をめぐる社会動向について、家庭が抱える課題の多様
化や家庭生活の変化、親子の育ちを支える人間関係の弱まり、現代の子どもの社会
性や自立心などの育ちをめぐる課題等を踏まえ、
「家庭教育が困難になっている社会」
と分析し、家庭教育支援の在り方を捉え直すとともに、これまで推進してきた施策
について評価を行い、今後取り組むべき課題を整理しています。
その中で、基本的な方向性について、家庭教育が家庭内だけでなく、地域や学校
をはじめとする他者とのつながりの中で行われることの重要性や、支援者や多様な
世代の関わり合いにより親子の豊かな育ちを支えることの重要性に鑑み、①親の育
ちを応援する、②家庭のネットワークを広げる、③支援のネットワークを広げる、
の3つに整理し、こうした「つながりが創る豊かな家庭教育」のための4つの方策
を提案しています。
これらが、現代の家庭教育をめぐる社会動向を踏まえた家庭教育支援の方策を網
羅的に示すとともに、児童虐待などの社会的課題や不登校、引きこもりなどの困難
な課題に対応した方策の充実も盛り込まれていることを踏まえ、本報告が国や地方
公共団体の施策の指針となり、取組の一層の充実が図られるようよろしくお願いし
ます。
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ついては、貴職におかれては域内の市区町村教育委員会及び所管の学校等に、周
知いただくとともに、報告の趣旨を踏まえ、豊かなつながりの中で親子が元気に育
まれることを目指した取組の一層の充実に御協力をお願いします。
なお、本報告における自治体の役割等は別添のとおりですので、参考にしてくだ
さい。
また、本報告における家庭教育支援の充実に向け関連部局が連携して推進するこ
とが望ましい方策等については、別途通知する予定としております。
なお、報告の全文は文部科学省のホームページに掲載されておりますことも併せ
て申し添えます(http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1306958.htm)。
(本件連絡先)
文部科学省生涯学習政策局男女共同参画学習課
家庭教育支援室家庭教育振興係 大城、刈屋
TEL 03-5253-4111 内 2927
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(別添)
「つながりが創る豊かな家庭教育~親子が元気になる家庭教育支援を目指して~」
における自治体の役割及び学校との連携による家庭教育支援の方策について
1.自治体の役割(抜粋)
地域の特性により課題は様々であり、求められる具体的な家庭教育支援の内容は地域により
異なることから、地方自治体には、主体的に地域のニーズや課題を見出し、報告のⅢであげた家
庭教育支援の方策を参考に、地域の実情に応じた家庭教育支援の取組を具体的に進める役割
を期待する。
(1)市町村
○家庭教育支援の取組をコーディネートする中心的な役割を担う。
具体的な支援活動の企画・実施や、地域人材等による活動のコーディネート、地域住民、
NPO、学校、公民館、専門機関、企業等の地域の様々な関係者との連携・調整、家庭教育
支援チーム等の組織化と運営のサポート、調整や合意形成を図る場としての協議会の組織
化・運営等により、取組を進めていく。
(2)都道府県
○地域の家庭教育支援の取組を活性化するための仕組みを整備する。
協議会の組織化等により、地域課題や支援手法等の検討、学習プログラムの開発、取組状
況の検証等を行うとともに、広域的な関係者のネットワーク構築を促進していく。
また、広域的な観点や広域間の取組の格差是正の観点から、市町村や地域の様々な主体
に対し、情報提供や助言、その他の必要な支援を行っていく。
さらに、人材の養成や研修機会の提供、NPO 活動に対する支援など、自立的かつ持続的
な取組を継続できるような環境の整備を図るとともに、地域におけるモデル的な取組の推進や
普及啓発など、広域的な観点から家庭教育支援の施策を進めていく。
2.学校との連携による家庭教育支援の方策(主な施策)
(1)学校・家庭・地域の連携した活動の促進
学校支援地域本部・放課後子ども教室・学校運営協議会など、学校を核とした教育支援活
動の担い手として保護者に参画を促したり、放課後子ども教室等に中高生等に支援者としてか
かわってもらう等の方法が考えられ、こうした学校・子ども支援活動に保護者等を巻き込む、学
校・家庭・地域が連携した活動を一層推進することが大切です。
(2)課題を抱える家庭に対する学校と連携した支援の仕組みづくり
①家庭教育支援チーム等の活動における学校との連携
・教員との意見交換や、生徒指導主事や養護教諭等による生徒指導や健康相談に係る校内
委員会等との連携を図り、家庭への訪問や相談対応等を行うなどの取組が、すべての親子
につながるために、また、課題を抱える家庭に対する効果的な支援のために重要です。
・学校にスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の専門人材が配置されている場
合には、家庭教育支援チーム等の活動に当たって、連携を図り、福祉機関等関係機関・団
体とのネットワークづくりを促していくことが望まれます。
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(別添)
②高校中退者の家庭に対する支援
中学校卒業時及び高校中退時の進路未定者等について、学び直しや自立支援を受けられ
るよう、家族・本人の了解の下、学校や教育委員会の情報をもとに、家庭教育支援関係者等が
専門機関・団体等につなげたり、親の相談対応を行うなどの取組を進めることが望まれます。
(3)親の学び合い・共同学習の推進
幼稚園・保育所や小学校等の場は、保護者につながるための拠点として重要であり、学びのス
タイルとして、学級懇談会等を活用した、親の学び合いや共同学習も大切です。
先輩保護者との交流、また親同士の仲間づくりや語り合いができる場の提供を、幼稚園・保育
所等や小学校において、PTAや学校支援地域本部、放課後子ども教室、学校運営協議会等と
も連携しながら、一層進めていくことが大切です。
(4)将来親になる中高生の子育て理解学習の推進
中高生など将来親になる世代が親になることについて学ぶことができるよう、学校に乳幼児とそ
の親を招いて触れ合う活動をしたり、子育てひろば等に中高生が訪問し、乳幼児と触れ合う活
動をするなど、子どもが育つ環境としての家族の役割や、子どもを生み育てることの意義等につ
いて学ぶ機会の提供を積極的に図る必要があります。
※ 2.学校との連携による家庭教育支援の方策(主な施策)については、本文を一部要約して
おります。
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(別添資料9)
家庭教育支援の推進に関する検討委員会報告書
「つながりが創る豊かな家庭教育~親子が元気になる家庭教育支援を目指して~」
家庭教育支援に関する社会全体の動向や課題の整理を行うとともに、家庭教育支援のあり方についての検討を行う
ことを目的に設置し、平成23年6月より9回にわたって検討。
座長:汐見 稔幸(白梅学園大学学長)
平成24年3月「つながりが創る豊かな家庭教育~親子が元気になる家庭教育支援を目指して~」をとりまとめた。
○ 報告書(平成24年3月)の概要
「つながりが創る豊かな家庭教育 ~親子が元気になる家庭教育支援を目指して~」
<現状と課題>
○子育ての自信や対処能力の不足、発達段階に応じた子どものかかわり方がわからない
→ 子の誕生から自立までの切れ目のない支援が必要
○家庭が孤立化が進み、困難な課題を抱え込み、児童虐待など問題が深刻化
→ 課題を抱える家庭に対して、届ける支援(アウトリーチ)と福祉等との連携が必要
○引きこもりなど、子どもの社会性や自立心が育ちにくい
→ 多様な世代が関わり合う社会で、子どもの育ちを支えることが必要
現代社会は親子の育ちを支える人間関係の弱まりや子どもの社会性や自立心など
の育ちをめぐる課題など、家庭教育が困難になっている社会との認識が必要
地域の取組の活性化が必要
<基本的な方向性と具体的な方策>
方向性① 親の育ちを応援する
・親の育ちを応援する学習プログラムの充実
・多様な場を活用した学習機会の提供
・将来親になる中高生の子育て理解学習の推進
・子どもから大人までの生活習慣づくり
方向性② 家庭のネットワークを広げる
・家庭を開き、地域とのつながりをつくる
・学校や家庭、地域の連携した活動の促進
方向性③ 支援のネットワークを広げる
・地域人材による家庭教育支援チーム型支援の普及
・課題を抱える家庭に対する学校と連携した支援の仕組みづくり
・人材養成と社会全体の子育て理解の促進
・保健福祉等の関連分野と家庭教育支援の連携
※本報告書は、文部科学省ホームページからご覧いただけます。
(http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/1306958.htm)
トップ > 教育 > 幼児教育・家庭教育 > 家庭の教育力の向上 > 家庭教育支援の推進に関する検討委員会
<担当>
文部科学省生涯学習政策局
男女共同参画学習課 家庭教育支援室
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家庭教育支援の推進に関する検討委員会報告書の概要
つながりが創る豊かな家庭教育
~親子が元気になる家庭教育支援を目指して~
Ⅰ.家庭教育をめぐる現状と課題
家庭教育をめぐる社会動向
家庭教育支援の課題
1)家庭環境の多様化や地域社会の変化
・多様化する家庭が抱える様々な課題(経済的問題、児
童虐待、過干渉や過保護)
・自然な教育的営みが困難になった家庭生活の変化
・子育て家庭の社会的孤立
2)現代の子どもの育ちをめぐる課題
・社会性や自立心等の育ち(不登校、暴力行為、ニート)
・体験の格差や経済格差の子どもの育ちへの影響懸念
3)家庭教育が困難になっている社会
・家庭の教育力の低下と認識されているが、家庭は家庭
教育に努力している傾向
・親子の育ちを支える人間関係が弱まっており、社会経
済も変動しており、「家庭教育の困難」と認識する必要
・家庭教育が困難な家庭への支援は重要な社会的課題
1)子の誕生から自立までの切れ目のない支援
・乳幼児期は人間形成に重要だが、子育ての自信や対処
能力が不足しがち、また自立の時期の支援も重要
2)届ける支援(アウトリーチ)と福祉等との連携
・課題を抱えた家庭が児童虐待等、課題が深刻化するこ
とのないよう、孤立しがちな家庭へ届ける支援が必要
・困難な課題を持つ家庭には、専門的支援、福祉的支援
のための支援のネットワークが必要
3)多様な世代が関わり合う社会で、子どもの育ちを支
える
・コミュニケーション能力、自己肯定感等、不足しがち
な力を育むための体験や交流機会が重要
4)地域の取組の活性化
・地域の課題に応じた取組の活性化や地域資源の活用
Ⅱ.家庭教育支援のあり方
基本的な方向性
重要な視点
1)親の育ちを応援する
・発達段階に応じたかかわり方についての学習が必要
2)家庭のネットワークを広げる
・子育て家庭の人間関係を広げていくことが重要
3)支援のネットワークを広げる
・地域人材と専門支援をつなぐ仕組みづくり
1)親の主体性を尊重し、支援の循環を生み出す
・親の意欲を高め、支え合う
2)子どもも家庭や社会の一員として役割を持つ
・子どもの発達資産形成の観点から支援や協力が必要
3)子育て家庭を支える人間関係とシステムを持つ地域
づくり ・地域コミュニティの創造と地域の活性化
Ⅲ.家庭教育支援の方策
1)親の育ちを応援する学びの機会の充実
○親の育ちを応援する学習プログラムの充実 ・体験型・ワークショップ形式の学習
・虐待予防に資する子どもとのコミュニケーションやストレス
の対処方法及び震災後の心のケアなど社会的課題への対応
○多様な場を活用した学習機会の提供 ・子育てひろば等への学習プログラムの提供、ファシリ
テーター派遣などの乳幼児期の子育て支援の充実
・学級懇談会等を活用した親の学び合い・共同学習
・企業への出前講座、父親の学びと参画促進
○将来親になる中高生の子育て理解学習の推進
・乳幼児との触れ合い活動
2)親子と地域のつながりをつくる取組の推進
○家庭を開き、地域とのつながりをつくる
・NPO 等によるカフェ形式の交流の場や親子参加イベント
○学校・家庭・地域の連携した活動の促進
・学校支援活動や放課後子ども教室に保護者等を巻き込む
取組
3)支援のネットワークをつくる体制づくり
○地域人材による家庭教育支援チーム型支援の普及
・小中学校区等を単位としたチーム型支援の普及
・活動拠点の提供や研修機会の提供等の環境整備
・主任児童委員との連携によるアウトリーチ活動の充実
○課題を抱える家庭に対する学校と連携した支援の仕組み
づくり
・生徒指導等と連携した家庭への訪問や相談対応
・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーと
の連携
・高校中退者の家庭に対する親の相談対応等
○人材養成と社会全体の子育て理解の促進
・ファシリテーター等の養成、専門的助言、人材認証・登録
・サポートの役割が期待される高齢者等の学びの機会の提供
・企業による親子参加行事や職場体験活動への協力
4)子どもから大人までの生活習慣づくり
・企業と連携した生活習慣づくり ・生活の自己管理が可能になる中高生向け普及啓発
Ⅳ 国と地方自治体の役割
○市町村 家庭教育支援活動をコーディネート
○都道府県 広域的ネットワーク構築、人材養成等
○国 基本的方向性を示し、取組の普及や向上を図る
○保健福祉等の関連分野と家庭教育支援の連携
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