(4) 作 業 ア 早生うんしゅうみかん 月 旬 生育状況 1 下 花 芽 分 化 期 月 上 作業名 作業の内容 間伐および不良系統樹の 隣接樹の枝が交差したら、間伐計画に基づいて速やかに実施する。若木を縮伐しての密植解消は 整理 、果実品質の低下を招く。 樹 園 地 の 整 備 農閑期に農道の整備、畦畔の改修、防除施設、モノレール等の整備を行う。 石灰および苦土の施用 苦土欠乏樹の多い園では、苦土石灰(10a当たり100~150㎏)施用、また水田転換園等の中性付近の 中 土壌の園では、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム(10a当たり40~60kg)を施用し、中耕する 2 。過度の中耕は断根量が多くなり、樹勢を低下させるので注意する。 有機物等土壌改良材の施用 この時期から3月にかけて排水を考慮しながら、有機物、ようりんなど改良資材を埋め込む。 月 整 枝 せ ん 定 着花過多予想樹は2月下旬から、不作予想樹ではつぼみの確認できる4月中旬からせん定を行う。 前者は切り返しせん定を主体に、後者は間引せん定を主体に行う。いずれも除葉率は20%以下とす 下 3 る。 上 花芽分化終了 中 月 下 春 上 発 芽 開 始 4 中 月 中 開 の 施 草 肥料吸収効率の向上や地温の上昇促進のために中耕除草を行う。 用 前年の結果状態、樹勢などを考慮し、施肥基準を参照して施用する。 苗 木 の 植 付 け 根を乾かさないよう植付けを行うとともに敷草やかん水を行い、植付け後の乾燥を防ぐ。 液 肥 の 散 布 N主体の液肥(例:尿素300~400倍)を7~10日間隔で2~3回散布。 欠 株 の 補 植 木 一挙更新腹接法、切接法とも適期は4月上旬である。健全な穂木を利用する。 予 備 枝 の 再 設 定 着花過多樹では、予備枝の再設定を行う。 土 壌 浸 食 の 防 止 敷草や草生によって土壌表面を十分被覆し、土壌の流亡を防止する。 布 N主体の液肥(例:尿素300~400倍)を7~10日間隔で2~3回散布。 果 全摘果量の70%とする。着葉数200~300の枝別に群状結実させる。 花 根の伸長開始 月 下 生理落果開始 液 6 下 新梢伸長停止期 あ 月 肥 除 接 下 5 耕 肥 ら の 散 摘 カルシウム剤の散布 浮皮軽減のため6月下旬から7月中旬にかけて水溶性カルシウムを2~3回散布する。 7 上 夏枝伸長開始 中 除 月 草 梅雨明けとともに繁茂した雑草は早目に刈り取る。 品 質 向 上 対 策 (重点推進事項 Ⅰ高品質安定生産 4高等度果実生産 参照) 上 防 風 樹 の 刈 り 込 み 密閉度60%程度に刈り込み、枝の枯れ上りを防ぐ。 中 干 ば つ 対 策 日中、旧葉が巻くようであれば、かん水を行う。 仕 上 げ 摘 果 傷害果、小玉果の除去。 下 生 理 落 果 終 了 8 月 下 秋 枝 伸 長 開 始 上 水溶性カルシウム剤の散布 浮皮軽減のため、9月上旬から10月上旬に2~3回散布する。 9 月 液 肥 の 散 布 りん酸剤の葉面散布を3回程度行う。 中 耕 除 草 土壌の乾燥を促進するために中耕を行う。 中 根 の 伸 長 期 樹 上 選 果 秀品率を高めるため樹上選果の実施。 台 風 対 策 高接樹では誘引、結束する。 理 翌年結果過多が予想される成木では夏秋梢を利用した予備枝の設定を多くするが、幼木などでは 下 着 上 色 開 始 夏 秋 梢 処 10 夏梢の充実したものは結果母枝として利用する。 下 月 中 採 収 完全着色に近いものから2~3回に区分採収する。採収後4~6日間予措して出荷する。 秋 肥 の 施 用 結果状態、樹勢、着色を考慮し、施肥基準を参照して実施する。 液 肥 の 施 用 N主体の液肥(例:尿素500倍)を2~3回散布。 寒 季節風の当たるところで、防風垣の整備されていない園では防風ネットの設置を行う。 防 12 月 敷 草 ・ 敷 ワ ラ 雑草の発生を抑える。幼木では寒害防止のため株元はあけておく。 イ 普通うんしゅうみかん 月 旬 生育状況 作業名 作 業 の 内 容 下 花 芽 分 化 期 貯 蔵 管 理 腐敗果の点検、庫内温度および湿度(換気)の調節(3~5℃、湿度80~85%) 樹 園 地 の 整 備 農閑期に農道の整備、畦畔の改修、防除施設、モノレール等の整備を行う。 間 伐 隣接樹の枝が交差したら間伐計画に基づいて速やかに実施する。 植 穴 の 準 備 不良系統は、優良系統への改植のため植穴の準備をする。 上 中 石灰および苦土の施用 上 花芽分化終了 成 月 下 穂 春 中 苗 4 月 上 発 中 1 月 2 苦土欠乏樹の多い園では、苦土石灰(10a当たり100~150㎏)施用、また水田転換園等の中性付近の 土壌の園では、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム(10a当たり40~60kg)を施用し、中耕する 。過度の中耕は断根量が多くなり、樹勢を低下させるので注意する。 有機物等土壌改良材の施用 この時期から3月にかけて排水を考慮しながら、有機物、ようりんなど改良資材を埋め込む。 整 枝 ・ せ ん 定 着花過多予想樹から始め(2月下旬)、不作予想樹は4月中旬からせん定を行う。前者は切り返し ( 予 備 枝 設 定 ) 、後者は間引せん定を主体に行う。いずれも除葉率は20%以下とする。ただし、高糖系は10%以内 とする。 月 3 芽 開 始 上 5 月 6 月 中 開 花 根の 伸長 開始 下 上 生理落果開始 液 接 木 の 移 植 成木の移植は、掘り上げた根の状態に応じて枝葉をせん除し、地上部と地下部のつり合いを保つ 。根を乾かさない。 木 の 採 取 品種系統のはっきりした木から穂木を選ぶ(ウイルスに十分注意する)。 肥 の 施 用 樹勢や前年の結果状態、土壌条件に合った施肥を行い、吸収効率の向上を高め、地温の上昇促進 耕 除 草 のために中耕除草を行う。 木 の 植 付 け 根を乾かさないよう植付けを行うとともに敷草やかん水を行い、植付け後の乾燥を防ぐ。 肥 の 散 花 肥 の 施 予 備 枝 の 再 設 摘 蕾 ( 花 土 壌 浸 食 の 防 水 田 転 換 園 の 排 あ ら ( 枝 別 布 N主体の液肥(例:尿素300~400倍)を7~10日間隔で2~3回散布。 木 一挙更新腹接法、切接法とも適期は4月上旬である。健全な穂木を利用する。 用 定 ) 止 水 摘 果 摘 果 ) 着花の多い園では窒素を4~5kg施用する。 着花過多樹では、予備枝の再設定を行う。 着花過多の樹は部分摘蕾(花)によって結実を調整し、発芽を促す。 敷草や草生によって土壌表面を十分被覆し、土壌の流亡を防止する。 品質向上のため、排水対策を行う。 高糖系うんしゅうで群状結実をさせる場合は、大津四号は着葉数800~1,000枚単位で、青島では 着葉数500~600枚単位で行う。 6 移 植 夏 肥 の 施 用 液 肥 の 散 布 カルシウム剤の散布 緑化が完了すれば第2回目の移植適期となる。移植時の枝幹のはく皮及び日焼けには注意する。 樹勢や結果状態、土壌条件を考慮し、施肥基準を参照して施用する。 N主体の液肥(例:尿素300~400倍)を2~3回散布。 浮皮軽減のため6月下旬から7月中旬にかけて水溶性カルシウムを2~3回散布する。 7 上 夏枝伸長開始 中 月 下 生理落果終了 果 実 肥 大 期 摘 果 剤 の 散 布 除 草 あら摘果(慣行摘果) 品 質 向 上 対 策 使用方法は推進内容3(5)を参照。 繁茂した雑草は早目に除去する。 葉果比は15~20を目標とし、全摘果量の70%とする。 フィガロン乳剤2,000倍を散布(重点推進事項 Ⅰ高品質安定生産 4高等度果実生産 参照)。 8 高糖系うんしゅうあら摘果 防 風 樹 の 刈 り 込 み 干 ば つ 対 策 葉果比は15~20を目標とし、全摘果量の70%とする。 密閉度60%程度に刈り込み、枝の枯れ上りを防ぐ。 日中、旧葉が巻くようであればかん水を行う。 仕 上 げ 摘 果 樹 上 選 果 接ぎ木(芽接・根接) 液 肥 の 散 布 台 風 対 策 水溶性カルシウム剤の散布 中 耕 除 草 葉果比は25~30を目標にする。 成木の樹上選果(傷害果、小玉果の除去)で秀品率の向上を図る(天成り果は10月以降に摘果) 系統の正しい充実した春梢を用いる。 りん酸剤の葉面散布を3回程度行う。 高接樹では誘引、結束する。 浮皮軽減のため、9月上旬から10月上旬に2~3回散布する。 夏 秋 梢 処 理 翌年結果過多が予想される成木では夏秋梢を利用した予備枝の設定を多くするが、幼木などでは 夏梢の充実したものは結果母枝として利用する。 秋 採 肥 の 施 用 収 結果状態、樹勢、着色を考慮し、施肥基準を参照して実施する。 7~8分着色のものから2~3回に区分採収する。 蔵 貯蔵用の果実は、無病果、無傷果を選び特に扱いを丁寧にし、乾燥予措(在来系は減量3~4%、高糖 系は4~5%)を行い、区分貯蔵する。予措のききにくい大果は、やや強めの予措を行う。 N主体の液肥(例:尿素500倍)を2~3回散布する。 防風垣の整備されていない園では防風ネットの整備を行う。 月 新梢伸長停止期 下 緑 化 完 了 上 中 月 下 秋枝伸長開始 上 中 9 月 根 の 伸 長 期 果実発育最盛 10 月 中 下 11 月 上 着 中 色 開 始 上 予 下 液 防 措 貯 12 月 肥 の 散 布 寒 ウ うんしゅうみかんのシートマルチ栽培 月 旬 生育状況 品種系統および栽培条件別の作業内容 極早生・早生温州 傾斜畑(乾燥園) 普通温州 水田転換園 1月 中 花 芽 分 化 期 潅水(花芽分化、花器充実):4月までに1~2回 2月 上 花 芽 分 化 終 期 集排水路の整備:山側の溝上げ、平坦地の溝切り 傾斜畑(乾燥園) 水田転換園 ~ 下 有機物、溝上げ客土、土壌改良資材(表層細根確保) 3月 上 間縮伐、せん定:独立枝、独立樹 下 春肥施用(春芽・幼果の充実):年間施用量の早生40%、普通30% 4月 上 発 芽 始 期 5月 下 開 花 盛 期 液肥の散布(新梢充実)N主体7月まで5回 液肥散布(緑化促進):N主体7月まで3回 根の伸長開始 6月 上 夏肥施用(品質向上、花芽分化):年間施用量の早生20%、普通40% 除草、整地(乾燥効果の向上、シート耐用年数延長):障害物の除去、かまぼこ型の畝形成 中 シート被覆 7月 上 あら摘果 中 緑 化 完 了 あら摘果:枝別、半樹別 シート被覆 シート被覆 生理落果終了 下 果実肥大盛期 8月 中 フィガロン乳剤3,000倍散布 仕上げ摘果 フィガロン乳剤2,000倍散布 シート被覆 9月 上 花 芽 分 化 開 始 リン酸剤散布(品質向上、花芽分化):10月上・中旬までに3回 潅水:日中葉が巻き始めたら株元に数カ所30~50㍑潅注 仕上げ摘果 中 水溶性カルシウム剤散布(浮皮軽減):9月上~10月上旬まで3回 10 中 被覆除去、収穫 月 ~ 秋肥施用:年間施用量の40% ~ 下 11 月 中 液肥散布(樹勢回復、花芽分化促進):主N、従PKを3回 11 被覆除去、収穫(浮皮が発生したら直ちに) 秋肥施用:年間施用量の30% 月 ~ 下 潅水 12 液肥散布(樹勢回復、花芽分化促進):主N、従PKを3回 月 (10℃以上の時) 中 (目標糖度:極早生11度、早生12度、普通13度) エ 樹別交互結実栽培(青島温州、大津四号) 遊 月 旬 3 生産樹の病害虫防除は慣行栽培に準ずる。 休 樹(夏 季 せ ん 定・全 摘 果 樹) 生理状況 作 業 上 樹 液 流 動 生 月 旬 3 中 生理状況 作 上 上 芽 期 4 月 中 発 芽 期 春肥施用 窒素成分で10a当たり10kg 葉面散布 樹勢強化のために尿素500倍 月 水溶性カルシウム500倍 下 発芽伸長最盛期 上 開 花 期 5 中 第1次発根伸長 夏肥施用 窒素成分で10a当たり10kg 上 開 花 (混用して10日おきに3回散布) 期 中 発 根 伸 長 月 下 月 下 第1次生理落果 夏肥施用 6月 上 6月 上 第2次生理落果 上 夏季せん定 ○せん定時期 中 7月10日~20日前後(青島) ※乾燥園では5~7日早めて7月上旬までに行う。 中 生理落果終了 7 所30~50㍑程度の潅水を行う。 ~60度のものが対象。本数は15~16本/m3 ●除葉率:30~40%(青島) 下 大津四号は全摘果とする。 ●当年度の果梗枝はそのまま利用。 【注意点】 月 ●せん定時に全摘果を行う。 ●せん定時に乾燥が続けば潅水を行う。 シート被覆 透湿性シート(タイベック): ※乾燥により、日中に葉が巻き始めたら株元に数カ 2~3年生枝で、太さが鉛筆大。角度は45 下 窒素成分で10a当たり10kg 上 ○予備枝設定の形でせん定。 7 業 中 樹 液 流 動 月 下 5 樹 上 花芽分化終了 月 下 4 中 発 産 月 上 夏 枝 発 生 葉面散布 エカキムシ 防除 緑化促進 尿素 8 中 上 500倍 ※1回目散布は発芽直後に実施す 8 中 シート被覆 透湿性シート(タイベック):傾斜地 る。 乾燥により、日中に葉が巻き始めたら ※9月中旬まで2~3回散布する 株元に数カ所30~50㍑程度の潅水を行 月 下 月 下 上 上 中 第2次発根伸長 かんきつミカンハモグリガの防除 中 9 う。 摘果 9 ●3L級以上の極大果と2S級以下の極 小果 ●9月10日時点で60ミリ以上と36ミリ以 下の果実 下 生理的花芽分化 下 月 葉面散布 月 品質向上 リン酸剤500倍 浮皮軽減 水溶性カルシウム500倍 (混用して10日おきに3回散布) 上 上 10 中 10 中 秋肥施用 窒素成分で10a当たり10kg 月 下 枝吊り、 ●葉果比を15~20とする。 摘果 ●3L級以上の極大果と2S級以下の極 月 下 小果 ●10月10日時点で75ミリ以上と44ミリ以 下の果実 11 上 第3次発根伸長 11 上 月 中 根 の活動低 下 月 中 根の活動低下 下 下 秋肥施用 窒素成分で10a当たり10kg 採収 12 上 ミカンハダニ防除 12 上 葉面散布 月 中 葉面散布 樹勢強化 尿素500倍 月 中 シート被覆除去 樹勢回復 尿素500倍
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