地域連携室便り 第2号 - 医療法人 雄心会

地域医療連携室
脳神経内科のご紹介
脳神経内科科長
蔭山
博司
だ よ り
・日本神経学会専門医
・日本脳卒中学会専門医
・医学博士(北海道大学)
最近はゲーム機による脳年齢チェックが流行ですが、めまい、ふらつき、ふるえ、歩行障害、
物忘れなど気になる症状がありましたら、脳の健康チェックの意味も含め、お気軽に当科を受
診いただければ幸いです。
参考までに当科的な症状を挙げてみます。
最近物忘れがある、日中からボーッとしている、時々意識がなくなる、頭が痛い、めまいが
ある、言葉がはっきりしない、まぶたが下がる、ものが二重に見える、顔が曲がっている。食
べ物が飲み込みにくい、むせる。舌が動かしづらい、体や手足の力が入らない、手足がふるえ
る。動作が遅い、ころびやすい、しびれがある、痛みがある、歩きにくい、歩けない、立てな
い、などです。
なお気分の落ち込みやイライラ、頑固な不眠、幻聴、幻覚などは当科の対象疾患ではありま
せんのであらかじめ御了承下さい。
主に当科が担当する疾患には下記の様なものがあります。
軽症脳卒中、脳炎、髄膜炎など脳の炎症性疾患、認知症、パーキンソン病。脊髄小脳変性症、
てんかん、不随意運動、多発性硬化症、慢性頭痛、眩暈症、末梢神経障害、筋無力症、筋炎な
ど筋疾患、内科的疾患に伴う神経・筋障害他にも色々ありますので、気になる症状があればお
気軽に外来までご相談下さい。
医療法人 雄心会
函館新都市病院
地域医療連携室
〒041-0802
函館市石川町331番地1
TEL 0138-46-1321
FAX 0138-47-3420
http://www.yushinkai.jp/
平成18年12月
1日発行
内容
脳ドックのおすすめ!
脳の病気
脳神経内科の紹介
インフルエンザの予防法とかぜとの違い
インフルエンザの予防法とかぜとの違い
日常生活で出来る予防方法
1.体力をつけて、抵抗力を高めます。
2.ウィルスは、低温・低湿を好み乾燥しているとウィルスが長時間
空中を漂っています。適度な温度・湿度(50~60%)を
保ちましょう。
3.手洗いは接触による感染を、うがいは喉の乾燥を防ぎます。
4.マスクを着用しましょう、周囲からの咳やくしゃみの飛沫から感染を
防ぎまた周囲に感染させるのを防ぎます。
内
吉 田
科
仁
インフルエンザと普通のかぜはどう違うのですか?
普通のかぜ
のどの痛み、鼻汁、くしゃみ、咳などが中心で発熱もインフルエンザほど高くなること
が少ない。
インフルエンザ
38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身の症状が強く、あわせてかぜと同
様の喉の痛み、鼻汁などの症状も見られます。高齢者は気管支炎、肺炎等の合併症を
引き起こす割合が大きく、小児は熱性けいれんを併発することがあります。
基 本 理 念
良質かつ適切な医療を最良の環境で提供できる病院
脳ドックのおすすめ!
脳外科(理事長)
伊 藤
脳卒中は予防することが最大の治療です。
脳卒中の早期診断、予防に脳ドックをおすすめします。
病気は早期発見、早期治療、さらに
その予防が大切です。
脳ドックはMR(磁気共鳴)装置を中心とした最先端の高度医療
機器により、さまざまな脳の病気の早期発見、治療をめざすもの
です。クモ膜下出血を起こす危険性のある脳動脈瘤、将来脳梗塞
を起こすかもしれない脳の血管の狭窄、小さい脳腫瘍などの有無
を診断し、早期発見・治療と予防に役立てることができます。
検査種類
検査内容
料
金
1.問診・血圧測定
2.頭部MRI検査
3.頭部MRA検査
精密脳ドック 4.頚部MRA検査
31,500円
5.血液検査
6.尿検査
7.検査結果の説明
1.問診・血圧測定
簡易脳ドック
2.頭部MRI検査
3.頭部MRA検査
4.検査結果の説明
10,500円
頚部MRA検査
頚部の血管の閉塞、動脈硬化などを調べます。
脳に充分血液が流れるよう閉塞を早期発見、治療
することで、脳への血液循環が悪くなるのを予防
することができます。
血液・尿検査
脳卒中の危険因子としての高血圧症・高脂血症
糖尿病などの病気にかかってないか検査をします。
丈 雄
脳外科(科長)
加 藤
孝 顕
脳の血管に血の固まり(血栓)ができて血管がつまった状態(脳血栓)、
または心臓や大動脈でできた血栓が脳血管をつまらせた状態(脳塞栓)。
これらが原因でつまった所から先に血液が流れないために脳組織の部分
的
な壊死がおこった状態です。
【症状】
脳梗塞
頭部MRI検査
脳梗塞・脳腫瘍・脳萎縮などを調べます
自覚症状のない小さな脳梗塞や脳腫瘍などを
早期発見、治療することで病気の進行を予防する
ことができます。
頭部MRA検査
脳動脈瘤・脳血管閉塞・動脈硬化・脳動静脈奇形
などを調べます。
これらの病気は、くも膜下出血・脳出血の原因と
言われており、早期発見、治療することで出血を
予防することができます。
脳 の 病 気
脳出血
くも膜下出血
脳腫瘍
脳梗塞の主な症状は片麻痺(半身不随)です。しかし病巣が左側の場合には失
語症を起こしますが、片麻痺の無い発作も多くみられます。
時には言語がまったく不明で、何を言っているか判らない状態とか、字が読め
ない
書けない、計算が出来ない。または視力障害だけの場合もあります。
更に、口がもつれ、物が飲み込めないで、しゃっくりがでる。動作が思うよう
に出来なかったり、触っている物が熱い、冷たい、痛いといった感覚が失われ
る。意思とは無関係に体や手足が勝手に動いてとまらないなどの症状がありま
す。
脳血管が破れて脳内に出血する病気。動脈硬化と血圧上昇が重なりおこ
る事が多い。突然の症状でおこり、半身麻痺や言語障害を伴う事もあり
ます。
【症状】
高血圧性脳出血は40から50歳位の働き盛りに多くみられます。脈はドッキ
ン、ドッキンと強くふれ、時にはゴーゴーといびきをかく人がいます。多くは
昏睡状態になりますが時には昏睡に成らず頭痛を訴えることもあります。嘔吐
する場合は窒息の危険性があるので注意が必要です。片麻痺といって、右か左
の手足がきかなくなります。
脳を包んでいるくも膜の内側におこる出血。脳動脈瘤や外傷が原因とな
り、
激しい頭痛や頚部の筋肉の硬直をおこすことがあります。
【症状】
突然激しい頭痛と嘔吐にみまわれ、意識障害もでることがあります。後遺症無く
完
治する人は3分の1しかいません。
頭蓋内にできる腫瘍。脳で発生する場合と肺や乳がんからの転移でおこ
る場合があります。頭痛、嘔吐、眼底の腫れが三大症状です。
【症状】
腫瘍の発生場所によって多種多様です。
頻度の高い症状は頭痛・嘔吐・てんかん・手足の麻痺・視力、視野の障害・歩行、
バランスの異常・ホルモンの異常・精神症状があります。
生まれつきの脳血管の奇形です。
【症状】
脳動静脈奇形
頭部横断面像
脳血管像
お問い合わせ先
函館新都市病院 医療相談室 脳ドック担当
脳ドック専用電話 0138-46-0021
頭部縦断面像
受付時間
月~金
土
9時―17時
9時―12時
脳出血、くも膜下出血、てんかんなどを起こすことがあり、手術、ガンマナイフ
という放射線治療、特殊な血管内手術を組み合わせて治療を行います。血管奇形
があるだけで症状がない場合は、治療は行わずに経過観察だけを行うこともあり
ます。
自分でコントロールできる予防の要素
★ 喫煙・・・喫煙者の脳卒中発症率は非喫煙者の2倍以上です。
★ 飲酒・・・クモ膜下出血と脳出血はアルコール摂取量と比例して増加しています。
過度の飲酒は肥満や高コレステロール血症をひき起こします。
★ 血圧・・・高血圧症の方の脳血管障害発症率は平常者の4~6倍と言われています。
★ 肥満・・・肥満は動脈硬化を促進します。