仙台CCTPキックオフ(pdf) - fc2

SWIM研究会
クラウドコンピューティング
トライアルプロジェクト
仙台キックオフミーティング
2010年4月20日
15:00∼17:00
宮西洋太郎
宮城大学客員教授
仙台ソフトウェアセンター嘱託
電子情報通信学会SWIM研究専門委員会委員長
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
1
本日の議題
•
第1部
・確認のため、プロジェクトの主旨説明(小職から)と質疑応答
・出席者からの意見聴取・「クラウドコンピューティング概論」(小職から発表)約
30分
•
第2部(時間都合により中止)
・「クラウドコンピューティング概論」(小職から発表)約30分
・技術的な面の意識あわせと質疑応答
•
第3部
・準備状況と概略計画の発表(できるかただけでも)10分×4件程度
・今後の予定確認(特にCEATECでのチュートリアル2時間の計画)
(各社の取組のPR、大いに結構です)
・WG体制の確立(ステアリング委員長、要件WG長、実装WG長、評価WG長)
(ぜひ、自発的に、リーダ役に手をあげてください)
・決意表明と確認
・その他
•
第4部(付録)
・SWIM研究会のご紹介
(本プロジェクト進行中の進捗区切りでの活発なご発表をお願いします)
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
2
出席者
以上18名
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クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
3
SWIMクラウドコンピューティング
トライアルプロジェクト(1)
SWIMとは
電子情報通信学会の研究会(信学会では、研究専門委員会)
Software Interprise (InternetとEnterpriseとを結合した造語)Modeling
ホームページ:http://www.ieice.org/~swim/jpn/
エンタープライズ(企業、非営利組織)と情報技術との相互イノベーションを目指す。
クラウドコンピューティングトライアルプロジェクト(CCTP)
2010年度SWIM研究会が行う集団的研究活動
クラウドコンピューティングトライアルプロジェクト(CCTP)の目的
(1)エンタープライズ用途の情報システムにとって、クラウドコンピューティングは次世
代経営情報技術として本命になりうる画期的技術なのか、単なるバズワードに終わる
のか、学会研究会として、不偏不党の第三者的、かつ学術的立場から、見極めること。
(2)エンタープライズ情報システムにおけるデータそのものやデータ処理方法は、まさ
に企業の魂であり、生命線ともいえる。行政などでは、個人情報の保護が欠かせない。
それらを外部にゆだねることの不安やリスクとひきかえに如何なるメリットを享受しうる
かを見極めること。
(3)もし本命になりうる技術ならば、リレーショナルDBの多様な検索の不使用や粒度
の大きいACIDトランザクションの不使用など、従来の分散システム構築方法の常識を
覆す可能性があり、クラウドコンピューティング技術をエンタープライズ情報システムへ
適用するための実践的ノウハウ(実践的知見)を獲得することが、エンタープライズ情
報システムの構築技術者(あるいは企業)にとって、重要かつ喫緊の課題であり、実践
的ノウハウを獲得すること。
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
4
SWIMクラウドコンピューティング
トライアルプロジェクト(2)
プロジェクトの基本的な考え(プロジェクト憲章)
• 「冷静な科学技術的とりくみ」、「オープンマインド」
• 「Give&Takeの精神:各自自分のノウハウを提供するかわりに、他の方からもそれ
以上のノウハウをいただく」
同じ「要件定義」にしたがって、各社のサービスを利用して、自主的にプロトタイプ
を作成し、その経験をもちより、評価します。多くのプロトタイプ構築の実績を必要
とします。これは、集団的取組みでないと難しい。
• 「来るは拒まず、去るは追わずの精神:プロジェクトへの参加も脱退もメンバーの
自主的な意思とします」
• 「ボランティア活動の精神:各自のできる範囲(リソース)でご協力をお願いします」
• 「得られたノウハウの活用は、なんら制限しません」(ビジネス展開など)
例えば、Takeしたノウハウの活用も制限しません。Give&Takeです。
• 「基本的に本プロジェクトでの直接の金銭の出入りはありません」(各自の負担でト
ライアル、義務もなし)
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クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
5
SWIMクラウドコンピューティング
トライアルプロジェクト(3)
個人情報保護の基本的な考え(プライバシー保護のポリシー)
• 参加者名簿を作成し、参加者に提供します。
• 参加者名簿は個人情報ですので、このプロジェクト以外でのご使用はご遠慮
くださいますよう、お願いいたします。
• また、本プロジェクトには参加するが、どうしても名簿から除いておくことをご
希望のかたは、お知らせください(好ましくありませんが)。
• また、相互にバックグラウンド(いままでのご経験)の理解を深めるため、ご経
歴の会社、大学も記しておきました。もし間違っていましたら、ご指摘ください。
もちろん、空欄のままでも結構です。
• プロジェクト参加者は、プロジェクトに関しましては、「仲間うち」ということで、
お互いの連絡などに、ご活用いただきますと、ありがたいと存じます。
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
6
SWIMクラウドコンピューティング
トライアルプロジェクト(4)
共通
•・
システム仕様書
•・
・
システム構築
•システム構築
システム構築
•システム構築
サービス提供者A
•サービス提供者A
サービス提供者B
•サービス提供者B
サービス提供者Aに関
するノウハウと評価
サービス提供者Bに関
するノウハウと評価
要 件
WG
•・
・
システム構築
•システム構築
•・・・・
•・・・・
サービス提供者n
•サービス提供者n
・
構 築
WG
サービス提供者nに関
するノウハウと評価
評 価
WG
クラウドコンピューティングとして(サービス提供者に
共通する)共通のノウハウと評価
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
7
SWIMクラウドコンピューティング
トライアルプロジェクト(5)
• マイルストーン
– プロジェクト計画書発行、参画者の応募、(メール、HP)
– プロジェクト計画書の意見公募(Request for Comment)
– 参画者の確定、参画者が事前調査を完了、
– プロジェクト計画書の公開、意見収集、改定完了、
– プロジェクトスタート、
– 要求仕様書、不明点の解決、
– 各社のクラウドコンピューティングサービスの疑問点解決、
– 各参画者の情報システム開発完了、
– 成果の評価、とりまとめ、
– 成果の外部発表(例えば案、CEATECでのチュートリアル)、
– 成果の検討、議論、今年度のまとめ、
2009/12
2010/1
2010/2
2010/3
2010/4
2010/5
2010/6
2010/8
2010/9
2010/10
2011/2
実態にあわせ、見直す。CEATEC優先ではない
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
8
SWIMクラウドコンピューティング
トライアルプロジェクト(6)
•
•
•
•
•
•
成果の目標例として、
あるベンダーX社ごとに、下記のような整理を行う(ベンダー提供のサービスを利用するノウハウ)
1.この業務(ア)は、どう工夫しても、X社のIAAS、PAASではできないアプリケーションである
例:X=Google社で、頻繁にトランザクション(読み書き)が行われ、リアルタイムに処理することを要求され
るアプリケーション。
• 例:X=Google社で、従来型のRDBのSQL機能をふんだんに使うアプリケーション。
•
• 2.この業務(イ)は、多少要件を緩めることによって、X社のIAAS、PAASで構築できるアプリケーションで
ある
• 例:リアルタイム性を、ヒューマンインタフェースで許容範囲で、待たせることによって、実現できるアプリ
ケーション。
•
• 3.この業務(ウ)は、データの持ち方を工夫することによって、X社のIAAS、PAASで構築できるアプリケー
ションである
• 例:読み取り専用のデータと書き込みは一方向性にできるといったデータのもちかたで、実現できるアプリ
ケーション。
• リアルタイムシステムであっても、センサーなどのモニタリングシステムのようなもの。
•
• 4.この業務(エ)は、たいした工夫をしなくても、すなおにX社のIAAS、PAASで構築できるアプリケーション
である
• 例:大量の情報源から検索するアプリケーション(Googleの本来のアプリケーション)
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クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
9
SWIMクラウドコンピューティング
トライアルプロジェクト(7)
アプリケー
ション(ア)
アプリケー
ション(イ)
アプリケー
ション(ウ)
アプリケー
ション(エ)
1∼4のどれにあたるか
ベンダー
(A)
2010/4/20版
ベンダー
(B)
ベンダー
(C)
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
ベンダー
(D)
10
「話題(1)」
1.ユーザ企業、情報サービス産業、クラウドサービス提供企業の関係
ユーザ企業
製造、流通、金融、電力、公共etc
(低コスト、短納期、高品質、安全)
ユーザ企業が自社
の情報システムを
構築する
従来の
情報サービス
産業
(IT業界)
情報システム
の提供
SIer
(情報システムの構築
請負)
パラダイムシフトか
単なる選択肢の追加か
ユーザ企業がクラウドを利
用して自社の情報システム
を構築する
クラウドコンピューティング
SIerがクラウドを利用して
ユーザ向けの情報システ
ムを構築する
ユーザ企業の主要メリットは?
ハードウェア、基本ソフトウェア、パッ
ケージの提供企業
2010/4/20版
・TCO(Total Cost of
Ownership)の削減
・莫大なスケーラビリティ
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
11
「話題(2)」
2.これをチャンスと捉え、情報サービス産業の繁栄につなげることができるか
パラダイムシフト、革命、イノベーション
クラウドコンピューティング
脅威
(threat)
OR
クラウドコンピューティング
良好な関係
機会
(opportunity)
(脅威も機会もあり)
繁栄に向けて
どのようにして?
情報サービス産業
情報サービス産業
プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドといったソ
リューションなど、どのような方法でチャンスに?
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
12
「話題(3)」
3.各社がこれを、どのように迎え撃つか(どのように準備するか)
「備えあれば、憂いなし」
大波がやってくる
「備えよ常に」と
は言うものの
クラウドコンピューティング
一体、何をすれ
ばよいのか?
準備を怠る
会社
大波に飲み込まれ衰退
2010/4/20版
備える会社
まず、クラウド
コンピューティ
ングをよく知る
ことでは?
大波に乗り、繁栄
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
脅迫観念で
はなく、冷静
な科学技術
的態度
13
「話題(4)」
4.クラウドコンピューティングを良く知る:要素技術の一例
従来のビジネス系情報シス
テム構築の主要キー技術
ドメイン知識(対象)
オブジェクト指向技術
リレーショナルDB技術
スケーラビリティ
(スケールアウ
ト)を求めるなら
影響大
KeyValueデータストア技術
利点
リレーショナルDB技術
従来に比べ、桁外れに大き
いスケーラビリティの実現
ネットワーク技術
注意点
プロジェクト管理技術
検索に制約が大きい(多様
な検索ができない)
ACIDトランザクションが限
定される(参照と更新を峻
別)
使ってみて、実践的知見を蓄える?
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
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「話題(5)」
5.クラウドコンピューティングの標準化動向
クラウドコンピューティング
A
ロックイン状態
アプリケーションインタフェース(API)
アプリケーション
クラウドコンピューティング
B
アプリケーションインタフェース(API)
・・・・・
アプリケーション
複数のクラウドから同じサービスが同じ
インタフェースで、利用できない
クラウドコンピューティング
A
クラウド間での
相互運用性
クラウドコンピューティング
B
標準化されたアプリケーションインタフェース(API)
アプリケーション
2010/4/20版
・・・・・
アプリケーション
複数のクラウドから同じサービスが同じ
インタフェースで、利用できる
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
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「話題(6)」
6.セキュリティの問題
選択肢1:クラウドを使わない(使えな
い)
過去の成功に安住、保守主義、波に乗り遅れる恐れ
ハイブリッドクラウドというソリューション
自社サーバ
選択肢2:セキュリティが重要なデータ
や処理は自社のコンピュータで行い、セ
キュリティに問題のないデータや処理
はクラウドを使う
クラウドコンピューティング
クライアント(ブラウザ)
プライベートクラウドというソリューション
自社内クラウドコンピュー
ティング環境
クライアント(ブラウザ)
選択肢3:セキュリティが重要なデータ
や処理も、セキュリティに問題のない
データや処理もクラウドを使う
サービス提供者を信頼し、契約SLA (Service
Level Agreement)で縛るしか方法はないのだろ
うか?技術的解法は?
認証、暗号化、査証、内部統制etc
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
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「話題(7)」
7.OSS(オープンソースソフトウェア)との付き合い方
アーキテクチャ:Webアプリケーション
Webサーバ:Apache
Applicationサーバ:Tomcat
クラウドコンピューティング
Webサービス:WSDL、Rest
がもたらす影響?
Programming:HTML、Java、JSP、
Servlet、PHP、Ruby、・・・・
開発環境(IDE):Eclipse
きたるべきクラウド時代に備え、
OSSの関連では、
DataBase:MySQL、Postgresql
どのような準備をすべきか?
Network:TCP/IP
•クラウド向けデータストア
OS:Linux
2010/4/20版
•OSSのHadoop
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
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参考文献
(1) 「日経コンピュータ」2009年9月2日号、特集:グーグル 次の一手
(2) 情報処理学会誌 2009年11月号(「情報処理」 Vol.50 No.11)
特集:クラウドコンピューティング
(2)-1 丸山不二夫「クラウドの成立過程とその技術特徴について」
(2)-2 中田秀基「Googleのクラウド技術」
(2)-3 石田愛「Amazon EC2」
(2)-4 藤田昭人「クラウド技術とオープンソース」
(2)-5 首藤一幸「スケールアウトの技術」
(2)-6 山下哲也「クラウドとモバイルデバイス」
(2)-7 萩原正義「クラウドアプリケーションの分析と開発手法」
(2)-8 浦本直彦「クラウドコンピューティングにおけるセキュリティとコンプライアンス」
・上記のうち、エンタープライズ情報システム開発に最も直接的なものは、(2)-7。
・そのための予備知識として、(2)-1から(2)-3、(2)-5。
・クラウドコンピューティングを有償のベンダーサービスではなく、オープンソースHadoopで実現する方法が(2)-4。
・クラウドコンピューティングで懸念となるセキュリティを扱っているのが(2)-8。
(3) 「日経SYSTEMS」 2009年12月号
特集:クラウド革命に備えよう
(4) ニューヨークだより(IPA)2009 年 9 月
「クラウドコンピューティングの産業構造とオープン化を巡る最近の動向」
http://www.ipa.go.jp/about/NYreport/200909.pdf
(5) クラウド活用による経営システム改革 ∼NECの実践とソリューション∼
http://www.nec.co.jp/effort/strategy/2009_1105/index.html
以下(6)∼(13)、日経SYSTEMS(3)の紹介資料
(6) 米持幸寿、「クラウドを実現する技術」、インプレスジャパン
(7) 城田真琴、「クラウドの衝撃」、東洋経済新報社
(8) 日経BP社出版局編、「クラウド大全」、日経BP社
(9) Nicholas G. Carr、村上彩訳「クラウド化する世界」、翔泳社
(10) (株)グルージェント、「Google App Engine for Java [実践]クラウドシステム構築」技術評論社
(11) 並河祐貴、安達輝雄、「クラウドAmazon EC2/S3のすべて」、日経BP社
(12) 西田宗千佳、「クラウドの象徴セールスフォース」、インプレスジャパン
(13) マイクロソフトエバンジェリストチーム、「.NET開発テクノロジ入門」、日経BPソフトプレス
以下(14)は、情報処理(2)-2の紹介資料
(14) 西田圭介、「Googleを支える技術−巨大システムの内側の世界」、技術評論社(2008)
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
プ ジ ク
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おわりに
クラウドコンピューティングは、本当に、企業用または行政
用の情報システムに役立つものかどうかを見極めなければ
なりません。
もし、そうならば、そのための知識と実践方法を身につけな
ければなりません。
一般論では、世の中の変化に常に敏感で、世の中の変化
に取り残されないようにしましょう。
さらに願わくば、私たちが世の中の変化を惹き起こす原動
力になれるように精進しましょう。
ご清聴(ご注目)、ありがとうございました。
2010/4/20版
クラウドコンピューティングトライアル
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