(財団法人エンジニアリング振興協会)資料(PDF形式 - 経済産業省

資料8
CCT, CCS & Engineering
総合資源エネルギ 調査会 鉱業分科会
総合資源エネルギー調査会
第4回クリーンコール部会
2009年4月21日
(財)エンジニアリング振興協会
理事長
竹内 敬介
(日揮株式会社 代表取締役社長)
目 次
1. エンジニアリングとは
2. エンジニアリング振興協会の実績
3. クリーンコール技術とエンジニアリング
4. CCSへの取り組み
5. 国際協力と石炭資源の安定確保
6. まとめ -エンジニアリング産業の貢献と政策支援要望のポイント-
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1. エンジニアリングとは(1)
「Agriculture」:農業
ヴィクトリア女王時代に
「Commerce」:商業
英国の繁栄を支えた4つの柱 「Manufactures」:製造業
「Engineering」:エンジニアリング
アルバート・メモリアル
“ENGINEERING”と刻まれている記念碑
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1. エンジニアリングとは(2)
エンジニアリングとは、ヒト(人財力)、カネ(金融)、ワザ(技術)、チエ(経営力)を
駆使し、モノ(生産手段、インフラ、サービス)を提供、創造するもの
エンジニアリングとプロジェクトマネジメントの関係は、イノベーションにおける複
雑・複合化する課題を解決し、新たな企業価値を創造・推移する車のエンジンと
コックピットの関係にあり、ヒト、カネ、ワザ、チエという四輪駆動車のタイヤの回
転数をバランス良く回し、その効果を最も効率よく引き出すステアリングとアクセ
ルワーク
チエ
(経営力)
イノベーション
スーパーハイウエイ
プロジェクト
マネジメント
エンジニアリング
エンジン
モノ
(生産手段)
ワザ
(技術)
カネ
(金融)
ヒト
(人財)
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2. エンジニアリング振興協会の実績-石炭関連
1. 自 主 事 業
(1)既設石炭焚発電所効率向上対策 (中国1987年)
(2)神木炭総合有効利用 (中国・1987年)
2. 国、地方自治体、独法等からの受託事業
(1)都市における石炭利用の為の周辺関連技術調査研究
(産業研究所・1979年)
(2)石炭液化プロセス等のデータの収集処理システム等の開発
(NEDO ・1988年)
(3)石炭転換技術情報処理システムの開発 (NEDO ・1989~95年)
(4)泥炭利用マイルドガス製造システムの開発に関する調査研究
(NEDO ・1992~93))
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2. エンジニアリング振興協会の実績-CCS関連(1)
1. CCS実用化推進関連事業
【二酸化炭素地中貯留技術研究開発】
長岡市での約1万トンのCO2の圧入
の圧入・貯留試験を通じた
貯留試験を通じた
CO2地中貯留の科学的技術的知見の集積、ならびに
今後の実適用および技術実証段階に必要な技術基盤構築
(NEDO ・2000~01年、RITE・2002~08年)
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2. エンジニアリング振興協会の実績-CCS関連(2)
2. クリーンコール利用推進関連事業(石炭・天然ガスの高度利用)
【革新的ゼロエミッション石炭ガス化発電プロジェクト】
石炭火力から発生するCO2を分離・回収・貯留するCCSを含めたゼロエミッション型の石
炭ガス化発電技術の実施可能性の検討
- CO2輸送システムの概念設計(パイプライン輸送の概念設計)
(NEDO・2008年)
- CO2の貯留システムの概念設計と貯留ポテンシャル評価
(海外のCO2貯留層調査)
(RITE・2008年)
【国際革新的ゼロエミッション石炭火力発電に関する技術動向調査】
CO2輸送・貯留技術におけるサイト選定方法および
リスクアセスメント手法に関する調査
(RITE・2008年)
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3. クリーンコール技術とエンジニアリング(1)
- エンジニアリング産業のフィールド -
石炭利用技術を幅広くカバーするエンジニアリング
乾留
コークス
熱
石
燃焼
製鉄
セメント
焼成
電力
スチーム
水素
ガス化
炭
合成ガス
メタン
改質/
石炭スラリー
液体燃料
直接液化
化学原料
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3. クリーンコール技術とエンジニアリング(2)
(ご参考)
- 日揮のLNGプラント建設実績 -
世界のLNG生産量の約35%を建設
Ras Laffan LNG, Qatar
•
2.5 MM T/Y x 2 Trains, 2000
Brunei LNG, Brunei
•
1.0 MM T/Y x 1 Train, 1974
•
1.0 MM T/Y x 4 Trains, 1973
Malaysia LNG, Malaysia
SEGAS LNG, Egypt
•
•
Rejuvenation & Revamp, 2004
•
3.8 MM T/Y x 2 Trains, 2003
•
2.65 MM T/Y x 3 Trains, 1995
•
2.0 MM T/Y x 3 Trains, 1983
5 MM T/Y x 1 Train, 2004
Tangguh LNG, Indonesia
•
Nigeria LNG, Nigeria
3.8 MM T/Y x 2 Trains, 2009
•
4.0 MM T/Y x 1 Train, 2007
•
4.00 MM T/Y x 2 Trains, 2005
Woodside LNG, Australia
•
2.95 MM T/Y x 1 Train, 2003
•
4.2 MM T/Y x 1 Train, 2004
•
2.95 MM T/Y x 2 Trains, 1999
•
2.0 MM T/Y x 1 Train, 1992
•
2.0 MM T/Y x 2 Trains, 1989
Yemen LNG, Yemen
•
3.35 MM T/Y x 2 Train, 2009
Arun LNG, Indonesia
•
1.67 MM T/Y x 1 Train,1986
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3. クリーンコール技術とエンジニアリング(3)
(ご参考)
- 石油・天然ガス関連分野における日揮の実績(直近10年間) -
• Natural Gas Treatment, 2004
•
•
•
•
•
• Natural Gas Boosting Station, 2003
• Revamping of LPG/NGL Recovery, 2001
Natural Gas Processing, 2003
Natural Gas Processing, 2001
NGL Recovery, 2008
Gas Treatment, 2000
NGL Expansion, 1998
• Natural Gas Gathering & Treatment, 2004
• Reinjection Compressor
Stations, 2000
• Utility, Storage & Marine
Facility for GOSP Plant,
2011
• Crude Oil Gathering
Station & Pipeline, 2003
• GTL Complex
• Natural Gas Processing, 2008
• Natural Gas Development,
2006
• Gas and Oil Gathering,
Separation, Compression
& Desalting Facilities, 2011
• NGL Recovery,
NGL Fractionation & Pipeline,
2000
• Natural Gas Treatment /
NGL Extraction &
Fractionation, 2008
• LPG FPSO, 2003
• Expansion of
Degassing Facilities, 2004
• Expansion of NGL
Recovery Plant, 2008
• LPG FPSO, 2004
• LNG Gas Supply, 1999
• Field Gathering Station &
Central Gas Plant, 1998
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3. クリーンコール技術とエンジニアリング(4)
- 石炭高度利用技術 -
<等価>天然ガス6.5万Nm3/h=40万t/年
石炭による天然ガス代替
複合発電
ガス化から広がる産業価値
石炭
100万t/年
合成ガス
(H2 + CO)
ガス処理
ガス化
発電
380MW
アンモニア
合成
アンモニア
70万t/年
尿素
124万t/年
その他
水素
17.5万Nm3/h
20万Nm3/h
DME
53万t/年
水蒸気改質
硫黄
メタノール
合成
FT
合成
地中貯留/EOR
酢酸
136万t/年
その他
CO2
<等価>
天然ガス
(原料 + 燃料)
7.5万Nm3/h
=45万t/年
メタノール
75万t/年
メタン化
液体燃料
6500BBL/日
代替天然ガス
5万Nm3/h
30万t/年
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3. クリーンコール技術とエンジニアリング(5)
- ガス化とガス処理システム -
刻々と変化する発電需要に直結するガス化の高度な制御技術
ガス処理プロセスにおける複雑な設備構成と
システムインテグレーション
高度なエンジニアリング技術
ガス処理システム
シフト反応
加水分解反応
アンモニア洗浄
ガス分離/精密精製
酸性ガス除去
酸性ガス濃縮
ガス化
酸性水処理
硫黄回収
(CO2分離)
合成ガス
テールガス処理
インシネレータ
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3. クリーンコール技術とエンジニアリング(6)
- 大型CCS実績:インサラープロジェクト -
2004年注入開始は世界で二番目
Capacity 120万トン/年は世界一
BP/Sonatrachの温暖化防止への
強いコミットメント
日揮は1997年から参画。
ガス田ライフサイクル全体の開発シナリ
オの最適化を通してCCS付帯の条件
下で事業全体の採算確保に貢献
[IPCC SRCCSC Figure 5.5]
[http://www.cslforum.org/documents/Geologic_CO2_Storage_Assurance_Salah.pdf]
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3. クリーンコール技術とエンジニアリング(7)
- HiPACT -
(High Pressure Acid Gas Capture Technology)
CCSにおける圧入を容易ならしめるCO2の高圧回収技術を
開発し、CCSコストの削減に貢献
合成ガス
日揮・BASF
による
共同開発
(H2+CO)
HiPACT
(酸性ガス除去)
高圧回収
Compressor
CO2
ガス化
セクション
M
#1
#2
#3
#4
低エネルギー消費
従来法に比べ
エネルギー消費/コストの
削減が可能
CO2回収・圧縮原単位が改善し
地中貯留/EORの促進に貢献
石油増進回収
(EOR)
帯水層
油層
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4. CCSへの取り組み(1)
- 国内でのCCS実用化への貢献 -
実用化を目指したCCS技術の大型実証試験の実現への貢献
国内の貯留ポテンシャルの有効活用を図るためには、
排出源と貯留層のマッチングが重要であり、詳細な検討が必要
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4. CCSへの取り組み(2)
- CCSプロジェクト実現の課題 -
【全般】
CCSにより資源消費量は増加する
という事実の認識
ベストミックス
CCSコスト負担の仕組み
コスト削減努力
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4. CCSへの取り組み(3)
- CCSプロジェクト実現の課題 -
【海外でのCCSプロジェクト】
産炭国や海外の石炭火力発電所でのCCSを通じた
グローバル・クリーンコールを実現するための国際的な枠組みの構築
適所でのCCSプロジェクトを通じた効果的なCCSの実現
海外でのCCSによるCO2排出削減が我が国に便益を
もたらす仕組みの構築
海外でのCO2地中貯留に対する長期的責任の取り決め
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4. CCSへの取り組み(4)
- CCS推進に関する国際的取り組み例 -
エンジニアリング業界の強みを生かした海外でのCCSプロジェクトの展開
IEA-GHGへの参加による国際貢献
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5. 国際協力と石炭資源の安定的確保(1)
- Value-up Technology:新エネルギー -
低品位炭を熱水改質してバリューアップ。ユーザーニーズに応える製品に加工
インドネシアでは石油代替燃料としての石炭スラリーへの期待が高い
バイオマス混合改質によるCO2削減効果と低品位炭有効活用(バイオコール)
エンジンへの適用によって、小規模分散型高効率発電へ
低品位炭/バイオマス
熱水改質
ブリケット燃料
石炭焚ボイラー
スラリー燃料
石油焚ボイラー
低品位炭
Low grade
Low value
泥炭
石炭焚エンジン
バイオマス
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5. 国際協力と石炭資源の安定的確保(2)
- 炭鉱メタンの有効利用 -
炭鉱で発生するメタンガス(Coal Mine Methane : CMM、Ventilation Air
Methane : VAM)を、エネルギー資源として有効利用し、環境対策に貢献
炭鉱条件に適したメタンガスの回収・濃縮・利用技術の選定・組合せが重要
中国、安徽省准北(アンキ省、ワイホク)の祁南炭鉱で本事業を展開するため、
CDM事業として国連登録を行う
本案件の実績を踏まえ、他炭鉱への展開を推進中
CMM
発電
(Coal Mine Methane)
VAM
蓄熱燃焼ボイラー
(Ventilation Air Methane)
安徽省准北鉱業集団有限責任公司の祁南炭鉱
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6. まとめ
-エンジニアリング産業の貢献と政策支援要望のポイント-
CCT開発におけるエンジニアリング技術の活用
- 石炭ガス化とガス処理システムの高度化
- 低品位炭のスラリー化、廃棄物系バイオ燃料+低品位炭→バイオコール等
新エネルギーの創出
CCS実現のポイント
- CO2の高圧回収技術への期待
- 海外での地中貯留は、Pre-combustion、Post-combustionともにCO2回収
技術と省エネルギーエンジニアリングで世界をリードする日本が主導して
国際的コンセンサスの形成と枠組づくりを!
- CCSのCDM化は必須
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6. まとめ
-エンジニアリング産業の貢献と政策支援要望のポイント-
資源の安定確保につながる戦略的国際協力
- CO2をどこでどのように処理するかが鍵
- エネルギー貧資源国とエンジニアリングの強味を活かして、資源と製品の
両面から、石炭・オイル・ガス等エネルギーのベストミックスの提案と
コンサルティング
- 産炭国の発展段階や各種事情にフィットした、人材育成・インフラ整備・
制度設計などのパッケージアプローチ
パブリック・パーセプション形成のために
- エンジニアリング振興協会の会員企業ネットワークと活動を通じて積極的に
理解を求めていく。
ex. 産学人材交流センター機能の活用
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