PDFファイル (24KB) - IBM

編 集後記
前号の編集後記では、次号予告に「IT版・プロジェ
詳しく説明したり、歴史に忠実に書けば書くほど、まる
クトX」を特集する旨記しましたが、今回は予定を変更
で「コンピューターのような」記事になってしまいます。今
して「コンピューターの歴史」を取り上げました。今年が
号はそういった意味で、文系の読者にとっては少々疲
IBMシステム/360の発表から40年に当たることから、い
れる特集だったかもしれません。
ま一度、この驚異的なスピードで進歩を遂げたテクノロ
ジーの変遷をおさらいしておきたいと思ったからです。
1964年といえば、東京オリンピックの年。“東洋の魔
しかしながら、
「温故知新」
という意味で未来の展望
ばかりでなく、時には過去を振り返り、あらためて未来
に繋ぐということも大切であると思います。
女”の活躍ぶりを、日本中の人がお茶の間のテレビの
前で手に汗握って観戦した光景は、今でも記憶に鮮明
温故知新といえば、
『無限大ギャラリー』の陰陽の記事
です。生まれたばかりのシステム/360は競技結果の集
も同じ発想で取り上げています。陰陽や五行の考えは昔
計を担当し、彼女たちの活躍を陰で支えていました。
から日本人の習慣やしきたりに深く根付いておりますが、
今年の女子バレーボール・チームは、当時の東洋の
近年、この陰陽理論を現代社会に活かすべき究極の理
魔女の再来と期待されています。アテネ・オリンピックの
論として研究をする知識人が増えています。今回は、ビ
試合の模様は恐らくお茶の間のテレビのみならず、自室
ジネスマンにとって関心のある「企業や人間の本質」と
のパソコンや出張先のノート・パソコン、あるいは携帯電
いう切り口から、陰陽理論を取り上げました。
話で楽しむ人も多いことでしょう。また、テレビの実況
最近、以前『無限大』
にもご執筆いただいたことのあ
と同時にインターネットを通じ、現地で試合を観戦した
る養老孟司氏の
『バカの壁』がベストセラーになり、シリー
“普通の人々”
がその様子を世界に発信するなど、世界
ズも出て評判を呼んでいます。養老氏はその中で「私
中でさまざまなメッセージが飛び交うに違いありません。
の考え方は、簡単に言えば二元論に集約されます。
(中
こうした技術のすべてにコンピューター・テクノロジー
略)バカの壁というのは、ある種、一元論に起因すると
の進歩が貢献しています。わずか40年の間に、これほ
いう面があるわけです。バカにとっては、壁の内側だけ
どまでに驚異的な進歩を遂げ、社会の基盤を次々と変
が世界で、向こう側が見えない。向こう側が存在して
え、生活の隅々まで浸透していったテクノロジーは人類
いるということすらわかっていなかったりする」
と、一元
史上他に例がないでしょう。
論の危険性を説き、さらに「人は変わる」
という点を強
今号では、メインフレーム、パソコン、インターネット、
調されています。それは「ものごとには陰と陽があり、
ヒューマン・インターフェースと4つの分野を中心に、そ
それらは互いに対立し、転化する」
という陰陽理論に
れぞれの創世記から現在までの進化の変遷を駆け足
相通じるところがあるように思います。
で辿ってみることにしました。
『無限大』の編集方針は「高度なテーマも極力専門用
語を使わず、分かりやすく」
ということをモットーとしてい
世の中の情勢が混沌としているいま、陰陽理論や二
元論の考え方の重要性が見直されていることに、ホッと
しているのは私だけでしょうか。
ます。ところが、そもそもコンピューター・テクノロジーの
歴史を語るとき、システムの名称を省くことはできず、そ
の名前からして数字と英字とカタカナのオンパレードで
す。著者が持てる知識を駆使してテクノロジーについて
『無限大』編集人 松野元子 [email protected]. jp
FAX:
(03)5563‐9444
●IBMのコンピューターの歴史は下記のURLからもご覧になれます。
メインフレーム誕生から40年の歩み:http://www-6.ibm.com/jp/servers/eserver/zseries/40years/history.shtml
IBM Computer Museum 年代別にみる歴史:http://www-6.ibm.com/jp/event/museum/rekishi/visual.html
次のものは、IBM Corporationの商標。AIX、AIX SL、AS/400、AS/400e、AT、BladeCenter、CICSPlex、DB2、DEEP BLUE、
、e-business on demand、
eServer、ES/3090、ES/9000、i5/OS、IBM、iSeries、MVS、Metaphor、MVS/XA、Netfinity、NetVista、OS/2、OS/390、OS/400、PC/XT、POWER、
POWER5、PS/2、pSeries、RS/6000、S/360、S/370、S/390、S/390 Parallel Enterprise Server、SAA、SP、Systems Application Architec ture、System/38、
System/36、ThinkPad、TrackPoint、TotalStorage、ViaVoice、VisualAge、VM/ESA、VSE/ESA、WebSphere、xSeries、XT、zSeries、3090、400、
Javaは、Sun Microsystems,Inc.の米国およびその他の国における商標または登録商標。
Microsoft、Windowsは、Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標。
Pentium、Intelは、Intel Corporationの米国およびその他の国における商標。
UNIXは、The Open Groupの米国およびその他の国における登録商標。
他の会社名、製品名およびサービス名等は、それぞれ各社の商標。
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