観音寺市立粟井小学校 〒768-0052 香川県観音寺市粟井町 1452 TEL 0875−27−6229 FAX 0875−27−9622 E-Mail: [email protected] 「 四国はひとつ」4県連携施策 環境教育合同事業 平成 18・19 年度 連携協力校 連携協力校としての実践 ⑴ 実践テーマ ふるさと粟井の自然を調べ、未来の生き方を探る ⑵ 実践内容 本校校区には、1つのダムと大小6つのため池がある。粟井町住民にとって ため池は、稲作作りの上からも大切な所である。子どもたちもため池を見なが ら育ってきている。最近、外来生物等の問題がクローズアップされ、ため池の 生態も大きく変わってきている。そこで、生き物への関心を高めるために、身 近なため池に視点を置き、動植物の観察を継続して行った。また、地域の環境 を理解させるために、校庭にため池と水田をつくり、池と水田を結ぶ環境をミ ニチュアで再現した。さらに生き物の減少や環境悪化に人の関わりが大きいこ とも実験・観察を通して学ばせ、身近な日常生活を振り返ることができた。観察 した内容を、連携校との交流を通じて情報交換を行った。 ⑶ 実践方法 ① 校庭のため池と地域のため池の水質比較や生き物の様子を観察する。 ② 校庭の水田で稲の生長を調べ水との関わりを調べる。 ③ 校区内のため池を観察・調査し、水質と人間の関わりをまとめる。 ④ 他校との情報交換を実施する。 ⑷ 実践の成果 ① ため池や小川づくりを通して 《ため池完成予想図》 《ため池づくり開始》 《完成したため池》 ため池や小川を子どもたちの手で造ることで親しみの持てる場となり、休み時間等と子 どもが池の中をのぞく姿がよく見られた。さらに、地域の池で見られる動植物を育てるこ とで、地域の池や川により深い関心を持つことができた。 ② 校庭のため池と地域のため池の水質比較 《調査対象の北田井池》 《水質調査の様子》 《学校のため池調査》 本校区のため池と校庭に作ったため池(ミニビオトープ)の水質を比較し、その違いより 自然界の水がどのような状態になっているかを調べた。香川県の環境キャラバン隊の指導 により、CODパックテスト、透視度、 【調査結果】 調査場所 学校の池 北田井池 8.2 8.4 度に大きな違いがあることがわかった。 COD 15~20 ㎎/ℓ 20~50 ㎎/ℓ 池に流れ込む水の違い、生息してい 透視度 100cm 以上 14.5cm る生物の違いなどを調べ、周りの環境 水道水 水田の水 上側にある池 の水 上側の家の生 活排水 が水に及ぼす影響について学習した。 調査項目 PH 流れ込む水 ③ PH、温度等について調査した。透視 地域のため池での生物の観察を通して 地域の池を調べることで多様な動植物が生活している ことが理解できた。また、水中の生き物の成長や訪れる 野鳥の違い、さらに池の内外の様子などから四季の変化 を実感することきた。 《生物の調査》 ④ 校庭のミニ水田で稲づくりをとおして 校庭にミニ水田を作ったことで、代かきから精米までの 一連の作業を体験することができた。お米を作るには手間 暇かかることが実感できた。また、水と稲の関わりも体験 を通して知ることができた。 《土入れ》 《代かき》 田植えをしまし た。最初はちょっと 気持ち悪かったけど やっているうちにな れてきました。さい とうさんに苗の持ち 方を教えてもらいま した。最後までがん ばりました 《田植え》 米作りに水は欠かせないものであることが分かりました。 特に穂が出で花が咲いているときは水を欠かさないように注 意しなければいけない。水が少ないと多くの実がつかないそ うです。農家の人はため池から水を引き入れていることも知 りました 《稲刈り》 《はぜかけ》 《稲について指導》 いねかりをしまし た。6 月に田植えをし たときは小さな苗だ ったのが、今はぼく のむねぐらいまで伸 びていました。 左手でいねの根も とを持って、右手に 持ったカマでガサ・ ガサ・ガサとかりと りました。 「せんばこぎ」とい う道具を使いました。 さいしょはかんたん だと思っていたけど、 やってみると、けっこ う大変でした。ひいば あちゃんのころは、大 変なことをしていた んだなあ。 《脱穀》 一番むずかしかっ たのはもみがらをと ばすところです。強す ぎるとお米が飛んで いって、弱すぎるとも みがらがとんでいか ないので、力かげんが むずかしかったです。 《籾摺り》 《精米》 自分たちで育 て、収穫したお 米の味は最高 でした。 私たちが育てたいねは1本が9本 に 分れ ていま した 。 1 本 の穂 に 120 つぶの米つぶがついていたので、 120 粒×9=1080 粒のお米が取れま した。1080 ばいにふえたことになり ます。今年は大豊作でした。 収穫したお米の試食 ⑤ 他校との情報交換 《桑山小学校の取組写真》 三豊市立桑山小学校 粟井小学校 3 年生の稲作り と環境教育の情報交換 を行った。桑山小学校で はグリーンアドベンチ ャー、蚕の飼育、ビオト ープを通した環境の学 習、さつまいもとたまね ぎの栽培など自然と関 わりあう活動、また、廃品回収、アルミ缶の回収などたくさん の体験を通して環境を考えていた。 粟井小学校は 3 年生の稲づくりを、写真と子どもの感想文で まとめたものを送付した。それぞれの取組の違いはあるものの、 子どもたちが自然の大切さに気づき、自然を守ろうという意識 は同じものであると感じた。 ⑸ 成果の啓発・普及 子どもたちの調べた情報をため池通信に掲載し、 印刷物として地域住民に情報を発信することで、学 校の取組に理解や協力を得ることができた。また、 ため池通信に載せるため、子どもたちは近くの川や 池の様子を調べるなど学校の周りの自然に関心を持 つことができた。 《ため池通信》 今後の課題と計画 ⑴ ため池や生活排水が流れ込む水路は水が非常に汚れていることを知らせると共に、自分 たちでできる水質をよくする方法を考え実行する。 ⑵ 他地域の環境改善への取組を調べ、自分たちの参考にできることを取り入れる。
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