２０１2-１2 岡三マンスリー No. １４7 急峻で危険なルートを安全快適に改修れば施工は難しく、様々な垂直補強土壁の工法比較が行なわれた結果、多数アンカー式補強土壁工法が選定を受けました。急峻な地ではあるものの原地盤は安山岩の岩盤が確認され支持力を確保できる見込みがあり、軽量盛土等を用いるまでもなかったこと、盛土材の適用範囲に優れ経済性も高いことがその主な理由でした。拡幅には山側への切土か谷側への盛土が考えられますが、山側斜面には道路に沿って用水路が流れているため拡幅ができず、従って谷側への拡幅となりました。しかし谷側は谷側で急崖部となっており直壁でなけ多数アンカー式補強土壁工法一般県道桐谷下笹原線は、富山県富山市の八尾地域の中心部と桐谷地区を結び、地域住民の通勤通学などの生活を支えています。また久婦須川沿いを走るそのルートは上流に富山県管理の久婦須川ダムを抱え、県の治水・利水上も重要な道路となっています。しかし、急崖に沿っているところも多く、対面通行できないほど幅員が狭い（ｗ＝３.５ｍ）ことから、通行車両の安全のため拡幅を主眼とした道路整備が計画されました。施工会社施工規模北海道支店宮原健その後も名著「武士道」を英文で書きあげセオドア・ルーズベルト大統領らに大きな感銘を与えたり、台湾総督府の技師に任命されたりと多くの業績を残しています。恥ずかしながら旧五千円札では何度もお顔を拝見しましたが、北海道大学ゆかりの方だと今回初めて知りました。彼は岩手県盛岡市の武家に生まれ、札幌農学校（のち北海道大学）の二期生として入学、一方で「少年よ大志を抱け」の名言で有名なウィリアム・クラーク博士は副校長として一年契約だったため既に米国へ帰国していて入れ違いだったそうです。農学校卒業後、帝国大学（のちの東京大学）に進学するも農学校に比べ研究レベルが低いことに失望して退学。大志を抱いてアメリカのジョンズ・ホプキンス大学に入学しますが、札幌農学校に招へいされ今度は助教授としてドイツに留学することになります。ハレ大学で博士号を取得しアメリカ人女性と結婚して帰国すると、農学校は教授の椅子を用意していたそうです。北海道大学と聞くとイメージするのは、ポプラ並木とクラーク博士の銅像ですよね。先日私も観光で見学に行ったのですが、新渡戸稲造の銅像を見つけ、なぜ？と思い調べてみました。「北大に新渡戸稲造の銅像？」富山土木センター一般県道桐谷下笹原線県単独道路改良北尾工業有限会社約３６６ｍ２発注者工事名物件概要工事は迅速に進みこの１０月に無事完成、６.５ｍと充分な幅員を得て不便が解消されました。２０１2-１2 岡三マンスリー No. １47 ＲＣＧインナ－シール（ＮＥＴＩＳ - ＫＫ-１０００１３- Ａ）延岡大橋延岡市は宮崎県北部の中核都市で、多くの川が流れ込む水の都として知られます。そのため橋梁も市内に数百あるといわれますが、老朽化の進行などで維持管理・修繕に多大な手間を要していました。そうした中、五ヵ瀬川と大瀬川の合流点に程近い延長５３７ｍの延岡大橋（１９７５年架設）と、沖田川を渡る延長１４５ｍの沖田橋（１９５３年架設）の定期点検においても、塩害環沖田橋境下にあることから劣化因子の侵入による損傷が徐々に進行している状況を確認。いずれも九州東岸の動脈・国道１０号線上の主要な橋梁ということもあり、予防保全を目的に「ＲＣＧインナーシール」の含浸塗装による対策を早急に施すこととなったのです。今回使用のＲＣＧインナーシールはコンクリート内部に劣化因子が浸透するのを防ぐ保護剤。５～１５０ｎｍという微細な粒子コロイド（けい酸ナトリウム・けい酸カリウム）が毛細管現象により０.２ｍｍ以下のクラックや毛細孔へと浸透し隙間を充填します。さらにこの粒子コロイドが水酸化カルシウムと反応すると「Ｃ - Ｓ - Ｈゲル」を形成し細孔を緻密化、水・塩化物イオン・二酸化炭素等の侵入による性能劣化を抑制し保護効果を発揮します。その一方、多孔質のため気体は透過しコンクリートの「呼吸」を妨げません。ＲＣＧインナーシールは無機質のため紫外線劣化もなく、定期的なメンテナンスの機会は大幅に軽減されます。７月には土木学会より「けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針（案）」も発刊され、ＲＣＧインナーシールは橋梁長寿命化に今後もより貢献していきます。物件概要発注者国土交通省延岡河川国道事務所工事名平成２３年度平成２３年度延岡大橋補修工事沖田橋補修工事施工会社旭建設株式会社上田工業株式会社施工規模１１, ２９４ｍ２４,９２０ｍ２みずみず瑞々しい宇宙ある方の個展開催に微力ながら関わった。板橋克己氏という、「銀河鉄道９９９」などで知られる漫画家・松本零士氏の作画アシスタントの人だ。漫画のアシスタントは、一般に主要人物以外の背景や効果線、墨塗りなどを担当する。有名作家は数多くアシスタントを抱える中でも特に気心の知れたスタッフで中枢を固めて活動するが、板橋氏もそうした形で松本氏に帯同し続け既に還暦を迎えている。作品中に登場する宇宙船や未来世界など、見ればいかにも「松本零士チック」と連想する絵の多くが実のところ彼の作画で、いわば松本氏とは一蓮托生とでも言うべき存在なのだ。そんな板橋氏も実は一度だけ独立し、出戻りとなった経緯がある。それ以来ほとんど表舞台からは消えていたが、ごく最近になって一念発起したのがくだんの個展だ。裁判沙汰もあるほど権利や表現に縛られた松本氏の作品を一歩離れた自身のためのイラスト群は、同じ宇宙船を描くにも心なしか伸びやかに見える。その絵が醸す瑞々しい未来観にファンも徐々に増えているらしく、群馬県の県立ぐんま天文台での展覧会もとんとん拍子で決まった。チャレンジする気概そのものが、瑞々しさの素かも知れない。記：編集Ｔ