水道水質検査計画 - 青森市

平成22年度
水道水質検査計画
横内浄水場 旧接合井について
明治 42 年に近代水道として全国 13 番目に創設された横内浄水場の施設の一部です。浄水
処理された水を貯めた各配水池の水を、一箇所へ集めて市内へ配水するための施設です。
構造は、石造り八角柱状の上屋で、冬季間の積雪、氷結の害等を防止した造りとなってい
ます。
昭和 53 年に浄水場の拡張・改良工事が完成し、その後使用されていませんが、青森市水道
の創設当初の施設として保存しています。
青森市企業局企業部
◎
水質検査計画について
水道法施行規則第 15 条第 6 項により、水道事業者は毎事業年度の開始前に水質検査計画を策定
し、お客様に情報提供を行なうことが義務づけられています。
この目的は、水質検査の合理性の向上を図るとともに検査結果の公表を通じ、市が行っている水
質検査の透明性を確保し、より安全・安心で信頼性の高い水道水の供給を目指すものです。
青森市企業局企業部では、河川などの水源から浄水場、各家庭の蛇口に至るまで適正で効果的な
水質検査を実施するため、過去の水質検査結果を踏まえ、水質検査項目、方法、頻度、箇所などを
定め、平成 22 年度水質検査計画を策定しました。
この計画を実施していくことにより、お客様にいつでも安全で安心なおいしい水をお届けします。
目
次
1.
基本方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.
水道事業の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
3.
原水及び浄水の水質状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
4.
水質監視体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
5.
水質検査体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
6.
臨時検査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
7.
水質検査の方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
8.
水質検査計画及び水質検査結果の公表と見直し・・・・・・・・10
9.
水質検査の精度管理と信頼性の確保・・・・・・・・・・・・・11
10. 関係機関との連携・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
表 1 毎日検査の検査項目と採水地点・・・・・・・・・・・・・・12
表 2 毎月検査の検査項目と頻度・・・・・・・・・・・・・・・・13
表 3 水質管理目標設定項目検査と頻度・・・・・・・・・・・・・14
表 4 クリプトスポリジウム等の検査項目と頻度・・・・・・・・・14
表 5 水源保全のための水質調査項目と回数・・・・・・・・・・・15
図-1 給水区域及び毎月水質検査採水地点概要図・・・・・・・・・16
図-2 横内浄水場及び雲谷地区簡易水道水源保護区域内採水地点・・17
図-3 堤川浄水場水源保護区域内採水地点・・・・・・・・・・・・17
図-4 原別配水所水源保護区域内採水地点・・・・・・・・・・・・18
図-5 油川配水所水源保護区域内採水地点・・・・・・・・・・・・18
図-6 天田内配水所水源保護区域内採水地点・・・・・・・・・・・19
付録 水質検査計画用語集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
1
基本方針
青森市の水道事業における基本理念「真の豊かさをもたらす水環境」の実現をめざし、お客様がい
つでも安全でおいしい水を安心して利用できるよう、青森市水道水源保護指導要綱 1(平成 4 年 1 月制
定)及び青森市横内川水道水源保護条例 2(平成 14 年 3 月制定)などにより水源保護に努めるととも
に、水源から給水栓(蛇口)までの水質管理に必要な水質検査を水道法に基づき計画的に実施します。
○ 検査地点について
供給されている水道水が、水道法で定められた水質基準 3 に適合していることを確認するとと
もに、徹底した品質管理を行なうため、給水栓(蛇口)水はもとより、独自に河川や地下水等の
水源、浄水場及び配水所等の入口(原水)
、各処理工程の水について検査します。
○ 検査項目について
① 水道法で検査が義務付けられている水質基準項目(50 項目)
② 重金属類や農薬など水質管理上留意すべき項目であり、検査を行うことが望ましいとされ
ている水質管理目標設定項目(28 項目)
③
浄水処理が適正に行われているかを工程ごとに確認する検査やクリプトスポリジウム等
耐塩素性原虫検査などの独自に行う項目
○ 検査頻度について
① 給水栓水の水質検査は、水道法及び過去の検査結果などに基づき、項目に応じて頻度を設
定し毎日∼3 ヶ月に 1 回以上検査を実施します。
② 原水 4 の水質検査は、原水の状態を把握するとともに適切な浄水処理を行なう上で重要な
ため、必要な項目及び頻度を設定し検査を実施します。
③ 浄水処理工程の水質検査は、適切な浄水処理を行なう上で重要であり、また、水源である
ダムや河川、地下水等の水質検査は水源監視として水の安全確認に欠くことが出来ないため、
独自に頻度を設定し検査を実施します。
1
2
水道事業の概要
(1) 給水状況
青森市の上水道及び簡易水道における給水状況(平成 20 年度)
給水人口 (人)
305,583
給水世帯 (戸)
132,418
計画給水区域内普及率 (%)
99.54
3
配水能力 5 (m /日)
177,945
3
106,544
3
96,403
1 日最大給水量 6 (m /日)
1 日平均給水量 7 (m /日)
(2)各施設の水源及び浄水処理方法
① 上水道
施設名
水源(種別)
横内浄水場
横内字桜峰 16-3
堤川浄水場
野沢字稲荷沢 58-4
原別配水所
桑原字稲葉 133-2
油川配水所
油川字船岡 35-1
天田内配水所
新城字天田内 18-260
花岡配水場
浪岡大字女鹿沢字野尻 14-112
堤川水系横内川
(表流水)
堤川水系堤川
(表流水)
浅井戸
(伏流水)
深井戸
(地下水)
深井戸
(地下水)
合
浄水受水
配水能力
浄水処理方法
50,000 m3/日
61,000 m3/日
24,200 m3/日
緩速ろ過 8、消毒 9
アルカリ剤中和 10、凝集
沈澱+急速ろ過 11、消毒
曝気処理 12(pH 調整)
、
消毒
6,000 m3/日
消毒
27,000 m3/日
消毒
9,068 m3/日
津軽広域水道企業団総合
浄水場 13 より浄水受水
177,268 m3/日
計
②簡易水道等
地区名
水源(種別)
配水能力
雲谷
雲谷字山吹 2-2
入内
入内字駒田 5-148
孫内
孫内字山辺 112-130
岩渡
岩渡字熊沢 50-9
沢山地区小規模水道
沢山字野際 44-20
深井戸・湧水
(地下水・湧水)
340 m3/日
緩速ろ過、消毒
湧水
37 m3/日
消毒
74 m3/日
炭酸ガス処理 14(pH 調
整)
、消毒
24 m3/日
消毒
深井戸
(地下水)
深井戸
(地下水)
(21 m3/日)※
浄水受水
2
浄水処理方法
-
かれいざわ
王余魚沢
王余魚沢字王余魚沢 1-149
細野・相沢
細野字篠原 77-3
合
深井戸
(地下水)
95 m3/日
深井戸
(地下水)
107 m3/日
急速ろ過、消毒
凝集、急速ろ過、消毒
677 m3/日
計
※ 沢山地区小規模水道の水源は横内浄水場の浄水であるため、配水能力 21 m 3/日は、横内浄水場の配
水能力 50,000 m3/日に含まれます。
3
原水及び浄水の水質状況
(1) 横内浄水場
横内浄水場は、
八甲田連峰前岳に源を発する
横内川を水源としています。
原水は、水温 3∼13℃、平均約 7℃、中性(pH
値平均約 7.3)で、濁度は融雪期や降雨などの
影響により変動することがありますが、通常は
低濁度で安定しており、良好な水質です。
横内浄水場は、緩速ろ過を行っているため、
特に河川濁度等に留意して水質管理をしてい
ます。給水栓(蛇口)の水温は、4∼18℃、平
均約 11℃で、水質は、水源域の自然環境が良好なことから、含有成分が少なくやや軟水で全国
的にも特においしい水と評価されています。
(2) 堤川浄水場
堤川浄水場は、八甲田連峰櫛ヶ峯直下に源
を発する堤川(荒川)を水源とし、上流部で
ある下湯ダム(貯水能力 1,260 万 m3)の放流
水を大柳辺地区で取水しています。
河川は、地獄沼などの強酸性水が上流部に
湧出・流入する影響で酸性化(pH 値平均約
3.7)し、アルミニウム、鉄、マンガンなどを多く含む
水質となっています。原水は、水温 2∼22℃、
平均約 9℃で、水質の変動は、降雨による短
期的な濁度上昇、pH 値などの変動のほか、季節によっても pH 値やアルミニウム、鉄及びマンガンなどの
変動があります。このため浄水場では、アルカリ剤で中和後、消毒及び鉄、マンガン除去のため
次亜塩素酸ナトリウム 15 を注入し、濁り成分を凝集沈澱と急速ろ過で取り除いています。
給水栓(蛇口)での水温は、年間 8∼25℃、平均約 16℃で、水質は、pH 値平均約 7.4 で、
原水水質の季節変動に応じてアルカリ剤注入量を変えるため、硬度(カルシウム、マグネシウム)等が多少変
動します。
3
(3) 原別配水所
原別配水所は野内川伏流水を取水する配水所
で、7 本の取水井群は原別地区に位置しています。
水源水質は良好な状態にありますが、浅井戸
であることから汚水や有機溶剤などの地下浸透
による影響について留意しています。
原水は、水温 11∼13℃、平均約 12℃で、水質
は、遊離炭酸を含んだ弱酸性(pH 値平均約 6.3)
で、原水を曝気処理により遊離炭酸
16 を除去し、
中性となるよう調整後、塩素消毒し供給していま
す。色や濁りはなく、硬度(カルシウム、マグネシウム)や硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素などは、緩やか
な季節変動があります。給水栓(蛇口)の水温は、9∼17℃、平均約 13℃で、水質は硬度成分
などを適度に含んでいます。
(4) 油川配水所
油川配水所は深度約 400m の深井戸から取水
する配水所で、4本の取水井群は油川地区に位
置しています。
油川配水所からは日中のみ配水し、夜間の同
配水区域へは天田内配水所より供給しています。
原水は、水温 16∼18℃、平均 17℃で、水質
は、地層から溶出するカルシウムなどにより弱
アルカリ性(pH 値平均約 8.1)で、硬度成分を
適度に含み、安定しています。
給水栓(蛇口)での水温は、8∼18℃、平均約 14℃で、水質は、塩素消毒のみで供給して
いるので原水と大きな違いはなく、良好です。
(5) 天田内配水所
天田内配水所は深度約 200∼400m の深井戸
から取水する配水所で、19 本の取水井群は天田
内地区の住宅地から離れたところに位置してい
ます。
原水は、水温 12∼13℃、平均 12℃で、水質
は、地層から溶出するカルシウムなどにより弱
アルカリ性(pH 値平均約 8.0)で、硬度成分を
適度に含み、安定しています。
給水栓(蛇口)の水温は、8∼17℃、平均約
12℃で、水質は、塩素消毒のみで供給しているので原水と大きな違いはなく、良好です。
4
(6) 花岡配水場
花岡配水場は、現在浅瀬石川ダムより取水し
ている津軽広域水道企業団総合浄水場より浄
水を受水し、供給しています。
給水栓(蛇口)の水は、中性(pH 値平均約
7.2)で、硬度成分が少なく、水温は、4∼19℃、
平均約 11℃です。
浪岡地区の一部山間部を除くほぼ全域へ配
水されています。
(7) 簡易水道
いずれの簡易水道も水源水質は安定し良好な状態にあります。
○ 雲 谷 地 区
:水源は深井戸 2 本と湧水で緩速ろ過した後に塩素消毒を行なっています。
給水栓(蛇口)の水は硬度成分を適度に含んでいます。
○ 孫 内 地 区
:水源は深井戸で、水質は地層から溶出するカルシウムなどにより pH 値
が平均 8.6 とやや高いため炭酸ガスで中和後、塩素消毒し供給していま
す。給水栓(蛇口)水の pH 値は平均 7.4 となっています。
○ 岩 渡 地 区
:水源は深井戸で、塩素消毒のみで給水しています。水質は中性であり、
孫内地区に比べて硬度はやや少なめです。
○ 入 内 地 区
:水源は湧水で、塩素消毒のみで給水しています。給水栓(蛇口)水の硬
度成分はやや少なめです。
かれいざわ
○ 王余魚沢地区 :水源は深井戸で、急速ろ過及び消毒を行い、供給しています。
○ 細野・相沢地区:水源は深井戸で、原水に鉄・マンガンを含むことから、凝集剤を入れて
直接ろ過及び消毒を行い、給水しています。
5
4
水質監視体制
青森市企業局では、お客様がいつでも安全に安心して利用できるよう、水源から各浄水場・配水所、
配水管を経て蛇口に至るまでの水について、以下のような水質監視を行っています。
(1)水源・取水場
水源の水質は、水道水の水質に大きな影響を与えるため、非常に重要です。そのため、水源とな
る河川やダム、地下水について、定期的に水質検査を行っています。
夏季等のカビ臭 17 が発生しやすい時期には検査回数を増やすなど監視体制を強化、クリプトスポ
リジウム 18 等耐塩素性病原生物検査については、各施設の汚染の恐れを評価しレベルに応じた必要
な検査を行います。
取水施設では、浄水場等への汚染水の混入を未然に防止するため、細菌類を用いて毒性を監視す
るバイオアッセイ 19 や油膜検知器、濁度計等で、24 時間監視しています。横内浄水場では、魚類を
用いた毒物の監視も行っています。
また、青森市水道水源保護指導要綱(平成 17 年 4 月 1 日実施)及び青森市横内川水道水源保護
条例(平成 17 年 4 月 1 日施行)などにより水源保護にも努めます。
魚類による監視
微生物による水質監視装置
(2)浄水場・配水所
浄水場・配水所の入口から出口までの水を工程毎に定期的に検査をし、処理の遠隔性を確認し
ます。また、浄水場では、職員による 24 時間監視体制で常時監視し、突発的な事故や水質変動に
対応します。他の施設についても計器による 24 時間監視を行い、不測の事態に迅速に対応します。
横内浄水場では、市内全域の水道水の動きをコントロールしています。
(3)給水栓(蛇口)
給水区域内では原則、ひとつの配水池に対し滞留等により水質への影響が想定される末端の給
水栓(蛇口)1地点を選定し、定期的に水質検査を行い、配水されている水が安全なおいしい水で
あるかを監視します。
また、毎日検査項目(色、濁り、残留塩素)についても同様に検査地点を選定し検査を行い監
視します。計器による残留塩素の連続測定は 24 時間水質監視を各浄水場及び配水所の出口を含め
市内の代表的な地区を選定し監視します。
6
5
水質検査体制
水道法第 20 条により、定期及び臨時の検査を行なうことと規定されています。
ここで規定されている検査は、給水栓(蛇口)水が常に良好で水質基準を充分満たしている場合、検
査回数を減らすことが認められていますが、より安全で安心な水を供給するため、回数を減らさず1年
に4回以上実施します。
(水道法施行規則(以下「規則」という)第 15 条により、過去3年間の水質検査結果の最大値が水質
基準より極めて低い場合、水質検査回数を1年に1回あるいは3年に1回へ減ずることができると規定
されています。
)
また、原水についても給水栓(蛇口)の水質検査に準じて測定します。
(1)定期検査 20
① 毎日検査項目
色・濁り並びに消毒の残留効果(残留塩素)に関して、市内給水栓(蛇口)35 ヶ所(表1
参照)で1日1回以上行います。
(この他、計器による残留塩素の連続測定は、各浄水場及
び配水所の出口と市内 13 ヶ所で実施します。
)
② 毎月検査項目(表2参照)
水道水の安全性の確認及び維持管理に不可欠な水質性状を把握するため選定された地点
で、水道法に定められた水質基準項目 50 項目のうち、必要な項目について毎月検査を実施
します。
○ 原水・・・各浄水場、配水所、簡易水道の原水について、水源に代えて各浄水場、配水
所、簡易水道の入口全 12 ヶ所で検査を行います。
○ 浄水場・配水所・・・各浄水場・配水所の処理工程ごと、浄・配水池出口の全 13 ヶ
所で検査を行います。
○ 給水栓(蛇口)
・・・市内の給水栓の中から原則として、配水池ごとに滞留などによる
水質の影響が想定される末端の給水栓全 28 ヶ所(図1参照)を選
定し検査を行います。
③ 全項目検査
年4回、原水及び浄・配水所出口、並びに代表給水栓について、水質基準項目 50 項目の
検査を実施します。
(※原水については、塩素消毒する前の水の検査になるため、塩素消毒
後に発生する消毒副生成物 21 の検査を除く)
7
(2)水質管理目標設定項目(表3参照)
水質管理目標設定項目は、将来にわたり水道水の安全性の確保等に万全を期するため、水質
管理上留意すべき項目として定められたもので、
「青森県水道水質管理計画」に基づき各浄水
場・配水所の原水及び配水池、代表の末端給水栓(蛇口)の水について市内 18 ヶ所、年 4 回
28 項目の検査をします。
但し、青森市では、浄水処理過程で消毒剤として二酸化塩素を使用していないことから、二
酸化塩素については検査を省略します。
(3)その他独自に実施する水質試験・検査及び留意事項
①
浄水場・配水所等の原水及び処理工程の水質試験
定期検査項目とは別に、横内浄水場及び堤川浄水場の浄水処理が適正に行われていること
を確認するため、浄水処理工程ごとに必要な項目を毎月 1 回以上実施します。
水質管理上留意すべき事項として、特に横内浄水場では、濁度・色度等、堤川浄水場では、
ヒ素・鉄・マンガン・アルミニウム・濁度等について、浄水処理状況を確認する項目として管理します。
②
クリプトスポリジウム等耐塩素性病原生物検査(表4参照)
「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」に基づき、青森市の各浄水場・配水所を汚
染のおそれの判断でレベル分けを行い、河川水、湧水、及び浅井戸などを水源とする施設の原
水について、クリプトスポリジウム等原虫検査を年4回検査します。
また、指標菌検査についても同様にレベルによって、年4回実施します。
この他、水質管理上留意すべき事項として、各浄・配水所出口での濁度についても管理しま
す。
③ 水源保全のための水質調査(表5参照)
水源保全のための水質調査として「横内浄水場水源保護区域」
、
「堤川浄水場水源保護区域」
及び「原別配水所水源保護区域」内の主な河川水(図2∼4参照)の水質調査を検査可能な夏
季を中心に年3回実施します。
また、水源監視として配水所等の取水井(図4∼6参照)は、原則として年1回、全項目検
査を行います。但し、浅井戸である原別配水所の取水井は水質監視強化のため全項目の検査以
外にも毎月 1 回水質監視上必要な項目を検査します。
さらに、開発行為等により水源への影響が懸念される天田内配水所の取水井(深井戸)につ
いても全項目検査の他、年2回水質監視上必要な項目を検査します。
なお、水質管理上留意すべき事項として、原別・天田内配水所各取水井では、硝酸態窒素及
び亜硝酸態窒素、イオン類、色度、濁度、電気伝導率等の項目について、水の汚染状況を示す
指標として管理します。
8
(4) 分析機器
水道法で水質基準に規定された項目及び方法により検査するため、極微量な物質を測定できる
高度な分析装置を用いて分析を行っています。現在使用している代表的な検査機器をいくつかご
紹介します。
○ 誘導結合プラズマ質量分析装置・・・1台
水道水中に含まれる鉄やマンガン、鉛などの重金属類に分類され
る元素について微量成分まで同時分析できる装置です。
○ イオンクロマトグラフ分析装置・・・3台
水源となる水や水道水中のミネラル成分などを分析する装置で、
短時間で多くの成分を同時分析できる装置です。
○ ガスクロマトグラフ質量分析装置・・・3台
水源となる水や水道水中のトリハロメタン
22 やカビ臭物質、農薬
類などを分析する装置で、10 億分の 1g 以下までの微量な物質まで分
析することができる装置です。
○ 画像撮影装置付き顕微鏡・・・1台
水源となる水の中に生息する微生物や、クリプトスポリジウム等
耐塩素性病原生物を検査する場合に用います。画像撮影装置により
画像をデータ化することができます。
○ pH計・・・2台
水中のに含まれる種々の塩類、遊離炭酸などの割合により、中性、
アルカリ性、酸性を呈し、数値化する装置です。
○ TOC計・・・1 台
水中の有機炭素濃度を分析する装置です。
汚濁の指標となる有機物質中の炭素を炭酸ガスとして、赤外線で
とらえる装置です。
9
6
臨時検査
水源及び原水や浄水処理等において次のような水質変化・異常により、市内に供給される水道水が、
水質基準に適合しないおそれがある場合、水源流域、原水、沈でん水、ろ過水、配水池水並びに給水栓
(蛇口)の水など、必要な箇所について臨時の水質検査を行います。
(1) 水源の水質が著しく悪化したとき又は水源に異常があったとき
(へい死した魚類が多数浮遊しているときなど)
(2) 水源付近、給水区域及びその周辺等において消化器系感染症が流行しているとき
(3) 浄水過程に異常があったとき
(4) 配水施設の大規模な工事、その他水道施設が著しく汚染されたと思われるとき
(5) お客様からの水質についてのお問合せがあり必要と判断したとき
(6) その他、特に必要があると認められたとき
臨時検査の項目は、一般細菌、大腸菌、塩化物イオン、有機物(全有機炭素)
、pH 値、味(浄水のみ)
、
臭気、色度及び濁度など状況に応じ必要な項目を検査します。
7
水質検査の方法
定期及び臨時検査の水質基準項目及び水質管理目標設定項目は、国が定めた水道水の水質検査方法
(
「水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣の定める方法」及び「水質管理目標設定項目の
検査方法」
)を用い、その他の項目については、上水試験方法などにより実施します。
クリプトスポリジウム等耐塩素性病原生物試験については、厚生労働省の通知による方法で実施しま
す。
8
水質検査計画及び水質検査結果の公表と見直し
水質検査計画は、ホームページ、横内浄水場、営業課及び上下水道課で閲覧ができます。また、法改
正や社会情勢等必要に応じて随時見直しを行い公表します。
水質検査計画に基づいて水質検査を行い、その結果及び評価については、水道事業年報及び青森市水
道事業のホームページに、各浄水場、配水所等の原水及び浄水並びに主な給水栓(蛇口)水の検査結果
について公表します。
10
9
水質検査の精度管理と信頼性の確保
水道水は、利用者が直接口にするものです。このため、水質検査は正確かつ信頼性の高い分析が求め
られます。
水質検査の信頼性を確保することで、安定した水処理と高度な水質管理が可能となり、水道水の安
全・安心の向上につながる事から、青森市企業局では、測定精度と信頼性を確保するための検査体制で
対応しています。
○ 原則として水質基準値及び目標値の 1/10 以下で、かつ、変動係数(CV 値)23 を無機物では 10%
以下、有機物では 20%以下となる定量下限値 24 を確保します。
○
厚生労働省が行う全国統一試料調査及び青森県が行う統一試料調査による外部精度管理に参
加し検査体制の確立、検査精度の向上を図ります。
○ 水質検査の検査手順等正しく行われているか確認し、検査担当者間の誤差等の縮小に努めるた
め、独自の内部精度管理を行ない、検査精度の向上を図ります。
○ 日本水道協会より水道水質検査優良試験所規範「水道GLP」25 の認定を平成 22 年 2 月 22 日
に取得し、各検査項目の分析方法及び分析機器の操作・取扱いを明記した標準作業手順書に従い
検査することで、より一層の検査精度の向上と検査の信頼性の確保に努めます。
JWWA−GLP058
水 道 G L P 認 定
10 関係機関との連携
水道水に影響のあるまたは、そのおそれがある水質汚染事故が発生した場合は、厚生労働省はもとよ
り青森市保健所、青森県保健衛生課及び環境保健センターなど関係機関と連携し、情報収集及び水質検
査等を行います。
11
表 1 毎日検査の検査項目と採水地点
No
検査計画回数(回/年)
浄水
浄水
原水
(浄・配水
(蛇口)
所出口)
項目名
評価
1
色
異常でないこと
-
365
365
2
濁り
異常でないこと
-
365
365
3
消毒の残留効果(残留塩素)
0.1mg/L以上
-
365
365
検査地点
施設名
横内浄水場
上水道検査地点(給水栓)
栄町
幸畑団地
戸山団地高区(南東部)
戸山団地中区(中央部)
月見野
田茂木野
小館
三内
太陽台
大柳辺
西部工業団地
中核工業団地
浅虫
野内
宮田
造道
奥内
沖館
堤川浄水場
原別配水所
油川配水所
天田内配水所
千富
三好
緑が丘
平岡団地
戸門
花岡配水場
大釈迦
吉野田
五本松
本郷
合
計
27
12
簡易水道等
検査地点
入内
雲谷高区
雲谷低区
孫内
岩渡
沢山
かれいざわ
王余魚沢
細野
8
表2
No
分類
毎月検査の検査項目と頻度(例:横内浄水場)
水質基準項目
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
安
全
確
認
の
た
め
)
健
康
に
関
す
る
項
目
(
一般細菌
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
水
道
水
が
有
す
べ
き
性
状
に
関
連
す
る
項
目
基準値
1mlの検水で形成され
る集落数が100以下
法令上及の測
定回数(原水
除く)
月に1回以上
大腸菌
検出 されないこと
カドミウム及びその化合物
0.003mg/l以下
水銀及びその化合物
0.0005mg/l以下
セレン及びその化合物
0.01mg/l以下
鉛及びその化合物
0.01mg/l以下
ヒ素及びその化合物
0.01mg/l以下
六価クロム化合物
0.05mg/l以下
シアン及び塩化シアン
0.01mg/l以下
硝酸態及 び亜硝酸態窒素
10mg/l以下
フッ素及びその化合物
0.8mg/l以下
ホウ素及びその化合物
1.0mg/l以下
四塩化炭素
0.002mg/l以下
1,4-ジオキサン
0.05mg/l以下
シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス
0.04mg/l以下
-1,2-ジクロロエチレン
ジクロロメタン
0.02mg/l以下
テトラクロロエチレン
0.01mg/l以下
トリクロロエチレン
0.03mg/l以下
ベンゼン
0.01mg/l以下
3月に1回以上
塩素酸
0.6mg/l以下
クロロ酢酸
0.02mg/l以下
クロロホルム
0.06mg/l以下
ジクロロ酢酸
0.04mg/l以下
ジブロモクロロメタン
0.1mg/l以下
臭素酸
0.01mg/l以下
総トリハロメタン
0.1mg/l以下
トリクロロ酢酸
0.2mg/l以下
ブロモジクロロメタン
0.03mg/l以下
ブロモホルム
0.09mg/l以下
ホルムアルデヒド
0.08mg/l以下
亜鉛及びその化合物
1.0mg/l以下
アルミニウム及びその化合物
0.2mg/l以下
鉄及びその化合物
0.3mg/l以下
銅及びその化合物
1.0mg/l以下
ナトリウム及びその化合物
200mg/l以下
マンガン 及びその化合物
0.05mg/l以下
月に1回以上
塩化物イオン
200mg/l以下
カルシウム、マグネシウム等(硬度)
300mg/l以下
3月に1回以上
500mg/l以下
蒸発残留物
陰イオン 界面活性剤
0.2mg/l以下
ジェオスミン
0.00001mg/l以下
発生時期に
2-メチルイソボルネオール
0.00001mg/l以下 月に1回以上
非イオン 界面活性剤
0.02mg/l以下
3月に1回以上
フェノール類
0.005mg/l以下
有機物
3mg/l以 下
5.8以上8.6以下
pH値
味
異常でないこと
月に1回以上
臭気
異常でないこと
色度
5度以下
濁度
2度以下
* 藻類の発生時期は、月に1回以上検査(通年では5月∼10月)
13
検査計画回数( 回/年)
浄水
浄水
原水
(浄水場
(蛇 口)
出口)
12
12
12
12
4
4
4
4
4
4
4
12
4
4
4
4
12
4
4
4
4
4
4
4
12
4
4
4
4
12
4
4
4
4
4
4
4
12
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
12
12
12
12
12
12
12
12
4
4
7*
7*
4
4
12
12
12
12
12
4
4
4
4
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
4
4
7*
7*
4
4
12
12
12
12
12
12
4
4
4
4
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
12
4
4
7*
7*
4
4
12
12
12
12
12
12
表3
水質管理目標設定項目の検査と頻度(各浄水場・配水所)
検査計画回数(回/年)
番号
目標値
項目
1
アンチモン及びその化合物
2
ウラン及びその化合物
0.015mg/L以下
0.002mg/L以下
*1
原水
浄水
(浄水場出口)
浄水
(蛇口)
4
4
4
4
4
4
3
ニッケル及びその化合物
0.01mg/L以下
*1
4
4
4
4
亜硝酸態窒素
0.05mg/L以下
*1
4
4
4
5
1,2-ジクロロエタン
4
4
4
0.004mg/L以下
8
トルエン
0.2mg/L以下
4
4
4
9
フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)
0.1mg/L以下
4
4
4
10
亜塩素酸
0.6mg/L以下
4
4
4
12
二酸化塩素
−
−
−
0.6mg/L以下
*2
13
ジクロロアセトニトリル
0.01mg/L以下
*1
−
−
−
14
抱水クロラール
0.02mg/L以下
*1
−
4
4
15
農薬類
検出値と 目標値の 比の 和と
して 1以下 * 3
−
4
−
1mg/L以下
−
4
4
10mg/L以上100mg/L以下
4
4
4
16
残留塩素
17
カルシウム,マグネシウム等(硬
度)
18
マンガン及びその化合物
0.01mg/L以下
4
4
4
19
遊離炭酸
20mg/L以下
4
4
4
20
1,1,1-トリクロロエタン
0.3mg/L以下
4
4
4
21
メチル-t-ブチルエーテル
0.02mg/L以下
4
4
4
22
有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)
3mg/L以下
4
4
4
23
臭気強度(TON)
3以下 *4
4
4
4
24
蒸発残留物
30mg/L以上200mg/L以下
4
4
4
25
濁度
1度以下
4
4
4
26
pH値
7.5程度 *4
4
4
4
27
腐食性(ランゲリア指数)
-1程度以上と し極 力0 に近
づける *4
4
4
4
28
従属栄養細菌
1mlで集落2,000以下 *5
4
4
4
29
1,1-ジクロロエチレン
0.1mg/L以下
4
4
4
アルミニウム及びその化合物
0.1mg/L以下
4
4
4
30
*1 目標値は 暫定 である
この 項目 は、 二酸化塩素が 浄水処理 に利 用される 場合 の 指針 として活 用すべきものであり、 青森市で は二酸化塩素 を使 用し
*2 ていないことから 測定 しない。
*3 検出値と 目標値の 比の 総和 で表 す。 単位 はない。 (農 薬86種測定)
*4 単位 はない。
*5 単位 はない。 目標値は 暫定 である。
表4
クリプトスポリジウム等の検査項目と頻度
番号
1
2
項 目
病原性
原虫
クリプトスポリジ
ウム等
・大腸菌
指標菌
・嫌気性芽胞菌
○横内浄水場
○堤川浄水場
○雲谷地区簡易水道
○原別配水所
○入内地区簡易水道
○王余魚沢地区簡易水道
○細野・相沢地区簡易水道
○油川配水所
○天田内配水所
○孫内地区簡易水道
○岩渡地区簡易水道
原水
原水
原水
4回/年
4回/年
―
4回/年
4回/年
4回/年
14
表5
水源保全のための水質調査項目と回数
水源保護区域内採水地点及び検査計画回数(回/年)
横内浄水場
No
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
項目
一般細菌
大腸菌
カドミウム及びその化合物
水銀及びその化合物
セレン及びその化合物
鉛及びその化合物
ヒ素及びその化合物
六価クロム化合物
シアン及び塩化シアン
硝酸態及び亜硝酸態窒素
フッ素及びその化合物
ホウ素及びその化合物
四塩化炭素
1,4-ジオキサン
シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2ジクロロエチレン
ジクロロメタン
テトラクロロエチレン
トリクロロエチレン
ベンゼン
亜鉛及びその化合物
アルミニウム及びその化合物
鉄及びその化合物
銅及びその化合物
ナトリウム及びその化合物
マンガン及びその化合物
塩化物イオン
カルシウム、マグネシウム等(硬度)
・無沢
・元小屋沢
・二藤森沢
・防名沢
・雲谷沢
・横内川本流
・水源地
3
3
3
3
3
3
3
3
3
-
原別配水所
堤川浄水場
・地獄湯ノ沢
・酸ヶ湯沢
・鳥滝沢
・寒水沢
・取水口
・下湯ダム
(放流水) ダ
・本ダム流入 ム
・副ダム流入 系
・本ダム
3
3
3
3
3
3
3
3
3
-
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
蒸発残留物
陰イオン界面活性剤
ジェオスミン
3
3
2-メチルイソボルネオール
3
3
非イオン界面活性剤
フェノール類
有機物
3
3
pH値
3
3
味
臭気
3
3
色度
3
3
濁度
3
3
電気伝導率
3
3
アンモニア態窒素
3
3
硫酸イオン
3
3
鉱酸酸度
3
総酸度
3 *1
総アルカリ度
カルシウム硬度
そ マグネシウム硬度
の カリウム及びその化合物
他 浮遊物質(SS)
3
生物化学的酸素要求量(BOD)
3
溶存酸素(DO)
3
総リン
3
*1
総窒素
3
クロロフィル
3
生物検査
3
大腸菌群
3
3
※ 天田内取水井の検査は、その内1回は、取水井全項目検査と兼ねます。
*1 堤川系のうち、ダム系(副ダム流入を除く)についてのみ実施
15
油川配水所 天田内配水所 雲谷簡易水道
・原別1号井
・原別2号井
・野内川A
・全取水井
・原別3号井
(上流部)
・全取水井 ・全取水井
・原別4号井
(3ヶ所)
・野内川B
(4ヶ所) (19ヶ所)
・原別5号井
※1ヶ所湧水
(下流部)
・原別井
・浅虫井
3
3
3
3
3
3
3
3
3
-
12
12
1
1
1
1
1
12
1
12
12
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
3
3
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
1
1
1
1
1
12
12
12
12
12
12
12
12
1
1
1
1
1
1
12
12
12
12
12
12
12
12
1
1
12
12
-
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
-
1
1
1
1
1
1
1
1
1
3
1
3
3
1
1
1
1
1
1
1
3
1
3
3
3
3
3
1
1
3
3
3
-
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
-
図−1
給水区域図及び毎月水質検査採水地点概要図
図示
番号
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
採水地点
浅虫
野内
宮田
戸山団地高区
月見野
戸山団地中区
田茂木野
桜川
安方(新町)
中核工業団地
図示
番号
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
採水地点
大柳辺
小館
太陽台団地
安田
西部工業団地
平岡団地
緑が丘
後潟
白旗野
五本松
16
図示
番号
21
22
23
24
25
26
27
28
簡易水道等
採水地点
孫内給水栓
岩渡給水栓
入内給水栓
雲谷低区
雲谷高区
沢山給水栓
王余魚沢給水栓
細野給水栓
図−2
図−3
横内浄水場及び雲谷地区簡易水道水源保護区域内採水地点図
堤川浄水場水源保護区域内採水地点図
17
図−4
原別配水所水源保護区域内採水地点図
図−5
油川配水所水源保護区域内採水地点図
油川6号井
油川5号井
油川7号井
油川9号井
18
図−6
天田内配水所水源保護区域内採水地点図
野木和湖
天田内配水所
天田内川
取水井群
横内浄水場ろ過池
19
1. 青森市水道水源保護指導要綱
昭和 54 年、横内川集水区域内の水源保護を目的に「横内川の水道水源を汚濁から守る指
導要綱」を制定しましたが、青森市内のすべての水道水源保護区域に指導を拡大、適用する
ために、平成4年1月「青森市水道水源保護指導要綱」を制定しました。
水源保護区域内での開発行為に対し、水源が汚染されないように指導し、水源の保護に努
めています。
2.青森市横内川水道水源保護条例
近年、横内水源地周辺の開発行為が進み、水道水源への影響が危惧される状況になってき
たため、平成 14 年3月に水道水源保護条例を制定し、青森市の水道の要である横内浄水場
の水道水源を保護していくこととしました。
3.水質基準
水道法第4条に基づく水質基準は、水質基準に関する省令(平成 15 年 5 月 30 日厚生労働
省令第 101 号[一部改正 平成 22 年 2 月 17 日厚生労働省令第 18 号])により、定められて
います。
水道水は、水質基準に適合するものでなければならず、水道法により、水道事業体等に検
査の義務が課されています。
4.原水
浄水場や配水所で、浄水処理する前の水。原水には、大別して地表水と地下水があり、地
表水には河川水、湖沼水、貯水池水などが、地下水には伏流水、井戸水、湧水などがある。
この原水を浄水処理し飲料用として水質基準に適合させた水を浄水といいます。
5.配水能力
一日に配水することができる能力の最大値
6.一日最大給水量
年間の一日給水量の最大値(m3/日)
20
7.一日平均給水量
年間総給水量を年日数で除した値(m3/日)
8.緩速ろ過
薬品を使わず1日 4∼5m の遅いろ過速度でろ過し、ろ過池の砂層に増殖した藻類や細菌な
どの微生物群でつくられた粘膜等によって、水中の浮遊物質や溶解性物質を分解・除去する
ろ過法です。
9.消毒
水道水は、病原菌などに汚染されないように塩素剤で消毒することが義務付けられ蛇口か
らでる水道水中、1L につき 0.1mg 以上の塩素が残留するように決められています。
青森市では、次亜塩素酸ナトリウムを使用して塩素消毒を行っています。
10.アルカリ剤中和
堤川浄水場では酸性の原水を使用して浄水処理を行っているため、アルカリ剤の水道用消
石灰(水酸化カルシウム)、水道用ソーダ灰(炭酸ナトリウム)によって中和処理を行って
います。
11.凝集沈澱+急速ろ過
原水中の濁質を凝集剤(PAC)を用いて凝集沈澱処理を行い、残りの濁質について1日 120
∼150m の速い速度でろ過し除去する方法です。
高濁度時でも処理することが可能なろ過法です。
12.曝気処理
原別配水所では、原水のpHが弱酸性であるため、曝気処理(エアレーション)により水
中の遊離炭酸(炭酸ガス)を除去してpHを上昇させ中性にしています。
13. 津軽広域水道企業団総合浄水場
黒石市板留の浅瀬石川ダム(有効貯水量 43,100,000m3)より取水し、施設能力 61,750
m3/日(現在施設能力 92,625m3/日)で昭和 63 年 11 月 1 日、構成 11 市町村(現在 10 市
町村)へ供給開始。浄水処理は、凝集・沈でん急速ろ過方式で、夏から秋にかけて粉末活性
炭処理を行うこともあります。浪岡地区では、花岡配水池で浄水受水しています。
21
14.炭酸ガス処理
孫内簡易水道では、原水が弱アルカリ性であるため、炭酸ガス処理により水中に炭酸を溶
解させてpH値を下げて中性にしています。
15.次亜塩素酸ナトリウム
水道用の次亜塩素酸ナトリウムは、通常、主成分である有効塩素濃度が 12%以上で、p
H値 12 以上の淡緑黄色の透明な液体です。液化塩素などの他の塩素剤と比べ安全性が高く、
取扱いが容易で水中での残留性が高いことから、青森市をはじめ多くの事業体で消毒用とし
て使用されています。
使用目的としては、消毒のほか、塩素の酸化力を利用して金属類の酸化除去やアンモニア
や有機物等の分解にも使われています。
16.遊離炭酸
水中に溶けている二酸化炭素のこと。水中の二酸化炭素は、その量にかかわらず健康影響
はありません。地下水では、有機物の分解などにより多く含まれることがあります。
17.カビ臭
水質基準項目のジェオスミン、2-メチルイソボルネオールがカビ臭物質の項目です。カビ
臭の発生しやすい夏期に重点的に検査をしています。
18.クリプトスポリジウム
主にヒトや家畜等の哺乳動物の腸に寄生する病原性原虫で、外界の厳しい環境条件(乾燥、
熱など)に耐えられるように表面に強固な膜を持った嚢胞体(オ−シスト)として糞便と共
に体外に排出され、感染源となります。一般に経口感染し、感染すると無症状の場合もあり
ますが、多くは下痢と腹痛を起こし 1 週間程度で自然治癒します。水源上流に排出源がある
川で検出される可能性がありますが、浄水場の適正なろ過処理で除去されます。
青森市の水道水源では、これまで検出されたことはありません。
19.バイオアッセイ
生物を利用して、水質の異常を早期発見するための方法です。青森市の横内・堤川浄水場
の取水場では、有害物質により微生物が消費する酸素量の低下を測定することで毒性物質を
検知する装置です。
横内浄水場では硝化菌、堤川浄水場では鉄細菌の呼吸による溶存酸素量により検知してい
ます。使用されている菌の違いは、原水の水質の違いにより選定しています。これにより、
水質変化を 24 時間監視しています。
22
20.定期検査項目
水道法第 20 条で、水道事業者は定期水質検査を行う必要があります。その内容として水
道法施行規則第 15 条に規定され、この規則に基づき毎日検査項目の3項目と毎月検査項目
の 50 項目を実施しています。
21.消毒副生成物
水道水は、細菌類などを除去するために塩素(次亜塩素酸ナトリウム)により滅菌処理を
行います。その際、塩素を加えることによって、一部が水中に含まれるフミン酸等の有機物
質と反応してトリハロメタンやハロ酢酸といわれる有機化合物が生成する場合があります。
青森市の原水は、非常に清浄であるため、これらの生成物について、基準値を超える値は
確認されていません。(H21 年度現在)
22.トリハロメタン
トリハロメタンは 4 種類の物質があり、水中に含まれる発がん性の可能性が高い物質とし
て知られています。水道水の消毒のために入れる塩素(次亜塩素酸ナトリウム)と水中に含
まれる有機物が反応することにより作られます。(消毒副生成物)
青森市では、これらの物質についても毎月検査を行い、水道水が安全であることを確認し
ています。
23.変動係数(CV 値)
測定値の標準偏差を平均値で割ったものです。測定値の相対的なばらつきを表します。
24.定量下限値
定量下限値は、その分析法で正確に定量できる最低濃度のことをいいます。
装置の定量下限値は、標準液から得られた測定値のばらつきによって算出します。
25.水道 GLP
水道水質検査優良試験所規範(Good Laboratory Practice:GLP)の略で、この試験所
規範は水道法に基づき実施する水質検査が規範に定める事項に沿って、管理された体制の下
で適正に実施されることで、水質検査の精度の向上と結果の信頼性を確保することを目的と
ています。
平成 21 年 12 月に、日本水道協会による厳正な現地審査が行われ、その結果、水質検査に
おける品質管理と技術力が水道GLPの要求事項を満たしている事が認められ、平成 22 年
2 月 22 日に開かれた水道GLP認定委員会で認定されました。
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青森市水道キャラクター「しずくちゃん」
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