砺波市食育推進計画 写真説明 保育所の給食時間 保育所での料理体験 米の収穫感謝集会 男性料理教室 高齢者低栄養予防教室 たまねぎの収穫作業 健やかな体 やかな体づくりと食育 づくりと食育の 食育の推進に 推進に向けて 砺波市長 上 田 信 雅 砺波市は、砺波平野に家々が点在する「散居村」を形成し、市を南北に流れる庄川の 清流に育くまれた、緑豊かな田園都市であります。 この自然豊かな風土と相まって、先人が培ってこられた「食文化」が受け継がれてき ました。 しかし、近年、子どもの朝食欠食や孤食の増加だけでなく、他の世代においても不規 則な食習慣や栄養バランスの偏りなど食生活の乱れが顕在化しています。さらには、ラ イフスタイルや価値観の多様化により、食生活は大きく変化し、「食」を大切にする意 識が薄れつつあるなど「食」をめぐる多くの課題が発生しております。 このような課題を踏まえ、これまでも家庭、学校、地域などで様々な取組みがなされ てきましたが、市民の皆様一人ひとりが、生涯を通じて健康で心豊かに食生活が送れる よう、市全体の取組みとして推進していくため、砺波らしい砺波ならではの「砺波市食 育推進計画」を策定しました。 この計画は、市民の皆様が食育に取組みやすいものとなるよう、3つの基本目標と7 つの具体的な取組みを揚げています。そしてこの取組みを通して、「食」を楽しみ、元 気になり、食育の輪が広がることを願っております。 終わりに、本計画の策定にあたりまして、貴重なご意見、ご協力をいただきました「砺 波市食育推進計画策定委員会」の委員の皆様、関係機関の皆様に深く感謝申し上げます とともに、本計画の着実な推進に向けて、今後とも一層のご理解とご協力を賜りますよ うお願い申し上げます。 平成23年3月 目 次 第1章 食育推進計画策定にあたって. 1. 計画策定の背景と趣旨・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2. 計画の位置づけ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3. 計画期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 第2章 1. 2. 3. 4. 5. 食をめぐる現状と課題 ライフスタイルの変化と生活リズムの乱れ・・・・・・・・・・・ 食に対する関心の高まりと知識不足・・・・・・・・・・・・・・ 低い食料自給率と大量の食品ロス・・・・・・・・・・・・・・・ 求められる地産地消、ニーズがある地場産農産物・・・・・・・・ 消えつつある食文化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第3章 1. 2. 3. 4. 食育推進の方向性 基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 基本目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 施策の体系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 数値目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 第4章 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 具体的な取組み 家庭における取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 保育所、幼稚園、学校における取組み・・・・・・・・・・・・・17 地域における取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 市民運動の展開に向けての取組み・・・・・・・・・・・・・・・22 地産地消の取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 食の安全確保の取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 食文化伝承の取組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 第5章 1. 2. 3. 4. 5. 6. ライフステージに応じた食育の推進 乳幼児期(0~5歳)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 学童期(6~12歳)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 思春期(13~18歳)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 青年期(19~35歳)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 壮年期(36~64歳)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 高齢期(65歳以上)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 5 6 8 9 38 38 38 39 39 40 第6章 計画の推進方法 1. 推進体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 2. 計画の進行管理と評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 3. 計画の見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 第1章 食育推進計画策定にあたって 1. 計画策定の背景と趣旨 「食」は私たちが生きていくためには、欠かすことのできない大切な営みであり、生活の中 における楽しみやコミュニケーションの一つにもなっています。 近年、ライフスタイルや価値観の多様化とともに、食生活が大きく変化し、「食」を大切に する意識が希薄になりつつあります。こうした中、健全な食生活を実践できるようにと「食育」 * の重要性が重視されるようになりました。 国は、平成17年7月に食育基本法を施行し、平成18年3月に食育基本計画を制定しまし た。また、富山県では平成18年8月に県食育推進計画を策定しています。 砺波市においても、これまでの各分野における「食」に関する取組みを活かしながら、家庭 をはじめ保育所や幼稚園、学校、地域など「食」にかかわる市民や団体、事業者、行政が連携 を深めながら、市民一人ひとりが生涯にわたり健康で生き生きとした生活を送ることができる よう、砺波らしい砺波ならではの食育を進めるため「砺波市食育推進計画」を策定します。 2. 計画の位置づけ 「砺波市食育推進計画」は、食育基本法第18条第1項に規定された「市町村の区域内に おける食育の推進に関する施策についての計画」 (市町村食育推進計画)として位置づけます。 また、砺波市総合計画、砺波市健康プラン21との整合性を図りながら策定するものとし ます。 国 砺波市総合計画 健やかな体づくりと食育の推進 食育基本法 砺波市健康プラン21 食育推進基本計画 県 砺波市食育推進計画 市 生活習慣の改善の推進 砺波市次世代育成支援行動計画 母性並びに乳児及び幼児等の健康確保と増進 砺波市男女共同参画推進計画 いきいきと働くことができる就労環境づくり 砺波市農業農村基本計画 食と農の絆づくり、地産地消の推進 富山県食育推進計画 ・・・等 食育とは 生きるうえでの基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づけるとともに、 『様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践する ことができる人間を育てる取組みを指します』とされています。 1 3. 計画期間 「砺波市食育推進計画」が対象とする期間は、平成23年度から平成27年度までの5年間 とし、必要に応じて見直しを行います。 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 国食育推進基本計画 平成 22 年度を目標年度 見直し中 富山県食育推進計画 平成 22 年度を目標年度 見直し中 砺波市総合計画 H27 H28 H29 平成 28 年度を目標年度 砺波市健康プラン 21 平成 24 年度を目標年度 砺波市次世代育成支援行動計画 砺波市男女共同参画推進計画 H26 平成 26 年度を目標年度 平成 22 年度を目標年度 砺波市農業農村基本計画 平成 27 年度を目標年度 平成 29 年度を目標年度 砺波市食育推進計画 平成 27 年度を目標年度 第2章 食をめぐる現状と課題 1. ライフスタイルの変化と生活リズムの乱れ 少子高齢化による人口の減少や、核家族化、女性の社会進出等がすすみ、ライフスタイルが変 化しました。これに伴い、 「食」を取り巻く環境も変化してきています。 「食」は豊かになり、い つでもどこでも食べ物を手に入れることができるようになりました。しかし、不規則な食生活や 朝食の欠食、孤食、栄養バランスの偏りなどがみられます。 (図表 1) 本市の子どもたちは概ね朝食を食べていますが(図表 2)、バランスのとれた食事内容なのか (図表 3)、家族と楽しく食べているか(図表 4)が重要です。朝食を食べない理由としては「時 間が無い」 「おなかがすいていない」などがあげられています。 (図表5)成長期の子どもたちに とっては、主食、主菜、副菜をバランスよくとること、家族で食卓を囲むことが大切です。また、 きちんと毎日朝食を食べる子どもほど、正答率が高い調査結果も公表されており、(図表6)子 どもの健やかな成長を通じて学習意欲や体力向上を図るため、小さい頃から健全な食習慣を身に つけていくことが必要です。 「日本型食生活」とは、 「日本型食生活」とは、日本の気候風土に適した 米を中心に水産物、畜産物、野菜等多様な副食か ら構成され、栄養バランスに優れているだけでな く、日本各地で生産される農林水産物を多彩に盛 り込んでいる特徴を持っています。 2 図表1 朝食の欠食率 % 35.0 33.0 29.2 30.0 25.0 20.0 18.1 19.3 15.5 15.0 10.0 男 女 23.2 12.1 10.2 12.4 10.6 9.1 5.8 6.0 5.9 7.2 4.9 4.7 3.5 5.0 0.0 1~6歳 7~14歳 15~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳~ 資料:H21国民健康栄養調査 図表2 朝食を食べているか 平成22年 4.2 1.1 0.6 4.7 1.2 0.6 94.1 平成16年 93.5 0% 20% 40% 必ず食べる 60% 週に4~5回 週に2~3回 80% 100% ほとんど食べない 小学生 資料:H22砺波市学校保健会調査 図表3 朝食に何を食べたか 0.5 57.9 平成22年 28.8 5.7 1.0 5.9 0.4 46.1 平成16年 0% 20% 主食+主菜+副菜 36.0 40% 主食+主菜 60% 主食+副菜 主菜+副菜 7.0 8.2 2.3 80% 主食だけ 100% その他 小学生 資料:H22砺波市学校保健会調査 3 図表4 朝食を主に誰と食べているか 27.6 平成22年 38.3 24.0 平成16年 12.8 38.1 0% 20% 12.4 40% 家族そろって 子どもだけ 0.0 25.5 60% 家族の誰かと 0.1 21.3 80% 一緒に食べない 100% 無回答 小学生 資料:H22砺波市学校保健会調査 図表5 朝食を食べない理由 平成22年 9.4 30.2 平成16年 14.0 32.5 0% 20% 3.0 3.5 30.0 40% おなかがすいていない 朝食が用意されていない その他 4.7 3.8 38.2 60% 9.4 4.2 13.5 3.5 80% 気分や体調が悪い 嫌いなものばかり 100% 時間が無い お休みの日だから 小学生 資料:H22砺波市学校保健会調査 図表6 朝食の摂取と学力調査の平均正答率との関係(小学校) 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 73.7 67.2 46.8 54.9 52.3 53.2 35.1 31.1 毎日食べている 全く食べていない 国語A 国語B 算数A 算数B 小学生 資料:H20全国学力・学習状況調査 4 2. 食に対する関心の高まりと知識不足 「食」への関心が高まる一方で、今日の情報化社会では「食」に関する情報が溢れ、適切に情 報を判断し選択することが困難になっています。また、栄養バランスの偏りによる肥満や生活習 慣病の増加、若い女性の痩身志向などが見られます。(図表7、8)さらに、食品の生産地、消 費期限・賞味期限の食品偽装表示や異物混入、残留農薬の問題など、食品の安全性が脅かされて います。 このため、生活習慣病予防や食品の安全性の確保とともに、「食」の安心・安全について自ら 考え、正しく選択できるよう知識を身につけることが必要です。子どもの頃から、正しい箸の持 ち方(図表9)や「食」に関する正しい知識を持ち(図表10)、食べ物が食卓にのぼるまでの 過程の理解や食品の選択や調理等を行うための体験等ができるよう、家庭、保育所、幼稚園、学 校、地域等が連携していくことも必要です。 図表7 肥満・やせの者の割合(20歳以上) % 35.0 31.6 29.3 30.0 27.4 26.0 25.2 25.2 25.3 26.6 25.5 20.0 24.0 23.9 29.5 29.0 29.3 25.0 24.6 24.6 29.6 27.6 26.4 24.9 25.0 25.3 24.8 29.4 31.7 31.2 24.5 24.1 24.3 22.4 22.9 23.1 22.9 H9 H10 H11 H12 23.9 23.6 23.9 22.5 21.9 23.0 23.1 23.1 H18 H19 23.3 22.3 21.7 21.8 H20 H21 15.0 H7 H8 20~60歳男肥満者 H13 H14 H15 40~60歳女肥満者 H16 H17 20歳代女やせの者 資料:H21国民健康・栄養調査 図表8 肥満の状況(BMI) % 60 40 38.7 34.8 33.2 28.4 20 17.8 21.9 24.6 25 0 40~49歳 50~59歳 60~69歳 男 70~74歳 女 資料:H21 健康センター 5 図表9 正しい箸の持ち方をしている 小学校4年 64.2 小学校3年 20.0 59.5 29.8 53.0 小学校2年 小学校1年 10.7 32.5 46.3 0% 15.8 14.5 40.2 20% 40% 13.4 60% はい だいたい 80% 100% いいえ 資料:H22健康づくりノート(とやまゲンキッズ作戦) 図表10 食に関する知識(20歳以上) 食品の表示の見方 20.1 地域の産物、旬の食材 19.7 0% 53.9 20.1 59.2 20% 十分知ってる 40% ある程度知っている 3.8 18.1 60.2 18.0 食品の保存の方法 7.7 17.3 45.4 29.5 調理の仕方 7.7 30.5 49.2 12.5 何をどれだけ食べるか 6.0 18.5 60% あまり知らない 80% 2.6 100% ほとんど知らない 資料:内閣府H21食育に関する意識調査 3. 低い食料自給率と大量の食品ロス アジアやアフリカで顕著な人口増加、ライフスタイルや食生活の変化によって食料需要が増加 するなか、バイオ燃料生産への転換、気候変動による食料生産の不安定化などにより、食料供給 の安定性は脅かされています。国際社会では、将来、深刻な食料危機が訪 れる可能性が懸念されています。(図表 11) 一方、現在の日本の食料自給率は 40%(カロリーベース) 。食料の 60% を外国に依存しているため、何らかの事態で外国からの食料供給が止まっ てしまうと、私たちの食生活は大きな影響を被ってしまいます。 (図表 12) しかしながら、日本では年間約1900万トンの食料廃棄物が排出され、 そのうち食べられるにもかかわらず廃棄される「食品ロス」が年間500 万~900万トンもあるといわれています。世帯員構成別に食品ロス率を 6 みると、単身世帯では4.8%、2人世帯では4.2%、3人以上世帯では3.4%となっており、核家 族化の増加に伴い単身世帯の食品ロス率が高くなっています。(図表13) 現在、世界では、9億6千万人以上とも言われる人々が飢餓で苦しんでいると言われる中で、 我が国は食料を大量に輸入し、現在の食料自給率に不安を感じているにも関わらず、現実には食 べ残しています。「もったいない」という日本語を世界に広めようという動きがある中で、「食」 のありがたみを再認識し、私たちの食生活を見つめ直す必要があります。 図表11 世界の人口と穀物需要の見通し 世界の穀物需要の見通し 世界の人口の見通し 1.4 倍 100 35 30 25 億 20 ト 15 ン 10 5 0 80 億 人 60 91 40 65 20 0 1.5 倍 30 21 2005年 2050年 資 料 :FA O 2005年 2050年 資 料 :FA O 図表12 日本の食料自給率の推移 % カロリーベース 生産額ベース 100 80 60 40 20 21 19 17 15 13 11 9 7 5 3 H元 62 60 58 56 54 52 50 48 46 44 42 S4 0 0 資料:農林水産省 図表13 世帯員構成別食品ロス率 % 6.0 4.8 5.0 4.0 3.7 1.2 3.0 1.0 1.2 2.0 0.6 3.4 0.9 0.9 0.5 2.4 1.9 0.0 単身世帯 世帯計 資料:H21食料ロス統計調査 7 食べ残し 直接廃棄 過剰除去 2.2 3人 以 上 世 帯 2.0 1.1 2人 世 帯 1.0 4.2 4. 求められる地産地消、ニーズがある地場産農産物 農業を取り巻く環境が大きく変化し、農業生産者の高 齢化や後継者不足が進み、若者が農業に夢と希望を持っ て取組める環境づくりと新たな担い手を育成していくこ とが求められています。そのためには、集落営農組織等 の法人化や新たな形態による農業経営、経営の複合化、 生産加工販売まで一体化した6次産業化等の取組みも必 要となってきています。 砺波の農業を活き活きとした魅力ある産業として確立 量販店のインショップコーナー するためにも、生産者のみならず、消費者も農業の現状について知ることが大切です。また、富 山県は農業総算出額では米の比率が高く、野菜算出額は全国最下位であることから、年間を通し て消費者にニーズがある地場産農産物を地元で消費する「地産地消」の取組みを進め、地域農業 を活性化させることが必要です。(図表 14、15) 図表14 農業総産出額部門別構成比 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 野菜 畜産 その他 80% 90% 100% 全国 北陸 富山 砺波 米 資料:H18生産農業所得統計 図表15 都道府県別野菜産出額 単位:億円 ランキング 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 43位 石川101 島根 99 島根 95 島根 91 石川 93 石川 86 44位 島根 99 石川 90 石川 90 石川 90 島根 87 島根 86 45位 滋賀 77 滋賀 74 滋賀 73 滋賀 77 滋賀 81 滋賀 77 46位 福井 64 福井 59 福井 59 福井 59 福井 62 福井 63 47位 47位 富山 43 富山 39 富山 37 8 富山 39 富山 38 富山 40 5. 消えつつある食文化 砺波市は、散居に広がる緑豊かな砺波平野や庄川の豊富な水など、自然環境に恵まれています。 そのような環境の中で培われた多彩な農産物を活かし、長年にわたって伝え育まれてきた伝統料 理や郷土料理が数多くあります。その中には、五穀豊穣を祈念するなど、農作業に関連するもの も含まれています。これらは、先人が培ってきた知恵と技であり、「食文化」を貴重な財産として 理解し伝承していくよう努めなければなりません。また、伝えられてきた郷土料理の根底には「も ったいない」の精神が醸成され、人として生きる基盤が培われてきました。 しかしながら、受け継がれてきた食文化や伝統が今では消えつつあり、次の世代へ伝えていく ことが必要です。 コラム 1 砺波のお祭りとごっつお 砺波のお祭りといえば、となみ夜高祭や秋祭り が代表的です。四季おりおりの行事とともに、各 家庭では「ごっつお」 (ご馳走)を作る風習があり ます。 夜高祭は、6 月に行われますが、秋祭りは範囲 や期間が広く 9 月の稲刈りの時期から 11 月 3 日 の祝日にかけて、各集落で催されます。神社では、 獅子舞が奉納され、家族でご馳走を囲みます。収 穫祭の意味もあり華やかで、おめでたい雰囲気に なります。特に結婚の祝い事のあった家では、獅 子舞にご祝儀を出し、親戚縁者で宴席を囲みます。 最近では、核家族化により親戚縁者が寄る家も少なくなりましたが、昭和の頃は自宅でご馳走 を作ってもてなすこともされていました。現在では、お祝いごとがある家でも、自宅で作らず仕 出しで宴席の食事を出していますが、仕出しのメニューの中に当時の面影を見ることが出来ま す。 当時のメニューとしては、赤飯、お吸い物、刺身、酢の物、煮物、揚げ物、焼き物を基本とし て、各家庭の味として漬物やゆべすなどを一人ずつの御膳に並べて供します。お酒が振舞われ、 祝の膳を皆で囲んでいました。 9 第3章 食育推進の方向 1. 基本方針 食育推進計画を進めていくうえで、目指す将来像を描いた方向性が必要となります。 現在の「食」に関する現状を踏まえて、将来どのようにしていきたいか、どのようにしていく べきかをイメージしていくことが大切です。また、これまでもそれぞれの分野で食育を実施して きましたが、共通の方針を持って事業を推進していくことで、更なる充実を図ります。 そこで、砺波市では「子どもから大人まで、市民一人ひとりが「食」を通して健やかに まち 心豊かな食生活が送れる市の実現」を基本方針として食育を展開していきます。 2. 基本目標 基本方針の実現に向け、基本目標を3項目掲げ、目標に向って関係者が連携し、市民一丸と なって食育を推進します。 (1) 食を楽しむ(基礎づくり) 子どもが初めて「食」に出会うのは家庭です。家族で「食」を通してのコミュニケーション はマナーや健全な食習慣を身につけるうえで大変重要です。 「食」の楽しさを実感することで、 食べることの大切さや「食」への感謝の気持ちを育みます。 全ての世代の人たち一人ひとりが、先ずは自分や家族に目を向けて「食」を楽しむことを食 育における目標の一つとします。 (2) 食で元気になる(人づくり) 「食」は生きる源で、心身の健康の増進に欠かせない生活の基本となるものです。学校では 生涯にわたり自らの健康を管理する能力を身につけます。保育所・保育園や幼稚園ではみんな と食べる喜びや楽しみを学びます。 また、生涯にわたっていつまでも健康に過ごすために、規則正しい生活リズムや栄養バラン スのとれた食習慣を身に付けることは、とても大切です。 このため、多くの人々が健康・栄養に関心を持ち、 「食」を選ぶ力を身につけ、 「食」で元気 になることを食育における目標の一つとします。 (3) 食育の輪を広げる(地域づくり) 食育は、地域やボランティア団体、農業者、農業団体、食品関連事業者、行政などあらゆる 分野がともに連携し、地域が一体となって取組むことが大切です。また、地元で生産した農産 物を地元で消費する地産地消の取組みや、地元の郷土料理、伝統料理を食して、地域のことを 知ることも大切です。 地域の人々が暮らしと「食」のつながりをもって展開する食育を進め、食育の輪を広げるこ とを食育の目標の一つとします。 10 3. 施策の体系 基本方針 子どもから大人 どもから大人まで 大人まで、 まで、市民一人ひとりが 市民一人ひとりが「 ひとりが「食」を通して まち 健やかに心豊 やかに心豊かな 心豊かな食生活 かな食生活が 食生活が送れる市 れる市の実現 基本目標 目標 1 食を楽しむ (基礎づくり) 家庭 目標3 目標3 食育の輪を広げる 目標2 目標2 食で元気になる 元気になる (地域づくり) (人づくり) 地域、ボランティア団体、農業者、農 業者団体、食品関連事業者、行政等 保育所・幼稚園・学校 具体的な 具体的な取組み 取組み 2.保育所、 保育所、幼稚園、 幼稚園、学校における 学校における取組 における取組み 取組み 7.食文化伝承の 食文化伝承の取組み 取組み ・ 「食」の大切さや楽しみを実感できる食育の推進 ・ 給食を通して地域の繋がりと感謝の心の育成 ・ 年齢・発達段階に応じた食育の推進 ・ 郷土の食文化伝承 ・ 優れた郷土料理・伝統料理の理解 3.地域における 地域における取組 における取組み 取組み 1.家庭における 家庭における取組 における取組み 取組み 6.食の安全確保の 安全確保の取組み 取組み ・ 地域で育まれた食材や食文化の継承 ・ 地域イベントでの食育の推進 ・ 地域ぐるみでの生活習慣予防のための 食育の推進 ・ 望ましい生活リズムの向上 ・ 健全な生活習慣の形成 ・ 食を通じたコミュニケーショ ンの促進 ・ 食に関する正しい知識の普及 ・ 食の安全に関する情報の提供 4.市民運動の 市民運動の展開に 展開に向けての取組 けての取組み 取組み 5.地産地消の 地産地消の取組み 取組み ・ 継続的な食育運動の展開 ・ 食育に関する知識を有した人材の育成 ・ 食育推進のためのネットワークづくり ・ 地場産農産物の年間を 通した生産振興 ・ 地産地消と地域農業活 性化の推進 11 4. 数値目標 基 本 目 標 食 を 楽 し む 項 目 気 に な る 食 る 砺波市学校保健会 (H22.6) 砺波市学校保健会 (H22.6) 富山県スポーツ保健課 とやまゲンキッズ作戦 (H22.4) 小学生 27.6% 80% 家族のだれかと一緒に食べてい る 小学生 92.0% 100% 正しい箸の持ち方で食事をして いる 小学生 56.1% 100% 小学生 57.9% 80% 砺波市学校保健会 (H22.6) 小学生 53.3% 80% 砺波市学校保健会 (H22.6) 保育所・幼稚園 小学校 中学校 3歳児 6歳児 12歳児 0.54% 2.73% 2.16% 0.6 本 0.27 本 0.45 本 0% 砺波市学校保健会 (H22.3) 0.5 本 0本 0本 砺波市学校保健会 健康センター (H22.3) 学校給食の地場産農産物の使用 率 学校給食の地場産たまねぎの使 用率 幼稚園 小学校・中学校 17.8% (数量ベース) 30% 学校給食センター (H22.3) 幼稚園 小学校・中学校 19.7% (数量ベース) 40% 学校給食センター (H22.3) 学校給食のとなみ野米の使用率 小学校・中学校 100% 100% 生産者との学校給食会食の回数 小学校 2回 3回 親子料理教室 市民 534 人(20 回) 44 人(2 回) 550 人(25 回) 50 人(2 回)) 男性料理教室 市民 300 人 (20 回) 25.0%以下 20.0%以下 123.1 119.0 5.2 以下 5.2 以下 健康センター (H22.3) 男性 40~64 歳 女性 40~64 歳 男性 40~64 歳 女性 40~64 歳 男性 40~64 歳 女性 40~64 歳 294 人 (15 回) 33.6% 20.4% 127.3 123.2 5.33 5.27 40 歳 50 歳 51.7% 55.0% 30%以下 30%以下 健康センター (H22.3) - 回数 対象者 - - - - 349 人 245回 12,974 人 258 4ヶ所 6ヶ所 4ヶ所 - 1回 バランスのとれた朝食(主食+主 菜+副菜) 肥満傾向の割合 むし歯数一人平均 肥満者(BMI*25 以上)の割合 血糖値(HbA1c*)の平均値 げ 要 朝食を家族そろって食べる の 広 摘 100% 血圧(収縮期血圧)の平均値 を 目標値 (H27) 94.1% 育 輪 現状値 (H22) 小学生 で 元 象 朝食を必ず食べる 好き嫌いなしでいろいろなもの を食べる 食 対 成人で進行した歯周病の人の割 合(歯周疾患検診 CPITN*3 以上) 食生活改善推進員数 食生活改善推進員協議会の活動 数および対象者数 エコファーマー* インショップ* 農産物直売所 農産物加工所 食育に関するイベントの回数 12 富山県スポーツ保健課 とやまゲンキッズ作戦 (H22.4) 学校給食センター (H22.3) 学校、給食センター 農業振興課(H22.3) 健康センター 学校給食センター(H 22.3) 健康センター (H22.6) 健康センター (H22.3) 健康センター (H22.3) 健康センター(H22.4) 現状維持 275回 健康センター (H22.3) 13,000 人 農業振興課(H22.12) 350 農業振興課(H22.3) 5ヶ所 農業振興課(H22.3) 8ヶ所 農業振興課(H22.3) 5ヶ所 3回 健康センター 教育委員会 農業振興課(H22.6) BMI Body Mass Index の略で肥満度の指標をあらわします。 BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) 18.5 未満 痩せ 18.5 以上 25 未満 標準 25 以上肥満 HbA1c ヘモグロビン A1c という言葉の略で、血糖状態を知る上で、非常に重要な数値の一つです。 ヘモグロビン(Hb)とは、血液の赤血球に含まれているタンパク質の一種です。これは、酸 素と結合して酸素を全身に送る役目を果たしています。このヘモグロビン(Hb)は、血液中 のブドウ糖と結合する性質を持っており、です。そのブドウ糖と結合した物の一部分が、ヘモ グロビン A1c と呼ばれています。血液検査の項目では、この部分に注目することが必要にな ってきます。 CPITN Community Periodotal Index of Treatment Needs の略で、歯周ポケットの深 さ等による治療の必要度を評価する指数をあわらします。 インショップ 食品スーパー等小売店内に設置された常設コーナーで、生産者が価格・品目・規格を決定し た青果物を販売する形態。 環境にやさしい農業 エコファーマーとは、平成11年に施行された「持続性の高い農業生産 方式の導入の促進に関する法律」に基づき、たい肥等を活用した土づくり と化学肥料・農薬の使用の低減を一体的に行う環境にやさしい農業に取組 む、県知事の認定を受けた農業者(個人または法人)の愛称です。 エコファーマーが生産した農産物は、土づくりと化学肥料、化学合成農薬の使用低減技術 を活用して生産され、多くの場合、化学肥料、化学合成農薬の使用のおおむね 20%~30% 以上の低減が見込まれます。このほか、環境にやさしい取組みにより生産された農産物に、 特別栽培農産物、有機農産物があります。 農薬の安全・適正な使用について 直売所・インショップで販売される農産物のほか、家庭菜園についても、病害虫に強い作物 を栽培し、病害虫や雑草の早期発見に努めるなど、できるだけ農薬を使わない工夫が必要であ り、これらの取組みは、 「食」の安全性を確保し、私たちが健康に生きていく上でも、とりわけ 重要となります。 13 第4章 具体的な取組み 砺波市の食育推進の基本方針に基づいた、3つの基本目標を市民運動として推進していくため には、家庭、保育所、幼稚園、学校、地域、行政などが連携して取組んでいくことが必要です。 市民一人ひとりがどのように取組んでいけばよいのか、 「わたし」 「保育所」 「幼稚園」 「学校」 「地 域」「生産者」「事業者」 「行政」ごとに分類し、食育への取組みをあげてみました。 「わたし」は市民のみなさん一人ひとり 「保育所」は保育所・保育園 「幼稚園」は幼稚園 「学校」は小学校、中学校 「地域」は公民館、婦人会、老人会、各種団体、グループ 「生産者」は農業者、農業組織、農業法人、農業関係団体 「事業者」は食品の製造、加工、流通、販売、食事の提供を行う食品関連事業者 「行政」は国、県、市 をイメージしており、市民のみなさんが食育に取組む際に「保育所」 「幼稚園」「学校」「地域」 「生産者」 「事業者」「行政」がそれぞれの立場でサポートをしていくものです。 1. 家庭における取組み 【目標】 ・ 望ましい生活リズムの向上 ・ 健全な生活習慣の形成 ・ 「食」を通じたコミュニケーションの促進 【現状と課題】 家庭は「食」にかかわる最も大切な場所です。これまで家庭では、家族と食卓を囲み、 食事のマナーや楽しさ、家庭の味が受け継がれてきました。しかし、食生活やライフスタ イルの変化により、家族そろっての食事が減り、朝食の欠食、孤食、栄養バランスの偏り などみられます。 こうした状況を改善するため、あらためて家庭における「食」の大切さを見直すことが 必要です。 【取組み】 わたし ・ 「早寝・早起き・朝ごはん」で生活リズムの基礎を身につけます。 ・ 栄養バランスを考えて主食、主菜、副菜をとるよう心がけます。 ・ はしの持ち方や食事のマナーを身につけます。 ・ 味付けを工夫したおかず等(薄味)を食卓に並べます。 ・ 五感を活かし、おいしく楽しい食事をとります。 ・ 旬の野菜を取り入れます。 ・ 健全な食生活を身につけます。 14 ・ 子どもと一緒に食事の準備や調理をします。 ・ 家庭菜園を活用して、野菜の自家消費に努めます。 ・ 地場産農産物の調理方法や保存方法を伝えていきます。 ・ 家族で農作業に取組み、食材の大切さを伝えます。 ・ 家族そろって食事をする日(時間)を作ります。 ・ 食事は残さず食べます。 ・ 子どもと一緒に食材の買い物に行きます。 学校 ・ 食事のマナーやあいさつの大切さ、食べる楽しさを指導します。 行政 ・ 乳幼児健診時に、年齢に応じた食事を指導します。(健康センター) ・ 歯や歯ぐきの健康を保ち、おいしく食事がとれるように、8020(はちまる にいまる)運動*を推進します。(健康センター) ・ 1日350g*の野菜をとるように、野菜料理(副菜)を1日小鉢5皿程度とる よう推進します。 (健康センター) ・ 食生活改善推進員協議会を通し、減塩、バランス食の普及に努めます。 (健康セ ンター) ・ 栄養・お口の相談会を通じ、個人に合った食生活を提案します。 (健康センター) コラム2 鷹栖小学校の取組み『トライ96』(早寝早起き朝ごはん運動) 近年、 「朝食を食べない」 「夜ふかしをする」子どもが増え、成長期に大切な生活リズムが大 きく乱れています。こうした生活習慣の乱れが、学習意欲や体力、気力の低下の一つの要因と なっています。家庭でのリズムの乱れを社会問題としてとらえ、家庭、地域、学校が一体とな って取り組む必要があります。 このような背景から、平成 18 年度より「早寝早起き朝ごはん」運動がスタートしました。 「早寝早起き朝ごはん」全国協議会が設立され、PTA や関係団体等により、子どもの基本的 生活習慣の確立や生活リズム向上につながる運動が展開されています。 生活リズム向上のため、午後 9 時に就寝し、午前 6 時に起床する取組み運動 15 8020(はちまるにいまる)運動 いろんな食事をおいしく、よく噛んで食べるためには、約20本くらいの歯が必要だと言わ れています。歯は 1 本でも失うと噛む力が弱くなってしまいます。80 歳になっても自分の歯 を20本以上保とうという運動のことです。 1日350gの野菜 野菜の平均摂取量は、1日1人当たり約295g (H20国民健康・栄養調査結果)。「がん」「循環 器病」などの予防には、まだまだ野菜が不足してい るのが現状です。 2010年まで展開される国民健康づくり運動 「健康日本21」の「栄養・食生活」分野では「野 菜の摂取量の増加」を目標に掲げています。 画像は厚生労働省 HP より引用 「食事バランスガイド」は、健康で豊かな食生活の実現を目的に策定された「食生活指針」(平成 12 年 3 月)を具体的に行動に結びつけるものとして、平成 17 年 6 月に農林水産省と厚生労働省 により決定されました。「食事の基本」を身につけるための望ましい食事のとり方やおおよその量を わかりやすく示しています。 コマのイラストにより、一日分の食事を表現し、これらの食事のバランスが悪いと倒れてしまうこ とを表現しています。あなたのコマはうまくまわっているでしょうか。 この「食事バランスガイド」は、健康な方々の健康づくりを目的に作られたものです。 糖尿病、高血圧などで医師または管理栄養士から食事指導を受けている方は、その指導に従ってくだ さい。 農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/b_about/index.htmll 16 2. 保育所、幼稚園、学校における取組み 【目標】 ・ 子どもたちが、「食」の大切さや楽しみを実感できる食育の推進 ・ 給食を通して地域の繋がりを意識し、感謝のこころの育成 ・ 年齢・発達段階に応じた食育の推進 【現状と課題】 ライフスタイルの変化に伴い、朝食の欠食、偏食や孤食など、子どもたちの食生活の乱 れが指摘され、肥満傾向の増大など健康への影響が大きな問題となっています。また、昔 と比べ、米や野菜等を生産する過程を知らない子どもが増えてきており、食物に対する感 謝の気持ちが減ってきています。 このようなことから、子どもたちに正しい食習慣が身につくよう、学校教育や保育活動 を通じて、家庭や地域と連携しながら食育に取組むことが必要です。 【取組み】 わたし ・ みんなと楽しく好き嫌いせずに、感謝のこころを忘れずに食事をとります。 ・ 食事のマナーやあいさつの習慣を身につけます。 保育所 ・ 食事のマナーや食物の大切さを指導します。 幼稚園 ・ 保育所、幼稚園、学校だより等で、食事の大切さを啓発していきます。 学校 ・ 「食」に関するアンケートを実施し、現状を把握しPTA活動等で保護者へ伝 えていきます。 ・ 米や野菜等をつくり、食物に対する感謝の気持ちを育てます。 ・ 給食参観、給食試食会を通して、保護者へ給食に対する理解を深めます。 ・ 栄養教諭等による「食」に関する指導をより一層すすめます。 ・ 家庭、地域との連携を深めます。 ・ 親子むし歯予防教室、歯ぐきフレッシュアップ教室等を開催し、歯と食事の大 切さを広めます。 行政 ・ 学校給食、保育所給食に、たまねぎ、りんご、ふく福柿*、ゆず等地域の特産物 や、地場産農産物を使った加工品(コロッケ等)を利用した献立を提供します。 (学校給食センター等・こども課) ・ さといもやなす等を使った郷土料理を取り入れ、地域の「食」への関心を高め ていきます。(学校給食センター等・こども課) ・ 学校給食、保育所給食で地場産農産物の活用を推進します。 (学校給食センター 等・こども課) ・ 新たな特産物「たまねぎ」の使用率を高めます。 (学校給食センター等・こども 課) 17 ふく福柿 栴檀山地区は古くから干ばつの被害に悩まされ、基幹作物の稲作が大幅な減収を余儀なくされた 経験から、水稲を補完する代替作物として「さわし柿」を栽培することに決めたのがはじまりとさ れています。 「ふく福柿」は福がくるようにとの願いを込めてつけられた品名で、品種としては「刀 根早柿」という渋柿で形、色つやが良好で種もなく食べやすくなっています。収穫時期は9月下旬 で「炭酸ガス脱渋装置」により渋柿を甘柿に変えて出荷し、まろやかな甘味が人気を博しています。 コラム3 特別給食会 市内幼稚園、小・中学校の学校給食に砺波市で採れた野菜や果実を使用し地場産の食材を味わい ます。また、生産者さんとともに会食し交流を深めます。 となみ育ちのたまねぎいっぱ~いの日 栄養教諭による巡回指導 ごはん、ふくらぎのゆず味噌かけ、五色あえ、い とこ煮、りんごは地場産食材を使用しています。 コラム4 地元の食材を使ったおやつ 富山県保育士会でおやつとして発表されたもの で、地元食材のりんご、大門そうめん、庄川ゆず、 保育所でとれたさつまいもを使用。 「まるごと砺波」はさつまいもとりんご、砂糖を加 え軟らかくなるまで煮て、つぶして丸め、砕いた大 門そうめんをまぶし揚げたもの(写真左) 。 「ゆずちゃんゼリー」は豆乳、牛乳、砂糖、水、ゼ ラチンを溶かして煮、ゼリーにし固め、ゆずマーマ レードに砂糖、水、コーンスターチを溶かしたゆず ソースをかけたもの。 18 学校給食となみの日 3. 地域における取組み 【目標】 ・ 地域で育まれた食材や食文化の継承 ・ 地域イベントでの食育の推進 ・ 健康で長生きするために、子どもから大人まで地域ぐるみで生活習慣病予防のための食育 の推進 【現状と課題】 ライフスタイルの変化に伴い、外食や中食*で済ませたり、内食*であっても栄養バラン スの偏りや野菜の摂取量不足が心配されます。近年、事業者においては健康に配慮した商 品・メニューの知識の提供がなされ、また、食生活改善推進員をはじめ「食」にかかわる ボランティアや関係機関、団体等が食育推進にそれぞれ取組んでいます。これらの団体等 と連携し、食べる楽しさ、市民の「食」への興味・関心を高め、健康に関する知識を広め ていくことが必要です。 【取組み】 わたし ・ 生活習慣病の予防に努めます。 ・ 親子、高齢者、男性料理教室に参加します。 保育所 幼稚園 学校 ・ 野菜や米を学校菜園、学校田で栽培し、農作業体験を通して「食」への理解を 地域 ・ 食生活改善推進員等により、生活習慣病予防の料理を紹介します。 すすめます。 ・ 三世代料理教室を開催します。 (昔からの味を祖父母から父母、父母から子ども たちへと引き継ぐ) ・ 学校田での農作業指導を通して「食」への理解に努めます。 ・ 公民館活動において、食育に関する事業に取組みます。 ・ 公民館まつりや地区民運動会等、地域住民が参加する地域活動において、食育 のPRに努めます。 事業者 ・ 行政が行う食育イベントに協力し、また積極的に食育の推進に努めます。 ・ 健康に配慮した商品・メニュー、「食」に関する情報・知識の提供に努めます。 行政 ・ 食生活の改善と生活習慣病の予防を推進します。 (健康センター) ・ 「食」にかかわるボランティアや関係機関、団体等と連携し食育の啓発を行い ます。(健康センター・農業振興課) ・ 生涯を通しておいしく食べるために、歯や歯ぐきの健康を守り、五感で味わえ る食べ方が出来る食育の推進に努めます。 (健康センター) ・ 歯周疾患健診・健康教育を実施し、歯周病予防と正しい食習慣を伝えます。 (健 康センター) ・ 食生活改善推進員、母子保健推進員、ヘルスボランティアを通じて、食生活改 善と生活習慣病予防を推進します。 (健康センター) 19 コラム5 食生活改善推進員 食生活改善推進員は「私達の健康は私達の手で」をスローガンに、住民の健康づくりを食の 分野から推進し、「ヘルスメイト」の愛称で活動している、全国的なボランティア集団です。 砺波市でも「砺波市食生活改善推進員協議会」が組織され、市内各地域で様々な食育活動を 進めています。 親子料理教室 男性料理教室 食育講座 生活習慣病予防食の試食提供 子育てサロンの手作りおやつ教室で 紹介された、にんじんゼリー 高齢者のための低栄養予防教室 20 内食・中食・外食 「中食」(なかしょく)とは、レストランなどでの食事「外食」と、家庭で素材から調理 する手作りの食事「内食」(ないしょく)との中間の調理済食材や惣菜で手軽に済ます食事 などの普及により、弁当をはじめ冷凍食品や惣菜などの調理済食品の利用が拡大していま す。 コラム6 教育ファーム 自然の恩恵や「食」に関わる人々の様々な活動への理解を深めること等を目的として、農林 漁業者などが一連の農作業等の体験の機会を提供する取組みのことです。小中学校では、学校 田、学校菜園で農家等の指導や協力のもと、米や野菜等を育て収穫しています。 「たんぼにおえかき」 :五鹿屋幼稚園 父兄・祖父母総出の稲刈り 生活科「やさいをそだてよう」 :出町小学校 21 「総合的な学習の時間」 :出町小学校 4. 市民運動の展開に向けての取組み 【目標】 ・ 継続的な食育運動の展開 ・ 食育に関する活動や専門知識を有する人材の育成 ・ 食育推進のためのネットワークづくり 【現状と課題】 「食」に関する取組みは、食生活改善推進員をはじめ、「食」にかかわるボランティアや 関係機関、団体等が食育推進にそれぞれ取組んでいます。これらの団体等と連携し、市民 の「食」への興味・関心を高め、健康に関する知識を広めていくことが必要です。 【取組み】 わたし ・ 食育の市民運動やイベントに参加します。 ・ 親子、高齢者、男性料理教室に参加します。 保育所 ・ 食生活改善推進員等により、減塩、バランス食の推進をします。 幼 稚 園 ・ JA となみ野女性部による料理教室を開催します。 学校 地域 事業者 ・ 行政が行う食育イベントに協力します。 ・ 積極的に食育イベントを開催します。 行政 ・ 大型スーパーや小売店等と協力して、店内で食育や「食育の日」「食育月間」* のPR、イベントを行います。(健康センター・農業振興課) ・ 「食」に関する正しい情報の提供、発信、啓発をします。 (健康センター・学校 給食センター等) ・ 食育カレンダーの作成や、地場産農産物を使った料理コンテスト等を実施しま す。(農業振興課) ・ 食育に関するイベントを開催し、食育について関心をもってもらいます。 (企画 調整課・健康センター・教育総務課・こども課・学校給食センター等・農業振 興課) ・ 食育を市民運動として推進するため、「食育推進市民大会」を開催します。(企 画調整課・健康センター・教育総務課・こども課・学校給食センター等・農業 振興課) 22 食育の日・食育月間 毎月19日は食育の日です。 「食育の日」は、食育推進運動を継続的に展開し、食育の一層の定 着を図るための機会として、「食育推進基本計画」により定められました。「食育の日」には様々 な食育の普及啓発活動が展開されています。また、国は毎年6月を、県は毎年 11 月を食育月間 として食育を推進しています。 コラム7 食育に関するイベント ○スーパー 平成 22 年 6 月 19 日に、市内大型スーパーのご協力をいただき、店舗内にて「食育の日」イ ベントを開催しました。富山県砺波厚生センターと砺波市健康センターの共催で実施し、砺波市 食生活改善推進員協議会、砺波市母子保健推進連絡協議会、砺波地区看護協会の皆さんのご協力 により食育についてPRしました。 ○JA となみ野の農業まつり 新たな特産物「たまねぎ」を使用した料理コンテスト 23 コラム8 「米粉」とは? 米粉とはその名のとおりお米を粉末にした食材で、お米の新しい食べ方として、ここ数年急速 に脚光を浴びています。製粉技術の進歩により、パンやケーキ、さらには麺類など幅広く利用さ れています。 米粉で作られたパンは、モチッとした食感が歯ごたえも良く、かみしめる程におコメに含まれ ている甘味が感じられ、小麦粉パンに比べ水分量が多くしっとり感があり、のどごしも良く一般 的に腹持ちすると言われています。 なぜ「米粉」が注目されているの? 主食として日本を支えてきた「お米」の消費量が年々減少し、国内の水田の約 60%でまかな える量になっています。一方、パンや麺の原料である小麦はそのほとんどを輸入していますが、 世界的な食料需給(生産と消費)の影響を受けて、将来の安定供給に不安が生じています。 今後、食料を安定供給していくためには、水田を最大限に活用して、自給力の向上につなげて いく必要があります。有効活用の方法の一つにご飯用以外のお米の生産があり、またその中でも パンや麺など様々な食品への利用の可能性が広がっている米粉は自給力向上にうってつけなの です! ハムマヨネーズパン シュークリーム ロールケーキ 米粉パスタ *画像は北陸農政局HPより引用 ゆず入り米粉パン JA となみ野女性部では、米粉の消費拡大に取組んでいます。 となみ野産「コシヒカリ」と特産「庄川ゆず」を使った米粉パン を製造し、となみ野農業まつりと庄川ゆずまつりの JA となみ野 女性部の店で限定販売されました。 このパンは、平成 20 年に米の消費拡大と「庄川ゆず」の PR を目的に商品化されたもので、原料に「コシヒカリ」の米粉と小 麦粉 50%ずつ使用、「庄川ゆず」の皮のはちみつ漬けを細かくス ライスし混ぜ込まれています。 となみ野農業協同組合 HP より 24 5. 地産地消の取組み 【目標】 ・ 消費者ニーズがある地場産農産物の年間を通じての生産振興 ・ 地産地消と地域農業活性化の推進 【現状と課題】 本市では、市内の大部分が農地であり、水稲を主に作付しています。米以外では、大麦、 大豆、たまねぎ、白ねぎ、さといも、りんご、ふく福柿、ゆず等を生産しています。 「食」 への関心と理解を深め、食べる楽しさ、自然の恵みに触れ、感謝の気持ちを育むことが大 事です。 年間を通して、地場産農産物を提供できるよう、生産の拡大を図るとともに、学校給食 での使用率拡大をはじめ、直売所、スーパーマーケット内のインショップでの購入促進の 取組みが必要です。 【取組み】 わたし ・ 地元でとれた旬の食材について理解を深め、消費します。 保育所 ・ 生産者と学校が連携して、地場産農産物を紹介し、感謝の気持ちを育んでいき 幼稚園 学校 ます。 ・ 教育委員会や農業関係団体、生産者等の協力を得ながら、学校給食、保育所給 食での地場産農産物の使用を推進します。 地域 ・ JA となみ野女性部等による特産物を使用した料理コンクールの開催や、レシ ピの紹介に取組みます。 生産者 ・ 年間を通して、直売所やインショップで野菜等を提供できるよう生産に努めま す。 ・ 学校給食センター等と連携し、納入量の増加、安定供給、品目の割当と種類の 拡大に努めます。 事業者 ・ 事業所の社員食堂や飲食店において、旬の地場産農産物を積極的に使用します。 ・ 生産者とタイアップし、地場産農産物の販売に努めます。 行政 ・ 新たな特産物「たまねぎ」を学校給食、保育所給食で積極的に使用します。 (学 校給食センター等・こども課) ・ 米の消費拡大を図り、米粉の普及にも努めていきます。(農業振興課) ・ 生産者の育成を図ります。(農業振興課) ・ 学校給食、保育所給食へ納入する生産者の増加を図ります。 (農業振興課) ・ 生産者と製造加工業者が学校給食センター等と連携して、地場産農産物を使用 した加工商品の開発を行います。(学校給食センター等・農業振興課) ・ 学校給食センター等へ納入する生産者の畑に看板を設置し、生産者としての自 覚と生産意欲の向上を図り、広く市民へPRします。(学校給食センター等) 25 学校給食センターの地場産食材の使用量 平成 21 年度 年間納入量 資料:砺波市学校給食センター 1.となみ産コシヒ カリ 34,395kg 2.玉ねぎ 4,680kg 3.小松菜 2,288kg 4.大根(洗) 1,981kg 5.里芋 1,864kg 6.白菜 1,694kg 7.さつまいも 866kg 8.ねぎ 844kg 9.キャベツ 806kg 10.しめじ 794kg 11.じゃがいも 480kg 12.たけのこ 424kg 13.大豆 386kg 14.ナス 312kg 15.南瓜 284kg 16.冬瓜 282kg 17.折り菜 241kg 18.きゅうり 237kg 19.レンコン 168kg 20.白かぶ 150kg 21.モロッコ豆 141kg 25.にんにく 35.5kg 26.梅干し 34.94kg 27.すぐり菜 30kg 28.ピーマン 23kg 29.赤かぶ 20kg 30.干しずいき 17.6kg 31.丹波の黒豆 11kg 32.小豆 10kg 33.生姜 2kg 34.干しナス 0.4kg キウイフルーツ 2,835個 柿 763個 りんご 664個 プチトマト 650個 大門素麺 189個 ぶどう 10,600房 22.紫香米・赤米 23.寒締めほうれ 80kg ん草 50kg 24.黒豆 45kg 学校給食センターでは、給食に使用する食材の地場産農産物の活用を推進しています。 平成 21 年度は40品目使用し、地場産農産物の使用率は金額ベースで 19.6%、使用量ベー スで 17.8%の割合となっています。 26 コラム9 全国学校給食甲子園 “準優勝!” 全国学校給食甲子園とは、特定非営利活動法人 21 世紀構想研究会が主催し、全国学校給食 甲子園実行委員会が運営する地場産物を活かした自慢料理を競う大会です。学校給食を調理し ている学校または給食センターに参加資格があり、食育の重要性を多くの人達に広めるために 行われています。 平成 22 年 12 月 12 日に、東京都豊島区の女子栄養大学で第 5 回全国学校給食甲子園決勝 大会が行われ、甲信越・北陸ブロック代表の富山県砺波市学校給食センターが準優勝に選ばれ た。今回は全国から過去最多の1817校・給食センターが出場し、決勝大会では、6ブロッ ク代表の 12 チームで(栄養教諭・学校栄養職員と調理員の 2 人1組)が6人分の給食を 1 時間で調理し、手洗いの衛生管理から始まる調理の過程と食味を審査委員により厳正に評価さ れました。大会ルールで献立には、実際に給食に出されたもので、地場産物を使用してその特 色を生かしながら、食育のモデルになり、子どもが喜び郷土愛をはぐくむ工夫がされているこ となどが求められました。 全国の学校給食では、地域でとれるさまざまな地場産物を食材として利用した献立が出され ています。学校給食は、「食」の文化、「食」の安全を守り育てる食育の現場であり、「食」 の地域ブランドにも密接に関わっています。 この大会は全国の学校給食で提供されている郷土を代表する料理を競う大会を通じ、食育を 啓発することと地産地消の奨励を目的とされており、この活動を通じて地域の活性化に貢献し ています。 古代米入りご飯(コシヒカリ コシヒカリ、紫香米 コシヒカリ 紫香米、金時豆) 紫香米 富山の幸かき揚げ(となみ となみ野産 となみ野産たまねぎ 野産たまねぎ、 たまねぎ、にんじん、 にんじん、さつまいも、 さつまいも、米粉、白エビ) 米粉 地場産野菜の炒め物(干 干しなす、 しなす、小松菜、 小松菜、豚肉、 豚肉、しめじ、コーン) しめじ となみ野汁(れんこん れんこん、 れんこん、干しずいき、 しずいき、ねぎ、 ねぎ、白菜、 白菜、にんじん、えのきたけ) にんじん うさぎりんご(りんご りんご) りんご 牛乳 *太字は 太字は、砺波の 砺波の地元食材 砺波市学校給食センターでは毎日献立を紹介しています。 http://www.city.tonami.toyama.jp/shisetsu/kyushoku/kyushoku.html 27 コラム10 となみの農産物生産グループ協議会 (平成 22 年度地産地消優良活動表彰 農林水産省生産局長賞受賞!) 農村女性グループや営農組合員など21の団体・個人で組織され、活動内容は主に、市学校 給食センターへ地場産野菜を納入しています。昭和 60 年代頃から市内各地区で「農村女性グ ループ」が作られ、 「休耕田を活用して野菜を作ろう」と取組みが始まりました。 「子どもたちに安全な野菜を提供したい」という思いが市学校給食センターと一致し、地場 産野菜を納入することになり、平成9年には「となみの農産物生産グループ協議会」が設立さ れました。学校給食センターの地場産野菜活用率も上がり、グループ会員と児童との給食会食 や、児童・生徒たちが子ども特派員として生産農家を訪ねて交流を深めています。 ふく福柿生産組合の皆さん 子ども特派員と生産農家の皆さん 直売所「散居の店」 直売所には朝採れの新鮮な野菜が並びます。 JA となみ野農産物直売所「となみ野の郷」 (H23.4 オープン予定) となみチューリップ公園入口に建設され、 地場産農産物、農産加工品等販売し、新鮮な 地元農産物を使ったメニューを提供するレ ストランも併設される予定。外観は、砺波平 野の散居村に見られる伝統家屋「アズマダ チ」をイメージし、賑い創出の場、地域農業 の活性化、及び新しい観光スポットとして期 待されます。 28 砺波市地場農産物・直売所・加工所マップ イ④ イ① 直① 直② 直⑤ 直③ イ③ 加① 直⑥ 加② 加③ イ② 直④ 加④ 直売所 加工所 インショップ ①若林青空市 ①市谷たけのこグループ ①「新鮮市場ヴァローレ」砺波店内 ②ちょっとよってかれま ②ふく福柿出荷組合 ②「新鮮市場ヴァローレ」庄川店内 ③となみ野の郷 ③コスモスグループ ③「サンコー」となみ中央店内 ④金屋ゆず生産組合直売所 ④金屋ゆず生産組合 ④「大阪屋ショップ」砺波店内 ⑤栴檀野産直野菜直売所 ⑥せんだん山特産の店 29 コラム11 庄川ゆず 日本最北のゆず栽培適地といわれる砺波市庄川町金屋地区で、古くから栽培されてきた「庄川ゆ しゃくにょしょうにん ず」。その原種は弘法大師によってこの地に広められ、のちに真宗の教えを広めに訪れた綽 如 上 人 に、ゆずを献上したとも伝えられています。果肉が厚く、酸味が強いゆずは、鍋物、湯どうふ、ド レッシングなどにぴったり。特有の香りをアレンジした、ゆず味噌、ゆず餅などの加工品も作られ ています。毎年 11 月、庄川水記念公園で開催される「ゆずまつり」では、収穫したばかりの生ゆ ずを使い、自慢のゆず料理が振る舞われます。 *画像は砺波農林振興センターHPより引用 ゆずまつり会場での直売コーナー つきたてゆずもちの無料配布 フードマイレージとは? フード・マイレージとは、食料の重さとその運んできた距離をかけて数値化したもので、フ ード・マイレージが大きければ大きいほど、多くの負荷が環境にかかっていることになるとい うものです。 生産地から食卓までの距離が短い食べ物を食べることにより、輸送に伴って発生する二酸化 炭素(CO2)などの温室効果ガスの排出量を少なくして、環境への負荷を小さくしようという もので、日本では、2003 年の環境白書でフード・マイレージが紹介されました。 また、なるべく近くで取れたものを食べようという点で、「地産地消」の考え方に似ており、 食料自給率の向上や、食育の推進などの面でも注目されている言葉です。 30 6. 食の安全確保の取組み 【目標】 ・ 「食」に関する正しい知識の普及、定着 ・ 「食」の安全に関する情報の提供 【現状と課題】 近年、食品・食材の偽装表示など、食品の安心・安全を脅かす問題や事件が発生してお り消費者の不安や関心が高まっています。 健康的な食生活を送るには、市民一人ひとりが食生活や健康に関する正しい知識を持ち、 実践していていくことが必要です。 【取組み】 わたし ・ 食品表示に関心を持ちます。 ・ 食品表示の知識を身につけます。 生産者 ・ 農業生産工程管理(GAP)*及びトレーサビリティ*に取組みます。 行政 ・ 市民一人ひとりが、食生活や健康に関する正しい知識、自らの判断で食を選択 する力を身につけ、健康的な食生活を実践できるよう、正しい情報提供、発信、 啓発に努めます。 (健康センター) ・ 農業生産工程管理(GAP)及びトレーサビリティの導入を推進します。(農業 振興課) ・ 減農薬・減化学肥料等の環境にやさしい農業を推進し、安心・安全な農産物の 供給に努めます。 (農業振興課) 農業生産工程管理(GAP) 農業生産活動を行う上で必要な関係法令等の内容に則して定められる点検項目に沿って、 農業生産活動の各工程の正確な実施、記録、点検及び評価を行うことによる持続的な改善活 動のことです。 トレーサビリティ 食品のトレーサビリティとは、農産物や加工食品などの食品が、どこから来て、どこへ行 ったか「移動を把握できる」ことです。 31 コラム12 食品の表示―「賞味期限」と「消費期限」 JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)の規定に基づいて、農林水 産省が定める表示基準にある加工食品の期限表示のことです。 加工食品の期限表示(定められた方法により保存した場合) ・期待されるすべての品質の保持が十分に可能である と認められる期限を示す年月日 (ただし、期限を超えた場合でも、品質が保持され ていることがある。 ) 賞味期限 ※特例 品質が急速に劣化しやすく製造後速やかに 消費すべきものは、 「賞味期限」ではなく「消 費期限」で表示する。 ・腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠く 消費期限 こととなるおそれがないと認められる期限を示す 年月日 「その日までに食べ ないと本来のおいし さは、伝わらないな。」 「その日までに食べ てしまわないと安全 とは言えないな!」 表示の方法 製造からの期限 3月以内の 日まで(平成 22 年 9 月 21 日など) 月以内の場合 製造からの期限 3月を超える場合 える場合 月まで(平成 22 年 9 月など) ※ 一部の生鮮食品については、食品衛生法の規定による表示義務があります。 たとえば、パック(容器包装)詰めで販売される食肉や生かき、鶏の卵などには、 食品衛生法で「消費期限」又は「賞味期限」の表示が義務付けられています。 食品を無駄にせず、環境のことも考えた食生活にしたいですね 賞味期限が 賞味期限が切れてもその食品 れてもその食品が 食品が直ちに食 ちに食べられなくなる訳 べられなくなる訳ではありません。 ではありません。 こうした点を正しく理解していただき、廃棄等による社会的なコスト等も考慮しながら、買い物、保存等を行っていただく ことは、食料の安定供給の観点のみならず、環境配慮の観点等からも望ましいことです。 期限表示の 期限表示の意味を 意味を正しく理解 しく理解して 理解して、 して、これからも食品 これからも食品ロス 食品ロスを ロスを減らす努力 らす努力も 努力も大切ですね 大切ですね。 ですね。 キーワードは キーワードは「もったいない」 もったいない」です! です! 農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/jas/hyoji/kigen_all.html より抜粋 32 コラム13 全国一の種もみ産地 1. となみ野の風土が生んだ種もみ 富山県には5つの種もみ産地がありますが、その中の一つ、砺波市庄川町・中野の種子場は、庄 おろし 川扇状地の沖積砂壌土地帯にあります。『庄川 颪 』と呼ばれる朝夕の露切り風が、稲の生育や稔実 に好影響を与え、粒の肥大や熟色の良い種もみを育てています。また、豊富な庄川の水と水はけの 良い土質が、剛健な稲を作り、病害虫の発生を少なくしています。 2. 種もみの歴史 富山県の種もみの産地としての起源は諸説あり、遠く 14 世紀末に綽如上人が南砺市に瑞泉寺を 建立するかたわら、種もみの生産に着手したとか、また宝暦年間(1750~60 年)に庄川五ヶ村の 法正寺の了恵法師や、五ヶ村の肝煎役の徳右衛門が種もみの交換栽培を斡旋し、それが良かったの で加賀藩内外に広く普及したとか、天正年間(1573~92 年)日方江の善五郎という人が、米のよ くとれる稲を発見し広めたとする諸説があります。新しい稲の発見は、多収で病害に強いことから、 売薬商人らが全国を巡り宣伝したことで富山の種もみが普及されるようになりました。このように 種もみ生産は、長い歴史を経て新品種の開発や様々な改良を重ねながら、その名を全国に知られる ようになりました。 3. 徹底した品質管理 採種農家は、良い種もみを作るため、土づくり・種子消毒・病害虫防除・異茎株抜取・適期刈取・ 異品種混入防止など細心の注意を払っています。また、種子場農協は、最新の種子プラントで良質 の種もみだけを厳選しています。さらに、大型種子消毒施設を導入し、環境にやさしい農業を目指 し、消毒種子を提供しています。このような徹底した生産管理と、農作物種子法と農作物検査法に よる厳しい圃場審査・生産物審査並びに農産物検査・DNA 鑑定による純度管理により、生産から出 荷にいたるまで万全の品質管理を行っています。 4. 安定した生産 庄川からの豊かな水と気象災害の少ない天候という恵まれた環境をもつ砺波平野は、種もみの栽 培環境としては最適です。委託生産による供給はもちろん、当用需要にも積極的に対応するなど安 定供給に努め、コシヒカリを中心に 49 品種の種もみを生産しています。 稲株の標本 となみ野農業協同組合の種子資料館 種子ほ場審査 生産物審査(発芽試験) 33 7. 食文化伝承の取り組み 【目標】 ・ 郷土の食文化の伝承 ・ 優れた郷土料理・伝統料理の理解 【現状と課題】 砺波地方は、長年にわたって育まれた郷土料理・伝統料理があります。干ずいきや干な す等冬場の食べ物が少ない時に備えた保存食など、先人が培ってきた知恵と技の「食文化」 を、貴重な財産として、守り、伝えていくよう努めなければなりません。 核家族化、 「食」の簡便化、外食化、飽食によって郷土料理・伝統料理の伝承の機会が無 くなりつつある今、 「食」が地域の風土、気候、生活と深くかかわっていることを学ぶと共 に、 「食」の変化も取り入れながら、新しい形の我が家の味、ふるさとの味を作ることが必 要です。 【取組み】 わたし ・ 地元の食材を使い、家族で郷土料理・伝統料理を作り伝えます。 保育所 ・ 定期的な「お弁当の日」を設定して、調理方法や調理能力の向上を図ります。 幼稚園 ・ 給食だより等で、郷土料理・伝統料理の紹介に努めます。 学校 ・ 学校の家庭科や総合学習の中で、地域の料理の達人を講師として招いて料理教 室を開催します。 ・ 栄養教諭が中心となって、積極的に郷土料理・伝統料理などを教えていきます。 地域 ・ 地域の高齢者、老人会、婦人会等の協力により、郷土料理・伝統料理の紹介に 努めます。 事業者 ・ 積極的に地域の特性を生かした食材を提供します。 行政 ・ 郷土料理・伝統料理を学校給食の献立に取り入れていきます。(学校給食セン ター等・こども課) コラム14 大門素麺 *となみ野農業協同組合HPより引用 江戸時代後期(1848 年)に大門地区の住人が売薬行商で能 登の蛸島を訪れたときのこと、加賀前田藩の御用素麺を製造し ていることを知り、その製法を継承した。この素麺は、全国的 にも珍しいまるまげ状の素麺です。四季の中でも最も寒い時期 【10月~3月】にのみ作られ、時間をかけて何回もこね合わ せ“太いより” “中より” “細より”と繰り返し“より”をかけ ながら細く長く延ばしていくので麺の繊維がワイヤ状になり、 とても腰の強い素麺に仕上がっています。人の手から手を渡っ て作られるこだわり、そして生産者一人一人の真心と「伝統を 味わっていただける逸品」です。 H23.1.28 「富山県推奨とやまブランド」に認定 34 コラム15 報恩講料理 「報恩講」は、ホンコサマ(報恩講様)または、オコウサマ (御講様)と呼ばれるおまいりの行事で、浄土真宗の祖・新鸞 聖人の命日である 11 月 28 日前後に、家々で御坊さん、親類 縁者を招いて先祖や一年の無病息災に感謝し、読経をします。 お経が終わったあと、家でとれた一番出来のよい野菜等をたっ ぷり使い、家々に代々受け継がれてきた精進料理を中心になご やかに会食されてきました。しかし、現在では、 「報恩講料理」 を家で会食することは少なくなっています。そこで、後世に残 そうとする動きが広まっており、報恩講料理を楽しむ行事が行 われたりしています 報恩講料理の配膳図(地域により若干異なります) ②おつけ とうふの小豆汁。上品な ⑨ こぶた 場合は花麩のすまし汁に青味とし ⑩ おけそく てみつばなどを浮かす。 ③なかもり 大根の酢あえ。にんじ んや油揚を入れる。ていねいな時は ⑤ つぼ ④ おひら くずきり。赤・白・青三色。のぞき につけ汁を入れる。 ④おひら 大根・里芋・こんにゃ く・焼き豆腐又は丸山。 ⑥ ちょく ③ なかもり ⑧ ふたぢゃわ ん ③ のぞき ⑤つぼ 里芋・にんじん・こんにゃ くをさいの目に切って片栗粉であ んかけしたもの。または、ほーきん よごしを盛る。 ⑥ちょく ① ごはん ② おつけ ⑦ あつもん 長芋をせん切りにして、 昆布・にんじんを入れ酢であえたやちゃら。 ⑦あつもん しいたけ・たけのこ・かんぴょう・帳面麩・青味(ほうれんそうなど)の五品。 ⑧ふたぢゃわん 長芋とゆば。 ⑨こぶた ゆべす・りんご・キャラメルなど。 ⑩おけそく 仏前に供えた子餅。5 つほどを紙に包んだもの。 35 となみの郷土料理いろいろ 料理名 よごし ゆべす なすと素麺の煮物 由来・作り方等 大根やにんじんの葉、なす、いもじ、うどな ど、野菜をゆでて細かく切り、味噌で味付けし 炒りつけたものをいいます。味噌で野菜を「汚 す」という料理法が名の由来とも言われていま す。 その他、江戸時代の砺波地方は加賀藩の米ど ころで、上等米は年貢として納めたため、自家 用米は少なく、一人 1 日2合くらいのごはんで した。そのため、重労働に耐え満腹感を得られ るように、ごはんとよく合い、いろいろな野菜 の利用が可能な「よごし」が生み出されたよう です。 砂糖醤油味の寒天にとき卵を入れて固めた ものです。お正月や婚礼、法事、お祭りなどに 欠かせない一品で、冷たく、口当たりもよく、 見た目もきれいです。べっ甲のかんざしに似て いることから「べっこう」、また、菓子の「柚 菓子」に似ていることから「ゆべし、」 「えびす」 とも呼ばれます。 干しそうめんを固めに茹で、よくもみ洗いし 水気を切り、なすを砂糖、しょうゆ、みりんで 煮ます。味がしみてきたらそうめんを加えま す。 そうめんは名水・庄川の清水で作った全国的 にも珍しいまるまげ状の手延べそうめん「大門 素麺」がよく使われ、夏によく食べらます。 いとこ煮 大根、にんじん、里芋、小豆、油揚など食材 を順番に「おいおい」と煮ていくことから「甥 甥」でいとこ関係になるので「いとこ煮」と名 付けられた説が一般的です。 浄土真宗を開いた親鸞聖人が好んで食べた 料理で、命日に報恩講が行われ、最終日(ご満 座)には、いとこ煮が作られました。 かぶら寿司 かぶらにサバ(寒ブリ)の身を挟み、麹や昆 布で漬け込みます。11月頃から漬け、寒さを 利用してじっくり発酵させます。寒い冬を代表 する伝統の味で、お正月にはかかせないごちそ うです。 ずいきの白和え 里芋には、赤芽と白芽があり、赤芽の親芋を 「がしらいも」 、茎を「ずいき」と言います。 「ず いき」は乾燥させると栄養価が高まり、日持ち し産後の肥立ちによいとされていました。 36 写真 芋がいもち 昔、米は貴重だったので、米の節約のため、 売りにだせない小さい里芋とくず米を一緒に つぶして作りました。 古たくあんの粕煮 昔、冬に作ったたくあんは、春から秋までの 大事な食料でした。たくあんに飽きてくると、 塩ぬきして味噌煮や粕煮にしました。粕煮は、 酒粕を水で溶き、塩ぬきしたたくあんを加えて 煮、しょうゆ又は味噌で味付けし、赤唐辛子を 入れます。 すわい 大根や人参をせん切りにしたものを、合わせ 酢でなじませます。古くは「日本書紀」にも登 場する「なます」と同じものです。 「お酢和え( おすあえ) 」が「お酢合い(おすあい) 「おすわ い」となまって呼ばれ、お正月やお祭りなどの 祝膳に、おめでたい料理として出されます。 里芋といかの煮付け 里芋と大根を柔らかくなるまで煮込みます。 だし汁・砂糖・しょうゆでいかをさっと煮ます。 煮汁にいかの中身をほぐし入れ、大根と里芋を 入れて煮詰め、いかを加えて温めます。 里芋の田楽 里芋を夜なべに塩煮しておいて、翌朝これを 串に刺し、味噌をつけて囲炉裏で焼く。ゴマや ゆず味噌をつけることもある。 すずき 里芋の一種のアカイモやヤツガシラのズキ (茎)で作る。皮をむいて 3~4 ㌢に切り、鍋 に水を少し入れて炒め、柔らかくなったら酢・ 砂糖・醤油につけて密封する。ぶどう色に染ま って美しい。秋祭りや報恩講の料理。 「なすと素麺の煮物」の画像は富山県HPより引用、 「かぶら寿司」の画像は砺波厚生センター提供、 「すずき」はとやまの郷土料理レシピ集から引用、その他の写真は、砺波市食生活改善推進員協議会 のご協力をいただきました。 37 第5章 ライフステージに応じた食育の推進 食べることは、生涯を通して営まれ、生きる力の源となるものです。 市民一人ひとりが、その世代に応じた食習慣を身につけ、実践し次世代に伝えていくことが大 切です。そこで、6つのライフステージ区分に応じて、それぞれの世代の食育のポイントを示し ました。 1. 乳幼児期(0~5 歳) 世代の特徴 目指す姿 こころや身体の基礎的な機能が整い、人格や生活習慣の基礎が確立する大事な 時期です。 食習慣の基礎を身につけ、食べる楽しさ、食べ物のおいしさを知り、食べる意 欲を育てることが大切です。 ・ うす味に慣れ 好き嫌いなく何でも食べましょう。 食育の ポイント ・ 離乳食の時期からカミカミ(よく噛むこと)ゴックン(飲み込むこと)の練習 をしましょう。 ・ 決まった時間に食事や間食をとる習慣をつけましょう。 ・ 正しい歯みがきの習慣を身につけ、乳歯のむし歯を予防しましょう。 2. 学童期(6~12 歳) 世代の特徴 こころも身体も成長し、生活習慣が確立する時期です。 「食」を通じた家族や友達とのかかわり、地域や暮らしのつながりのなかで、 目指す姿 「食」に関する知識や望ましい食習慣を身につけ、 「食」を楽しむ心を育てること が大切です。 ・ 早寝・早起き・朝ごはんを実践し、規則正しい生活リズムを身につけましょう。 ・ 家族で食卓を囲み楽しく食べることで、コミュニケーションをとったり、マナ 食育の ポイント ーを身につけるようにしましょう。 ・ 家族と一緒に買い物や食事づくりを楽しみましょう。 ・ 学校給食を通して、望ましい食事の量やバランス、感謝の気持やマナーを身に つけましょう。 ・ よく噛んで食べ、食後に歯をみがく習慣を身につけましょう。 3. 思春期(13~18 歳) 身体的な機能が完成し、精神的にも自己が確立するなど、子どもから大人へ移 世代の特徴 行する時期です。夜遅くまで勉強や、テレビ、ゲームに夢中になり就寝時間が遅 くなるなど、生活リズムが不規則になる傾向があり、肥満ややせといった健康問 題も見られます。 目指す姿 望ましい食生活を自ら実践する力を身につけることが大切です。 38 ・ 朝食は抜かずに、1 日 3 食バランスのよい食事をとりましょう。 ・ 欠食や食べすぎをせず、無理なダイエットはやめましょう。 食育の ポイント ・ 自分に合った食事の内容と量を選ぶ力をつけましょう。 ・ 家族で食卓を囲んで楽しく食べる機会を増やし、コミュニケーションを深めま しょう。 ・ 家族や仲間と調理等の体験を通して、食事を作る力を身につけましょう。 ・ 歯ぐきの自己チェックで、歯周病を予防しましょう。 4. 青年期(19~35 歳) 世代の特徴 目指す姿 社会人として独立する時期で、ライフスタイルが確立する時期です。 将来に向けた生活習慣病予防のため、適正体重の維持や食事に関する正しい知 識を身につけ、次世代を育成していくことが大切です。 ・ 外食や中食にたよりすぎないバランスのとれた食事を心がけましょう。 ・ 食品に表示されている栄養成分値を見て、食品や外食を選ぶ習慣を身につけま しょう。 食育の ・ 家庭で子どもと一緒に料理を作ってみましょう。 ポイント ・ 家族で食卓を囲んで楽しく食べる機会を増やし、コミュニケーションを深めま しょう。 ・ かかりつけの医師や歯科医師を持ち、定期健診を受けるなど、自分の健康状態 を把握し、生活習慣の改善に取組みましょう。 5. 壮年期(36~64 歳) 働き、子どもを育てるなど、社会的にも極めて活動的な時期です。一方、身体 世代の特徴 機能が徐々に低下していく時期であり、生活習慣病などの疾病が起こりやすくな ります。 目指す姿 健康診査を積極的に利用し、生活習慣、食習慣を見直し健康管理に努め、また 「食」の経験を活かし伝えていくことが大切です。 ・ 1 日 3 回の食事と十分な睡眠をとり、規則正しい生活リズムをつくりましょ う。 食育の ポイント ・ 家族のふれあいを大切にし、楽しい食事を心がけましょう。 ・ かかりつけの医師や歯科医師を持ち、定期健診を受けるなど、自分の健康状態 を把握し、生活習慣の改善に取組みましょう。 ・ 「食」の安全や食品衛生に関する知識を習得しましょう。 ・ 塩分、脂肪を控えめにして、新鮮な地元の野菜をたっぷり食べましょう。 39 6. 高齢期(65 歳以上) 世代の特徴 目指す姿 定年による退職など生活環境に変化や、加齢に伴う身体の変化・体力の低下が 見られる時期です。 介護予防のためにも、栄養バランスのとれた食事と、自分に合った食生活を送 り、また次世代へ食文化や「食」に関する知恵を伝えていくことが大切です。 ・ 食事は、質・量とも自分に合ったものを選び、過食、低栄養にならないように 3 食欠かさず食べましょう。 ・ 家族のふれあいを大切にし、楽しい食事を心がけましょう。 食育の ポイント ・ かかりつけの医師や歯科医師を持ち、定期健診を受けるなど、自分の健康状態 を把握し、生活習慣に取組みましょう。 ・ 歯と歯ぐきの健康管理に努め、いつまでも自分の歯で食べる楽しみを持ちまし ょう。 ・ 家庭料理や、郷土料理、伝統料理などを子や孫に伝えましょう。 1.乳幼児期 1.乳幼児期( 乳幼児期(0~5 歳) 食べる意欲を育てる 2.学童期 2.学童期( 学童期(6~12 歳) 食習慣を身につけ、「食」を楽しむ心を育てる 3.思春期 3.思春期( 思春期(13~ 13~18 歳) 食生活を自ら実践する力を身につける 4.青年期 4.青年期( 青年期(19~ 19~35 歳) 食生活に関する正しい知識を身につけ、次世代を育成していく 5.壮年期 5.壮年期( 壮年期(36~ 36~64 歳) 健康管理に努め、「食」の経験を活かし伝えていく 6.高齢期 6.高齢期( 高齢期(65 歳~) 自分に合った食生活を送り、食文化や「食」を伝えていく 40 第6章 計画の推進方法 1. 推進体制 食育を推進していくためには、生産者、消費者、食品関連業者、市民団体、関係団体及び 行政が連携して取組み必要があります。関係する人や組織が一体となって推進する総合的な 推進体制として「(仮称)砺波市食育推進協議会」を設置します。 地域 ボランティア団体 学校 給食センター 公民館 食 幼稚園 育 基礎づくり 地域づくり 家庭 婦人会 保育所 食品関連事業者 人づくり 医療・保健機関 農業団体 PTA 国 県 JA 市 農業者 2. 計画の進行管理と評価 本計画の進行管理にあたっては、施策を効果的・効率的に推進するため、アンケート調査 等により数値目標の達成状況を把握したうえで、「(仮称)砺波市食育推進協議会」において その効果等を評価します。 3. 計画の見直し 基本計画の目標年次である平成27年までに、社会情勢の変化や計画の進行状況により、 基本計画の見直しが必要な場合は、「(仮称)砺波市食育推進協議会」における検討を経て、 取組み内容の充実を図ります。 41 砺波市食育推進計画策定委員会設置要綱 砺波市告示第 89 号 平成 22 年 7 月 16 日施行 (設置) 第1条 砺波市食育推進計画を策定するため、砺波市食育推進計画策定委員会(以下「策定委員 会」という。)を置く。 (所掌事務) 第2条 策定委員会は、次に掲げる事項について審議する。 (1) 砺波市食育推進計画の策定に関すること。 (2) 前号に定めるもののほか、市長が必要と認める事項 (組織) 第3条 策定委員会は、委員12人以内をもって組織する。 2 策定委員会の委員は、次の各号に掲げる者とする。 (1) 食育の推進に関し識見を有する者のうちから市長が委嘱する者 (2) 市民活動団体が推薦する者のうちから市長が委嘱する者 (3) 市長がその部内の職員のうちから指名する者 (4) その他市長が必要と認めた者 (任期) 第4条 委員の任期は、委嘱の日から食育推進計画の策定が完了するまでとする。 (会長及び副会長) 第5条 策定委員会に会長及び副会長を置く。 2 会長及び副会長は、委員の互選により定める。 3 会長は会務を総理し、策定委員会を代表する。 4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。 (会議) 第6条 策定委員会の会議は、会長が召集する。 2 会長が必要と認めるときは、会議に委員以外の者の出席を求めることができる。 (庶務) 第7条 策定委員会の庶務は、商工農林部農業振興課において行うものとする。 (その他) 第8条 この要綱に定めるもののほか、策定委員会の運営に関し必要な事項は、会長が別に定め る。 附 則 この告示は、公表の日から施行する。 42 砺波市食育推進計画策定委員 氏名 会 分野 団体役職等 長 原田 澄子 学識経験者 富山短期大学食物栄養学科長 副会長 老松 久美子 教育関係 砺波市小中学校長会 委 員 泉野 康子 生涯教育団体 砺波市公民館連絡協議会副会長 委 員 岡田 礼子 幼稚園・保育所関係 砺波市出町保育所所長 委 員 北村 篤 学校給食関係 砺波市学校給食センター所長 委 員 清原 篤視 小売店関係 小売店店長 委 員 齋藤 節子 女性団体 砺波市連合婦人会副会長 委 員 境 ボランティア団体 砺波市食生活改善推進員協議会会長 委 員 深沢 広治 富山県 富山県砺波農林振興センター次長 委 員 福田 守 農業関係 となみ野農業協同組合経済部長 委 員 安田 和美 保健関係 砺波市健康センター副所長 委 員 藪 道子 教育関係団体 砺波市PTA連絡協議会副会長 嘉代子 委員掲載順は氏名の五十音順 団体役職は、委嘱時のもの 任期:平成 22 年 7 月 27 日~平成 23 年 3 月 31 日 43 教授 砺波市食育推進計画策定ワーキンググループ 氏名 所属職名 備考 堀池 純一 企画調整課主幹 幡谷 優 企画調整課企画調整係主任 高野 有子 健康センター主幹 二王堂 健康センター健康増進係栄養士 康子 森田 功 教育総務課主幹 安地 亮 こども課保育幼稚園係長 松村 純子 こども課保育幼稚園係栄養士 黒田 真知子 学校給食センター管理係長 小幡 和日出 商工農林部長 事務局 加藤 孝 農業振興課長 事務局 農業振興課農産係長 事務局 農業振興課農産係主査 事務局 林 嶋村 憲正 三希子 (平成 23 年3月 31 日現在) 食育推進計画策定の経過 平成21年 9月18日 第1回ワーキンググループ会議 平成22年 6月 2日 第2回ワーキンググループ会議 平成22年 6月25日 第3回ワーキンググループ会議 平成22年 7月27日 第1回食育推進計画策定委員会 平成22年 8月 9日 第4回ワーキンググループ会議 平成22年 9月 3日 第5回ワーキンググループ会議 平成22年10月15日 第6回ワーキンググループ会議 平成22年11月17日 第7回ワーキンググループ会議 平成22年11月30日 第2回食育推進計画策定委員会 平成23年 1月31日 第8回ワーキンググループ会議 平成23年 2月16日 第3回食育推進計画策定委員会 44 砺波市食育推進計画 (平成23年3月) 編集・発行 砺波市商工農林部農業振興課 〒939-1398 富山県砺波市栄町7番3号 電話 0763-33-1111 FAX0763-33-6851 E-meil:[email protected]
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