1/3ページ ピクテ・ウォーター・マンスリー ピクテ・ウォーター・マンスリー ご参考資料 ピクテ投信投資顧問 2011年4月発行 3月の投資環境 ¾ 3月の世界の株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨、配当込みベース)で、1.5%の下落となりました。上旬は中 東・北アフリカ情勢に対する懸念がマイナス要因となる一方で、世界経済の成長期待などがプラス要因となり、世界の 株式市場はボックス圏での動きとなりました。その後、3月11日に発生した東日本大震災が世界経済に与える影響や原 発事故の先行きが懸念され世界の主要株式市場は一時、大幅な下落となりました。下旬にかけては、米新規失業保 険申請件数などの経済指標の改善や好調な企業業績などを背景に反発しましたが、月間では小幅な下落となりました。 業種別では、公益が福島の原発事故により各国の原子力政策が受ける影響に対する懸念などから下落しました。一 方、通信は大型のM&A(合併・買収)の発表を受け業界再編期待から高い上昇率となりました。 ¾ こうした中、水関連企業の株価は世界の株式市場の平均を上回りました。サブセクター別にみると、装置製造・エンジ ニアリングセクターは相対的に堅調で、環境マネジメント・サービスや上下水道ビジネスを小幅に上回りました。個別銘 柄では、 新興国市場または新興国での売上高が大きい銘柄が大きく上昇しました。たとえば、上下水道ビジネスセク ターでは、ミナスジェライス電力(Companhia Energetica de Minas Gerais、ブラジル、上下水道ビジネス)とサンパウロ州 基礎衛生公社(Companhia de Saneamento Basico do Estado Sao Paulo、ブラジル、上下水道ビジネス)です。装置製 造・エンジニアリングセクターでは、ウンジン・コーウェイ(Woongjin Coway、韓国、装置製造・エンジニアリング)が自社 株買いの発表により上昇しました。また、アンドリッツ(Andritz、オーストリア、装置製造・エンジニアリング)は売上高の 半分以上が新興国からです。一方、ベオリア・エンバイロメント(Veolia Environnement、フランス、上下水道ビジネス)は 2010年度について堅調な業績を発表したにも関わらず、今後のコスト削減策や利益成長見通しが投資家の予想を下 回ったこともあり、同業のスエズ・エンバイロメント(Suez Environnement、フランス、上下水道ビジネス)とともに下落しま した。 ¾ 主な銘柄のうち上昇率の大きかったのは、ミナスジェライス電力、サンパウロ州基礎衛生公社、栗田工業(日本、装置 製造・エンジニアリング)などでした。一方、主要銘柄のうち下落率が大きかったのは、ベオリア・エンバイロメントなどで した。 ※サブセクターである上下水道ビジネスセクターは、水を利用した公益事業を広く含みます。 今後の見通し ¾ 足元の株式市場は、企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)よりむしろ、マクロ経済の動向や金融当局による金融緩 和策への期待などによってけん引されていると考えます。しかし、最終的には企業のファンダメンタルズに注目が集ま る局面がおとずれるものと考えます。こうした中で、水関連企業は優位なポジションにあります。北米や東南アジアにお いて、水道料金は引き続き1ケタ台後半の上昇率を示しています。また、世界中で水関連施設を必要としている地方自 治体の数は増加していますが、こうした地方自治体は財政逼迫に直面しており、水関連インフラの整備を民間との共同 で進めるといった手段も考慮するため、水関連企業にとってビジネスの機会が拡大することも考えられます。実際、中 国政府は水質汚染の防止や水利用の効率化などの水関連事業に対する投資を今後10年で倍増(年間ベースで4,000 億元(約5兆円))させる計画を発表しています。 ¾ 中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは依然として堅調です。温暖化の影響 から世界的な気候変動によって引き起される干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしてい ます。このため、中長期的には、水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。 ¾ 英国や米国のディフェンシブ性(景気の変動に左右されない特性)の高い規制下の事業比率が高い上下水道銘柄と、 景気回復の恩恵を未だ十分に受けていないと見られる装置製造・エンジニアリング銘柄が特に注目されます。また、上 下水道ビジネスセクターのうち、国際的に事業展開を行う上下水道企業についても、先行きの見通しに明るい兆しが見 え始めたと考えています。装置製造・エンジニアリングセクターでは、景気回復の初期段階で政府による景気刺激策の 恩恵を享受したと見られる企業、また今後、地方公共団体による水関連投資や民間の住宅関連投資向けの建設機器 などよりも、安定的な需要の見込まれるスマートメーターなどの計測機器関連の企業などに投資機会があると考えます。 ピクテ・ウォーター・マンスリー掲載のピクテ・ホームページ: http://www.pictet.co.jp/fund/newsletter/ 記載されている個別の銘柄・企業については、あくまでも参考として紹介したものであり、その銘柄・企業の売買を推奨するものではありません。 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 ピクテ・ウォーター・マンスリー ピクテ・ウォーター・マンスリー 2/3ページ ご参考資料 ピクテ投信投資顧問 2011年4月発行 水関連企業の株価推移 水関連企業の株価推移 ¾主要水関連企業の株価と世界株式の株価指数の推移をみるとここ10年余りで、 水関連企業の株 価は世界株式を上回って堅調に推移してきました。ただし、2007年7月中旬以降は世界的な株安の 影響を受けて水関連企業の株価も大幅下落しました。 ¾今後、水関連市場は2005年の約60兆円から2025年には約110兆円にまで拡大すると予想されてお り注、水関連市場の成長とともに、上下水道及び装置製造・エンジニアリングセクター企業の収益も 中長期的に拡大していくものと見ています。 注:グローバル・ウォーター・インテリジェンス(GWI)予想 ¾従って、水関連企業は中長期的には依然として魅力的な投資対象であると考えます。 ¾また、足元のPER(株価収益率)は、過去の平均に比べても魅力的な水準にあり、良好な投資機会 を提供するものと考えます。 水関連企業の株価推移 水関連企業の株価推移 (円換算ベース、期間:2002年12月末∼2011年3月末) (円換算ベース、期間:2002年12月末∼2011年3月末) 2002年 12月末= 100として指数化 350 300 250 水関連企業 出所:MSCI、トムソン・ロイター・データストリーム のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 200 ※世界株式:MSCI世界株価指数、水関連企業: 主な水関連企業258社の株価を時価総額加重平 均して指数化 150 世界株式 100 50 0 2002年12月 2004年12月 2006年12月 2008年12月 2010年12月 水関連企業のPERの推移 水関連企業のPERの推移 (期間:2002年12月末∼2011年3月末) (期間:2002年12月末∼2011年3月末) (倍 ) 28 24 平均 18.2 20 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデー タを使用しピクテ投信投資顧問作成 ※水関連企業:主な水関連企業258社の株価を 時価総額加重平均 16 17.4 12 8 2002年12月 2004年12月 2006年12月 2008年12月 2010年12月 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 ※当資料で使用したMSCI指数は、MSCIが開発 した指数です。同指数に対する著作権、知的所有 権その他一切の権利はMSCIに帰属します。また、 MSCIは、同指数の内容を変更する権利および 公表を停止する権利を有しています。 ピクテ・ウォーター・マンスリー ピクテ・ウォーター・マンスリー 3/3ページ ご参考資料 ピクテ投信投資顧問 2011年4月発行 水道への投資額は、他のインフラ投資額を上回る見込み 水道への投資額は、他のインフラ投資額を上回る見込み ¾2005年から2025年にかけて世界の水道への年間投資額は2倍近くに拡大すると予想されています。 この額は鉄道、通信、電力、道路など他のインフラ投資額を大きく上回る水準です。2025年には、水 道への投資額は鉄道、通信、電力、道路などの投資額のそれぞれ、18倍、6倍、4.3倍、3.6倍となると 見込まれています。かつて通信は水道の投資額を上回っていましたが、世界的にインフラが整ってき ており、2025年には投資額が大幅に減少するものと予想されます。 ¾日本でもこのトレンドは同様です。水道への投資額は、鉄道、通信、電力、道路などの投資額を大きく 上回る水準で2025年には、鉄道、道路、電力などの投資額のそれぞれ、17倍、4.2倍、3.9倍となるも のと予想されています。 ¾このように水関連インフラの設備投資は大きな伸びが見込まれ、関連企業の需要拡大が期待できま す。 世界インフラ設備投資額 分野別比較 (年間) 90 兆円 鉄道 80 通信 電力 道路 84 水道 70 63 60 47 50 40 30 20 10 0 2005年 2015年 2025年 日本インフラ設備投資額 分野別比較 (年間) 6 兆円 鉄道 道路 電力 上下水道 5.1 5 3.8 4 3 2.3 2 1 0 2005年 2015年 2025年 出所:OECDのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成 当資料をご利用にあたっての注意事項等 ●当資料はピクテ投信投資顧問株式会社が作成した資料であり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市 場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。●当資料に記載された過去の実績は、 将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。●当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性を 保証するものではありません。●当資料中に示された意見等は、作成日現在の当社の見解であり、事前の連絡なしに変更されることがあります。●投資信 託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではあり 巻末の「当資料をご利用にあたっての注意事項等」を必ずお読みください。 ません。●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。
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