回路理論Ⅱ

【授業科目】
回路理論Ⅱ
【担当教員】 馬場一隆
【対象学生】
【開講方法】
E学科 4年
1単位 BJ 型 後期
(週1回,2時間)
【目的とねらい】
2学年,3学年で学んだ電気回路及び回路理論Ⅰで学んだ知識を基礎として,過渡現象の
簡単な解析手法について学習する。コンデンサやコイルのようなリアクタンス素子と抵抗か
らなる回路は,入力が与えられた直後(つまり回路のスイッチを ON にした直後)は,回路
のふるまいが安定せず,電圧や電流に変動が生じる。このような現象を過渡現象と呼ぶ。こ
れまで電気回路や回路理論Ⅰで学んだことは,全て回路のふるまいが安定した後の状態(定
常状態と呼ぶ)に関するものであった。本科目では,回路の過渡現象を解析する手法の基礎
について学ぶとともに,その応用回路についても学習して,過渡現象の取り扱いについて理
解を深める。
【対応する本校の学習・教育目標】
(C) 電子工学あるいは情報工学の分野で,人間性豊かなエンジニアとして活躍するための知識
を獲得すること。
【教科書】 「解きながら学ぶ電気回路演習」 馬場一隆,宮城光信(昭晃堂)
【授業内容】
1.簡単な回路の過渡現象
1.1 線形微分方程式の解法の復習
1.2 RC直列回路の過渡現象
1.3 RL直列回路の過渡現象
1.4 演習
(2時間)
(2時間)
(2時間)
(2時間)
2.ラプラス変換による過渡現象の解析
2.1 ラプラス変換を用いた線形微分方程式の解法の復習
2.2 RC直列回路とRL直列回路の過渡現象
2.3 RLC直列回路の過渡現象
2.4 伝達関数
2.6 微分回路と積分回路
2.7 演習
(4時間)
(2時間)
(2時間)
(2時間)
(4時間)
(6時間)
3.期末試験の返却、まとめと演習
(2時間)
【到達目標】
1.簡単な回路の過渡現象
(1)RC 直列回路,RL 直列回路のような簡単な回路に,ステップ型の入力を与えたときの
過渡現象について,簡単な微積分の知識を基に解析できる。
2.ラプラス変換による過渡現象の解析
(1)RC 直列回路,RL 直列回路のような簡単な回路に,様々な入力を与えたときの過渡現
象について,ラプラス変換の知識を基に解析できる。
(2)回路の伝達関数を求めることができる。
(3)より複雑な回路の過渡現象を,ラプラス変換を用いて解析することができる。
(4)過渡現象の応用回路としての微分回路・積分回路の動作を理解できる。
【学習上の留意点】
2学年と3学年で学んだ「電気回路」の基本的な事項は,一通り理解している事が望まし
い。授業は,基本的に板書によるノート講義とし,教科書は講義内容の要点の整理や授業中
の演習の参考書とする目的で使用する。例題やレポートの演習問題について,解法を復習し
て理解を深めることが重要である。
【参考書など】
「電気回路 −三相,過渡現象,線路−」喜安善一,齋藤伸自(朝倉書店)
「セメスタ対応の電気回路基礎」木田拓郎,小杉幸夫(昭晃堂)
「電気回路を理解する」小澤孝夫(昭晃堂)
「電気回路(2)回路網,過渡現象編」阿部鍼一,粕谷英一,亀田俊夫,中場十三郎(コロナ社)
「電気回路応用入門」山口静夫(コロナ社)
【成績評価方法】
成績の評価は,授業時間中に行う小テストの結果(20%)
,期末試験の結果(80%)により
おこなう。