奮闘地方議員福井県敦賀市議会議員奮闘地方議員前川和治市予算に組み替え動議提出常に｢仕分け人｣として審議私は議員になる前は、普通の会社員でした。会社員時代に、上げてきました。真相を確かめるべく、当時、回ほどの割合で、個人で企画・広報をし、議員にアポイントを敦賀市の港にある金ヶ崎緑地公ニューズレターを発行していたとり、多くの市民の方と一緒に園を散歩していたら、赤色の棒ある市議会議員の方に詳細を聞議員との懇談を重ねました。の形をしたオブジェがありましき、「なぜ、無駄なものに税金しかし、あのオブジェに関した。「なんだ、これは？」と思い、を使うんだ」「なぜ議員は止めては、明確な答えはなかなかその場を後にしましたが、後日、なかったのだ」と食ってかかり返ってきませんでした。意見交金ヶ崎緑地公園に行き、周りをました。換をした議員からは、「個人的よくよく見てみると、使われて住民から意思決定権の付託をには反対だったが、１つの事業いない建物もたくさんあり、相受けている議員も腹を立ててい予算に反対すると、全ての事業変わらず、赤色の変な棒（オブるのだろうか。また、議員はど予算に反対することになるので、ジェ）もありました。んなことを考え、賛成や反対を反対できなかった」「反対したしているのだろうか。もっといが、賛成人数が多くてダメだっろいろな議員に、意見を聞こう、た」といった話がありました。議員に公園のオブジェ質問このオブジェは、2005年一言もの申そうと考え、敦賀市じゃあいったい、誰が止めらの愛知万博（愛・地球博）で展の数名の議員に、恐る恐るアポれるのかと考えたときに、自分示されていたものを敦賀市が約イントをとり、ファミリーレスはなぜ、他人任せなのだろうか 1800万円で購入したもので、トランでお会いしました。と思いました。自分が払ってい議員は敷居が高いと思っている税金の使い道は、自分で決めましたが、実際に会ってみるてもいいじゃないか。できないこのオブジェを誰のお金で建と、気さくに話せるし、こちら人に任せておくよりも、自分自てたのかと考えてみると、「みから連絡をとれば、誰でも議員身でやった方がいいじゃないんなの税金で？自分の税金に会って話せるのだということか！と思い始めたのです。で？」ということが頭によぎり、がわかりました。観光客を呼び込む目玉にしようと購入したそうです。「議員はいったい何をしているそこで、私１人の意見よりも、地盤・看板なしでトップ当選んだ」と思うと同時に、「ふざより多くの市民の意見を議員に地盤も看板もお金もなく、どけるな！」という気持ちがこみぶつけ、話し合ってみようと思こにでもいる感じの29歳の会い、「市議会議員と話そう！」社員だった私は、2007年の敦と題して意見交換会を始めまし賀市議会議員選挙に立候補を決た。当時、会社の仕事がとても意し、「もったいない！をなく忙しく、時間的余裕があまりあす」というマニフェストを掲げ、りませんでしたが、３カ月に１トップ当選を果たしました。まえがわ・かずはる 1977年敦賀市生まれ。98年京都建築大学校・建築科卒、中央興産入社。その後、滋賀県長浜市のソフトクリーム店経営や敦賀市の旅行代理店勤務を経て、2007年敦賀市議会議員に初当選。 50 日経グローカル No.161 2010. 12.6 禁複製・無断転載奮闘地方議員実際に議員となって、様々な「もったいないもの」をなくし組み替え動議、すべて否決てきました。例えば、市では毎組み換え動議を出した事業と年、シャープペンシルを約30 しては、例えば、中心市街地定万円もかけて大量に作り、会議住促進事業があります。これは、などがある場合に配っていまし中心市街地に住んだ人が住宅のたが、「今の時代はマイ箸を持っ新築補助・賃貸住宅の家賃補助てくる時代、会議の時にペン・を受けられるという事業です。筆箱を持ってくるのは常識だ。市は空洞化した中心市街地になシャーペンはいらん」と言い続んとか人口を増やそう、呼び戻せん。国の予算では、事業仕分け、シャーペンは廃止となりまそうとして、この事業を実施しけが注目を集めましたが、事業した。廃止するまで２年かかりようとしていました。の仕分けは議員でも十分にできました。金ヶ崎緑地公園内にあるオブジェこれに対し、私は絶対に反対るはずです。本来の議員の役割でした。中心市街地に住む人だをしっかり果たせば、特別な仕は何度も出しています。この組けに補助金をバラまくことは公分け作業もいらないはずと私はみ替え動議という手法は、予算平性に欠け、市民の理解は得ら考えます。全般には賛成だけど、この事業れないと考えたからです。中心私は、常に仕分け人になっただけはダメだから、もう１度考市街地活性化に正面から取り組つもりで、すべての予算審議にえて予算を出し直しなさいと、まず、安易な補助事業でお茶を臨んでいます。今年度の当初予議員が提案するものです。濁すのは許されません。算でも、どうしても納得できなまた、予算の「組み替え動議」予算はたくさんの事業の集合しかし、組み換え動議は賛成い事業予算については、組み替体です。市長が提案した各事業少数で否決されました。これまえ動議を提案しました。結果とについて議員が本当に市民のたでに６回、組み替え動議を提出して否決されましたが、今後もめになるのかどうかを議論し、しましたが、可決されたことは流されず、妥協せず、納得のい意思決定をしていきます。最終ありません。まだまだ地方の議かないことに対してはしっかりの意思決定の際、どうしても２会では市長の提出した予算に反と主張し、ムダな事業は徹底的つ、３つ、反対すべき事業があ対してはいけないという雰囲気になくしていく覚悟です。ります。その事業を取りやめたが残っています。現に敦賀市議り、減額したり、事業の財源を会では市長提案の議案の否決はなかなか思うように事は運びま他の事業に回したりと提案する過去すべての議会で１回しかあせん。それでも、赤色のオブのが組み替え動議です。りません。ジェを見て思った気持ちを忘れ組み替え動議が可決されても議会は多数決の世界なので、これで議会は機能しているのずに、「ダメなことはダメ！」市長は法的に従う決まりはありか、と私は疑問に思いますし、と必死に言い続けています。市ませんが、事実上、市長には予全国的にも機能している議会は民の皆様からの「なんだ、これ算案を再検討することが求めらまだまだ少ないと思います。は？」「税金で？」という声をれます。予算案を撤回するか、または補正予算や次年度の予算で実現させるかを議会と市長の間で話し合うことになります。ムダな事業をなくす覚悟納得できない予算、事業は、「納得できん」と、議員からしっかり意思表示しなければなりま禁複製・無断転載私たち議員が仕事として受け止め、市に対して主張していくことが、敦賀市をよくし、みんなが喜んで住める街にしていくことにつながるのです。日経グローカル No.161 2010. 12.6 51