化学工学II 講義時間:水曜6限 場所 :旧化3 担当 :山村 1 期末試験 8月1日(水)6限目 (予定) 旧化3 試験範囲 中間試験以降の内容 持ち込み不可 電卓必須 2 乾燥プロセス:インクジェット印刷用紙 長さ10~100mの の巨大ライン 巨大ラインで ラインで 膜内ナノ 膜内ナノ粒子分布 ナノ粒子分布を 粒子分布を制御 http://www.fujifilm.co.jp/kassai/technology/index.html http://www.mhi-pm.com/japanese/technolosy/index.html 紙の走行方向 原紙に 原紙にナノ粒子分散液 ナノ粒子分散液を 粒子分散液を コーティング・ コーティング・乾燥 乾燥炉 Aust, Chemical Engineering Processing, 36, 469, 1997 3 絶対湿度Hの定義(1) 湿度H 水蒸気/kg-乾 乾き空気]は 湿度 [kg-水蒸気 水蒸気 空気 は次のように定義 のように定義される 定義される H≡ w wair ただしw ただし 、 wairは水蒸気と 蒸気と乾き空気の 空気の質量 理想気体を 理想気体を仮定し 仮定し成分A( 成分A(水 A(水)と乾き空気の 空気の分子量を 分子量をM、 Mairと書け ば ( P − P)VM PVM w= RT , wair = t air RT ただしPは は全圧 ただし は水の蒸気圧、 蒸気圧、Ptは これを用 これを用いれば湿度 いれば湿度Hは 湿度 は蒸気圧の 蒸気圧の関数として 関数として PM H= ( Pt − P ) M air 4 絶対湿度Hの定義(2) 一方、 一方、モル分率 モル分率の 分率の定義から 定義から y A (≡ C A / Ct ) = P / Pt だから yAM H= (1 − y A ) M air モル分率 モル分率y 分率 Aが十分に 十分に小さければより さければより簡単 より簡単に 簡単に M H ≅ yA M air 5 絶対湿度Hの定義(3) 一方、 一方、関係湿度( 関係湿度(相対湿度) 相対湿度)Φの定義から 定義から 蒸気圧 P = φ≡ 飽和蒸気圧 PS 従って絶対湿度 って絶対湿度Hと 絶対湿度 と相対湿度φ 相対湿度φの関係は 関係は次式で 次式で与えられる φ PS M H= ( Pt − φ PS ) M air 飽和蒸気圧は 飽和蒸気圧は温度の 温度の関数 絶対湿度Hも 絶対湿度 も温度Tに 温度 に依存することに 依存することに注意 することに注意 6 絶対湿度:QUIZ 1.絶対湿度Hの 絶対湿度 の高い空気はどちらか 空気はどちらか? はどちらか? a. 相対湿度Φ=30%, 温度50℃ 温度 ℃の空気 b. 相対湿度Φ=100%, 温度30℃ 温度 ℃の空気 2. .bの の絶対湿度H(g-水蒸気 水蒸気/kg-乾 乾き空気) 絶対湿度 水蒸気 空気)は およそいくらか? およそいくらか? 1. 25 g/kg 2. 250 g/kg 3. 2500 g/kg ?g 1m (体積1kg乾 乾き空気) 体積 空気) 7 絶対湿度Hの定義(4) 実際に の式から 実際に計算してみよう 計算してみよう。 してみよう。飽和蒸気圧は 飽和蒸気圧はAntoineの ln PS [ Pa ] = A − B , A = 23.1964, B = 3816.44, C = −46.13 C + T[K ] (係数A,B,Cは は化学工学便覧より 係数 化学工学便覧より) より) 30℃ ℃では 3816.44 ln PS = 23.1964 − = 8.35 − 46.13 + (273.15 + 30) ∴ PS = 4.22 ×103 Pa φ = 1(相対湿度100%)で (1)(4.22 ×103 )(18) H= {1.013 ×105 − (1)(4.22 ×103 )}(29) kg − 水蒸気 g − 水蒸気 = 0.025.9 ≈ 26 3 kg − 乾き空気 m − 乾き空気 8 湿度Hの定義(4) kg − 水蒸気 = 0.040 kg − 乾き空気 g − 水蒸気 ≈ 40 3 m − 乾き空気 H (50℃ ℃ Φ=30%) H (30℃ ℃ Φ=100%) 湿度 湿度H [g-水蒸気 水蒸気 水蒸気/kg-乾 乾き空気 空気] 同様に ℃の空気では 同様にφ=50%, 50℃ 空気では (0.5)(1.23 × 10 4 )(18) H= {1.013 × 105 − (0.5)(1.23 × 10 4 )}( 29) 100 相対湿度100% 相対湿度50% 80 60 40 20 0 0 10 20 30 40 50 温度 [℃ ℃] 9 湿度を用いたモル流束(1) モル濃度CA (モル分率 yA) gas モル流束JA モル濃度CAW (モル分率 yAW) ノズル solution 物質移動係数を 物質移動係数をkc [m/s] と書けばモル けばモル流束 モル流束は 流束は J A = kc (C Aw − C A ) = kc Ct ( y Aw − y A ) 10 湿度を用いたモル流束(2) モル分率 モル分率y 分率 Aが十分に 十分に小さければ M M H ≅ yA , H w ≅ y Aw M air M air 変形すると 変形すると M air yA = H, M y Aw M air Hw = M 従ってモル ってモル流束 のように書ける モル流束は 流束は次のように書 M air (H w − H ) = k ( H w − H ) J A = k c Ct M M air ただし k ≡ k c Ct M 11 フィルム乾燥炉の設計(1) http://www.inokin.co.jp/ 湿度 H1 Air nozzle gas 湿度 H2 湿度 H モル流束JA 湿度Hw G [mol/s] 仮定: 仮定: 1)フィルム表面湿度 フィルム表面湿度H 表面湿度 wは一定 2)物質移動係数kは 物質移動係数 は一定 フィルム z 12 フィルム乾燥炉の設計(2):シェルバランス 湿度 H G [mol/s] モル流束JA 湿度Hw a:単位体積当たりの表面積[m2/m3] A:断面積[m2] 2s)] :水のモル流束[mol/(m J A フィルム G:ガス流量の和[mol/s] z z+∆ ∆z ガス相のシェルバランスを考えると 流入量 流出量 (GH ) z (GH ) z + ∆z 乾燥による流入量 J A a ( A∆z ) 定常状態では 0 = (GH ) − (GH ) + J A a ( A∆z ) z z + ∆z 13 フィルム乾燥炉の設計(3):シェルバランスつづき 乾燥量が小さければガス流量Gは一定だから 0 = G (H ) z − G (H ) z + ∆z + J A a ( A∆z ) aA∆zで除すと 0= H z −H z + ∆z ∆z G + JA aA 無限に薄いシェルを考えて∆z→0の極限をとると G dH = JA aA dz 14 フィルム乾燥炉の設計(4):シェルバランスつづき 一方、モル流束は次のように書ける J A = k (H w − H ) これを前式に代入すると G dH = k (H w − H ) aA dz z=0からZまで積分すると ∫ Z 0 (G / A) H 2 dH dz = ka ∫H1 H w − H Hwが一定なら積分でき、必要な乾燥炉長さZは次式から求められる G H w − H 2 G H w − H1 = Z =− ln ln kaA H w − H1 kaA H w − H 2 15 ミッション: ミッション: □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ 質量平均速度と 質量平均速度とモル平均速度 モル平均速度を 平均速度を質量分率と 質量分率とモル分率 モル分率の 分率の関数として 関数として記述 として記述することができる 記述することができる 質量流束と 質量流束とモル流束 モル流束を 流束を固定座標系および 固定座標系および質量 および質量( 質量(モル) モル)平均速度基準で 平均速度基準で記述することができる 記述することができる 濃度場の 濃度場のシェルバランスを シェルバランスを取ることができる フィルム中 フィルム中への等 への等モル相互拡散 モル相互拡散の 相互拡散の濃度分布を 濃度分布を求めることができる フィルム中 フィルム中への一方拡散 への一方拡散の 一方拡散の濃度分布を 濃度分布を求めることができる 均一反応を 均一反応を伴う拡散の 拡散の濃度分布を 濃度分布を求めることができる 表面反応を 表面反応を伴う拡散の 拡散の濃度分布を 濃度分布を求めることができる 円柱面上における 円柱面上における拡散 における拡散の 拡散の濃度分布を 濃度分布を求めることができる 球面上における 球面上における拡散 における拡散の 拡散の濃度分布を 濃度分布を求めることができる 物質移動係数の 物質移動係数の物理的意味を 物理的意味を述べることができる 等モル相互拡散 モル相互拡散および 相互拡散および一方拡散 および一方拡散の 一方拡散の物質移動係数を 物質移動係数を記述することができる 記述することができる 異相界面を 異相界面を横切る 横切る質量流束を 質量流束を記述することができる 記述することができる 総括物質移動係数を 総括物質移動係数を用いて質量流束 いて質量流束を 質量流束を記述することができる 記述することができる ガス吸収装置内 ガス吸収装置内の 吸収装置内の物質収支を 物質収支を取ることができる 設計条件を 設計条件を満たすガス たすガス吸収装置 ガス吸収装置の 吸収装置の高さを求 さを求めることができる 吸着装置内の 吸着装置内の物質収支を 物質収支を取ることができる 設計条件を 設計条件を満たす吸着装置 たす吸着装置の 吸着装置の高さを求 さを求めることができる 膜分離装置内の 膜分離装置内の物質収支を 物質収支を取ることができる 設計条件を 設計条件を満たす膜分離装置 たす膜分離装置の 膜分離装置の長さを求 さを求めることができる 乾燥装置内の 乾燥装置内の物質収支を 物質収支を取ることができる 16 フィルム乾燥炉の設計 氏名: -REPORT13- [問題] 乾燥炉入口から湿度H1=0.010 kg-水蒸気/kg-乾き空気のガスを流量G=1.00×102mol/sで流し 水を含むフィルムを乾燥させたい。座標zにおけるガス湿度をH(z)とするとき次の問いに答えよ。 1.乾燥炉長さzからz+∆zの微少部分でガス相のシェルバランス(物質収支)をとり次式を導け。ただし JA[mol/(m2s)] はフィルムからガスへ移動する水のモル流束、a [m2/m3]は比表面積、A [m2]は断面積である。 G dH = JA aA dz 2.モル流束JA[mol/(m2s)] は物質移動係数k[mol/(m2s)]を用いて J A = k (H w − H ) と表される。 問1で導いた式を乾燥炉入口からある座標zまで積分し、乾燥炉内部のガス湿度分布H(z)が次式で 表されることを示せ。ただし表面湿度HW は一定と仮定してよい。 H ( z ) = H w − ( H w − H 1 )e − kaAz / G 0.14 3.フィルム表面における湿度Hw=0.140 kg-水蒸気/kg-乾き空気で一定と仮定し、比表面積 a=50.0m2/m3、断面積A=0.100m2、物質移動係数k=5.00 mol/(m2s)の場合のガス相の 湿度を異なる座標zについて求めよ。右図にプロットし炉内で湿度が増加することを示せ。 4. 乾燥炉出口における湿度がH2=0.130 kg-水蒸気/kg-乾き空気となるような乾燥炉 長さZ[m]を求めよ。ただし条件は問3と同じとする。 0.12 0.10 H 0.08 0.06 0.04 0.02 0.00 0 5 10 15 z(m) 17 フィルム乾燥炉の設計 氏名: -REPORT13- [問題] 乾燥炉入口から湿度H1=0.010 kg-水蒸気/kg-乾き空気のガスを流量G=1.00×102mol/sで流し 水を含むフィルムを乾燥させたい。座標zにおけるガス湿度をH(z)とするとき次の問いに答えよ。 1.乾燥炉長さzからz+∆zの微少部分でガス相のシェルバランス(物質収支)をとり次式を導け。ただし JA[mol/(m2s)] はフィルムからガスへ移動する水のモル流束、a [m2/m3]は比表面積、A [m2]は断面積である。 G dH = JA aA dz 2.モル流束JA[mol/(m2s)] は物質移動係数k[mol/(m2s)]を用いて J A = k (H w − H ) と表される。 問1で導いた式を乾燥炉入口からある座標zまで積分し、乾燥炉内部のガス湿度分布H(z)が次式で 表されることを示せ。ただし表面湿度HW は一定と仮定してよい。 H ( z ) = H w − ( H w − H 1 )e − kaAz / G 0.1400 0.1200 0.1000 0.0800 系列1 H 3.フィルム表面における湿度Hw=0.140 kg-水蒸気/kg-乾き空気で一定と仮定し、比表面積 a=50.0m2/m3、断面積A=0.100m2、物質移動係数k=5.00 mol/(m2s)の場合のガス相の 湿度を異なる座標zについて求めよ。右図にプロットし炉内で湿度が増加することを示せ。 4. 乾燥炉出口における湿度がH2=0.130 kg-水蒸気/kg-乾き空気となるような乾燥炉 長さZ[m]を求めよ。ただし条件は問3と同じとする。 0.0600 10.3 m 0.0400 0.0200 0.0000 0 5 10 15 z(m) 18
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