河川整備計画における目標の設定(治水) 河川整備計画における目標の設定(治水) 1 治水上の安全性の現状と課題 【治水の現状】 • 平成10年や平成16年の比較的最近において洪水 被害が発生している。 • 千種川の大持井堰下流は、改修区間に入ってい るが、事業未着手区間等、一部流下能力が低い 箇所が残っている。 • 千種川の大持井堰上流では、現在改修が行われ ておらず、佐用川合流点付近までは、流下能力 が全体的に低い。同様に、佐用川、志文川にお いても流下能力が低い状況である。 • 支川長谷川、矢野川、鞍居川等の合流点では、 千種川の背水の影響を受ける。 2 整備対象河川の選定 ◆平成16年台風21号による家屋の浸水被害状況 河川名 千種川 長谷川 矢野川 鞍居川 佐用川 志文川 浸水戸数 床上451 床下443 千種川に含む 床上 96 床下 21 床上 0 床下112 床上250 床下326 床上 4 床下 16 要 因 河積不足による越水 本川背水による越水 本川背水による越水 河積不足による越水 河積不足による越水 河積不足による越水 注:鞍居川の浸水家屋数は千種川合流点左岸部を含まない。 整備対象河川:千種川,鞍居川,佐用川,志文川 3 河川整備計画における目標設定(治水) 【整備計画の目標流量】 • 過去(戦後)最大の実績洪水流量 千種川では、木津 3,400m3/s(平成16年台風21号) 上郡 2,100m3/s(昭和51年台風17号) (平成16年台風21号) • 現行の改修計画流量 千種川では、木津 2,800m3/s(<実績最大3,400m3/s) 上郡 2,300m3/s(>実績最大2,100m3/s) 4 河川整備計画における目標設定(治水) 過去最大実績流量(3,400m3/s)を目標流量とすると、 千種川下流部で再度改修を行う必要があり、 千種川水系上流域への改修が遅れることが懸念される。 そこで、 現行改修計画(2,800m3/s)を目標に改修後、過去最大 実績流量が流れた場合、計画高水位(H.W.L.)を越え ない、または、越えても局所的で余裕高の中で収ま る(おおむね安全)かどうかをチェックし、 YES NO 現行改修計画レベルを 河川整備の目標とする。 実績最大流量レベルを 河川整備の目標とする。 5 河川整備計画における目標設定(治水) 【おおむね安全に流下できる場合のイメージ】 現行改修計画規模に改修後、過去 最大流量による水位が、余裕高 (計画高水位(H.W.L)に1∼1.2m 加えた高さ)以下となる場合 余裕高1∼1.2m H.W.L. 過去最大流量による水位 現況河道 現行改修計画河道 6 千種川における目標の設定(治水) 現行改修計画を行うことによって過去最大流量に対 しておおむね安全に流下させることができるか? 計画堤防高 HWL 計算水位 現行改修計画実施後 計画河床高 40 現行改修計画実施後にお いてH.W.L.を最大60cm上 回ることがある。矢野川 楢原井堰 鞍居川 安室川 長谷川 30 中山井堰 木津 水位(T.P.m) 大持井堰 上郡 20 汐止井堰 木津井堰 加里屋川 現行改修計画実施後において 過去最大流量と同規模のH16.9 洪水をおおむね安全に流下さ せることができる。 10 0 1/1,150 -10 -2,000 0 2,000 4,000 河床勾配 6,000 1/1,000 8,000 10,000 12,000 累加距離(m) 1/640 14,000 1/430 16,000 18,000 20,000 22,000 7 河川整備計画の整備目標の設定(治水) 【河川整備計画の整備目標】 • 現行の改修計画規模を踏襲した整備を行います。 【河川整備計画の整備目標流量】 加里屋川 播 磨 灘 長谷川 ●木津 2,800 安室川 佐用川 ○上郡 2,800 2,300 矢野川 鞍居川 ○久崎 1,000 志文川 図中の値の単位:m3/s 8 河川整備計画の整備目標の設定(治水) これまでは、千種川の整備目標を設定しました が、千種川水系の各支川についても整備対象河 川を選定し、選定された支川については、近年 の出水に対して安全に流下させることができる かどうかを確認する必要があります。 整備対象河川の選定 目標流量は、原則として現行改修計画規模 相当の流量とし、実績流量がこれを大きく 上回る場合はその実績流量を採用します。 9 鞍居川における目標の設定(治水) 【近年の出水について】 ・近年の出水で現行の改修計画流量を超過する出水は、 平成16年9月洪水です。 金出地ダム 千種川 180 420 350 30 120 40 30 120 120 図中の値の単位:m3/s 上段:現行改修計画整備目標流量(ダムなし) 中段:H16.9.29洪水推定流量(ダムなし) 下段:H16.9.29洪水推定流量(ダムあり) 10 鞍居川における目標の設定(治水) 現行改修計画を行うことによって過去最大流量に対 しておおむね安全に流下させることができるか? 65 大富川 計画堤防高 計画河床高 左岸現況堤防高 右岸現況堤防高 計算水位 60 人道橋 今川橋 祗園橋 55 水位(T.P.m) 柳川橋 50 気部谷橋 45 天神橋 建武橋 越水区間 40 35 現行改修計画実施後にお いて堤防高を約80cm上回 る箇所がある。 30 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 累加距離(m) 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 11 河川整備の実施内容(鞍居川) 【河川整備計画の整備目標】 • 平成16年9月洪水を安全に流下させる整備を行います。 【河川整備計画の整備目標流量】 図中の値の単位:m3/s 金出地ダム (建設予定) 千種川 350 40 120 鞍居川 12 佐用川における目標の設定(治水) 【近年の出水について】 ・近年の出水で現行の改修計画流量を超過する出水は、 平成16年9月洪水です。 江川川 大日山川 佐用川 千種川 890 920 560 560 330 370 180 170 庵川 図中の値の単位:m3/s 上段:現行改修計画整備目標流量 下段:H16.9.29洪水推定流量 13 佐用川における目標の設定(治水) 現行改修計画を行うことによって過去最大流量に対 しておおむね安全に流下させることができるか? 計画堤防高 HWL 計画河床高 左岸現況堤防高 右岸現況堤防高 計算水位 145 135 庵川 長谷川 125 江川川 水位(T.P.m) 115 JR姫新線鉄橋 105 大日山川 95 現行改修計画実施後において 過去最大流量と同規模のH16.9 洪水をおおむね安全に流下さ せることができる。 85 75 65 1/310 河床勾配 1/220 1/210 1/160 55 0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 累加距離(m) 12,000 14,000 16,000 18,000 14 河川整備の実施内容(佐用川) 【河川整備計画の整備目標】 • 現行の改修計画規模を踏襲した整備を行います。 【河川整備計画の整備目標流量】 江川川 大日山川 図中の値の単位:m3/s 佐用川 千種川 890 560 330 180 庵川 15 志文川における目標の設定(治水) 【近年の出水について】 ・近年の出水で現行の改修計画流量を超過する出水は、 平成16年9月洪水です。 図中の値の単位:m3/s 志文川 千種川 430 530 170 200 角亀川 図中の値の単位:m3/s 上段:現行改修計画整備目標流量 下段:H16.9.29洪水推定流量 16 志文川における目標の設定(治水) 現行改修計画を行うことによって過去最大流量に対 しておおむね安全に流下させることができるか? 110 水位(T.P.m) 弥谷橋 計画堤防高 HWL 計画河床高 左岸現況堤防高 右岸現況堤防高 計算水位 久保大橋 長田橋 100 現行改修計画実施後において 過去最大流量と同規模のH16.9 洪水をおおむね安全に流下さ せることができる。 90 1/250 河床勾配 80 0 1,000 2,000 3,000 累加距離(m) 4,000 5,000 6,000 17 河川整備の実施内容(志文川) 【河川整備計画の整備目標】 • 現行の改修計画規模を踏襲した整備を行います。 【河川整備計画の整備目標流量】 図中の値の単位:m3/s 志文川 千種川 430 170 角亀川 18 河川整備計画における整備区間の設定(治水) 河川整備計画における整備区間の設定(治水) 19 河川整備の実施区間 佐 用川 千 種 川 <佐用川整備区間> 千種川合流点∼大田井井堰 <志文川整備区間> 千種川合流点∼乃井野地先 志文川 川 千種 金出地ダム 鞍 長 谷 川 居 川 矢野川 <鞍居川整備区間> 金出地ダム <鞍居川整備区間> 2.1k∼2.5k <千種川整備区間> 河口∼志文川合流点 凡 例 ※長谷川,矢野川,鞍居川の 千種川合流部については千 種川の整備に含めます。 H16.9洪水による浸水区域 流下能力不足区間 20 河川整備計画における整備実施内容(治水) 河川整備計画における整備実施内容(治水) 21 河川整備の実施方針 • 整備目標流量に対して流下能力が不足してい る区間において河川整備を行い、整備目標流 量を安全に流下させることを原則とします。 • 河川整備は長期間にわたるため、人家連坦地 区を優先的に整備を行い、人命や家屋等の資 産に対する安全度を早急に高めます。 • 沿川の農地等において、従前から遊水地機能 を有している土地については、下流への負担 を軽減させるため、極力遊水地機能を維持す るように努めます。 22 河川整備の実施イメージ 有年楢原地区 人家連坦地区があり、 優先的に河川整備を 行う予定です。 矢野川合流点地区 遊水機能の維持に努 めます。 凡 例 河床掘削 築 堤 23 河川整備の実施イメージ 赤松・大枝新地区 遊水機能の維持に努 めます。 遊水機能の維持に努 めます。 上郡市街地区 人家連坦地区があり、 優先的に河川整備を 行う予定です。 凡 例 河床掘削 河道拡幅 築 堤 24 河川整備の実施イメージ 佐用市街地区 人家連坦地区があり、 優先的に河川整備を 行う予定です。 佐用市街内の 3井堰の改築 凡 例 河床掘削 築 堤 特 殊 堤 25 河川整備の実施イメージ 【遊水地機能の維持に努める区域の候補地】 佐用川 志文川 金出地ダム 鞍居川 千種川 矢野川 長谷川 凡例 遊水地機能の維持に 努める区域の候補地 26
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