平成18年11月27日 - 横浜市

平成18年度第19回横浜市環境影響評価審査会会議録
日時
開催場所
欠席委員
平成18年11月27日(月) 10:00 ~ 12:20
横浜市役所本庁舎5階特別会議室
1 (仮称)上郷開発事業に係る環境影響評価準備書について
2 南本牧ふ頭第5ブロック廃棄物最終処分場埋立事業(仮称)に係る環
境影響評価書について
猪狩会長 猿田副会長 赤羽委員 小沢委員 谷委員 田丸委員
田村委員 土井委員 野知委員 広谷委員 横山委員
工藤委員 藤原委員 葉山専門委員 柳澤専門委員
開催形態
公開
議題
出席委員
議事
1 平成18年度第18回横浜市環境影響評価審査会の会議録確認
平成18年度第18回審査会の会議録を承認した。
2 (仮称)上郷開発事業に係る環境影響評価準備書の諮問について
横浜市環境影響評価審査会は、(仮称)上郷開発事業に係る環境影響評価準備書の
調査審議について、横浜市長から諮問を受けた。
3 議題
(1)
(仮称)上郷開発事業に係る環境影響評価準備書について
ア 手続について事務局が説明した。
イ 準備書について事業者が説明した。
ウ 準備書に係る質疑応答について
【委 員】
事業者が提案する地区計画が準備書の15、16ページにあります。地区計
画については都市計画審議会で議論すべきことですが、環境影響評価の観
点で3点指摘したいと思います。
近隣商業地域の指定容積率が「10分の30」となっていますが、17ページ
で指定容積率200%を地区計画で150%にするとなっていますので、事業者
提案としては「10分の20」を選択したのではないですか。
近隣商業地域では指定容積率は200%、300%、400%のうち都市計画で一
つを選ぶことになっており、一番厳しいのは「10分の20」ですので、準備
書は間違いですね。
【事業者】
指定は「10分の20」です。
【委 員】
高度地区ですが、横浜市の場合には、近隣商業地域で指定容積率「10分
の20」、指定建ぺい率「10分の8」の場合、第5種を指定することになって
いると思います。準備書では第6種となっていますが、これは間違いで、
20m(第5種)でよいですね。
【事業者】
そうです。
【委
員】
A-1、A-2地区は両方とも第5種の高度地区指定になりますので、建
築物の高さの最高限度はA-1もA-2と同様に2項目を記載して、同じ内
容にした方が良いと思います。
事業者の提案では、地区計画の容積率が指定容積率より厳しい「10分の
15」になっています。建ぺい率も「10分の6」と厳しい選択をすることに
より、環境への負荷を低減していると理解できると思います。
建築物の用途の制限の項で、第二種住居地域のC-2地区及び第一種低層
住居専用地域の欄の第2号に、「建築物の延べ面積の2分の1以下」とあり
ますが、法定上は「未満」ですので直してください。
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第一種住居地域では建築物の高さは31mを提案しており、制限を11m突
破しています。これについては景観の問題から、近接する上郷高校の教育
環境に対して著しく威圧感とか見下ろしなどによる阻害がないように、上
郷高校からのフォトモンタージュなどをして、景観の検証をした方がよい
と思います。
【会 長】
都市計画提案の段階で、より環境に配慮をした内容としているので、そ
れがわかるような記述にしてください。
【委 員】
交通の関係では、計画地と都市計画道路との接続については、工夫して
直接影響が及ばないようにしてあります。難しいのは環状4号線と舞岡上
郷線の3差路です。
準備書の526ページに、№1の交差点について、重要な課題と受け止め関
係各所と協議したいとありますが、そのとおりだと思います。
資料編の317ページの、交通需要の推定に使った交通流の設定は、概ね適
切に設定されていると思います。確認したいのは、有効青時間の第1現示
で環状4号線の交通を処理して、第2現示で舞岡上郷線からの左折と、環
状4号線からの右折を同時に処理するとなっていますが、現況がこうなっ
ているのですか。
【事業者】
この信号は感応式になっています。
【委 員】
舞岡上郷線からの左折が第2現示と第3現示で処理されていて、環状4
号線からの右折が第2現示で処理されていますが、有効青時間はどのよう
に計算しているのですか。
【事業者】
確認して報告します。
【委 員】
片側2車線の舞岡上郷線と片側1車線の環状4号線とを直接接続するこ
とに無理があります。例えば、環状4号線方向からみると、信号制御され
ている時間は、交差点部分だけ車線が絞られているのと同じ状態ですの
で、その部分を拡幅するだけでも処理能力が相当違ってきます。№1の3
差路の近傍を拡幅して右折車線を2車線に拡幅する。或いは、左折専用車
線を設けるだけでも相当改善されると思います。環状4号線側の青時間が
短くてすむことにより、舞岡上郷線に余計に青時間が割り振れるので非常
に楽になります。これは道路管理者の問題ですが、協議の段階で都市計画
道路の接続自体に無理があるということを主張してもらいたい。
これに関連して、関連車両からの排出ガスの量の予測の際に、関連車両
だけでなく、現状で走行している車両の走行状況も相当悪くなって排出量
が増えるはずです。その点は、どのように推計しているのですか。
【事業者】
この地点ではありませんが、調査資料に基づいて現況の速度の排出係数
を採用しています。
【委 員】
速度はさらに低くなる可能性があると思います。
環状4号線側に右折専用車線がありますね。
【事業者】
環状4号線側には長い右折車線があります。
【委 員】
【会
それでもオーバーフローしてしまうと思います。オーバーフローすると
直進も阻害されて処理能力が落ちますから、速度がもっと下がり、渋滞が
影響する時間帯が長くなります。走行速度が下がって、かつ下がった時間
帯が現状より長くなりますので、関係する車両だけでなく通過する車両も
含めて影響を受け、排出ガス量に相当影響を及ぼします。その点を評価す
べきだと思います。
長】
委員から、交通混雑について、調査結果を踏まえた解消についての提案
2
と、この交差点における大気汚染に関する懸念が指摘されました。事業者
は、その点について関係機関との協議の中で十分に対応してください。
【委 員】
安全について確認します。準備書の561ページで斜面の安全率を計算して
いるのですが、水平地震力が入っていません。資料編の336ページでも、地
震を考慮しての安全率なのか、考慮しない安全率なのか、整合がとれてい
ないようですが、どうなっているのですか。
【事業者】
地震を考慮した計算式だと思いますが、確認します。
【委
員】
本編の562ページに、地盤物性値が地質調査結果に基づいて設定されてい
ます。大事なのはCuとφuなのですが、これは経験値ですか。
【事業者】
地質調査の結果、N値からの換算値を使っています。
【委 員】
実際の施工に入る前には詳しいデータがでると思いますので、より正確
な値を用いた解析がよいと思います。
地質構造が単純な単斜構造にすぎないとはっきりわかりましたが、南側
斜面は流れ盤の可能性があるので、最終的には地質構造を考慮した解析を
してもよいと思います。
【事業者】
再度確認したうえで説明します。
【委
員】
景観の件ですが、準備書3ページの修正箇所の記載が間違っていて、524
ページではなく527ページです。
現況とシミュレーションしたものを見比べたいと思うのですが、ページ
が別々になっています。現況とシミュレーションを同じページに記載し
て、わかりやすくしてください。
景観法や都市緑地法について書いてありますが、供用時には、これらを
どのように運用していくかが問題です。特に商業ビルの屋上広告塔などが
今後は景観の中で大きな位置を占めます。現在の景観法では市民が提案す
ることなどもできます。今の予測では広告物の色などは見えませんが、供
用後は広告物が出てくると思います。都市計画の制度の中で景観をどのよ
うに守っていくのかを書いてもらうと安心できると思います。
【会 長】
今の点は評価書段階までに整理してもらってもよいです。景観に関し
て、現在と供用時の対比ができるような記載をすることと、将来的な景観
の維持のために配慮することです。
【委 員】
計画地の周辺にごみ焼却工場がありましたね。
【会
長】
現在は廃止になっています。
(2)
南本牧ふ頭第5ブロック廃棄物最終処分場埋立事業(仮称)に係る環境影響評
価書について
ア 意見書の概要と事業者見解について、事業者が説明した。
イ 質疑応答
【委 員】
廃棄物の比重に関する意見については、どのように考えていますか。
【事業者】
処分場の容積等を考えるときには、統一的な算定の根拠のものを考えな
くてはいけないので、第2ブロックでの受入実績などを参考に比重は1と
して算定しています。個々の廃棄物の比重はそれぞれ異なります。
【委 員】
全体の平均の比重が1としたら、それより重いものも軽いものもあるの
に、軽いものがなぜ浮いていないのかという質問ではないですか。
【事業者】
陸上では比重が1でも、水中に投入すると沈むものもあり得ます。
【委 員】
簡単な話で、単位体積重量と固体比重と意味が全く異なります。固体比
重が1を超えているものは沈みますが、空隙があって単位体積重量が1以
下となるものもあるということです。
3
【委 員】
比重という言葉を使うから混乱するのであって、一般の方に説明する際
には定義をきちんとした方がよいと思います。
【事業者】 ご指摘のとおり、単位体積重量のことを言っているのですが、これを「見
かけ比重」という言い方をすることもあるので、この意見書の「比重」を
見かけ比重と理解して見解を記載したものです。
【委 員】
例えば、空隙のない細かいプラスチック片など、比重が1未満のものに
ついてはどうですか。
【事業者】
南本牧の処分場では、原則として水に浮くものは受け入れないこととし
ています。
【委 員】
下水汚泥焼却灰に関する意見への見解は、平成16年度以降に受け入れて
いるのは下水汚泥焼却灰ではなくて廃ケイ砂である、というように記載し
た方がわかりやすいと思います。これらは混同しやすいものなのですか。
【事業者】
廃ケイ砂は、汚泥焼却炉の流動床の廃材で、資源化されている下水汚泥
焼却灰とは別のものです。
【委 員】
意見書を提出した方が混同しているようなので、違うものであることを
はっきり答えた方がいいと思います。
【委 員】
余水排水処理の次亜塩素酸ナトリウムによる消毒ですが、次亜塩素酸と
次亜塩素酸イオンの存在比によって消毒効果が異なります。これにはpHが
影響しますが、8程度の海水のpHは処理によりどこまで下がりますか。
【事業者】
現状、生物槽を出た排水中の大腸菌群数が一桁程度なので、さほど次亜
塩素酸ナトリウムは入れません。pHは7.1程度です。
【委 員】
pH7.1だとぎりぎりですね。将来、次亜塩素酸ナトリウムが消毒の主流
であるかわかりませんが、大腸菌以外の菌について把握していますか。
【事業者】
他の菌については把握していません。
【委 員】
評価書33,34ページの余水の排水処理フローについて、生物処理設備の第
1脱窒槽と第2脱窒槽にブロワからの点線が入っていますが、むしろORP
を下げるのが大変なのに、少しでも空気を入れるのは不必要な工程だと思
います。
【事業者】
ブロワの線が入っている理由は確認しますが、基本的に脱窒処理は嫌気
状態で行います。
【委 員】
この点線はまぎらわしいです。知らない人が見た場合、脱窒槽には空気
を入れるものと誤解しかねません。撹拌だけで十分だと思います。空気量
が少ないなどの細かい説明があれば別ですが、線が引いてあるだけだと勘
違いされます。硝化槽から脱窒槽への循環量はどのくらいですか。
【事業者】
現在の第2ブロックでは、生物処理槽での循環は行っていません。
【委 員】
循環しないと脱窒処理はできません。
【事業者】
第2ブロックの排水処理については、整理して後日ご説明します。な
お、第2ブロックの排水の窒素含有量は、平成16年度の平均で、流入水が
16mg/l、放流水が11 mg/lでした。
【委 員】
処理効率としては低いですね。
ウ 検討事項一覧について、事務局が説明した。
エ 審議
【会 長】
事務局から提示されている検討事項一覧では、供用時の水質汚濁の項目
に余水の排水処理について挙げられています。先ほどの脱窒処理の件は、
その中の個別の問題として、文章化する際に入れてもらいますか。
【事務局】
次回の事業者の説明の内容によって、個別の指摘を検討するということ
でよろしいでしょうか。
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【会 長】
資 料 ・
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・
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その上で指摘します。次回、事務局は答申案の準備をしてください。
(仮称)上郷開発事業環境影響評価準備書
(仮称)上郷開発事業環境影響評価準備書周知計画書(写し)
南本牧ふ頭第5ブロック廃棄物最終処分場埋立事業(仮称)環境影響評価書
南本牧ふ頭第5ブロック廃棄物最終処分場埋立事業(仮称)環境影響評価書
に対する意見書の概要と事業者見解
・ 南本牧ふ頭第5ブロック廃棄物最終処分場埋立事業(仮称)環境影響評価書
に関する検討事項一覧
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