平成 24 年度 輝く私学支事業実績報告書 プロジェクト名: プロジェクト名 「中学校向け E-Learning 開発・実施および高校での All English 授業の導入」 3 年間のプロジェクト目標 年間のプロジェクト目標概要 目標概要 文科省は国際バカロレア認定校を今後200校に増やし、国外大学への受験資格取得校を全国的に増や す計画である。日本の中高での課題は、英語による教科学習となるが、すでに活水高校では英語科が英語 による英語の授業(All English)を部分的に実施している。その中できわめて効果的な学習法の一つとし て Newton 社の E-learning がある。 活水高校での英語科の E-learning 導入後、この学習法は大きな成果あげているが、その実績をふまえ、 新たに中学3年生用に、具体的には英検準2級対策として Newton 社の E-learning を活水中学校用にカ スタマイズし、英検合格実績向上に結びつける。 これにより高校英語科で実施している E-learning(国の補助金により平成19年度に導入)への移行が スムーズになり、結果として高校段階での英検・TOEIC スコアのさらなる向上に結びつくことが期待で きる。 これと並行して活水が今まで目指していた英語による英語授業(All English)のさらなる研鑽と指導法 の開発も同時進行で進め、中学・高校での生徒の英語力向上、および、海外大学への入試資格校となるた めの課題の発見と方法を見いだす。 最終の第3年目に英語による英語授業の公開セミナーを開催し、他校と英語授業の指導方法を共有する。 評価目標及び 評価目標及び方法 目標及び方法について 方法について 英語検定試験結果による評価とする 1 英検を中学生に受験させ、英検準2級の中学での合格を中学3年次学年全体の 50%に引き上げる(完 成年度)。 2 高校英語科 Ⅰ年次・・・英検準2級取得100%を目指す Ⅱ年次・・・英検2級取得90%以上 Ⅲ年次・・・TOEIC600点以上40%以上 プロジェクト実施の方法 1.中学3年生用に Newton 社の E-learning をカスタマイズ 2.中学3年への G-TEC 導入 3.All English 授業研修・開発・導入 4.ALL English セミナーの開催とプロジェクト評価の実施 3 年間の目標 1年目【平成 24 年度】目標 年度】目標 E-Learning 開発と実施、および改善 中学3年生用に Newton 社 E-learning A コースを、中学生英検準2級対策用にカスタマイズする。A 1 コースにおいて準2級レベルでかつ英検と共通する部分を編集する。その中に本校教員作成の独自の問題 も導入する。 All English 授業の実施について 授業の実施について 国内での実施校、すでに All English を導入し、現在2人の生徒を活水高校に留学生として送り出して いる台湾の協同高級中学校での共同研修の実施。英語による授業の研修、テキストなど資料収集。文科省 国際バカロレア校認定関連の資料の収集も合わせて行う。 2年目【平成 25 年度】目標 年度】目標 E-Learning 開発と実施、および改善 E-learning の教材開発。活水中学3年生の実施と教材の改善。海外校での All English 実施校での研修。 その評価と改善。 All English 授業の実施 活水で英語による授業を本格的に導入する。実施しつつ、改善点を協議し、All English の授業のための 教材研究、特に文法事項などの生徒の理解とその他の面での All English での課題を探り、カリキュラム 上での問題点を明らかにする。また授業にあたる教員の能力の向上と養成を図る。 3年目【平成 26 年度】目標 年度】目標 E-Learning 開発と実施、および改善 活水中学・高等学校での実施と国内海外校との共同セミナーの長崎での開催。英検、TOEICの実施、 3年間をとおして Newton 社からの定期的な支援と改善にむけた情報の交換を行う。 All English 授業の実施 英語による授業の公開セミナーの開催。評価 【平成 24 年度】 事業報告書 1 出張報告 ◎「輝く私学事業」熊本出張 : 平尾 淳一 11月16日(金)~17日(土)11月16日 熊本尚絅中学高等学校を訪問し、教頭隅川先生、E-Learning 担当新納先生と面談する。 熊本・長崎の現状について情報を交換する。尚絅は中学1・2年生全員に Newton 社 E-Learning A コ ースを導入している。達成度のランキングを公開して生徒のやる気を喚起をうながしている。 ◎「輝く私学」東京出張:平尾淳一 12月2日(日)~12月5日(水) 上智大学英文科池田真准教授と面会。英文科が取り入れている CLIL の説明を終日受ける。CLIL はヨ ーロッパで幅広く行われている英語教授方法で非ネイティブの教員が英語を出来るだけ使って自分の科 目を教え、その過程では生徒も英語による発信が求められる。単に教員から生徒への一方通行な教授方で はなく、visual や音声を使ってまず基本知識をインプットさせ、その後 task を与え、pair や group 学習 を経て、discussion などによって理解を深めていくという順番ですすめられていく。池田真准教授が実際 にベルギーで授業見学をした様子をビデオで視聴する。上智大学では、2年後に全員に1年次 CLIL 授業 2 を受けさせるということである。日本の現状に一番合った英語教授法でないかとの印象を受ける。池田准 教授からの支援も約束してきた。 12月4日 E-Learning の実践校としてよくとりあげられる富士見丘学園中学校高等学校を訪問。 Newton 社で富士見丘を担当している会田氏も同席された。教頭大島先生から E-Learning を取り入れる ことで TOEFLE 受験につなげ、東京都から補助金が出る留学推進システムを出来るだけ活用していくと いう学校の方向性を説明して頂いた。TOEIC-bridge を年に2回受験させて留学可能かどうかの判断材料 にしているとのことだった。 12月5日 午前中、Newton 社本社を訪問し、E-Learning 事業部長今井氏と開発を担当された田中 主任研究員と意見交換。英検と関連させる問題設定ができないかなどのこちらからの要請を伝えるが、 royalty 料の問題などから難しいとの返事。活水中学3年生に導入するプログラムには活水オリジナル問 題を入れていくことなどを打ち合わせる。 ◎「輝く私学」Fukuoka International School 湯口隆司・川内美智代・国分舞・アンジェラ吉本・平尾淳一 1月8日(火) Fukuoka International School へ学校見学、国際バカロレア基準に沿った授業見学と国際バカロレアの 概要を説明していただいた。 校長先生である Ms Lewthwaite から Fukuoka International School と国際バカロレアの理念につい て説明をしていただいた。 バカロレア認定校を目指すかどうかはまだ未定であるが、バカロレア教育の良い部分は取り入れていき たいと考えている。 ◎「輝く私学」関西学院千里国際 中等部高等部訪問 訪問者: 川内美智代・吉田真弥 2月19日(火) 帰国生も多く、国際色豊かな学校。音楽、美術、体育の授業は両校の生徒たちは一緒に受けている。 さまざまな文化で暮らしてきた生徒たちで構成されていおり、細かな規則は存在せず、5つのリス ペクト、「自分を大切に」「他の人を大切に」「学習を大切に」「環境を大切に」「リーダーシップを大 切に」を念頭に、自らの判断で行動することが求められている。相互の違いが当然であり、小さなぶ つかり合いはあっても、大きないじめなどは存在しないとのこと。 先生も生徒もそれぞれが個性を発揮し、それが受け入れられている学校という印象を受けた。元々 が小規模校ではあるが、見学した授業はほとんどが12、3名以下のクラスで、教師と生徒の距離が 非常に近い。個人差はあったが、質問されたことに対して、臆することなく意欲的に発言をしていく 生徒の姿が印象的だった。 初めに、インターナショナル・スクールと合同で行われている美術の授業を3つ見学。ネイティブ の先生の指導のもと、ワイヤーを使った作品を中学生が制作していた。生徒が持っていた他の作品が のったスケッチブックを見せてもらうと、ただ、描くだけではなく、どうしてそのような作品を作っ ているのかという記述もあり、芸術、理論両方を見据えたものになっていた。これは、国際バカロレ 3 アの基準に基づいているからとのこと。インターナショナル・スクールの方が、国際バカロレアの認 定校である。 その他、理科の実験や情報の授業で web ページを作成しているところを見学しましたが、ただ机に 座っている授業というのはあまりなく、生徒たちが自主的に動いている姿が印象的だった。 英語の授業は、中1、中3の帰国生のクラスを2つ見た。どのクラスでも文科省検定の教科書は使 わないとのことで、それぞれ個性ある授業が展開されていた。帰国生の一番下のレベルの授業では、 原子力について賛否を問うディスカッションが行われ、まだ単語に自信がない生徒も多かったが、少 しでも発言しようとする姿やその発言を促そうとする先生の姿勢が素晴らしかった。中2までで、ほ ぼ中学の内容は終えるという。 午後は、5校時に野島先生の平和学の授業は受講している生徒が2名だけだったので、田淵先生に も加わっていただき、我々も含め6名での意見交換という形になった。活水での平和学習部の取り組 みを説明したり、それぞれが平和について思っていることを述べたりして興味深かった。 6校時はダッタ先生の授業を見学。4名のグループが「高槻市の活性化」というテーマでプレゼン テーション。これまでにもリサーチを重ねてきた集大成だったようで、さまざまな情報を集め、また 実際に高槻市を訪れたり、在住している先生方にインタビューをとったりして、独自の提案を立派に 行っていた。ダッタ先生からはいくつか指摘を受けていましたが、高校生とは思えないレベルの高い ものだった。 また、校内のあちこちに生徒が制作した美術作品(たとえば、正面玄関の柱に作られたペットボト ルアート)が自然と展示されていた。保護者の方の絆も強いようで、保護者のゴスペルグループもあ るとのこと。 ただ、良い面ばかりではなく、いくつかのマイナスの側面も感じられた。1つには、自由な校風で あるにもかかわらず、日本の環境になじめない生徒がいるということ、2つ目には、このような学校 に入ったにもかかわらず、英語に対してアレルギーを起こす生徒がいること、また、3つ目には、自 己主張を求められる学校であるために、それができない生徒もいるということだ。 どんな環境においても、自らが輝けるかどうかは、本人の意志と行動力次第なのだということを改 めて感じた訪問だった。 ◎「輝く私学」福岡出張:平尾淳一 3月13日(水)~14日(木) Newton 社でいままで学校向けのプログラム提案を数多くされている会田氏が福岡に 来られ、来年度の打ち合わせを兼ねて、Newton 社本校担当立本氏・会田氏と会い 有効な活用方法および来年度の打ち合わせをおこなった。 活水高校は九州で初めて導入した高校であり TOEIC の実績もあげているため、Newton 社からはいつ もかなり有利な条件で実施させていただいている。 熊本大学が Newton 社 E-Learning を導入するということで高校からこのプログラムを実施しているこ とは生徒にとってメリットが大きいと再認識した。 2.次年度に向けた活動 台湾嘉義市にある協同高級中学とは、同校英語科の楊明德先生を窓口に、メールとスカイプによる情報 4 の交換を継続した。また2012年9月スカイプを利用して高校2年 A 組英語科全員と協同中学10名ほ どがそれぞれ自己紹介をし、各クラスが歌を披露する活動をおこなった。ホームルーム45分間を使い、 台湾に留学し中国語が出来る生徒が中国語を使って話すこともできた。回線の速度が遅く、相互の会話が 聴きにくいという課題も見つかった。 また英語科交流の準備のため、台湾では衛理女子校、韓国ソウル市内の培花女子校及び梨花メディア女 子校の英語科の教員とも連絡を取っている。 (輝く私学支援事業ではないが、湯口隆司校長は2013年1月に姉妹校訪問のため台湾を訪問した際 に協同中学校を訪ね、また台北の衛理女子校も立ち寄ることができた。また3月には培花女子校及び梨花 メディア女子校をそれぞれ訪ね、今後の交流計画を各校の校長、英語科主任と話し合う機会が持てた。) 3 書籍・副テキスト購入 今事業の目的として、All English 授業を目指すことと生徒の英検・TOEIC 実績の向上 が目的としてある。All English 授業用として福岡県立香住丘高校で用いられている教材や本校 native speaker 教員が推薦するテキストまた、本校が既に採用しているテキストの新版などを購入した。英検・ TOEIC の過去問題集や予想問題集も購入する。留学希望の生徒用に TOEFL の参考書や問題集も揃えた。 また、英語力をつけるのには欠かせない単語力向上のため、 「キクタン」シリーズを購入する。 5
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