新着資料紹介 - 亘理町

第115号 平成26年(2014年) 2・3月
わたりちょうりつきょうどしりょうかん
亘理町立郷土資料館
〒 989-2351 亘 理 郡 亘 理 町 字 西 郷 1 4 0
Tel 0223-34-8701 Fax 0223-34-8709
E-mail [email protected]
新着資料紹介
ひな
にん
ぎょう
雛 人 形
寄贈日:平成24年1月19日
寄贈者:小 村 恵 子 氏
しょうわ
こうにゅう
こ きん びな
昭和20年代後半から30年代前半に購 入 された古今雛です。
え
ど
めい わ
ごろ
げん とうきょうと
とん や
古今雛は、江戸時代の明和(1764∼72)頃、江戸(現東京都)の雛人形問屋が人形
し はらしゅうげつ
じょせい
師 原 舟 月 に頭を作らせて売り出したもので、女性に好まれるようにとこの名前が付
おも なが
ひょうじょう
いしょう
し
ほどこ
けられました。顔は面長で写実的な 表 情 をし、衣装は金糸や色糸で刺しゅうが 施
はな
すいしょう
とくちょう
げん ざい
されて華やかで、目にはガラスや水 晶 がはめ込まれるなどの特 徴 があり、現在の雛
人形の原形となっています。
すこ
雛人形は、女の子の健やかな成長と幸せを願って各家庭で3月3日のひなまつり
かざ
こ むら
きゅうせい わた なべ
に合わせて飾られます。これは小村さん(旧 姓 渡部)とその妹さんのために飾られ、
はれ ぎ
せ っく
姉妹は晴着を着てひなまつりの節供を祝い、近所の人たちは人形を見るために渡部
おとず
家を 訪 れました。
じょうせつ て ん じ し つ
この資料は、常設展示室に3月1日(土)から4月24日(木)まで展示します。
らん
ぜひご覧ください。
次号の「郷土しりょうかん」は、4月に発行する予定です。
かくこうきょう し せつ
まどぐち
お
郷土資料館、図書館、各 公 共 施設の窓口に置きますのでご覧ください。
開館20年記念
その2
わた り
じゅうよう
だ
て
け
2回目の今回は、亘理の歴史を考えるうえでたいへん重 要 である「亘理伊達家」のコーナーから展示
しり ょう
しょうかい
資料を紹 介 します。
刀
ふり
せん だい はん しゅ
おく
亘理伊達家コーナーには、長い刀と短い刀が展示されています。2振とも仙台藩主から亘理伊達家に贈ら
きち ょう
れたもので、亘理伊達家の宝として伝えられてきた貴重なものです。
つな むね
長い刀は、三代仙台藩主伊達綱宗が製作したものと伝えら
なつ ひめ
りょうしゅ
れています。伊達綱宗の娘である夏姫が、四代亘理領 主 伊達
もと むね
とつ
基宗に嫁いでおり、亘理伊達家とは関係が深いものでした。
かね もと
めい
むろ まち
短い刀は、手元に「兼元」の銘が刻まれていて、室町時代の
せきの まご ろく
つうしょう
よ
名工である二代兼元(通 称 「 関 孫六」と呼ばれる)が製作したものです。十代仙台藩主伊達
なりむね
かいひめ
とく がわ はる とみ
きし ゅう
斉宗 の妻である 鍇 姫 (十代紀州藩主徳川治寶の娘)の守り刀だったと伝えられています。
しょ うわ
これらの刀は、昭和32年(1957)に亘理伊達家のご子孫から亘理町と伊達市(当時は伊達
あかし
き ぞう
町)の友好の 証 として亘理町に寄贈されたもので、町の宝として大切にされてきました。
じょうせつ
いし かわ け
ひなにんぎょう
こん れい
ちょ うど
2月4日(火)から3月2日(日)まで、常 設 展示室に石川家伝来の亘理伊達家の雛人形 を婚礼道具の調度
ひん
品とともに展示します。
くに しげ
ゆう こ
よめ
この雛人形は、亘理伊達家十四代領主伊達邦成の三女佑子氏が嫁入り
こ きん びな
へい せい
道具として嫁ぎ先の石川家に持参された古今雛です。平成14年(2002)
きょ うど
つ
に郷土資料館に寄贈されるまで石川家で大切に受け継がれてきました。
かんらんりょう
雛人形をとおして亘理の歴史を感じてください。見学には常設展示観覧料
いっ ぱん
のが
(一般200円)が必要となりますが、年に一度のこの機会をお見逃しなく!
ねんじゅうぎょうじ
亘理伊達家雛人形の公開を記念して、年中行事
常設展示室で公開中の亘理伊達家の雛人形
をより多くの方がたにご覧いただくため、最
終日の3月2日(日)にひなまつりを記念して無
みやび
料で公開します。ぜひ 雅 なおひなさまに会い
にきてください!
無料観覧日
3月2日(日)
時
9:00∼16:30
(入館は16:00まで)
場
間
所
郷土資料館常設展示室
こう ざ
かい さい
講座「おひなさまを作ろう」を開催します。ひなま
つりについてちょっとだけ学んで、ちりめんでめん
かべ か
こい壁掛けのおひなさまを作ってみませんか!講座
に参加された方は、無料で亘理伊達家の雛人形をご
覧いただけます。
日
時
2月15日(土) 10:00∼12:00
場
所
郷土資料館学習室
対 象
一般30人(先着順)
材料費
500円
きょ うど
き
そ ち し き
かい さい
郷土の歴史と文化を学ぶための基礎知識を伝えるために開催してきた「ものしり大学院」も、今年で10
むか
ひが し にほ ん だい し んさ い
た
く
回目を迎えます!今年度は東日本大震災から3年が経つにあたり、改めて自然災害と人びとの暮らしを考え
か
こ
つ
じゅうようせい
ち
る機会とし、「自然災害」をテーマに過去の自然災害とその災害を語り継ぐことの重要性 や自然災害と地
いき
域文化について学びます。
えん だい
つ なみ
演題「過去の津波災害」
第
1
回
と うほ く
こう し
こう そう
きょうじゅ
ま つも と ひ であ き
講師:東北学院大学地域構想学科 教 授
3月8日(土)
いわ ぬま し
わた り
松本秀明
やまもとちょう
氏
こん せき
岩沼市、亘理・山元町 で発見された津波痕跡を中心に過去の津波につ
いて学び、津波痕跡から分かることと、その研究の重要性を知る。
し りょ う ほ ぜん
演題「災害と資料保全」
第
2
回
こく さい
3月15日(土)
じゅん
講師:東北大学災害科学国際研究所 准 教授
さ とう だい すけ
佐藤大介
氏
もど
災害時に、人命と同じく一度失うと取り戻すことのできない古文書や
い
ぎ
民具などの歴史・文化資料をレスキューする意義について学ぶ。
演題「亘理と自然災害」
第
3
回
3月22日(土)
講師:亘理町立郷土資料館 学芸員
かん の たつ お
菅野達雄
とくちょう
亘理の自然災害について、その歴史と特 徴 、亘理の人びとがいかにし
こくふく
こん なん
て困難を克服してきたのかを学び、今後の自然災害について考える。
〔全3回共通〕時
会
間:13:30∼15:30
もうしこ
ゆう り かん
場:郷土資料館 学習室(悠里館1階)
ざ せき
かぎ
事前申込みは不要ですが座席に限りがあり
こ
ます。お早めに会場にお越しください。
受講料:無料
ぶん か ざい ぼう か
しょ うわ
1月26日(日)は第60回文化財防火デーでした。文化財防火デーは、昭和24年
げん ぞん
もく ぞう
ほう り ゅう じ
な
ら
いか るが
こん どう
(1949)1月26日に、現存する世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂
えんじょう
もと
が炎 上 したことに基づき、文化財を火災や震災その他の災害から守るとともに、全国的に
てん かい
あい ご
こう よう
はか
文化財防火運動を展開し、国民の文化財愛護に関する意識の高揚を図るために、昭和30
せい てい
ぶん か ちょ う
年(1955) に制定されました。以来、毎年1月26日を中心に、文化庁をはじめ各教育委
しょうぼうしょ
れん けい
員会、消防署 、文化財所有者、地域住民等が連携・協力して、全国で文化財防火運動を展
開しています。
あざあさひやま
しょうみょうじ
さ さつ
亘理町でも、1月24日(金)に字旭山 にある称名寺 で防火査察と防火訓練が行われました。称名寺は、
かん げん がん ねん
こうみょういん
かま くら
かい けい
乾元元年(1302)に光明院 として開山されたと伝えられており、県指定文化財で鎌倉時代の快慶風の作であ
あ
み
だ にょ らい りゅうぞう
おさ
けい だい
る「木造阿弥陀如来 立 像 」(写真)が納められ、境内には国指定天然記念物のシイノキや県指定天然記念物ス
みなみまちきた
ふ じん
ダジイがあります。地元南町北 区の婦人防火クラブをはじめ関係者51
し どう
つう ほう
名が参加し、亘理消防署員の指導を受けて火災時の通報訓練やバケツ
リレーと水消火器による初期消火訓練を行いました。参加された方が
き ちょう
たは、貴 重 な文化財を守り、後世に伝えていくためには、日ごろから
れん けい
文化財への関心と防火の意識を高め、地域で連携する大切さを感じら
れたようでした。
3月
日
2月
日
月
火
水
木
金
月
火
水
木
金
土
土
1
1
2
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
22
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
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15
16
17
18
19
20
21
22
おひな
さま無料
観覧日
建国記
念の日
16
17
18
19
20
21
23
24
25
26
27
28
春分
の日
23
24
25
26
27
28
29
館内
整理日
館内
整理日
30
31
◆開館時間 9:00∼16:30(入館は16:00まで)
◆
は休館日
◆ どこでもパスポート以外のパスポート利用日
H 25.12. 1 ∼ H 26. 1. 31
じょうせつてん
どこでもパスポート利用者
●利用日数 …… 44日
●利用者数
常設展
●資料館を開館した日……44日間
●観覧者数
こ
じん
だん
たい
個
団
合
人………272人
体……………0人
へいきん
計………272人 (1日平 均 7人)
町
内 ………61人
町
外 ………
合
計 ………65人 (利用日平均2人)
4人
3月3日はひなまつりですね。どんなものを食べてお祝いしていますか。
ひし もち
ず
し
はまぐり
す
いっ ぱ んて き
菱餅、白酒、ひなあられのほか、ちらし寿司や 蛤 のお吸い物などが一般的に食べられますが、これらが
かい がら
つい
ひなまつりに食べられるのは意味があります。たとえば、蛤のお吸い物は、蛤の貝殻が対のもの以外とは
しょうがい
そ
こ
ぴったり合わないことから、一人の人と生 涯 連れ添うようにという願いが込められています。また、ちら
え
び
ちょうじゅ
れん こん
し寿司は、お寿司そのものにひなまつりのいわれはありませんが、海老(長 寿 )、蓮根(見通しがきく)、豆
えん ぎ
にん じん
いろど
しょくたく
(健康でまめに働ける)など縁起のいい具に加え、菜の花、玉子、人参などの 彩 りが食 卓 に春を運んでくれ
るためです。いずれも、子どもの幸せを願う気持ちが込められています。
ち いき
こと
地域や家庭によってお祝いの食事は異なりますが、子どもの幸せを願って作られ、家族で
わす
つ
わ
食卓を囲んで食べたものは、忘れられない味であり、受け継がれていきます。これぞ我が家
のひなまつり料理、というものをぜひ毎年作ってお祝いしてくださいね!