平成 26 年度事業計画 平成 25 年度の日本経済は大胆な金融緩和、機動的な財政政策、成長戦略の所謂三本の矢の政 策により、円高修正が進み着実に景気が回復してきている。平成 25 年度の私立大学の定員割れ 状況は前年度の 45.8%から 40.3%と改善しているものの、私立大学を取り巻く経営環境は依然 として厳しい状況が続いている。平成 26 年度の景気は、4 月の消費税引き上げにより一時的に 影響を受けるものの、長引くデフレからの脱却、雇用や所得の拡大等に向けた経済対策により、 総じて緩やかに回復していくと見込まれている。 平成 24 年度以降入学者は東日本大震災の影響等もあり、大幅な定員割れが発生したこと、 平成 26 年度入試の志願者数、入学手続き状況も苦戦を強いられていることから、今年度は引続 き学生の安定的確保を最優先課題として全学をあげて取組んでいくこととする。国際競争力の低 下が懸念されている中で、東日本大震災が発生し、日本は戦後最大の苦難に直面している。この ような社会情勢の中で、建学の精神に基づく教育研究活動の展開、今後の日本の持続的な発展を 実現していく工学系人材を育成する本学の責務は一層大きくなっている。本学の建学の精神であ る「高度の技術者を養成」し、科学技術立国に寄与することが、今まさに求められている。多面 性をもった学生を受け入れ、きめ細かな教育により学生の能力を高めていくとともに、キャリア 教育と就職支援活動を更に強化することにより本学の魅力向上を図っていくこととする。また、 4 月には「新技術創造研究センター」を「地域連携センター」に名称変更し、地域貢献、社会貢 献に積極的な役割を果たしていくこととする。本学が培ってきた研究資源を活用するとともに、 地域と連携し実施する地域振興、産業振興、人材育成等の実践的活動を支援する大学として、 産学連携や地域社会との連携強化にも引続き努めていくこととする。 高校においては、 「仙台城南高等学校」が、特進科・探究科・科学技術科の 3 科からなる新し い高等学校として順調にスタートしたが、今年度は改革の真価が問われる 2 年目を迎える。 「大学と接続した新しい学びの創造」をスローガンに、東北工業大学が有している魅力や特色を 再構築し、特色ある学校づくりを目指していくこととする。その中核をなす「ICT 教育」は、 今年度は探究科に加えて科学技術科でもタブレット端末 iPad を導入することで全校規模に拡大 するとともに、 「グローバル教育」をもう一つの大きな柱として推進し、質の高い教育を提供し ていくこととする。 財政面については、今年度は新クラブ棟建設、図書館の改修工事等の優先度の高い施設・設備 支出が見込まれることから、法人全体としては、入学者、在籍者の確保による学納金収入や補助 金収入の増収を図っていくとともに、削減できる経費や無駄なコストの支出抑制に努め、引続き 単年度収支の改善を目指すこととする。学校法人の持続的な発展を維持するためには、確固とし た財務基盤の構築が大前提であり、これまで運営健全化計画の推進により人件費・物件費の抑制 に努めてきたが、その間の学納金収入が支出の削減を上回るペースで減少してきたことで、財務 は悪化の一途をたどっている。今年度は第 2 次5ヵ年計画に掲げた教職員の基準人員策定や、 建物の建替え計画の策定に着手することにより、財務改善に向けた抜本的な見直しを行うことと する。 平成 26 年 4 月には大学が創立 50 周年を迎えることとなることから、6 月 21 日に大学創立 50 周年記念式典、祝賀会を開催することとする。今年度は次の半世紀に向けた第一歩を踏み出 す年と位置付け、第 2 次 5 カ年計画を機に建学の精神をよりどころとして、策定したビジョン 「東北地方における私学として最も魅力のある文理融合型の工科系大学」の実現に邁進していく こととする。 Ⅰ 事業計画の内容 1.大学部門 (1)教育研究の充実 ア.工学部 イ.ライフデザイン学部 ウ.工学研究科 エ.ライフデザイン学研究科 オ.共通教育センター (2)入学志願者増のための施策 (3)就職支援 (4)FD 活動 (5)国際交流 (6)地域連携と社会貢献の促進 (7)教育・研究時間の確保 2.高校部門 (1)仙台城南高校開校2年目 ア.教育内容の整備・充実 イ.継続的な広報戦略の展開 ウ.入試制度の検証と改善 (2)教育内容の整備・充実 ア.教員の資質と授業力向上 イ. 生徒の学力向上と進路実績向上 ウ.機能性の高い校内組織の構築 エ.部活動、生徒会活動の活性化 オ.中途退学者の抑制 (3)教育環境の整備・充実 ア.ICT 教育環境整備 イ.学科ごとの教室配置の整備 ウ.科学技術科の設備整備 (4)東北工業大学への進学者確保 (5)学校評価・地域連携・貢献への取り組み 3.共通部門 (1)収入の確保 (2)支出の抑制 ア. 物件費の抑制 イ. 人件費の抑制 (3)施設・設備 ア.新クラブ棟の建設 イ.八木山キャンパス図書館本館改修工事 (4)大学図書館業務の委託拡大 (5)大学創立 50 周年記念寄付金の募集 (6)第2次5ヵ年計画の着実な実行
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