教学研修部テーマ『命がつないだ今、命が紡ぐ明日』

とびら
第 53 号
真宗佛光寺派新潟教区通信
平成 22 年 7 月発行
* 2010 年度 新潟教区活動予定 企画部・教学研修部
* 教区活動報告 3∼ 6 月
声明法式・衣体作法講習
お待ち受け大会 「声明についてのアンケート」集計結果
* 新入部員紹介
お待ち受け大会の会場設営(5月17日)
親鸞聖人七五〇回大遠忌お待ち受け大会が新潟教区主催
で行われた�門主代務惠照様の御消息の中で�親鸞聖人が
流罪の後�赦免とな�たが�法然上人が浄土へ還帰の報告
を受け�帰洛され佛光寺を建立された後�関東へ向かわれ
た�と法難のご苦労が綴られていた�
平成二十二年春法要には法然上人八〇〇回忌法要が本山
佛光寺で厳修された�佛光寺草創八〇〇年は平成二十三年
に併修�大変意義深く�多くの方々のご苦労が伺えるとと
もに�親鸞聖人の遺訓が脈々と受け伝えられている�
お待ち受け大会当日は寺族�門信徒約五〇〇名の参加者
全員で�行譜正信偈草譜三首引�を唱和した�そのすがた
から�
�大無量寿経�に説かれる�
�清風時に発りて�五つ
の 音 声 を 出 だ す� 微 妙 に し て 宮 商 自 然 に 相 和 す�
�の文が
胸中より湧きあが�てきた�
真 宗 佛 光 寺 派 は 伝 統 的 な 天 台 声 明� 魚 山 声 明 � を 根
底 に 五 音 階� 宮・ 商・ 角・ 微・ 羽 � の 旋 律 を 中 心 と し
て�二十九代真照門主によ�て 五線譜に置き換えられた�
その御苦労によ�て�それまで口伝のみであ�た声明が比
較的容易く習得出来るようにな�た�
平成二十三年五月二十日より厳 修され る大遠忌法要も
気がつけばあとわずか�子供の頃�年末になると良く口ず
さんだ童謡で�もういくつ寝るとお正月�お正月には凧あ
げて�こまをまわして
遊びまし�う�はやくこいこいお
正月�
�作曲:滝廉太郎/作詞:東くめ�冬休み�お年玉�
正月料理なのか�何故かわくわくしていた�
待 ち 遠 し い 反 面� ま だ ま だ 時 間 は 十 分 あ る と 思 � て い
たが過ぎてしまえば早いものである�私の五十二年の人生
まえば�瞬きの一瞬�であ�た�充分な準備ができなか�
も�一日一日大切に過ごしてきたはずであるが�過ぎてし
たという後悔が度重なり�いつの間にかその念も薄れてし
ま�ている今日この頃である�改めて自身が受けた聖人の
遺訓を確かめ大遠忌法要を迎えたいと思う�
企画部テーマ 『出遇いを開く真宗』
教学研修部テーマ『命がつないだ今、命が紡ぐ明日』
2010 年度 新潟教区 活動予定
日時・会場等、変更される場合があります。事前のご案内をよくご覧いただき、
ご出席・ご参加よろしくお願いいたします。
企画部
活動予定
●声明法式講習会 3月実施済み
○テーマ学習会 第1回 9月3日(金)
白根サルナート
第2回 12月9日(木)
白根サルナート
講師:村山教二師 転派関係の古文書読解・報告 ○教区講習会 9月7・8日(火・水)
ホテルゆもとや
講師:大城邦義師 「人間であることの原点」
(1年目)
○声明法式講習会 23年3月 詳細未定
2010 年度 活動テーマ
で あ
部長 原 泰雄 師
ひら
しんしゅう
出遇いを開く 真 宗
教学研修部
活動予定
●真宗セミナー 声明法式講習 4月実施済み
●真宗セミナー 衣体作法講習 6月実施済み
○夏季児童大会 8月17・18日(火・水)
妙高池の平青少年センター 実行委員長:高橋修円師
○真宗セミナー 10月22日(金)
立華講習
○布教大会 10月25日(月)
会場:大蓮寺様
○冬季児童大会 23年1月 詳細未定 部長 廣澤 晃隆 師
2010 年度 活動テーマ
いのち
いま
つむ
み ら い
命 がつないだ今、命 が紡ぐ明日
※教区貸し出し教材・機材……編集局の交代にともない、
管理者がかわりました。
(元)西来寺 ⇒(現)廣海寺 燕市吉田本町 1105 Tel.0256-93-3929
ビデオ教材ソフト(VHS・DVD)、御絵伝(絵説)、紙芝居、
液晶プロジェクター、スクリーン、ビデオカセットレコーダー
教区活動報告 3~6月
声明法式講習(3月・4月)
企画部;3月 1 日 会場:梵行寺様
教学研修部:4月 8 日 会場:慶念寺様
「ご門徒方とともに、正信偈のおつとめを」
「思わず仲間に入りたくなるような美しい声明」
お待ち受け大会を前に、企画部・教学研修部合同で、
声明法式作法の講習を行いました。ご住職・当院さ
ま方、坊守さま方まで、広くご参加いただきました。
お待ち受け大会
準備~当日
(3月~5月18日)
5月18日のお待ち受け大会に向け、準備打合せ、予行
演習が入念に行われました。当日には 400 名をこえる参
加があり、厳粛な雰囲気の中、寺族・門徒ともどもに「行
譜正信偈草譜三首引」を唱和し、来年にひかえる大遠忌
法要への機運が高まるよいご縁になりました。
お待ち受け大会(5 月 18 日)
※次回 54 号でおつたえいたします。
―切袴をしまうときの紐の結び方は?
―七条袈裟はどうやるときれいに着けられるか?
―修多羅の「えび結び」の作り方は?
衣体作法講習(6月)
6月8日 会場:瑞林寺様
衣体作法は、本来ならば基本の範疇なのでしょうが、知ら
ずとも法務はおおむねつとめられるためか、じっくりと習
う機会もあまりないように思います。今回は、色衣から五
条・七条・切袴まで、実地形式での研修を行いました。
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
声明についてのアンケート 集計結果
問2.その習得のさいには、誰(何)を通じて習得しまし
たか。要因としてもっとも大きいと思うものをひと
つ選んでください。
a)自坊の先代もしくはそれ以前の住職方よりの直伝 ……12
b)直伝ではないが、自坊での生活の中での自然習得 …… 2
c)本山(御門主、声明講習など) …… 8
d)本山取り扱いの声明テープ・CDによる練習 …… 6
e)僧侶同士の練習会 …… 0
f)自坊入寺後の実法務を通じて …… 4
g)自坊での門徒対象のお経会 …… 1
h)我流 / 習得していない …… 1
i)その他 …… 1
4月実施
回答数:34
問1.佛光寺派声明のうち、行譜正信偈・念仏
和讃六首引(または三首引)を最初に習
得した時期はいつごろのことですか。
a)幼年~ 12 歳、小学生の時期
…… 7
b)12 ~ 18 歳、 中学・高校生の時期 …… 3
c)18 歳~ 高校以上の学生期 …… 5
d)18 歳~ 社会人・入寺以降 ……17
e)まだ習得していない …… 2
問3.声明する上で大切だと思うことはなんですか。次の中から3つ以内で選んでください。
a)五線譜などの声明本と照らし合わせて正確であること ………… 28
b)導師・伴僧と調和すること ………… 31
c)声量、声の大きさ ………… 11
d)参詣者に、上手に、または「ありがたそうに」聞こえるかどうか ………… 9
e)勤行にかかる時間 ………… 2
f)暗唱して、声明本を見なくとも勤められること ………… 1
g)同行が一緒に読める(または聞き取れる)ような早さ ………… 10
h)特に気にかけていることはない ………… 0
i)その他(ご記入下さい)
………… 4
「耳で称えること」、「心をこめて丁寧に一所懸命に読む」「はっきりとした滑舌」など
問4.では実際の法務の中で、声明する上で気にかけていることはなんですか。次の中から3つ以内で
選んでください。
a)五線譜などの声明本と照らし合わせて正確であること …… 16
b)導師・伴僧と調和すること …… 26
c)声量、声の大きさ …… 15
d)参詣者に、上手に、または「ありがたそうに」聞こえるかどうか …… 8
e)勤行にかかる時間 …… 6
f)暗唱して、声明本を見なくとも勤められること …… 1
g)同行が一緒に読める(または聞き取れる)ような早さ …… 13
h)特に気にかけていることはない …… 0
i)その他(ご記入下さい) …… 2
「勤行本を配布し、唱和・黙読してもらう」、「故人を悼む心をこめて」
問5.声明を習得・練習する機会として、最適と思うものはなんですか。次の中からひとつ選んでください。
a)本山主催の声明講習会 …… 7
b)新潟教区主催の声明講習会 …… 8
c)僧侶仲間・有志による講習会 …… 4
d)自坊での門徒対象のお経会 …… 1
e)テープやCDを用いた個人的な練習 …… 5
f)実務の中での習得・練習 …… 2
g)上記以外 …… 5
h)声明の意義自体に疑問がある・意義がわからない …… 0
g の回答「声明の良くできる僧侶の寺の晨朝に通う」「ひとつにきめられない」「e を基本に a または b」など
問6.「声明」に関することで、思うことをご自由にお書き下さい。
●今まで声明が軽んじられてきた感があるのでもっと力を入れていきたい。その上で教学との裏付けもはっきり
したい。
●「宮商和して自然なり」
●姿勢を正しく保つこと。
●基本に忠実であること。
●知らず知らずのうちについている自身のクセに気づくこと。
●耳で称えるという金言を忘れぬこと。
●同行と一緒に勤めることがこれからは必要だと思います。
●テープ・CDを用いての練習や教区の声明講習会での練習では節回しは習得できるが、音の高さに関しては自
分の発音が正しい高さなのかどうかが自分では判断できない。この点をどう解決したらよいかが課題である。
●声明は各種法要において必要となるものであり、決してないがしろにしてよいものではない。また自分が属す
る宗派の声明作法を正確に習得することも導師等とともに勤行をする上で不可欠なことであるから、それを習
得できる機会を積極的に求めていくべきである。
●ついつい多忙な日が続くと法要も早く終わらせようといい加減になることがある。真照上人は「声明は耳で称
える」とおっしゃられたように、やはり称えつつも聞くという姿勢が大事なのだと思う。
●厳粛さがこういう時代ならばこそ求められる。ただし人に聞かせるのではない。その意味内容を聞法していく
姿勢が大事(聞かせる声明ではなく聞いていく声明)。
●他の寺院の法要に参加してみる。
●声明勤行の意義はもちろんであるが、「普及」ということに関して、声明の音楽性やその効果にも注目してい
きたい。
●声明に限らず、研修制度の明確化が必要。作法も統一性がないと見苦しい。 ★たくさんのご回答をいただき、まことにありがとうございました。
その他多数
『とびら』編集局
窪澤覚(くぼさわ・さとし) ......聖徳寺様
1985 年 2 月 18 日生まれ 168 ㎝ 59 ㎏ ①王道なもの
②継続は力なり
③『奇跡のリンゴ』 石川拓治著
④温厚な母、職人肌の父、歌詠みの祖母 方言の宝庫
⑤しっかりする、自分をかえりみる
⑥よろしくお願いします。団結をして頑張ります。
河合正敬(かわい・まさたか) ......願随寺様
昭和 60 年 2 月 12 日生れ 167 ㎝ ①テニス
②「親しき仲にも礼儀あり」を心がけています。
③体重が落ちた。
④普通かもしれませんが、3 世代 7 人みんなで
3食そろって食事ができる仲の良い家族です。
⑤朝早く起き本堂を開け、朝の勤行をし、朝食を食べ、月経に出る
⑥まだ入ったばかりで右も左もわかりませんが、ひとつとつ仕事を覚えていきたい
と思うので、よろしくお願いします。
こ れ ま で も 教 区 活 動 に た び た び 参 加・ 協 力 を し て い
た だ い て い た 五 人 の 若 手 の 方 々 も� 今 年 度 か ら 正 式 な
新 潟 教 区 会 員 と な り ま し た� そ の 初 心 を た ず ね て み ま
Q 1 とりあえず、ご趣味は。
Q 2 座右の銘やポリシーなど、何かありますか。
Q 3 今までに「これはよかった!」というものをひとつ教えて
下さい。本でも映画でも出来事でも、なんでもいいので。
Q 4 ご家族をほめながら紹介してみて下さい。
Q 5 【僧侶たるもの、 べし】 ←空欄を埋めてください。
Q 6 最後に、教区に向けてひとこと。
した�
◇新入部員紹介◇
花井暁信(はない・あきのぶ)......佛照寺様
昭和 55 年 9 月 7 日生まれ 182 ㎝ 73 ㎏
①映画鑑賞
②布教者たるもの、表現者たるべし。
③映画「I am Sam ( アイ・アム・サム)」
④勉強家の父、働き者の母、優しい祖母
⑤聞法者たる
⑥新潟教区は教区内の活動が活発なので勉強にもなり、ありがたく思っております。
鷲澤大雄(わしざわ・だいゆう)......大蓮寺様
昭和 59 年 1 月 11 日生まれ 164 ㎝ 58 ㎏
①地方の中古レコード屋巡りです。
②「適当」
③最近、村上龍さんの『13 歳のハローワーク』にはまっています。
④全員適度に何か抜けています。
⑤理想を語る
⑥どんなことでも手が足りない時は声かけてください !!
雲郷真(うんごう・まこと)......法讃寺様
1983 年 10 月 30 日生まれ 171 ㎝ 60 ㎏
①旅行
②なさねばならぬ
③フランス旅行
④よく食べる父、よく作る母、よくしゃべる祖母、よく働く兄、よく寝る嫁
⑤タバコをやめる
⑥よろしくお願いします。
この5人の方には、教学研修部員のほかに、本誌『とびら』の編集もお願いしています。
これまでにない感覚や発想が、教区活動のいたるところに刺激をあたえてくれることでしょう。
今後の活躍が期待されるところです。
これからの行事予定
− テーマ学習会 −
期 日 9月3日(金)
会 場 サルナート白根
講 師 村山 教二 師
− 児童大会 2010 −
期 日 8 月17(火)∼18日(水)
会 場 東本願寺 妙高池の平青少年センター
テーマ 『 つながり かがやこう この命 』
参加費 5,000 円
※参加児童募集中です。
児童大会のテント泊にそなえ、下見ではスタッフ全員でテント作りをしてきました。
これで、子どもたちにもバッチリ教えてあげられます。たくさんの参加を期待しています。
〒 959-0268 新潟県燕市吉田本町 1105 番地 廣海寺内
とびら編集局 Tel/Fax 0256-93-3929
【編集発行人】 〒 950-2022
新潟市西区小針 4-5-18 瑞林寺
教学研修部長 廣澤 晃隆 Tel 025-266-1846
編集後記
※御意見、御感想をお聞かせください。
つい最近までは﹁サッカー後進国﹂などと言われ
ていた日本も、ワールドカップで決勝トーナメント
http://homepage3.nifty.com./bukkoji/
常連まであと少しというところであろうか。
サッカーに限らず、スポーツのレベルを語るとき
には、選手個々の技量のみならず、非公式の草試合
の普及の度合いや、また選手でなくともそれを応援
する側の様子も着目される。
今回の例で言えば、
サッ
カーの盛んな国では子どもの遊びにサッカーボール
が溶け込み、また会社では、出社した社員たちが仕
事を放って試合中継に釘付けとなっている様子が映
されていた。
﹁どうせみんな仕事に集中できないか
ら﹂とのことであった。世界的に経済最優先と言わ
れる今日にあって、それを超えて観戦応援するとい
うような人々の存在が、その国のスポーツのレベル
を裏付けているように思われる。
宗祖七五〇回忌が来年に迫り、五木寛之氏の﹃親
鸞﹄もそれなりに売れ、メディアでも﹁親鸞﹂の文
字が露出しているにもかかわらず、いまひとつ盛り
上がりに欠けるとも言われる。スポーツにおけるサ
ポーターのような存在が、現代の真宗においてはど
うであろうか。かつては、真宗門徒の家に生まれた
子は、年寄りのまわりにいるだけで正信偈を自然と
おぼえた。嫁は農繁期であっても報恩講の日だけは
作業を許され、寺に参った。いずれも現代ではほと
んど失われてしまった真宗の土壌であろう。
今後真宗は暮らしのどこに根を下ろしていくの
か。これまでの講習や講演会に加え、声明、衣体、
立花など、
﹁いまさら習わない﹂ようなことを教区
の活動に含める中で、変わらぬ土壌があれば再確認
し、各個人の着想から新しい土壌を見出すことにつ
なげていきたい。
真宗佛光寺派新潟教区ホームページアドレス