(1)一般国道44号 根室道路 - 北海道開発局 - 国土交通省

資料2-10(1)
一般国道44号
ねむろ
根室道路
再評価原案準備書説明資料
平成23年度
北海道開発局
目
次
1.事業の概要 ············································· 1
2.事業の必要性等 ········································· 7
3.事業の進捗の見込み ···································· 29
4.関係する地方公共団体等の意見 ·························· 30
5.対応方針(案) ·········································· 32
1.事業の概要
(1)目的
一般国道44号は、釧路市を起点に根室市へ至る延長約1
24kmの主要幹線道路です。
このうち根室道路は、冬期視程障害区間の回避及び物流の
効率化等を目的とした根室市温根沼から根室市穂香を結ぶ、
延長7.1kmの一般国道のバイパス事業です。
1
■位置図
至羅臼町
至釧路市
■事業概要図
2
(2)計画の概要
① 起点
終点
ほっかいどう ね む ろ
おん ね とう
ほっかいどう ね む ろ
ほ におい
‥‥北海道根室市温根沼
‥‥北海道根室市穂 香
② 計画延長‥‥7.1km
③ 幅員
‥‥13.5m
④ 構造規格‥‥1種3級
⑤ 設計速度‥‥80km/h
⑥ 車線
‥‥2車線
⑦ 事業主体‥‥北海道開発局
■横断図
13.50
2.50
3.50
1.50
CL
3
(単位:m)
3.50
2.50
(3)経緯
平成11年度
事業化
平成12年度
用地補償着手
平成17年度
工事着手
平成20年度
事業再評価
4
(4)事業化以降の周辺環境の変化
[高速交通ネットワークの整備]
・平成21年11月 北海道横断自動車道
本別インターチェンジ~浦幌インターチェンジ供用
[ラムサール条約登録]
・平成17年11月 「風蓮湖・春国岱」がラムサール条約
湿地登録
[市町村合併の状況]
・平成17年10月 釧路市、阿寒町、音別町が合併し釧路
市が誕生
■周辺環境の変化
平成 17 年 11 月
ラムサール条約登録
風蓮湖・春国岱
写真:釧路開発建設部
平成 21 年 11 月開通
本別 IC~浦幌 IC
写真:釧路開発建設部
5
(5)事業の進捗状況
当該事業は、平成23年度末見込みで、用地進捗率92%、
事業進捗率50%です。
用地進捗率
92%
事業進捗率
50%
※用地進捗率は用地補償費投入ベース
※事業進捗率は事業費投入ベース
平成23年度末見込み
6
2.事業の必要性等
(1)事業の投資効果
1) 全体事業費の変更
平成20年度の再評価以降、新たに判明した事象に基づき
設計を見直した結果、以下の変更要因が確認されています。
○ 排水処理の見直し
現地調査の結果による法面湧水対策の追加
(約0.1億円増)
また、当該事業では以下のコスト縮減に取り組んでいます。
○ 橋梁工の見直し
新技術の活用に伴う橋梁構造形式の見直し
(約0.1億円減)
以上の変更はありましたが前回評価と比較して、変更はあ
りません。
今後も引き続きコスト縮減に取り組みます。
全体事業費
(H20再評価)
全体事業費
(H23再評価)
増減額
172億円
172億円
0億円
7
2)費用便益分析
費用便益分析の結果 (事業全体)
全体事業費
計画交通量
(台/日)
172億円
2,900
車
線
数
2
①費用
事
基
単
準
純
業
費
維持管理費
年
合
合
計
平成23年度
計
142億円
45億円
187億円
基準年における
現在価値(C)
149億円
16億円
165億円
注)事業費の単純合計値は全体事業費から消費税相当額等を控除した値である。
②便益
走行時間
短縮便益
基
準
走行経費
減少便益
年
交通事故
減少便益
合
計
平成23年度
単 年 便 益
(初年度便益)
9.7億円
0.70億円
0.23億円
11億円
基準年における
現在価値(B)
157億円
11億円
3.6億円
171億円
③結果
費用便益比(B/C)
1.0
注)費用及び便益の合計は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。
8
費用便益分析の結果 (残事業)
①費用
事
基
単
準
純
業
費
維持管理費
年
合
合
計
平成23年度
計
71億円
45億円
117億円
基準年における
現在価値(C)
61億円
16億円
77億円
②便益
走行時間
短縮便益
基
準
走行経費
減少便益
年
交通事故
減少便益
合
計
平成23年度
単 年 便 益
(初年度便益)
9.7億円
0.70億円
0.23億円
11億円
基準年における
現在価値(B)
157億円
11億円
3.6億円
171億円
③結果
費用便益比(B/C)
2.2
注)費用及び便益の合計は、表示桁数の関係で計算値と一致しないことがある。
④感度分析(残事業を対象)
変動要因
基準値
変動ケース
費用便益比(B/C)
交通量
2,900
±10%
2.0~2.4
事業費
71億円
±10%
2.1~2.4
事業期間
5年
±1年
2.1~2.3
9
(2)地域の特殊性を考慮した便益の検討
北海道開発局事業審議委員会(平成21年6月開催)では、
「道路事業の事業評価において、3便益以外に地域の特殊性
等を考慮した多様な便益についても適切に反映できるよう
検討し、事業評価を充実されたい。」とのご意見をいただい
ているところです。
今回、試算としてではありますが、現段階での知見に基づ
き便益算出の検討を行いました。
根室市並びに周辺町村の救急医療は、釧路市及び帯広市の
医療施設へ搬送されており、道路整備による救急医療へのア
クセス向上効果について試算しております。
また、道路の整備により移動時の所要時間の変動(ばらつ
き)が減少し、時間に遅れないために見込む余裕時間の短縮
効果についても試算しております。
更に、当該事業区間は地吹雪による視程障害の発生により
旅行速度が低下するなど、冬期における走行環境の悪化が著
しいことから、当該事業における防雪対策により視程障害が
解消され走行性が向上する効果についての試算しておりま
す。
10
1)救急医療改善効果
①効果算定の考え方
生死に係る患者の傷病発生から手当てが施されるまでの
経過時間が生存率に大きく影響します。道路整備によって
救急医療へのアクセスが向上することで、生死に係る傷病
の発生から救命処置が施されるまでの経過時間が短縮し、
救命数が増加するものと考えられます。
そこで、
「九州地方を対象とした救急医療改善効果の研究
成果」を参考とし、救われる人命価値を道路整備による効
果として試算しました。
【概念図】 医療施設へのアクセス向上と生存率の増加、道路整備による改善効果の関係
救急車
救急車
入電
病院
(高次医療施設)
救急現場
(自宅など)
消防署
覚知~現場発時間控除
算定対象
搬送時間
疾患別の搬送時間と生存率の関係
算定対象
→y(生存率)=0
の場合のX(分)
覚知~現場発
時間 を控除
患者搬送時間
(算出値)
→ 72.2 - (7.4+10.9) = 53.9分
→216.9 - (7.3+11.9) =197.7分
→ 95.5 - (7.7+10.7) = 77.1分
→ 77.4 - (7.5+15.4) = 54.5分
※Y:生存率、x:搬送時間(分)
※覚知~現場発時間は、固定値
資料:「道路整備による救急医療便益」(交通工学
Vol.45
No5
2010)
道路整備による搬送時間短縮・生存率の向上によって
救われる
人命価値
(円)
【例】脳梗塞では、
道路整備による便益
※新たに算定する便益
◎道路整備により、搬送時間が15分短
縮すると、救急患者の生存率が7.2%
向上します。
整備なし
整備あり
11
②改善効果算定のフローと算定式
改善効果は、道路の整備による搬送時間短縮に伴う生存
者増加数の貨幣評価値より試算しました。
各市町村役場と急性期対応病院間
効果の計測対象の設定
の最短経路を設定
(1)対象とする地域・人口
の設定
(2)疾患別の搬送患者発
生率
(3)疾患別の急性期対応
病院への搬送率
搬送時間の設定
疾患別の急性期対応病院への搬送患者数
(4)疾患別の搬送時間短
縮1分あたりの救命率
搬送時間短縮による救急患者の生存者
増加数の算出
(5)人命価値
削減される社会的損失の算出
(救命する人命価値)
◎救急医療改善効果(円/年)
(搬送時間短縮により救命される人命数の貨幣評価値(円/年)
)
=
P
Ai
Bi
C
Di
E
i
Σ P× Ai× Bi× C× Di× E
:改善効果対象地域・地区の受益人口(万人)
:疾患別の搬送患者発生率(人/万人)
:疾患別の収容施設への搬送率(%)
:地区と収容施設間の搬送短縮時間(分)
:疾患別の搬送短縮時間1分あたりの救命率
:人命価値(2.26 億円/人)
:疾患別(疾患:急性心筋梗塞、脳梗塞、多発外傷、大動脈乖離)
12
③改善効果の試算
当該事業において試算した救急医療改善効果は現段階で
の知見に基づき、傷病発生から救急車が現場に到着し病院
へ搬送し救命措置が施されるケースについて、搬送時間短
縮に伴う生存者増加数に着目し試算を行った結果です。
a)改善効果試算の設定、条件等
項目
地域・地区区分
改善効果算
定対象
収容施設
設定等
当該区間の整備により最寄りの
高次施設(急性期対応病院)への
搬送時間が短縮する市町村
釧路市の急性期病院
①急性心筋梗塞:血管外科を併設する
循環器急性期医療機関、循環器科のあ
る救急医療機関
②脳梗塞:脳卒中急性期医療機関
③多発性外傷:救命救急センター、上
記①かつ②と同じ
④大動脈乖離:上記①と同じ
備考
総務省統計局「H17 国勢調査」
傷病者の搬送及び受入れの実
施に関する基準
北海道(H23.3 施行)より
急性心筋梗塞
収容施設へ
脳梗塞
の搬送率
多発外傷
3次メッシュ(1kmメッシュ)
の各ゾーンから、最短時間でアク
セス可能な急性期病院へ搬送
-
大動脈乖離
急性心筋梗塞
2.62 人/万人
搬送患者発
脳梗塞
11.98 人/万人
生率
多発外傷
0.56 人/万人
大動脈乖離
1.95 人/万人
覚知~現場発(各市町村)までの
「道路整備による救急医療便
時間
益」交通工学 Vol45 No5 2010
3次メッシュの各ゾーンから
最寄りの急性期病院までの所
各市町村から最寄りの急性期病 要時間を交通量推計結果に基
院までの所要時間。
づく走行速度から算出し、ゾー
ンの人口加重により市町村の
平均所要時間を算出
搬送時間
搬送時間短
縮 1 分あた
りの救命率
人命の価値
「道路整備による救急医療便
益」交通工学 Vol45 No5 2010
急性心筋梗塞
0.0160/分
脳梗塞
0.0048/分
多発外傷
0.0119/分
大動脈乖離
0.0112/分
2.26 億円/人
13
「道路整備による救急医療便
益」交通工学 Vol45 No5 2010
資料「公共事業評価の費用便益
分析に関する技術指針(共通
編)平成 20 年 6 月」
b)改善効果の算定結果
Ⅰ.救急医療改善効果(急性心筋梗塞)
救急医療改善効果
救命する人命数
根室道路
(億円/年)
事業全体
0.0000
0.0000
残事業
0.0000
0.0000
Ⅱ.救急医療改善効果(脳梗塞)
救急医療改善効果
救命する人命数
根室道路
(億円/年)
事業全体
0.5993
1.3544
残事業
0.5993
1.3544
Ⅲ.救急医療改善効果(多発外傷)
救急医療改善効果
救命する人命数
根室道路
(億円/年)
事業全体
0.0000
0.0000
残事業
0.0000
0.0000
Ⅳ.救急医療改善効果(大動脈乖離)
救急医療改善効果
救命する人命数
根室道路
(億円/年)
事業全体
0.0000
0.0000
残事業
0.0000
0.0000
Ⅴ.効果表
基準年
平成23年度
事業全体
単年効果
通常時
基準年における現在価値※
残事業
1.35 億円
1.35 億円
23.91 億円
23.91 億円
(※)は、供用後50年間の効果額として試算した値(参考値)
根室道路の整備により、根室道路周辺地域の住民にとって
釧路市や帯広市内の急性期病院へのアクセスが、最大で約3
分短縮し、年間0.60人の患者が救命され、約24億円の
効果が発現すると試算されました。
14
2)余裕時間の短縮による効果
①便益算定の考え方
道路整備により、平均的な所要時間が短縮するだけでな
く、所要時間の変動(ばらつき)が減少し、到着予定時刻
に遅刻しないために見込む余裕時間も短縮すると考えられ
ます。余裕時間が短縮すると、道路利用者は出発時刻を以
前より遅くすることができ、遅くした時間は他の有効な活
動に利用できることから、この出発時刻を遅らせることが
できる効果を余裕時間の短縮による走行時間短縮便益とし
て試算することとしました。
【概念図】 余裕時間の短縮による走行時間短縮便益の概念
平均所要時間
整備前
30分
ある確率で約束時間内に
到着するために見込む所要時間
20分
従来の時間短縮便益
平均時間短縮:10分
余裕時間短縮: 5分
整備後
20分
今回の試算対象
15分
※
15
所要時間は参考値
②便益算定のフローと算定式
余裕時間の短縮による便益は、以下の手順及び算定式より
試算しました。
① 道路区間毎に余裕時間を算出
する。
② 対象道路網の総余裕時間を算
出する。
③ 車種別時間価値、余裕時間の
短縮による便益を享受する交
通量割合より、対象道路網の
余裕時間短縮による走行時間
費用を算定する。
④ ①~③の算定を整備前後で行
い、その差が「余裕時間の短
縮による走行時間短縮便益」
余裕時間の短縮による走行時間短縮便益 : BTR = BTRo-BTRw
余裕時間の短縮を考慮した走行時間費用 : BTRi = Σ(βj×BTRijr)
ここで、 BTRi : 整備 i の場合の走行時間費用
BTRijr : 整備 i、車種 j の余裕時間費用(円/年)
また、時間費用は次式で表される。
BTRijr = γj×Σ(Qijl×TRijl×αj)×365
Qijl : 整備 i の場合のリンク l における車種 j の交通量(台/日)
TRijl : 整備 i の場合のリンク l における車種 j の余裕時間(分)
αj : 車種 j の時間価値原単位(円/分・台)
βj : 車種 j の余裕時間短縮による便益を享受する移動者の割合
γj : トリップ長分布を考慮して総余裕時間を算定する換算係数
i: 整備有の場合 W 、なしの場合 O 、j: 車種、l: リンク
16
③便益の算定例
余裕時間が同じように短縮しても、移動目的や例えば物流
事業者のような時間指定の有無等の移動者の特性によって
余裕時間の短縮による走行時間短縮便益は異なります。
当該事業において算定した余裕時間の短縮効果は、「①到
着時刻の指定があり」
、かつ指定時刻に早く着いてしまった
場合に「②指定の時刻まで待機した移動者」のみを対象に
算定した結果であり、
「③到着時刻の指定がない移動者」や、
指定時刻に早く着いてしまった場合に「④早めに目的の活
動を始める、または別の活動をして時間を有効活用した移
動者」は、便益算定の対象とはしていません。
便益算定の設定、条件等
Ⅰ.日平均旅行速度と非遅刻確率余裕時間の関係
実測データ(プローブカー調査)及びアンケート調査により設定
非遅刻確率余裕時間(単位:分/km)
自動車専用道路
平均旅行速度 40km/h 45km/h
乗用車類
1.679
1.210
貨物車類
1.640
1.182
50km/h
0.872
0.852
一般道2車線
平均旅行速度
乗用車類
貨物車類
5km/h 10km/h
5.614
3.817
5.483
3.727
15km/h 20km/h 25km/h 30km/h 35km/h 40km/h 45km/h 50km/h 55km/h
2.595
1.764
1.199
0.815
0.554
0.377
0.256
0.174
0.118
2.534
1.723
1.171
0.796
0.541
0.368
0.250
0.170
0.116
一般道多車線、DID外
平均旅行速度 5km/h 10km/h
乗用車類
8.431
5.947
貨物車類
8.233
5.807
15km/h 20km/h 25km/h 30km/h 35km/h 40km/h 45km/h 50km/h 55km/h
4.195
2.959
2.087
1.472
1.038
0.732
0.517
0.364
0.257
4.096
2.889
2.038
1.438
1.014
0.715
0.505
0.356
0.251
一般道多車線、DID内
平均旅行速度 5km/h 10km/h
乗用車類
10.152
7.194
貨物車類
9.914
7.026
15km/h 20km/h 25km/h 30km/h 35km/h 40km/h 45km/h 50km/h 55km/h
5.098
3.613
2.560
1.814
1.286
0.911
0.646
0.458
0.324
4.979
3.528
2.500
1.772
1.256
0.890
0.631
0.447
0.317
55km/h
0.628
0.614
60km/h 65km/h 70km/h 75km/h 80km/h 85km/h 90km/h 95km/h
0.453
0.326
0.235
0.169
0.122
0.088
0.063
0.046
0.442
0.319
0.230
0.165
0.119
0.086
0.062
0.045
条件:所要時間の確率分布は、狭義には旅行時間の日々の変動を観測して得られる結果(出発時刻を
固定し、1台の車両が同一の路線を複数日走行して得られる観測結果)であるが、本試算においては、
既存調査結果※を用いたことから、所要時間の日々の変動を現したものではない。
(※)は札幌開発建設部管内における道路交通実測データ(プローブカー)による調査結果。
17
Ⅱ.トリップ長分布を考慮して総余裕時間を算定するための換算係数(γ)
実測データ(プローブカー調査)により設定
表
重み付け平均換算係数(γ)
乗用車類
自動車専用道路
0.608
一般道路
0.631
小型貨物
0.698
0.787
普通貨物
0.536
0.566
Ⅲ.余裕時間短縮による便益を享受する交通量割合(β)
アンケート調査により設定
表 余裕時間短縮による便益享受交通量割合
車種
β
乗用車類
10.4%
小型貨物
27.6%
普通貨物
27.6%
Ⅳ.車種別の時間価値原単位
費用便益分析マニュアルより
表 車種別時間時間価値原単位
車種
時間価値原単位
乗用車類
45.78
小型貨物
47.91
普通貨物
64.18
単位:円/分・台(平成20年価格)
④便益の試算結果
Ⅰ.余裕時間の短縮による走行時間短縮便益(H42)
走行時間費用(余裕時間)
(億円/年)
①整備あり
②整備なし
余裕時間短縮便益
(億円/年)
事業全体
2,373.11
2,373.19
0.08
残事業
2,373.11
2,373.19
0.08
根室道路
Ⅱ.便益表
基準年
平成23年度
事業全体
残事業
単年便益(H29)
0.08 億円
0.08 億円
基準年における現在価値※
1.31 億円
1.31 億円
(※)は、供用後50年間の便益額として試算した値(参考値)
根室道路の整備により、所要時間の変動(ばらつき)が減
少し、到着予定時刻に遅刻しないために見込む余裕時間が短
縮する効果として、約1.3億円の便益が試算されました。
18
3)冬期の視程障害解消による走行性向上効果
①便益算定の考え方
積雪寒冷地では冬期間の路面条件等の悪化により走行速
度が低下します。さらに一部の地域では地吹雪による視程
障害が発生し、走行速度が大きく低下しています。
冬期の交通状況を考慮した便益に加え、道路整備によっ
て視程障害が解消され、走行速度が改善される効果を便益
として算定することとしました。
■冬期間・視程障害時の速度低下と道路整備による便益の関係(イメージ図)
■道路整備による冬期の視程障害解消のイメージ
19
②便益算定のフローと算定式
1年間を通常時、冬期間、視程障害時に区分してそれぞれ
の便益を算定し、年間の便益を算定しました。
◎冬期の視程障害解消による走行性向上を考慮した便益(円/年)
= 通常時便益(円/年)+冬期間便益(円/年)+視程障害時便益(円/年)
○通常時便益(円/年) ※従来と同様の便益計算
= (整備なしの場合の総費用(円/日)-整備ありの場合の総費用(円/日))
×通常時日数(日)
○冬期間便益(円/年) ※冬期速度の低減率、冬期間日数は設定値を適用
= (整備なしの場合の総費用(円/日)-整備ありの場合の総費用(円/日))
×冬期間日数(日)
○視程障害時便益(円/年) ※走行速度、視程障害発生日数は設定値を適用
= (整備なしの場合の総費用(円/日)-整備ありの場合の総費用(円/日))
×視程障害時日数(日)
○通常時日数+冬期間日数+視程障害時日数=365日
20
■積雪期における視程距離と走行速度比の関係
視程障害発生時の視程距離は、平成 21 年度に一般国道 272 号
阿歴内道路を検討した際に実施した吹雪シミュレーション結果
を準用し設定した。
■気象庁の気象統計情報に基づく
冬期間における視程障害発生日数の設定
年度
H18
H19
H20
H21
H22
平均
視程が悪化する気象条件
風速6m以上かつ0℃以下
かつ 24時間以内の降雪
がある日数(日)
17日
8日
14日
16日
21日
15日
資料:気象庁
図-地吹雪発生限界風速(降雪時)
出典:道路吹雪対策マニュアル 平成 15 年 7 月
国土交通省北海道開発局
資料1 吹雪に関する基礎知識
P1-7-3
21
③便益の算定
改善効果試算の設定、条件等
項目
設定等
便益算定の日区分と日数
備考
通常時
:244.0日
冬期間
:105.9日
視程障害時
:
15.1日
通常時×1.00
通常時
現道・整備後
通常期×0.90
冬期間
通常時の走行速度に対する冬期
間の走行速度は、道路交通セン
サスおよびトラフィックカウン
タデータを基に設定
冬期間の走行速度に対する視程
障害時の走行速度は、吹雪シミ
現道
冬期間×0.80
ュレーション等に基づき設定
「釧路中標津なかしべつ道路
(一般国道272号)阿歴内道路
整備後
冬期間×0.95
再評価原案準備書説明資料」
・通常時QV式を用いて通常時として推計
・交通量推計結果の速度データを基に算出
・通常時のQV式に冬期の低減率を乗じた冬期QV式を用いて冬期
間として推計
・交通量推計結果の速度データを基に算出
・冬期間の交通量推計結果を使用
・交通量推計結果の速度データのうち、現道部と整備後部の速度デー
タにそれぞれの視程障害時の低減率を乗じた速度として便益を算
出
速度低減
視程障害時
通常時
交通量推計
気象庁の気象統計情報より設定
視程障害時:風速 6m 以上かつ
0℃以下かつ 24時間以内の降
雪がある場合
冬期間
と便益算定
視程障害時
④便益の試算結果
Ⅰ.冬期の視程障害解消による走行性向上の便益(H42)
通常便益
(A)
冬期の視程障害を考慮した便益
(B)
(C)=(B)-(A)
事業全体
4.279 億円/年
4.378 億円/年
0.099 億円/年
残事業
4.279 億円/年
4.378 億円/年
0.099 億円/年
Ⅱ.便益表
基準年
平成23年度
事業全体
残事業
単年便益(H29)
0.106 億円
0.106 億円
※
基準年における現在価値
1.688 億円
1.688 億円
(※)は、供用後50年間の便益額として試算した値(参考値)
根室道路の整備による視程障害解消効果により、約2億円
の便益が試算されました。
22
(3)定性的な効果
地吹雪に起因する市街地の孤立化を解消します。
根室道路と並行する一般国道44号は、根室市と釧根各地域
を結ぶ重要な幹線道路ですが、地吹雪等による視程障害が過去
5年間の平均で約15日発生しています。
また、視程障害による通行止めにより、市街地の孤立化が発
生しています。
当該道路の整備により、並行区間の通行規制時の代替路を形
成し、視程障害に強い道路ネットワークが形成され、地吹雪に
起因する市街地の孤立化の解消が期待されます。
■並行現道の吹雪視程障害日数
■並行現道の吹雪視程障害による通行止め時間
2 9 .5
3
20
2
1 7 .3
10
0
1
1
5 .0
6 .0
0 .0
H13
H14
H15
2 7.0
通行止めの要因は、
全て吹雪による
視程障害
H16
H17
通行止め時間(単年)
通行止め回数(回/年)
通行止め時間(時間)
30
1
0 .0
0 .0
H18
H19
0 .0
H20
H21
通行止め回数
■吹雪視程障害による通行止めの状況(H20.4.1)
0 .0
H22
年度
H18
H19
H20
H21
H22
平均
視程が悪化する気象条件
風速6m以上かつ0℃以下
かつ 24時間以内の降雪
がある日数(日)
17日
8日
14日
16日
21日
15日
資料: 気象統計情報(気象庁)
(年度)
資料:釧路開発建設部
視程障害の様子
H20.4には27時間の
通行止めにより根室市街地
が孤立化!
視程障害による事故
写真:釧路開発建設部
資料:H21 釧路開発建設部
■防雪林整備による地吹雪解消状況
防雪林整備によ
り、地吹雪の発生
を抑える
23
【ショッピングセンターの声】
・地吹雪通行止めの際は、仕入れトラ
ックが朝の入荷に間に合わず、到着
が夕方 16 時になったりします。そ
うなると、客入りは通常の2割程度
で、売上も通常の半分以下になりま
す。地吹雪による通行止めだけは何
とかしてほしいです。
水産品の流通利便性向上が図られます。
根室市の水揚げ額は全道1位の約221億円であり、
「さんま」
は全国の約2割を占め、日本一の水揚げとなっています。
水揚げされた「さんま」の約2割は生鮮食用向けであり、ト
ラックにて道央地域や、釧路港や苫小牧港などから道外へ、釧
路港からは海外にも出荷されているため、円滑な輸送ルートの
確保が求められています。
当該道路の整備により、冬期においても水産物の消費地市場
等への輸送の安定性が向上し、水産物の流通利便性向上が期待
されます。
■道内の水揚額上位5位(H21)
220.5
根室市
■根室市の魚種別
水揚比率
196.2
函館市
ほたて
貝
3.7%
こまい
4.8%
たら
8.3%
128.5
羅臼町
全道 1 位
斜里町
119.5
112.3
釧路市
0
50
100
150
資料:H21 北海道水産現勢
200
250
(億円)
その他
17.6%
さけ
10.6%
根室港
18.7%
その他
港
25.5%
根室市漁獲量
1,058百t
(H21)
■根室さんまの
用途別出荷割合
非食用
向け
30.0%
■全国のさんまの漁港別漁獲量
さんま
55.1%
漁港別さんま
漁獲量
307千t
気仙沼
(H20)
港
13.0%
根室市水揚げの
5割(583 百 t)
資料:H21 北海道水産現勢
女川港
15.8%
全国の
約2割
全国1位
釧路港
9.8%
銚子港
17.2%
資料:H20 水産物流統計年報
■根室産さんまの輸送ルート
生鮮食
用
向け
21.0%
根室産さんま
用途別出荷量
57,287トン
(H20)
加工向
け
49.0%
資料:H20 水産物流統計年報
■根室産さんまの
出荷先割合
道内
10.0%
その他地
域等
33.1%
京浜
21.6%
釧路港・苫小牧港等
から道外・海外へ
道外への出荷割合は
根室産さんまの
出荷先
22,005t
名古屋
(H17)
20.9%
京阪神
14.4%
資料:H17 水産物流統計年報
9割
写真:釧路開発建設部
【運送会社の声】
・根室地域は、輸送道路の選択肢が少なく、安定した輸送道路の整備に期待し
ています。
【運送会社の声】
・夏は2時間かかっていた道路が、ちょっとした地吹雪でも3時間も要するよ
うになり、時間が読めません。地吹雪対策は必須です。
24
救急搬送の安定性向上が期待されます。
釧路・根室地域の三次救急医療は、市立釧路総合病院に依存
しています。
しかし、根室道路と並行する一般国道44号は、冬期には地
吹雪が頻発し通行止め時には救急搬送が不能となるなど、地域
医療サービスを安定的に提供する上で課題の一つとなっていま
す。
また、根室市内の医療施設で緊急時に利用される血液も釧路
市内から輸送されており、冬期における輸送の確実性が課題と
なっています。
当該道路の整備により、冬期間においても高次医療施設への
救急搬送の速達性及び安定性の向上が期待されます。
■根室市から釧路市への救急搬送ルート
冬期通行規制を抑制し、
確実性の高い救急搬送
ルートを確保
●診療科目数:17 科
●病床数:131 床
【市立根室病院】
【診療科目】
内科、外科、小児科、産婦人
科、眼科、整形外科、泌尿器
科、皮膚科、耳鼻咽頭科、麻
酔科、心臓血管外科、循環器
科、呼吸器科、消化器科、リハビ
リ科、放射線科、脳神経外科
資料:H22 釧路開発建設部、市立根室病院 HP 写真:根室市HP
【市立釧路総合病院】
●診療科目数:23科
●病床数:643床
【診療科目】
内科、消化器内科、小児科、心
臓血管内科、呼吸器内科、外
科、皮膚科、心臓血管外科、整
形外科、眼科、脳神経外科、泌
尿器科、産婦人科、耳鼻咽頭
科、精神科、神経科、歯科、麻
酔科、リウマチ科、アレルギー科、放射
線科、リハビリテーション科、歯科口
腔外科
■釧路赤十字血液センターから釧根地区
標茶町
標津町 63.4L その他
への血液供給の状況
31L
2%
4%
別海町
165.6L
11%
羅臼町
194L
13%
88.8L
6%
平成21年度
釧路赤十字血液センター
血液供給量
1,491L
中標津
町
306.2L
21%
資料:市立釧路総合病院 HP 写真:釧路開発建設部
根室市
641.6L
43%
※釧路市内及び
帯 広出 張所 への
供給量は除く
※血液製剤(赤血球
製剤、血漿製剤、
血小板製剤)の合
計値により算出
資料:北海道釧路赤十字
血液センター調べ
【市立根室病院の声】
・地吹雪の日には、非常勤の先生が来られず、休診科目が出ました。また釧路から手術用の器材が届かなく
なったため、当日予定されていた手術が延期になったケースもあります。道路の地吹雪対策は是非とも必
要です。
【北海道釧路赤十字血液センターの声】
・根室市へは外傷や外科手術の凝固因子確保のための血漿製剤が多く輸送されています。
・手術などに使われる血液は、医療施設への到着時間の遅れが患者の命に関わります。特に冬期では地吹雪など
走行環境が悪化する箇所があるため、本事業で解消することを期待しています。
25
走行環境の安全性の向上が期待されます。
当該道路と並行する現道では、過去10年で24件の事故が
発生しており、そのうち重大事故につながりやすい「正面衝突」
事故の割合が全道平均の約2倍となっています。
特に、冬期においては「正面衝突」事故の発生が全道平均の
約4倍となっており、冬期交通の安全性の確保が課題となって
います。
当該道路の整備により、走行環境の安全性の向上が期待され
ます。
■全道の
交通事故類型
■根室道路に並行する
■全道の冬期間の
国道44号の交通事故
交通事故類型
類型
全道平均の
正面衝
突
7%
その他
45%
その他
33%
事故類型
66,288 件
H12-H21
正面衝
突
17%
約2倍
その他
39%
事故類型
24 件
追突
48%
H12-H21
事故類型
(冬期間)
7件
事故類型
(冬期間)
22,083 件
正面
衝突
43%
H12-H21
追突
50%
資料:釧路開発建設部
平均の
4倍に!!
その他
14%
H12-H21
追突
50%
資料:釧路開発建設部
正面
衝突
11%
■根室道路に並行する
国道44号の冬期間の
交通事故類型
冬期全道
資料:釧路開発建設部
追突
43%
資料:釧路開発建設部
■並行する国道44号で発生した交通事故(H12-21)
【運送会社の声】
・地吹雪による視界不
良のため、走行車線
や対向車を視認で
きず、運転には大変
な危険が伴います。
交通の安全性が確
保できる道路整備
を期待します。
冬期の正面衝突事故発生状況
資料:釧路開発建設部、写真:釧路開発建設部
26
日常活動圏中心都市への利便性向上が期待されます。
根室市では、通院者数の約2割、買い物の約4割を釧路市や釧
路町、中標津町等に依存しており、地吹雪等による通行止めは
市民生活に大きな影響を与えています。
当該道路の整備により、地吹雪による通行止めが解消され、
根室市と釧路市や釧路町、中標津町等との移動ルートの安定性
の向上に寄与され、地域住民の通院や買い物等の生活利便性の
向上が期待されます。
■根室市-釧路市・中標津
町間のアクセスルート
■根室市の通院先
釧路市・
釧路町
12.7%
■根室市民の買い物先
中標津町
1.1%
札幌市
1.7%
釧路市・
釧路町
20.1%
その他
2.0%
根室市
平成18年6月
9,977人/月
根室市
平成21年
根室市
64.3%
根室市
82.5%
約2割が釧路市・
釧路町・中標津町
に通院
資料:H18.6 患者受療動向調査
中標津町
6.5%
その他
9.1%
約4割が釧路市・
釧路町・中標津等
に買い物
資料:H21 北海道広域商圏調査報告書
拠点都市間のアク
セス向上。日常生活
中心都市への安定
したルートを構成
資料:H23.3 住民基本台帳 H21 北海道市町村勢要覧
H23 全国大型小売店総覧(東洋経済) H20 北海道保健統計年報
【根室保健所の声】
・根室市から釧路方面に通院する患者が多くなっています。通院患者の多くは自動車かバスを利用しています。
【根室病院の声】
・根室市から釧路市内への通院は、移動時間だけで往復5時間かかり、治療の内容によっては宿泊も必要になります。今後
の地域住民の高齢化を考えると、移動時間の短縮や安全な通院移動のためにも根室道路は是非とも必要です。
【根室市民の声】
・品揃えの豊富さなどもあり、釧路方面に車で買い物によく行きます。地吹雪時に視界が悪くなることが多く、地吹雪の解
消には大変期待しています。
27
自動車からのCO2排出量の削減が見込まれます。
CO2排出量は、整備無しでは680,550(t-CO2/年)
ですが、当該道路の整備により680,090(t-CO2/年)
となり、整備されない場合に比べ、460(t-CO2/年)の
削減が見込まれます。
森林換算
約43ha
(札幌ドーム約8個分に相当)
CO2削減量
460t-CO2/年
※対象地域:釧路総合振興局、根室振興局
※平成 42 年将来交通量推計を基に算出
※森林のCO2排出量は10.6t-CO2/ha・年として試算
資料:『土地利用、土地利用変化及び林業に関するグッド・プラクティス・ガイダンス(優良手法指針)』
※札幌ドーム面積は建築面積5.5haを使用し換算
28
3.事業の進捗の見込み
当該事業は、平成11年度に事業化し、平成17年度に工事着
工しています。
引き続き、早期供用に向けて事業を進めます。
29
4.関係する地方公共団体等の意見
地方自治体等で構成する団体が、事業促進の要望を行っていま
す。
期成会名称
根室地方総合開
発期成会
釧根トライアン
グル整備構想連
絡会議
会長
主な構成メンバー
要望内容
根室市長
当地方は広大な面積を有
していることで集落が散
在しており、かつ冬季間は
積雪寒冷地であることか
ら、地域内における交通ア
クセスの充実、さらには、
基幹産業の振興、物流の促
根室市、羅臼町、別海 進、観光及び教育、そして
町、中標津町、標津町 地域住民の命を守る救急
医療搬送等における都市
間との交通ネットワーク
整備は喫緊の課題である
ため、根室道路の整備を要
望。
(平成23年度要望有)
根室市長
釧路・根室圏域は、太平洋
とオホーツクが重なり合
う日本有数の好漁場であ
ることから豊富な水産資
源に恵まれ、北方海域の中
心的な漁業基地として、ま
た食料供給基地として役
割を担っています。高規格
幹線道路など社会資本整
備の充実は、首都圏とはじ
めとする消費地までの輸
送時間を短縮し、輸送コス
トの軽減と生鮮水産物の
付加価値化を図り、地域経
済の基盤を強化すること
から、根室道路の整備を要
望。
(平成23年度要望有)
北海道横断自動車道
釧路・根室間建設促進
期成会、地域高規格道
路釧路中標津道路整
備促進期成会、地域高
規格道路根室中標津
道路整備促進期成会、
動労縦貫道路整備促
進協議会
30
期成会名称
北海道釧路地方
総合開発促進期
成会
会長
主な構成メンバー
要望内容
東北海道の農水産品の輸
送や産業、観光、生活、医
療を支える重要な社会基
盤として、北海道の主要な
圏域相互のアクセスを強
化し、広域的連携を促進す
る根室道路の整備を要望。
(平成23年度要望有)
釧路市長
釧路市、釧路町、厚岸
町、浜中町、標茶町、
弟子屈町、鶴居村、白
糠町の首長および釧
路市、釧路町、厚岸町、
浜中町、標茶町、弟子
屈町、鶴居村、白糠町、
釧路農業協同組合連
合会、釧路地方農業委
員会連合会、釧路地区
農業協同組合長会、社
団法人釧路水産協会、
釧勝地区漁業協同組
合長会、釧路商工会議
所、北海道釧路管内商
工会連合会、社団法人
釧路銀行協会、釧路建
設業協会、釧路市建設
事業協会、釧路観光連
盟、社団法人釧路観光
協会、釧路港湾振興
会、釧路港湾協会・社
団法人釧路地方林業
会
31
5.対応方針(案)
根室道路は、冬期視程障害区間の回避による安全性の向上を図
り、物流効率化の支援や円滑なモビリティの確保に寄与する事業
と考えられる。
以上のことを勘案すれば、事業の必要性、重要性に変化なく、
費用対効果等の投資効果も確保されているため、事業継続とする。
内容
項目
費用便益比(B/C)
地域の特殊性を
考慮した便益の検討
細目
事業全体
残事業
3便益によるB/C
・走行時間短縮
・走行経費減少
・交通事故減少
B/C=1.0
B/C=2.2
救急医療の改善効果
B=24億円(※)
B=24億円(※)
余裕時間の短縮による効果
B=1.3億円(※)
B=1.3億円(※)
冬期の視程障害解消による走行性向上効果
B=1.7億円(※)
B=1.7億円(※)
便益試算値を考慮したB/C
B/C=1.2(※)
B/C=2.6(※)
水産品の流通利便性向上
・根室市で水揚げされるさんまの流通利便性向上が期待される。
日常活動圏中心都市への利便性
向上
・日常活動圏中心都市である釧路市・中標津町への利便性向上が期待される。
救急搬送の安定性向上
・高次医療施設への救急搬送の安定性向上が期待される。
地吹雪に起因する市街地の孤立化
の解消
・並行現道の通行規制時の代替路の形成により、地吹雪に起因する通行止めを軽
減し、安定した交通を確保する。
走行環境の安全性向上
・走行環境の改善により、交通の安全性向上が期待される。
CO2 排出量の削減
・自動車からの CO2 排出量460(t-CO2/年)の削減が期待される。
活力
暮らし
定性的な効果
安全
環境
事業の進捗状況・見込
み
事業の進捗状況
・平成23年度末見込みで、用地進捗率92%、事業進捗率50%。
(※)は、供用後50年間の便益額として試算した参考値。
32