2011年度 RC(レスポンシブル・ケア)レポート [3.8MB] - 日本化成

RCレポート
R e s p o n s i b l e
C a r e
R e p o r t
2011
C
コ ー ポ レ ート ス ロ ー ガ ン
O
N
T
E
N
T
日本化成グループの概要
3
事業を通した社会への貢献
5
RC活動方針と推進体制
7
RCマネジメントシステム
8
RC活動の実績と計画
9
マテリアルフロー
私たちはお客様を第一に考え、お客様
S
11
環境
の価値創造に全力で取り組みます。一
つひとつの新しい出会いを大切にし、常
に情熱を持って行動することで、お客様
の信頼・評価を頂けるように努めます。
私たちの言う
「情熱」
とは、目標を立て、
目標達成に向かって何度でも挑戦し、諦
● 地球温暖化防止
13
● PRTR
15
● 大気汚染・水質汚濁防止
16
● 廃棄物の削減・
リサイクル
17
めない、その実直さをいいます。
安全
編集方針/報告対象範囲
本レポートは、さまざまなステークホルダーの皆様に日本化
成グループが取り組んでいるRC活動
(保安防災、労働安全、
環境保護、品質保証、化学品・製品安全、物流安全、社会との
対話およびRCパフォーマンスの向上)
を広く紹介するために
作成しました。本レポートの作成にあたっては、
「環境省:環境
報告書ガイドライン」
「GRI:持続可能性報告のガイドライン」
な
どを参考としました。
● 保安防災
19
● 労働安全
20
● 化学物質管理
21
● 品質管理
22
サイトレポート
23
グループ会社のRC活動
25
対象期間
2010年4月∼2011年3月
(活動内容については、一部期間外のものも含みます)
社会
対象組織
日本化成の国内工場
(一部グループ会社を含みます)
※ 環境負荷量の集計は、主に小名浜工場と黒崎工場を対象と
しています。
日本化成株式会社 RCレポート2011
● コーポレート
・ガバナンス
30
● 地域社会との共生/情報開示/RC活動の歩み
32
ごあいさつ
「RCレポート2011」
をお届けするにあたり、一言ごあ
いさつを申し上げます。
まず、2011年3月11日に発生した東日本大震災の犠
牲になられた方々に謹んで哀悼の意を表しますととも
に、心よりお見舞いを申し上げます。
日本化成グループも、今回の震災により小名浜工場
地区が被災しましたが、操業再開に向けた復旧作業に取
り組みました結果、
この8月で生産面での立ち上げをす
べて完了しております。
この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
さて、
日本化成グループは、事業構造改革による事業
運用継続のほか、事故情報の活用による類似事故防止
収益の拡大に取り組むとともに化学メーカーとして環境
などの活動に取り組んでまいりました。一方、労働安全
保護、保安防災、労働安全、化学物質管理の確保を重要
面ではKY活動やHH活動を基本として他社労災事例の
課題と位置づけ、RC
(Responsible Care:レスポンシブ
類似事故防止取り組みの水平展開などの活動により、昨
ル・ケア)
活動の更なる充実に取り組んできております。
年に引き続き休業災害ゼロを達成いたしました。
すなわち、環境保護に関しては、地球温暖化の防止、
また、化学物質管理については、2010年4月に発足し
省資源・省エネルギーの推進、化学物質の排出量削減、
た化学物質管理の専門チームが化学物質管理データ
産業廃棄物の削減・リサイクルの推進、保安防災面では
ベースを構築し、国内外の新たな化学物質に関する法
安全性の事前評価
(SA)
活動、安全性の再評価
(SR)
活
改正や新たな化学物質規制に対し確実な対応を図って
動、事故情報の活用などによる保安事故防止、労働安全
きております。
については危険予知
(KY)
活動やヒヤリハット
(HH)
活動、
2011年度は、地球温室効果ガス削減対策の推進に向
労災情報の活用などによる労働災害防止、化学物質管
けてエネルギー原単位で2008年度∼2012年度の平
理では国内、海外における化学物質に関する法改正お
均値を1990年度の実績値の80%まで削減することを
よび新たな化学物質規制への対応を図ってきていると
目標として取り組むとともに、新たにGPS活動(リスク
ころです。
ベースの化学物質管理)
の推進を図るなど、引き続き日
2010年度のRC活動の具体的取り組みとしては、地球
本化成グループとして環境保護、保安防災、労働安全、
温暖化防止および省エネルギーに向けた設備機器の更
化学物質管理の確保を最重要課題と位置付け、RC活動
新による省電力対策、蒸気ロスの削減対策を実施した結
に取り組み、
より一層、企業の社会的責任を果たしてま
果、
リーマンショック後の需要回復による生産量増加など
いります。
の影響を受けたものの、
エネルギー使用量および二酸化
本レポートを通して、当社グループのRC活動への取
炭素排出量は前年度並みを達成することができました。
り組みをご理解いただくとともに、私たちのRC活動に対
また、2008年度に実施した工場排水の環境整備対策
する皆様の貴重なご意見をいただければ幸甚に存じま
以降、排水における水質の指標の一つであるCOD
(化
す。今後ともより充実したRC活動になるよう尽力してま
学的酸素要求量)
の排出量については、前年度の低レベ
いりますので、皆様の一層のご支援を賜りたく、心より
ルを維持しており、PRTR対象物質の排出量についても
お願い申し上げます。
同様に低レベルを維持いたしました。更に、産業廃棄物
の削減・リサイクルの徹底強化により、小名浜工場では
最終埋立て量ゼロを継続し、黒崎工場では前年度比
50%減少いたしました。
2011年11月
日本化成株式会社 取締役社長
保安防災に関しては、SA活動、SR活動、
リスク評価設
備管理シートの整備および技術伝承データベースの
日本化成株式会社 RCレポート2011
日本化成グループの概要
総合力を活かし、
より充実した事業グループへ
中期経営計画
「NKC-Plan2015」
高機能化による事業拡大と被災した小名浜工場の再構築
日本化成グループは、無機化学品、無機材料、機能化学品、化成品の製造販売を中心に、
エンジニアリングや各種サービスなど、広い範囲をカバーするネットワークを結び、
日本化成グループは、前中期経営計画
「NKC-Plan2010」
において、集
お客様に対してフレキシブルなソリューションを提供できる体制を整えています。
中事業と育成事業の拡大・強化、工場基盤の強化をはかってきました。
2011年度よりスタートした5ヵ年の中期経営計画
「NKC-Plan2015」
無機化学品・
無機材料事業
機能化学品・
化成品事業
では、
「高機能化による事業拡大と被災した小名浜工場の再構築」
を経
営目標のメインテーマとして、取り組んでいきます。
その取り組む基本戦略は、以下の4点です。
無機化学品事業:歴史が育んだ技術を基盤に、
基礎化学品を製造しています。
無機材料事業:新領域を拓く、
先進的な製品開発に挑戦しています。
営業品目
アンモニア系製品
(液安、硝酸、硝酸塩類、混酸、高品位尿素水
など)
、合成石英粉 など
エンジニアリング
事業
収益
●
環境
●
安全
●
●
1.
集中事業の事業拡大
2.
基盤事業の徹底した効率化・合理化
3.
育成事業の創出・拡大
4.
小名浜工場の再構築
機能化学品事業:技術の蓄積をベースに、多彩な製品を開発しています。
化成品事業:環境を重視した製品づくりで、健康な暮らしに貢献しています。
営業品目
経営目標
(2015年度)
タイク
(ゴム、プラスチック架橋助剤)
、紫外線硬化性樹脂、脂肪
酸アマイド、
ワックス、電子工業用高純度薬品、
メタノール、
ホル
マリン、接着剤 など
みらいプロジェクト
その他事業
経常利益 38億円
地球温室効果ガスの削減
エネルギー原単位:1990年度比20%削減
保安事故、労働災害ゼロ
GPS活動
(リスクベースの化学物質管理)
の推進
新規光学材料の展望
新技術・新事業の創成を目指す
高速・大容量
通信
光回路
みらいプロジェクトでは、少ないエネルギーでモバイル機器や統合機
光通信
ディスプレイ
器の高速・大容量伝送を可能にするフォトニクスにかかわる無機有機
ハイブリッド光学材料事業の創成を目指しています。
グループ会社の日化エンジニアリング社ではプラントエンジニアリングを
基盤とし、
プラント建設や、
メンテナンス業務を実施しています。
営業品目
プラント設計・建設・修理、建築、土木、保全工事 など
社名
日本化成株式会社
売上高
主な事業拠点
創立
1937年
(昭和12年)
9月1日
資本金
6,593百万円
売上高
391億円
(連結)
九州営業グループ
従業員数
754名
(連結)
黒崎工場
国内拠点
●
日本化成株式会社 RCレポート2011
LED関連
画像センサー
財務ハイライト
(億円)
600
本社所在地 〒104‒0033
東京都中央区新川1-8-8 アクロス新川ビル
本社
● 西日本支店
● 大阪営業グループ
● 中部営業グループ
● 九州営業グループ
● 技術開発センター
● 小名浜工場
● 黒崎工場
情報化家電
ヒューマン
インター
フェース
環境・
エネルギー
運送・荷役業、サービス関連業
(無機化学品、有機化学品、石油
製品等の販売業)
、使用済み溶剤の蒸留精製リサイクル など
会社概要(2011年3月31日現在)
新規光学
材料
太陽電池
グループ会社の日化運輸社では物流事業を、日化トレーディング社では化
学製品を中心とした販売業を展開しています。
営業品目
光半導体
連結
営業利益
単独
(百万円)
3,500
従業員数
単独
(人)
800
391
400
技術開発センター
中部営業グループ
単独
754
600
2,500
2,000
400
300
本社
連結
3,086
3,000
500
小名浜工場
連結
1,500
200
1,000
100
500
大阪営業グループ
0
200
’
06
’
07
’
08
’
09
’
10
0
’
06
’
07
’
08
’
09
’
10
0
’
06
’
07
’
08
’
09
’
10
日本化成株式会社 RCレポート2011
事業を通した社会への貢献
地球環境の改善・保全に貢献する環境配慮型製品
航空機
1 フッ素樹脂被膜電線の
耐熱性向上
日本化成グループでは、太陽電池向けに需要が急増する架橋助剤
「タイク®」
、
®
次世代超低公害ディーゼル車用高品位尿素水
「AdBlue 」
、無溶剤タイプの紫外線
(UV)
硬化性樹脂
「瞬硬」
、
結露防止・調湿・防曇の機能を持つ高機能シート
「メソピュア®シート」
など、
暮らしや社会を支え、地球環境の改善・保全に貢献する環境配慮型製品を開発し提供しています。
樹脂・ゴムの機能性向上、太陽電池向けが急増
1
架橋助剤
「タイク®」
タイク®は、自動車および航空機用樹脂・ゴムの架橋助剤と
して使用されています。最近では、太陽電池の発電セルを保
液晶テレビ
4 ディスプレイ表面の
ハードコートおよび
帯電防止機能
太陽電池
護するEVAフィルムに用いられるようになっており、タイク®
を添加することによりフィルムの機能が向上し、太陽電池の
性能向上に寄与しています。太陽電池は再生可能なエネル
ギー源として需要が高まっており、当社はこれからもタイク®
事業を通じて、社会に貢献していきます。
1 EVAフィルムの性能向上
超高純度の特性が、半導体向け、太陽電池向けに最適
太陽電池の構造
(断面図)
光
光
2
光
合成石英粉
「MKC®シリカ」
地球温暖化などの環境問題、化石燃料枯渇といったエネル
ガラス
ギー問題などを背景に、環境配慮型の製品が求められる中、
EVAフィルム タイク® 添加
環境問題とエネルギー問題を一挙に解決する可能性を秘め
シリコンセル シリコンセル シリコンセル
ている太陽電池関連分野の用途に、合成石英粉が採用され
バックシート
(テフロン、PETなど)
ています。合成石英粉は、その強みの一つである超高純度
という特性を活かし、エネルギー変換効率の高い単結晶シリ
コン太陽電池の製造に寄与する次世代対応型の素材です。
2 単結晶シリコン太陽電池向けシリコン
ウエハーの品質向上をサポート
ディーゼルエンジンの燃費向上・CO2排出量削減に貢献
3
パソコン
高品位尿素水
「AdBlue®」
AdBlue ®はディーゼルエンジンの排ガス中に含まれる窒素
酸化物
(NOx)
を無害な窒素と水に分解する、尿素SCRシス
4 転写箔による塗装、
ディスプレイ表面の
テム専用のNOx還元剤です。このAdBlue®を使用すること
ハードコートおよび帯電防止機能
で、ディーゼルエンジンの燃費向上、CO2排出量削減に効果
があります。当社は、
この環境に配慮した製品
「AdBlue®」
を
国内5工場で製造・販売し、地球環境の保全、地球温暖化防
止に大きく貢献しています。
トラック、バス
人にも環境にもやさしい帯電防止ハードコート・接着剤
1 Oリング、
パッキン、
ゴムホースの
性能向上
4
3 次世代超低公害ディーゼル車用の
高品位尿素水
紫外線
(UV)
硬化性樹脂
「瞬硬」
瞬硬は、
フィルムコンデンサーの絶縁防湿塗料として高い評
価を得ています。現在、
この技術を応用し、帯電防止機能を
尿素水添加システム
尿素水噴射ノズル
尿素SCR触媒
付与したハードコート用、封止剤用、接着剤用などのさまざ
照明
(蛍光灯)
、IHクッキングヒーターなど
4 コンデンサーの絶縁防湿塗料
5 冷蔵・冷凍トラックの結露防止
較して、硬化時に必要なエネルギーは圧倒的に少なく、ま
た、無溶剤タイプのため、人・環境にもやさしい製品です。
尿素水タンク
提供:UDトラックス
(株)
まな樹脂の開発を行っています。従来の熱硬化性樹脂と比
温室型植物工場
5 金属部分
(谷桶)
からの
結露滴下防止
結露防止・湿度コントロール・防曇に
5
メソポーラスシリカ
「メソピュア®」
日頃の生活の中で身近に発生する結露を防止するために、
多大な電気エネルギーを使う方法が主流となっています。
一方で環境配慮(ECO)の視点から省エネルギー技術の適
用が求められています。特殊な細孔分布を活かして、水蒸気
吸放湿に抜群の効果を発揮するメソピュア ® は結露防止機
能を備えた低電力消費型家電製品への応用に特に注目され
る材料です。
日本化成株式会社 RCレポート2011
日本化成株式会社 RCレポート2011
RC活動方針と推進体制
RC活動方針
RC活動推進体制
日本化成グループ全体のRC活動を統括するために、社長が
委員長を務めるRC委員会
(経営会議)
を設置しています。RC
RC
(レスポンシブル・ケア)
とは、化学物質を製造または取り
委員会ではグループ全体の活動計画を審議しており、活動
扱う事業者が、自己決定・自己責任の原則に基づき、化学物
計画はRC活動の事務局である経営企画部を通して、主力工
質の開発から製造・流通・使用・最終消費を経て、廃棄に至
場である小名浜工場・黒崎工場をはじめ、各事業部・支店お
る全ライフサイクルにわたって地球環境を守り、また設備災
よびグループ会社へ伝達されます。日本化成本体を含めグ
害を防止するなど働く人々の安全と健康を保護するための
ループ会社は、活動計画とそれぞれの方針のもと、各社の業
対策を行い、改善を図る自主管理活動です。
種・業態に応じた活動を展開しています。
日本化成グループは、2003年12月にRC活動の実施を宣
言し、以来活動を継続しています。RC活動を進めるにあたっ
社長
ては
「保安防災」
「労働安全」
「環境保護」
「化学品・製品安全」
「品質保証」
「物流安全」
「社会との対話」
「RCパフォーマンス
RC事務局
(経営企画部)
RC委員会
(経営会議)
の向上」
の8本柱を掲げ、それぞれ目標を定めています。
本社事業部
西日本支店
黒崎工場
技術開発
センター
小名浜工場
グループ
会社
RCマネジメントサイクル
RC活動では、Planとして
「年間計画策定」
、Doとして
「活動計
日本化成グループRC活動に関する目標
1.保安防災:保安事故ゼロの達成
2.労働安全:労働災害ゼロの達成
3.環境保護:環境事故ゼロの達成、環境負荷の低減
4.化学品・製品安全:化学物質の安全レベル向上
5.品質保証:品質管理の信頼性向上
6.物流安全:物流の安全性向上
画に沿い実行」
、Checkとして
「RC内部監査」
、Actionとして
「是正処置、成果報告」
の“PDCAサイクル”
を確実に回し、
活動レベルの向上に努めています。このPDCAサイクルで
は、活動の実態を正しく把握して改善につなげていくための
「Check」
が、特に重要であると考えています。そのため、担
当役員を監査委員長として、社内の他部署によるRC活動の
監査を強化しています。
7.社会との対話:地域社会との共存共栄
8.RCパフォーマンスの向上:PDCAによるスパイラルアップ
PLAN
年間計画
策定
RC活動8本柱
ACTION
是正処置成果
報告
保安防災
品質保証
労働安全
物流安全
環境保護
社会との対話
化学品・製品安全
RCパフォーマンスの向上
CHECK
RC
内部監査
日本化成株式会社 RCレポート2011
DO
計画に沿い
実行
RCマネジメントシステム
ISO9001認証取得
マネジメントシステムの認証取得
取得済みの工場および関係会社
日本化成
日本化成グループでは、環境管理システムの国際規格であ
るISO14001の認証を取得し、環境保護の意識を高め、環境
グループ会社
負荷の低減や効果的な環境保護活動に取り組んでいます。
また、品質管理システムの国際規格であるISO9001の認
取得年月
小名浜工場
1997年3月
技術開発センター
2002年3月
黒崎工場
2006年1月
小名浜蒸溜
1999年3月
日化エンジニアリング
2000年4月
日化運輸
2001年5月
証も取得しています。製品品質の確保、向上に取り組むとと
もに、工程や設備を適切に管理することで安定操業と品質
環境会計
安定化を図っています。
環境会計への取り組み
ISO14001
(小名浜工場)
ISO14001
(黒崎工場)
日本化成では、効率的かつ効果的な環境保全対策をめざし
ISO9001
(小名浜工場)
ISO9001
(黒崎工場)
ています。RCレポートで環境会計を公表することは、外部に
対して、環境保全への取り組み状況について情報を提供す
るとともに、企業の姿勢を評価していただくための有効な手
ISO14001認証取得
取得済みの工場および関係会社
日本化成
グループ会社
取得年月
黒崎工場
2000年7月
小名浜工場
2003年3月
技術開発センター
2004年4月
日化運輸
2003年3月
日化新菱
2003年3月
小名浜蒸溜
2003年3月
日化エンジニアリング
2005年9月
段であると考えています。
2010年度の環境会計は、環境省の
「環境会計ガイドライ
ン」
を参考にして、環境保全に係る経費および設備投資につ
いて項目別に集計した金額と、主な取り組み内容および効
果をまとめました。
環境保全コスト (2010年4月〜2011年3月)
環境保全コスト分類
1. 事業エリア内コスト
(1)公害防止コスト
経費
(百万円) 投資額
(百万円)
大気・水質・騒音・臭気・化学物質排出削減等の公害防止対策
158.4
121.0
0.0
69.6
50.1
4.4
0.0
0.0
108.9
6.5
4. 研究・開発コスト
0.0
0.0
5. 社会活動コスト
4.6
0.0
0.0
321.9
0.0
201.5
内訳
(2)地球環境保全コスト
(3)資源循環コスト
2. 上・下流コスト
3. 管理活動コスト
6. 環境損傷対応コスト
総計
主な取り組みの内容と効果
●
●
●
●
SOx排出量 NOx排出量 COD排出量 PRTR対象物質排出量
100t
(前年度比
95t
(前年度比
55t
(前年度比
5.5t
(前年度比
省エネルギー対策 等
● CO2排出量※1 ● エネルギー使用量※1 産業廃棄物処理、リサイクル 等
● 廃棄物発生量 ● 廃棄物最終処分量
4%減)
2%増)
12%増)
0.5t増)
70千t
(前年度同等)
33千kℓ
・原油
(前年度同等)
1,086t
(前年度比 17%減)
10t
(前年度比 10t 減)
包装容器などの環境配慮
事業所内緑化、EMS※2 構築・運用、環境負荷監視 等
● 環境マネジメントシステムの維持管理
● 事業所内緑化・環境整備
環境保全用製品の開発・研究 等
地域住民への情報提供、事業所外の緑化 等
●「RCレポート2010」
の発行
● 地域美化活動、地域祭礼への参加
自然破壊修復 等
※1 販売蒸気分は除く
※2 Environmental Management System:環境マネジメントシステム
日本化成株式会社 RCレポート2011
RC活動の実績と計画
担当者の
日本化成グループは、8つの項目を柱としてRC活動を推進
これらの活動を通してRCのマネジメントシステムを定着させ、
声
これまで以上にRC活動のレベルアップを図っていきます
RC活動の主要項目である保安防災・労働安全・環境保
RC活動においても一段レベルアップした復興に向けて
護については、2009年度に続いて2010年度も目標に
取り組んでいきます。
しており、2008年度にスタートした新中期経営計画
「NKC-
“PDCAサイクル”
をスムーズかつ着実に回すようにしてい
向けた取り組みができました。これまでの諸施策・活動
Plan 2010」
では
「RCの強化」
を経営の重要な課題のひとつ
ます。今後も、
グループが一体となってRC活動をさらに推進
が功を奏してきた結果と考えています。2011年度は、
として掲げています。2010年度におけるRC活動の実績と
していきます。
震災からの工場の復旧はほぼ果たしましたので、次は
小名浜工場副工場長 兼 小名浜工場管理部長 坂東
良和
評価および2011年度の活動計画は下表の通りです。
2010年度の活動実績と2011年度の計画
RC項目
保安防災
労働安全
基本方針
保安事故
ゼロの達成
労働災害
ゼロの達成
化学品・
製品安全
品質保証
品質管理の
信頼性向上
物流安全
物流の
安全性向上
社会との対話
地域社会との
共存共栄
RCパフォー
マンスの向上
9
化学物質の
安全レベル
向上
PDCAによる
スパイラル
アップ
日本化成株式会社 RCレポート2011
評価
2011年度活動計画
掲載ページ
起業・試作・工事においてSAを実施
SR※2 の実施による保安事故防止
SRテーマを設定し実施
(小名浜は、
震災影響で2回目SRを延期)
事故トラブルの再発防止
過去の事故対策再検討と有効性評価の実施
トラブル・重大HHを先行指標とした具体的な対策の実施
事故情報の活用による類似事故防止
他社・他場所の事故事例を活用した水平展開実施
★★
事故事例情報活用による類似事故防止
資格取得の推進
計画に沿った資格取得を推進
★★
計画的な資格取得の推進継続
保安技術の伝承
技術伝承データベースを継続運用
外部講習による保安安全に関する実地体験訓練研修を受講
設備管理の充実
リスク評価設備管理シートの作成整備及び活用
KY
(危険予知)
活動、HH
(ヒヤリハット)
活動の
更なる活性化によるゼロ災
KY活動、
HH活動は目標件数を設定し実施
★★★
KY活動、HH活動の継続実施
労働災害の再発防止
過去の労働災害対策再検討と有効性評価の実施
軽微労災・重大HHを先行指標とした具体的な対策の実施
★★★
★★★
労働災害の対策再検討と有効性評価の継続実施
軽微労災・重大HHを先行指標とした対策の継続実施
労働情報の活用による類似災害防止
他社・他場所の労災事例を活用した水平展開実施
★★★
労災事例情報活用による類似災害防止
2010年度OSHMS※3 認証取得に向けた対応および取得(黒崎工場)
労働災害未然防止のSR継続実施(小名浜工場)
★★★
★★★
OSHMSによる計画的な安全活動の継続維持(黒崎)
労働災害未然防止のSRを継続実施(小名浜)
工場及びオフィスの省エネルギー推進によるCO2排出量削減の継続実施
エネルギー原単位は1990年度比82.3%
(1990年度比82.0%以下目標)
N2O排出量削減の検討継続
★★★
★★
★★
省エネルギー推進によるCO2排出量削減の検討継続
エネルギー原単位削減の検討継続
N2O排出量削減の検討継続
省資源、省エネルギーの推進
運転方法等の改善及び設備更新による節電、節蒸対策の継続実施
工場事務所、
オフィスビルにおける省エネ活動の継続実施
★★★
★★★
運転方法改善、設備更新等による省エネ対策の継続実施
工場事務所、本社ビルの省エネ活動の継続実施
産業廃棄物の削減、リサイクルの推進
産業廃棄物のリサイクル推進による外部埋立量の削減
★★★
リサイクル推進による廃棄物埋立量削減の継続実施
P17
化学物質の排出削減の推進
PRTR対象物質及び化審法対象物質の排出削減の継続実施
VOC物質の低減対策の継続実施
★★★
★★★
PRTR物質・化審法対象物質の低減対策の継続実施
VOC物質の低減対策の継続実施
P15
化学物質の国際法規制対応
REACH本登録に向けた準備対応中
台湾、中国、韓国等の化審法改正に伴う届出の対応実施
★★★
★★★
REACH本登録に向けた対応継続実施
中国、韓国等の化審法改正に伴う届出の対応継続実施
化学物質の国内規制対応
化管法改正、化審法改正等への対応実施
★★★
化管法改正、化審法改正等への対応継続実施
化学物質安全管理の充実
2010年4月 化学物質管理チーム発足し、化学物質管理DBを構築中
★★★
化学物質リスク評価
(GPS)
に向けた対応準備
QA※4/PL※5リスクの低減活動
3M※6 変更データベースを活用したリスク低減活動の継続実施
★★★
3M変更DBを活用したリスク低減活動の継続実施
トラブル情報の把握、具体的な対策の展開実施
物流管理のシステム運用
販売物流システムの継続運用
★★★
販売物流システムの継続運用
物流事故の削減
物流事故ゼロの達成
過去発生した物流事故のオーディットは震災影響で未実施
情報開示とコミュニケーション
2010年10月「RCレポート2010」
を発行、ホームページへ掲載
★★★
RCレポートの定期発行(1回/年、10月)
地域社会での各種イベントへの積極参加
地域の活動や各種行事への参加
★★★
地域社会開催の各種行事への積極的参加
RC監査の実施
小名浜工場のRC監査実施
黒崎工場、
グループ会社は震災影響でRC監査延期
★★★
★
黒崎工場、小名浜工場、
グループ会社の計画的なRC監査実施
監査指摘改善事項の対策実施までのフォローアップ継続
小名浜工場、黒崎工場にて防災訓練実施
物流トラブルの通報訓練実施
★★★
★★★
各工場、年1回以上の防災訓練実施
地球温室効果ガスの削減推進
環境保護
2010年度活動実績
SA※1 の充実による危険要因の排除
労働安全衛生マネジメントシステムの推進
環境事故
ゼロの達成、
環境負荷の
低減
★ ★ ★ 達成 ★ ★ ほぼ達成 ★ 未達
防災訓練の実施
★★★
★★
★★★
★★
★★★
★★
★★
★★
SAを継続実施
新規テーマのSR実施
事故対策の再検討と有効性評価の継続実施
トラブル・重大HHを先行指標とした対策の継続実施
P19
技術伝承データベースの活用継続
保安安全の実地体験研修の継続実施
リスク評価設備管理シートの作成整備の継続
基準類の見直しによる基準の統一と運用
過去発生した物流事故の安全対策の確認及びオーディット
事故情報の活用による類似事故防止
P20
P13-14
P21
P22
※1 Safety Assessmennt :
安全性事前評価
̶
P32
※2 Safety Review :
安全性の再評価
※3 Occupational Safety and Health
Management System :
労働安全衛生マネジメントシステム
※4 Quality Assurance :
品質保証
̶
※5 Product Liability :
製造物責任
※6 Machine, Material, Method :
設備、原材料、
作業方法
日本化成株式会社 RCレポート2011
10
マテリアルフロー
日本化成グループの生産活動を通して、消費するエネルギーや資源、生産過程で発生する環境負荷の状況をフロー図にまとめ
ました。資源の有効利用や環境負荷の低減をめざして、省資源・省エネルギー対策に取り組むとともに、原材料や廃棄物の削減を
推進しています。
マテリアルフロー(( )内は前年度比)
I NP U T
エネルギー
原材料※
用水
[原油換算]
(同等)
33千kℓ
3
19,700千m(−10%)
138千t(+7%)
※ 製造消費原材料
製品
工場
[小名浜工場・黒崎工場]
リサイクル
227千t(+15%)
OUTPUT
大気
CO2:70千t(同等)
SOX :100(
t −4%)
NOX: 95(
t +2%)
化学物質
廃棄物
排出水
3
t −17%) 19,000千m(−9%)
t +0.5t) 廃棄物:1,086(
PRTR:5.5(
埋立処分※: 10(
t −10t)
※ 2009年度最終埋立処分量修正20t
11
日本化成株式会社 RCレポート2011
化学品メーカーである日本化成は、
日々、多量の化学物質を取り扱っており、
その環境への影響を最小限にとどめる責任が
あります。化学物質に関する法規制値を達成する
のはもちろん、それを上回る自主的な削減努力を
グループ全体で行っています。同時に、循環型
社会の形成に貢献するべく、地球温暖
化防止対策、廃棄物の削減など
にも積極的に取り組んで
います。
環境
小名浜工場の排水路に住むカルガモ親子
● 地球温暖化防止
13
● PRTR
15
● 大気汚染・水質汚濁防止
16
● 廃棄物の削減・
リサイクル
17
日本化成株式会社 RCレポート2011
12
地球温暖化防止
地球温暖化防止の指針
日本化成 地球温暖化防止への取り組み目標
1 . エネル ギ ー 原 単 位 の 改 善を行 い 、2 0 0 8 年 度 ∼
2012年度の平均として、エネルギー原単位を1990
年度の80%にするよう努力する。
2. 輸送部門でのCO2排出量を削減する。
のエネルギー使用の合理化を検討しています。また、黒崎工
CO2削減に向けて
オフィスにおける省エネ活動
場では、
リーマンショック後の需要回復に伴う生産量増加の
影響により、2010年度のエネルギー使用量は2009年度に
小名浜工場ではエネルギー使用量が減少したため、エネ
小名浜工場では、
事務所を対象として、
福島県で実施してい
比べて約26%増加しました。2011年度は、
エネルギー管理
ルギー起源のCO2排出量は2009年度より約14%減少しま
る地球温暖化防止のための
「福島議定書」
を2008年度に締結
標準の整備など標準化に取り組むとともに、UTTコスト供給
した。また、黒崎工場では、温室効果ガスの管理・削減に積極
し、電力・燃料などの省エネルギー活動に取り組んでいます。
最適化に対応した設備の導入やプロセス改善を視野に入れ
的に取り組んでいますが、生産量の増加の影響が大きくエ
不必要な照明の消灯、
エアコン運転の管理基準設定などを通
た省エネルギー活動を推進していきます。
ネルギー起源のCO2排出量は2009年度から約29%増加し
じて、
電力使用量削減によるCO2削減に取り組んでいます。
※ UTT:ユーティリティーは用役と訳され、
プロセスプラントの運転に必要な
電気、水、空気や燃料で、人間の生活に無くてはならないライフライ
ンと同義です。これらのユーティリティーを供給する設備をユーティ
リティー設備
(Utility facility)
と呼んでいます。 ました。
また、
黒崎工場では、
2007年度に立ち上げたオフィス版CO2
削減活動が、
年々、
着実な成果を上げています。2010年度は、
CO2排出量
小名浜工場
3. 事務所・家庭での省エネを推進する。
2007年度比で約21%のCO2排出量削減を達成することがで
黒崎工場
きました。今後さらなる活動のレベルアップや持続的発展を
エネルギー使用量
小名浜工場
黒崎工場
(千t)
(千t)
200
200
図っていくために、
省エネルギーに効果がある新技術を導入し、
日本政府は、京都議定書が定める2008年からの第一約
束期間の開始を前に、地球温暖化の対応を最重要課題と位
置づけました。産業界に対しては、製造部門におけるさらな
今までの取り組みを活かすことで環境負荷軽減をめざして活動
エネルギー使用量
エネルギー原単位指数
していきます。
(1990年度を100とする)
(エネルギー原単位指数) (kℓ
・原油)
(kℓ
・原油)
100
100,000
150
150
100,000
黒崎工場オフィス版CO2削減プロジェクト
る省エネルギー努力の要請や、
ビルや事務所などの業務部
門での省エネ活動を求めています。
82.3
80,000
80
80,000
60,000
60
60,000
40,000
40
40,000
20,000
18,099 20
20,000
100
100
化学産業界では、
(社)
日本化学工業協会が地球温暖化対
策として、業界の
「環境自主行動計画」
を1997年に策定しま
50
した。2007年にはこれを見直し、2008年度から2012年度
の5カ年平均で、
エネルギー原単位を1990年度の80%にす
ることを努力目標として掲げています。
0
で目標に掲げている
「2010年度までにエネルギー原単位を
1990年度から20%以上改善すること」
を目標に、取り組み
を進めています。三菱化学社の事業所内に立地する黒崎工
場においては、三菱化学社と一体となった取り組みを行って
います。
また、日本化成は、2009年度から
(社)
日本化学工業協会
が提唱する「環境自主行動計画」に参加しており、
これに沿っ
た
「日本化成 地球温暖化防止への取り組み目標」
を掲げ、積
極的に地球温暖化防止への取り組みを推進しています。
省エネルギー活動
小名浜工場では、
電気、
蒸気をはじめ、
さまざまなUTT※の
使用量削減による省エネルギー活動を進めています。2010
0
0
’
90 ’
06 ’
07 ’
08 ’
09 ’
10
担当者の
声
0
’
90 ’
06 ’
07 ’
08 ’
09 ’
10
’
06 ’
07 ’
08 ’
09 ’
10
CO2排出量のグラフについて
黒崎工場は、三菱化学・黒崎事業所内に立地し、合同事業所として一体運営を
しており、三菱化学から
「地球温暖化対策の推進に関する法律」
に基づいた定
期報告をしています。
(本データは、当社独自に黒崎工場単独のCO2排出量を
集計・算出しています。)
輸送に伴うCO2排出量の削減
2005年8月に
「エネルギーの使用の合理化に関する法律
電気使用量の削減に努めています
(省エネ法)
」
が改正され、2006年4月から施行されていま
小名浜工場の製造部2課では、CO 2排出削減に向けて、電気
す。この改正省エネ法では、年間3,000万トンキロ以上の貨
使用量を削減するための技術検討に取り組んでいます。老朽
物を委託もしくは自家輸送などをしている企業が、特定荷主
化が進んだ計空設備の更新に合わせて省電力タイプの機種
としての指定を受けます。日本化成は、貨物の輸送量から特
を選定したり、製造設備を一部改良し生
定荷主に該当し経済産業省へ定期報告書と中長期計画書
産性を向上させることで、電気使用量を
を提出しています。他社製品融通による輸送距離の短縮、ト
削減することができました。今後も、工場
ラック輸送から船舶輸送への変更、輸送拠点の変更、省エネ
内の照明をLED化するといった省電力に
寄与するアイテムの検討を続け、さらな
き、
エネルギー報告を行う対象範囲の縮小見直しを行ったた
るCO2排出削減に努めていきたいと考え
め、
エネルギー使用量が2009年度から約15%減少し、
エネ
ています。
日本化成株式会社 RCレポート2011
’
06 ’
07 ’
08 ’
09 ’
10
エネルギー使用量のグラフについて
黒崎工場は、三菱化学社・黒崎事業所内に立地し合同事業所として一体運営
をしており、三菱化学社より
「エネルギーの使用の合理化に関する法律」
に基
づいた定期報告をしています。
(本データは、当社独自に黒崎工場単独のエネ
ルギー使用量を集計・算出しています。)
年度は
「エネルギーの使用の合理化に関する法律」
に基づ
ルギー原単位は約4%減少しました。現在、東日本大震災後
13
14,694
0
50
27
日本化成の小名浜工場では、親会社である三菱化学社が
2008年度からの3年間にわたる中期経営計画
「APTSIS10」
43
1.事務所エアコンの設定温度管理
2.事務所の節電
● 昼休みの消灯
● 蛍光灯間引き
● 不要時のOA機器電源断、照明の消灯
3.紙
● コピー用紙再利用:裏紙使用
● 古紙回収
ルギータイヤの採用、尿素SCRシステム搭載車への更新な
小名浜工場
製造部2課 課長
金古 靖正
どを実施し、輸送に伴うCO 2排出量削減に向けて取り組ん
でいます。
日本化成株式会社 RCレポート2011
14
PRTR
PRTRへの取り組み
VOCへの取り組み
PRTR
(Pollutant Release and Transfer Register)
とは、
VOC
(Volatile Organic Compounds)
とは、
「揮発性有機
「環境汚染物質排出移動登録」
を意味します。
PRTR対象物質
化合物」
を意味します。揮発して大気中に排出し飛散した際、
を取り扱う企業が、
環境汚染物質の環境への排出量および廃
紫外線・温度・窒素酸化物などによって光化学反応を起こし、
棄物としての移動量を行政に報告し、行政が企業からの報告
光化学オキシダントや浮遊粒子状物質
(SPM)
になります。
内容を物質ごとにまとめ、
集計して公表する仕組みです。
日本では2004年5月の大気汚染防止法改正に伴い、VOC
日本化成では、2000年3月のPRTR法
(化学物質排出把握
の排出量を2010年度までに2000年度比30%削減すること
管理促進法)
の施行に伴い、法で定められている対象物質の
を目標としています。三菱化学グループでは、自主的な取り
排出量・移動量を毎年調査、
報告するとともに、排出量削減に
組みとして2010年度までに2000年度比50%以上の削減を
積極的に取り組んでいます。2010年度には対象物質が見直
目標に掲げています。日本化成は三菱化学グループの一員と
され、小名浜工場で取り扱っている指定化学物質数は2物質
して、歩調を合わせて削減に取り組んでいます。
が追加となりましたが削減効果が現れています。その結果、
小名浜工場では、
2000k
lメタノールタンクからのメタノー
2010年度の排出量はほぼ横ばい
(対2009年度0.5トン増
ルガス排出削減に取り組んできました。2009年10月に同タ
加)
となりました。
ンクの使用を中止し、2010年度は2000年度比70%の削減
今後も、
PRTR対象物質の排出量削減に努めていきます。な
を行いました。
お、
黒崎工場では、PRTR対象物質の取り扱いはありません。
PRTR対象物質排出量
(小名浜工場)
項目
単位
対象物質数
̶
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
2010年度
10
9
9
9
11
取扱量
t
36,106
31,280
26,708
24,052
29,910
排出量
t
31
37
22
5
6
移動量
t
89
51
34
34
41
大気への排出量
t
6
10
7
5
6
水域への排出量
t
25
27
15
0
0
PRTR関係
排出量
担当者の
声
新たな指定対象物質にも対応していきます
小名浜工場では、PRTR対象物質であるジメチルホルム
2011年度からは、
ホルムアルデヒドの大気への排出量
アミドを含む排水の活性汚泥処理を2008年度に開始
削減に向けた検討・実用化に取り組んでいます。
し、2010年度も順調に稼動し大きく貢献しています。
小名浜工場 管理部 環境・安全グループ 部長代理 松橋
15
日本化成株式会社 RCレポート2011
利春
大気汚染・水質汚濁防止
ともに、前年度比ほぼ横ばいとなりました。黒崎工場では、
ボ
大気汚染防止への取り組み
イラー設備は所有していないため、ばいじんおよび硫黄酸
化物の排出はありません。窒素酸化物については、希硝酸プ
ラントの排出管理を強化しています。2010年度は、
プラント
小名浜工場では、大気汚染物質の排出量削減のため、ボ
稼働率が上がったことにより2009年度比9%の増加となり
イラーの集約・効率化などの対策を進めています。これらの
ました。
結果、2010年度は、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)
ばいじん排出量
SOx (硫黄酸化物)排出量
小名浜工場
NOx
(窒素酸化物)
排出量
小名浜工場
(千t)
10
8
小名浜工場
(千t)
400
(千t)
400
300
300
200
200
黒崎工場
6
4
100
100
2
100
71
1
0
0
’
06
’
07
’
08
’
09
’
10
※ 黒崎工場での排出はありません。
24
0
’
06
’
07
’
08
’
09
’
06
’
10
’
07
’
08
’
09
’
10
※ 黒崎工場での排出はありません。
COD
(化学的酸素要求量)
水質汚濁防止への取り組み
小名浜工場
黒崎工場
(千t)
200
小名浜工場では、排水へのCOD排出量削減のため、回収
リサイクルや活性汚泥処理設備による分解などを推進して
150
います。2010度は、
これらの対策が順調に運用されました
が、
CODを排出する工場の稼働率アップにより2009年度比
6トン増加となりました。
100
黒崎工場では、2009年度に設置した各種の排水監視装
置により排水管理を強化しています。また、排水へのCOD
排出量削減のため、排水中の有機物質回収を進めてきまし
54
50
た。2010年度はこれらの対策が運用されたことにより、生産
量は増えたものの、排水処理設備による処理後のCOD排出
量は2009年度と変わりありません。
担当者の
声
1
0
’
06
’
07
’
08
’
09
’
10
東日本大震災の経験を生かし、今後も不測の事態に備えます
福島県いわき市に位置する小名浜工場では、東日本大
今後も、不測の事態が起きた際にも環境に影響を及ぼ
震災により、多くのプラントで被害が出ましたが、大気
すことがないよう、普段から災害への備えに注力してい
並びに水域などへの大きな影響を及ぼすことなく緊急
きます。
停止させることができました。
小名浜工場 管理部 環境・安全グループ 部長代理 小沢
修一
日本化成株式会社 RCレポート2011
16
廃棄物の削減・リサイクル
プしたことにより廃棄物が増加しましたが、
リサイクル強化によ
廃棄物の削減について
り2009年度に引き続き最終埋立量はゼロとなりました。
黒崎工場では、
プラント運転条件の見直しなどにより、
2009
度に比べ廃棄物排出量が削減するとともに、最終埋立量も
日本化成では、
汚泥・廃油・廃プラスチックなどの廃棄物の発
原料変更によるスラッジ排出量の減少によって2009年度比
生量削減および再利用を推進しています。小名浜工場ではム
50%削減となりました。今後とも、
一層の環境負荷低減に向け
ダの削減
(原単位向上)
およびリユースにより、
“生産品目が増
て廃棄物のリサイクル率の向上、
最終埋立量のゼロエミッショ
えたり稼働負荷が高くなっても産業廃棄物にはならない”
仕組
ン達成に取り組んでいきます。
みづくりをめざしています。2010年度は、
工場の稼働率がアッ
リサイクルシステム
最終埋立量とリサイクル量
小名浜工場
場外総出量
黒崎工場
最終埋立量
リサイクル率
場外総出量
最終埋立量
リサイクル率
(%) (t)
(t)
100 100
1,500
(%)
97.9 100
1,500
1,200
80
1,200
80
900
60
900
60
40
600
日本化成グループでは、廃溶剤は蒸留リサイクルしていま
す。また、専門業者に処理を依頼して廃プラスチックはペレッ
ト状に破砕して原料化、汚泥は加工してセメントの原料化お
613
600
よび製鉄用の副原料とします。木くずはチップ化し合板の原
料にして再資源化を行っています。
40
473
20
300
0 0
0
20
300
10 0
0
’
06 ’
07 ’
08 ’
09 ’
10
’
06 ’
07 ’
08 ’
09 ’
10
リサイクル・処理
リサイクル対象物
廃油
(各種廃溶液)
リサイクル対象物
廃水
(廃酸・アルカリ)
再蒸留・燃料化・原料化
表面処理
セメント原料・路盤材
金属回収
製鉄用副原料
チップ
加工
汚泥
廃金属容器等
廃プラスチック
木くず
中間処理対象物
廃プラスチック・廃油
担当者の
声
中間処理
埋立
廃水
(廃酸・アルカリ)
さらなる廃棄物削減とリサイクルに取り組みます
黒崎工場のシリケート課では、活性汚泥送り排水に廃棄
洗浄加工することで再利用に成功しました。
していた廃メタノールを、運転条件変更により回収可能
いずれの取り組みも、黒崎工場の廃棄物削減に大きく
とし、活性汚泥送り排水中のCODを大幅に削減するこ
貢献したものと考えています。今後もさらなる廃棄物削
とができました。また、焼成工程で使用する石英備品も
減とリサイクルに取り組んでいきます。
熱で変形するたびに廃棄していましたが、一部を研磨・
17
(再利用不可品)
日本化成株式会社 RCレポート2011
黒崎工場 シリケート課 近藤
良宏
日本化成では、
地域の皆様、働く人、
お客様など、私たちを取り巻くす
べてのステークホルダーの安全を第一に考
えた事業活動を展開しています。内在するリスクを洗
い出し、顕在化させない対策を構築するとともに、安全
重視の意識づけを徹底し、事故を起こさない仕組みづ
くりに取り組んでいます。また、厳格な化学品・製
品安全管理、品質管理体制を通じて、安全・安
心な製品の提供に努めています。
安全
● 保安防災への取り組み
19
● 労働安全への取り組み
20
● 化学物質管理への取り組み
21
● 品質管理への取り組み
22
日本化成株式会社 RCレポート2011
18
保安防災
保安防災への取り組み
SR(安全性の再評価)
による
安全性の強化
小名浜工場では、危険物施設の事故統計中でも最も多い
SRは、すでにある設備・運転・作業の安全性
(危険性)
を検
漏洩への対策として、
万が一誤操作や計器不良によって各設
証し対策をとることで、気づいていなかったリスクを低減し
備から原料・製品が溢れ出した場合でも、直接排水溝へ流出
ていく活動です。
しないように防液堤の設置などの対策を徹底しました。また、
小名浜工場では年2回、
テーマを決めてSRを実施していま
すべての枝排水溝を閉止できるよう遮蔽板を設置しました。
す。テーマは、爆発・火災・破裂・異常反応・漏洩・排水汚染・大
また、SR
(セーフティレビュー:安全性の再評価)
による爆
気汚染・土壌汚染・通常運転・非定常運転・緊急対応と11に分
発・破裂・異常反応などの保安事故リスクの低減、他社・他場
類された異常現象および状態と、それに付随する項目の組
所の事故事例の活用や石油コンビナート等特別防災区域協
み合わせのなかから選択します。過去の事故事例を参考にレ
議会の研修への参加による安全意識のレベルアップも図り、
ビューの視点を決め、製造部各課だけではなくグループ会
保安事故ゼロをめざしています。
社も交えての検討会を実施するほか、
各場所での保安リスク
2010年度、黒崎工場では、高圧ガス設備からのアンモニ
ア水漏洩および駆動ベルト焼損火災という2件の保安事故
の見直しについてのレビューやテーマに合わせた安全コン
サルタントの講演も盛り込んだ活動に取り組んでいます。
が発生しました。初期防災活動と消防への即時通報によって
黒崎工場では、破裂・破壊、火災爆発・異常反応、漏洩と
大きな被害はありませんでした。2011年度から漏洩リスク
いった事故事象に対して、各プラントの危険源排除の手段が
アセスメントを取り入れ、危険物・有害物を漏洩させるおそ
適切かを評価し、問題点を洗い出しています。その結果を元
れのある作業をリストアップして対策を講じることで漏洩件
に、問題点の解決策について検討しています。
数の低減に取り組んでいます。今後も再発防止の観点から、
設備管理の信頼性向上および異常兆候の発見に努めます。
保安防災の訓練については、小名浜工場では、工場総合
防災訓練、
ホース操法競技会などを実施しています。黒崎工
場では、
三菱化学・黒崎事業所の事業所総合防災訓練に参加
し、
保安防災に取り組んでいます。
年末年始職場巡視
工場総合防災訓練
担当者の
ホース操法競技会
声
安全で安定したプラント運営・管理に努めています
プラントの安全で安定した運転には設備の保守管理と保
訓練は、
年間スケジュールを立てて毎月実施しています。
安防災の備えが重要です。日常管理と防災訓練を中心
火災、
高圧ガス漏洩、
地震発生、
有害物漏洩を想定した訓
に、現場の保安防災に取り組んでいます。日常管理につ
練は毎年必須とし、そのうち火災に関しては協力会社と
いては、
危険物・有害物・環境影響物質などの漏洩および
合同で実施しています。
封じ込めを防止するために重要機器の監視強化、
劣化設
備の保守管理、
スキル向上教育を実施しています。防災
19
日本化成株式会社 RCレポート2011
黒崎工場 硝酸課 吉永
邦夫
労働安全
部署によるRC監査を定期的に実施しているほか、第三者に
労働安全への取り組み
よる安全性の評価、および安全意識の啓発や情報の共有化
などを目的とした安全衛生大会なども開催しています。これ
らの活動の結果2010年度は休業災害ゼロを達成すること
日本化成グループでは、小名浜工場・黒崎工場およびグ
ができました。
ループ会社において、労働災害の撲滅を目指し、
KY
(危険予
今後、
労働災害の発生を未然に防止するため、
KY活動、
HH
知)
活動、
HH
(ヒヤリハット)
活動、指差呼称などを展開してい
活動などのレベルを更に向上させると共に、
労働災害情報の
ます。また、他社・他場所の重大事故事例について情報を共
活用による類似災害の防止、
過去に発生した労働災害対策の
有して対策の水平展開を実施し、事故や災害の未然防止に
有効性評価の実施など、
ゼロ災害の達成に向けて取り組みを
努めています。さらに、担当役員を委員長として、社内の他
強化していきます。
休業度数率
日本化成
製造業平均
化学工業平均
(度数率)
2.5
2.0
度数率=
1.5
死傷者数
×1,000,000
延労働時間
0.98
1.0
0.5
0.72
0.00
0
安全衛生大会
CLOSE
UP
’
04
黒崎工場の取り組み
’
05
’
07
’
06
’
08
’
09
’
10
労働安全衛生マネジメントシステム
(OSHMS)
取得
黒崎工場では、環境管理システムであるISO14001の認証を取得し、環境負荷
の低減やより効果的な環境保護活動に取り組むとともに、品質管理システムで
あるISO9001の認証も取得し、安定操業と品質安定化を図っています。また、
工場で働くすべての従業員の災害ゼロを目指し、日々の活動を継続実践して
いますが、安全衛生活動を深化させ、自主的な活動を展開するため、2009年
度より、
リスクアセスメントを含むマネジメントシステムの運用を開始。2010年
7月、福岡県で7番目として、三菱化学・黒崎事業所と共に、労働安全衛生マネジ
メントシステムを取得しました。事業者が労働者の協力のもとに、連続的、継続
的な安全衛生活動を自主的に行うことを目指したもので、労働災害防止活動
に関する方針や目標の達成に向け、PDCAサイクルの実行を通してスパイラル
アップを図り、顕在的な危険性や潜在的な危険性を低減することで、労働災害
OSHMS認証取得の審査風景
防止に継続して取り組んでいます。
担当者の
声
労働災害ゼロをめざし、安全意識の啓発に努めています
小名浜工場の製造部1課では、労働災害ゼロをめざし、
対策の共有、過去に発生した労働災害の再検討と再発
全社で実施しているKY(危険予知)活動、HH(ヒヤリ
防止策の有効性評価、SOP
(標準作業手順書)
の検証を
ハット)
活動、指差呼称のほか、
「 必ず守る10か条」
を製
実施し、労働災害を未然に防止する取り組みを強化し
造グループごとに設定して安全意識の啓発に努めてい
ていきます。
ます。さらに他社・他場所の重要事故事例の情報共有と
小名浜工場 製造部1課 課長 須田
勉
日本化成株式会社 RCレポート2011
20
化学物質管理
REACHへの対応
化学物質の管理
欧州における化学物質規制法であるREACHは、2007年
6月1日の施行後に新しく欧州で製造・輸入される化学物質
日本では2008年11月に化管法
(化学物質排出把握管理
促進法)
が、2009年5月に化審法
(化学物質の審査及び製造
だけでなく、施行以前から欧州において1トン以上製造・輸
入されている化学物質も対象としています。
等の規制に関する法律)
が改定されるなど、化学物質の安全
日本化成は、
これらに対応するため、2008年度に対象製
管理と遵法性が強く求められています。海外へ輸出される
品のREACHへの予備登録を完了させ、現在本登録に向け
化学製品についても、欧州のREACH※1や台湾、中国、韓国
て準備を行っています。
などの新しい化学物質規制への対応が求められています。
日本化成グループでは、
これらに対応するとともに、化学品
管理の適切性を保つため、2010年4月に化学物質管理チー
グリーン管理への取り組み
ムを発足させました。以来、同チームは製品・原料の化学物
質管理データベースの構築や、化学物質に関する国内法規
の改正情報の周知などを実施してきました。また、2010年
日本化成は、環境負荷物質を管理するため73物質群約
の化審法の施行に伴って新たに義務化された一般化学物質
1,000種類の化学物質を特別管理物質に定め、お客様に情
等の製造数量等届出の準備を進め、2010年度の製造量等
報を伝えています。原材料の購買先や製造の工程を調査し、
の届出を実施しました。今後、社内監査の実施、データベー
物質の使用状況や含有割合、混入や副生の可能性がないか
スの充実などに向けてさらに精力的に取り組んでいきます。
を確認し、
これらの情報を
「グリーン情報管理システム」
に蓄
※1 Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals
積。お客様に適切な情報をタイムリーに提供できる体制の
お客様への安全性情報の提供
確立を目指しています。2010年度は約500件のお客様の
問い合わせに対応しました。また2010年度は、新規購入を
お客様が化学物質を安全に取り扱えるように、
ラベル表示と
含む購買先に対して、
より多くのデータの蓄積を行いお客様
MSDS※2によって情報を提供しています。その危険有害性情
への回答をより確かなものにしました。この作業は2011年
報は、
GHS※3に基づいて作成し提供しています。
度も継続しグリーン管理をさらに充実させていきます。
今後、管理を強化していくために、
「GHS対応MSDS管理
システム」
を導入してデータベース化を進めます。
※2 Material Safety Data Sheet:製品安全性データシート
※3 Globally Harmonaized System of Classification and Labelling
of Chemicals:化学品の分類および表示に関する世界調和システム
担当者の
声
化学物質管理チーム発足後の成果とこれからの課題
2010年4月1日のチーム発足後から調査を開始し、取
めるとともに、法改正時の適切な対応を実施してきまし
扱い製品・原料などに関する化学物質管理データベー
た。今後も法改正の情報を的確に把握し更なる化学物
スを構築して2010年12月に社内に公開することがで
質の管理を強化していきます。
きました。その後、データベースの利用度の向上を進
技術開発センター 化学物質管理チーム 大塚
21
日本化成株式会社 RCレポート2011
知幸
品質管理
システム」
(受発注の物流システムと製品検査の分析計の出
品質管理への取り組み
力が直結した試験表発行システム)
と連携させることで、
より
レベルの高い品質管理を実現します。
2011年度は、
「SPC管理システム」
を他の製品にも導入す
日本化成は、お客様満足の一層の向上を図るため、品質
ることを検討しています。また、複数購買化の推進に伴う原
情報の共有化、情報伝達の迅速化、品質管理レベルの向上
料などの変更管理の徹底による品質トラブルの未然防止に
などを目的に、下記
「顧客情報管理システム」
の導入を進め
注力していきます。
てきました。
今後も引き続き、タイムリーに的確な情報を提供する統
を
2010年度は長年の課題であった
「SPC管理システム※」
合的なシステム化
(顧客情報管理システム)
の構築に向けた
EL薬品に導入しました。
SPC管理システムは、製造工程の異
取り組みを推進していきます。
常を早期に察知することにより製品品質の安定をめざすも
※ 統計的な製造工程の管理システム
のです。このSPC管理システムを、既存の
「統合型品質管理
顧客情報管理システムイメージ
納入仕様書管理システム 運用展開中
「納入仕様書」
などの重要な情報を製品・納入先
ごとに管理するシステム
RCポータル 検討中
RC関連の各種システムをWebメニューとして表
示し、
全体をふかんし作業性の向上を図るシステム
営業支援
情報
QIC※管理システム 運用展開中
「品質トラブル」
「苦情」
などの情報を製品・納入
先ごとに管理するシステム
RCポータル
納入製品情報管理システム
(QAポータル)
納入製品情報管理システム 導入検討中
「納入仕様書」
「トラブル」などの納入に関する情
報を、製品・納入先ごとに連携させて管理するシ
ステム
グリーン情報管理システム 運用展開中
グリーン管理製品を出荷するための
「購入原材
料品質」
などを製品ごとに管理するシステム
SP管理表発行システム 2011年導入予定
ストックポイントから出荷する製品の検査情報を
管理し、
「合格製品」
の出荷を管理するシステム
原材料認定管理システム 導入検討中
「購買仕様書」
などの情報を原料・供給先ごとに
管理するシステム
購入品トラブル管理システム 導入検討中
「購入品トラブル」
の情報を原料・供給先ごとに
管理するシステム
統合型製品質管理システム 運用展開中
事業所から出荷する製品の検査情報を管理し、
「合格製品」
の出荷を管理するシステム
納入仕様書管理システム
QIC管理システム
グリーン情報管理システム
SP管理表発行システム
工場品質保証活動
原材料認定管理システム
統合型製品質管理システム
製品ごとにMSDSを管理し、併せて法改正など
による内容改定を支援するシステム
GHS MSDS管理システム
REACH管理システム
事業部
管理部品質保証グループ
購入品トラブル管理システム
GHS MSDS管理システム 導入済
物流トラブル管理システム
工場
REACH管理システム 導入検討中
REACHに伴う情報を効率よく一元管理するた
めのシステム
物流トラブル管理システム 2011年導入予定
「物流トラブル」
の情報を製品・納入先ごとに管
理するシステム
品質情報管理システム 運用展開中
「内部品質不良」
「3M変更」
などの情報を製品ご
とに管理するシステム
品質情報管理システム
(監査管理システム)
ISO文書管理システム
ISO文書管理システム 運用展開中
ISOの文書、
監査情報などを管理するシステム
※ Quality Information with Customers:顧客品質情報
担当者の
声
技術向上と効率化、人材育成強化で品質向上に取り組んでいます
生産管理グループでは、各種分析技術の向上と分析の
どにも迅速に対応できるように常に心がけています。
効率化に取り組むとともに、技術伝承や各人のスキル
また、各種のシステムやツールを活用して情報の蓄積と
アップなどの人材育成に力を入れています。これらを製
共有化を図り、社員一丸となってお客様満足度のさらな
品品質管理の強化・品質改善につなげ、
お客様の要望な
る向上に努めていきます。
黒崎工場 生産管理グループ 佐々木
珠美
日本化成株式会社 RCレポート2011
22
サイトレポート
小名浜工場
常務取締役 小名浜工場長
藤倉 剛
RC活動への取り組み
小名浜工場は、
これまで
「安全・安心で信頼できる工場」
「環境
に優しい工場」
「 節度と規律のある工場」
を目標に活動を展開し
てきました。2011年3月11日に発生した東日本大震災では、小
名浜工場も震度6弱の地震に見舞われ甚大な被害を受けました
が、プラントの爆発・火災・漏洩などの重大事故は発生せず、
これ
まで地道に積み上げてきた保安・安全・設備面でのリスク低減活
動の成果が発揮されました。また、
この地震発生後に発令された
津波警報により、同工場では1次避難場所への退避に続き総員
退避への対応も余儀なくされましたが、大きな混乱もなく整然と
退避行動が行われました。これも日頃の総合防災訓練での模擬
●
所在地
福島県いわき市小名浜字高山34
●
敷地面積
617,592m2
●
従業員数
195名
●
製造品目
電子工業用高純度薬品、濃硝酸、稀硝酸、紫外線
硬化性樹脂、脂肪酸アマイド、タイク、接着剤、ホ
ルマリン
行動が大いに役立ちました。
一方、
この震災では、一斉通報や連絡・指示・報告を行うため
の仕組みにソフト・ハード両面で不備があることもわかりました。
2011年度はこれら不備の改善に取り組んでおり、
さらに災害に
強い工場づくりをめざします。
重点的な取り組み
1. 労働安全への取り組み
安全活動については、社員だけでなく、協力会社を含めた全工場
入場者を対象に展開しています。協力会社については、
業務形態に応
じ工事部会・業務部会・運輸部会に分け、日化エンジニアリング
(株)
や日化運輸
(株)
の協力を得て、各部会の目標・行動方針を策定し、定
期的な職場巡視を通じ実施状況の確認・是正を行うことで安全の確
保に努めています。
2010年度は、本体ではゼロ災害を達成したものの、協力会社につ
いては、残念ながら達成できませんでした。
しかし、東日本大震災発
3. 環境保全への取り組み
小名浜工場では、従来から環境負荷の極小化に注力してきまし
たが、2011年度は、今までの考え方にとらわれない発想での取り
組みを推進すべく、ユーテイリテイーの15%削減を目標数値として
掲げています。あきらめずに情熱をもってゼロエミッションを追求
しています。
4. 品質管理への取り組み
2010年度は、
すべての納入仕様書の見直しと再点検を行い、顧客
生後の工場復旧作業においては、各社の見事な連携で一つの事故
との約束事項と納入品質管理レベルの状況を再確認しました。また、
し」
の認識のもと、地道な活動を愚直に継続することで、ゼロ災害を
SPC管理システムを導入しました。
もなく復旧を成し遂げることができました。各社では、
「安全に完全な
めざしていきます。
2. 設備保安リスク低減への取り組み
リスクベースメンテナンス
(RBM)
の基本となる設備管理シートの
整備を2007年度から開始し、2010年度までにAランク、B1・B2ラン
クまでの作成・登録を終えました。2011年度は、B3ランクの設備管
理シートの作成を進めています。
これらのシートは日常および定期修理のたびにその内容が見直さ
れ、
シート数の増加による対象機器範囲の拡充とともに、
日常補修や
中長期的な設備保安リスク低減計画立案のための重要なツールへと
変身を遂げています。
品質管理レベルのさらなる向上に向けた道具立てを整えるために、
2011年度は、SPC管理の対象品目を増やし、社員の造り込みに対
するスピード・感度を向上させることで、不適合発生ゼロに挑戦して
いきます。
5. 技術伝承への取り組み
製造各課では、運転員の手で技術伝承システムを用いた職場での
運転技術内容のデータベース化が着々と進められています。
これらのデータには、過去の失敗事例や事故事例が含まれており、
プラントのその日の運転状態との関連で、毎日の運転開始または申
し送り時などの短い時間でも運転上の注意点を確認することができ
ます。そのため、運転の安全確保だけでなく、運転員による自主的な
技術研鑽にも利用されており、小名浜工場では、今後の人材育成に
おいて重要な役割を果たすツールとしてシステムのさらなる拡充を
進めています。
23
日本化成株式会社 RCレポート2011
黒崎工場
黒崎工場長
森山 隆
RC活動への取り組み
北九州市黒崎の三菱化学・黒崎事業所内にある黒崎工場は、
濃硝酸、希硝酸、硝酸塩類、合成石英粉などの無機化学品を生産
しています。
三菱化学グループの一員としてグループ全体の方針を踏まえ
たRC活動を進めています。具体的な活動方針としては、
1.
事故、重トラブルの再発防止対策の作り込み
2.
事故、重トラブル未然防止への取組み、定着
3.
現場第1線のプロとしての意識改革
その結果、
1.
安全・
・
・休業、不休業、軽微労災ゼロ
●
所在地
福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1-1
●
敷地面積
50,000m2
●
従業員数
73名
●
製造品目
濃硝酸、希硝酸、硝酸塩類、合成石英
2.
保安・
・
・保安異常現象、事故ゼロ 3.
環境・
・
・環境異常現象、事故ゼロ
以上を達成するため、
全員一丸となって取り組んでいます。
重点的な取り組み
1. 危険物、有害物の漏洩対策
2. NKC活動
(小集団活動)の推進
黒崎工場では、液体の危険物、有害物を多数取り扱っています。
工場内・近隣の清掃活動を継続し、
また、働き甲斐があり、清潔で
これらが全体の70%を占めていることがわかりました。このため、
全員で取り組んでいます。
環境リスク管理の一環として過去の漏洩調査を実施したところ、
三菱化学の協力を得て、設備・作業両面から漏洩防止対策を進めて
明るい職場環境を維持するために、自主保全活動や小集団活動に
います。
設備面からの漏洩防止対策としては、配管管理の加速、
リスク評
価の見直しを行い、各部署へ水平展開しています。
一方、作業面からの漏洩防止対策としては、
「 漏洩リスクアセスメ
ント」
を行っています。具体的には、危険物、有害物の漏洩の可能性
のある作業を特定して、作業頻度と漏洩発生時の影響度から漏洩リ
スクを定量化し、その評価結果に基づき防止対策を講じています。
朝のミーティング
日本化成株式会社 RCレポート2011
24
グループ会社のRC活動
日化エンジニアリング
取締役社長
五十嵐 俊明
会社概要
日化エンジニアリング
(株)
は、1967年8月に日本化成の工務
部門を担当するグループ会社として設立されました。以来、長年
培った豊富な技術と経験を活かして、化学プラントの建設・メン
テナンス、電気・計装工事、土木・建築工事など幅広い事業を展
開。総合エンジニアリング会社として、
日本化成グループの一翼
を担っています。
RC活動においては、
「RCパフォー
マンスの向上」
「コンプライアンスの
徹底」
「トラブルの未然防止の推進」
を重点目標に、
「 保安防災」
「 労働安
全」
「 環境保護」
「 品質保証」
「 社会へ
●
本社所在地
福島県いわき市小名浜字林ノ下20
●
設立
1967年
(昭和42年)
8月
り組んでいます。2011年度は、東
●
資本金
100百万円
日本大震災で被災されたお客様の
●
従業員数
139名
●
事業内容
プラント建設から機械、電気・計装、土木・建築
工事およびメンテナンス
●
ホームページ
http://www.nikkaengi.co.jp/
の貢献」
の5つを活動の柱として取
復旧・復興支援をお手伝いするとと
もに、
社員の保安防災意識の向上を
図り、
地域社会に貢献していきます。 東日本大震災復旧工事の様子
RC活動のTOPICS
労働安全衛生への取り組み
環境保護への取り組み
日化エンジニアリングは、さまざまな環境保護活動を推進して
日化エンジニアリングは、
「労働災害ゼロ」
をめざして、2010年度
います。
からリスクアセスメントの運用を始めました。各工事ごとに日々の作
えた資料を作成し、環境教育を実施しています。この取り組みは、
害・ヒヤリハット事例をリスクアセスメントの手法を用いて再評価し、
例えば、月2回の「安全確認の日」に時代と社会の要請を踏ま
ISO14001の維持審査で
「ストロングポイント」
として評価されまし
業手順をリスクアセスメントに基づいて策定しており、過去の労働災
作業標準を見直す取り組みも進めています。東日本大震災発生直後
た。また、省エネルギー活動や産業廃棄物処分場の現地確認のほ
からの復旧工事においては工事期間の短縮が求められましたが、
こ
んでおり、省資源活動は毎年前年度の実績を上回る成果を上げて
し、
すべての工事が無災害で進行中です。
回定期的に実施するとともに、地域主催の清掃行事にも積極的に参
ことも予想されますが、引き続きRC活動を推進して安全の確保に取
か、古紙のリサイクルやコピー枚数の削減などの省資源にも取り組
います。このほか、本社事務所の清掃活動を事業所周辺を含め週1
加しています。なお、省エネルギーをさらに進めるために、2011年度
は電力使用量を
25.5万kwh
(前
のリスクアセスメント手法と工事SA
(Safety Assessment)
を活用
今後、震災復旧工事の進行・拡大に伴い、社員の作業量が増加する
り組んでいきます。また、定期健診に基づく健康指導の強化や、スト
レス調査などのメンタルヘルスケアの充実にも努めています。
年度比15%減)
とする目標を掲
げ 、きめ細 かな
対策を実施して
います。
節電ポスター
25
日本化成株式会社 RCレポート2011
安全衛生委員による場内の交通立哨
日化運輸
取締役社長
鈴木 美雄
会社概要
日化運輸
(株)
は、1964年7月に日本化成
(株)
の製品輸送部門
を担う会社として発足しました。ケミカルローリー車をはじめと
するさまざまな車種と高圧ガス・危険物等の法定資格を有する
運転乗務員、そしてそれらをサポートする体制も整えています。
また、1999年9月には日本化成
(株)
小名浜工場の物流業務を担
当していた日化産業
(株)
と統合。製品の充填から保管・出荷、輸
送までの一貫物流体制を構築し、安全・安心で安価な物流サービ
スを提供しています。
RC活動については、日本化成(株)の中期計画に基づき、
「中期計画に織り込んだアクションプランの目標達成」
「 コン
●
本社所在地
福島県いわき市小名浜字高山34
●
設立
1964年
(昭和39年)
7月
●
資本金
60百万円
●
従業員数
190名
●
事業内容
一般貨物自動車運送事業、産業廃棄物収集
運搬事業、作業請負事業、環境サービス事業
プライアンスの徹底」
「 ボトムアップの小集団活動」
「 外部認証
(ISO9001・ISO14001)」
を柱とする年間スケジュールを作
成。その進捗を毎月確認することで、RCパフォーマンスの向上
を図っています。
RC活動のTOPICS
環境保護への取り組み
環境への取り組みとして、環境対策車輌
(尿素SCRシステム搭載
車)
と省燃費タイヤの導入などを行い、
また、
アイドリング停止の徹底
やデジタル・タコグラフ導入によるエコドライブを推進して排出ガス
量の削減に取り組んでいます。社内では廃棄物分別、資源のリサイク
ル、
ユーティリティー削減を行っています。
労働安全・保安防災への取り組み
「労働災害ゼロ」
「保安事故ゼロ」
を目標に、協力会社と合同の月例
安全会議開催などによる安全活動の推進、外部講師による「交通労
働災害防止安全講習」「フォークリフト安全操作講習」を年1回開催し
ています。緊急時の対応として、輸送中の有害物質漏洩を想定した防
災訓練と緊急通報訓練などを実施しており、化学品の輸送において
エコドライブ講習会
(車両整備)
はイエローカードの携帯や万が一に備え緊急車輌を配備するなど、
迅速・的確に対応できるようにしています。また、法定資格などの計
画的な取得、安全作業実技訓練、MSDSによる物性の教育、安全実技
体験研修による化学薬品事故の重大性認識教育などを通して、安全
意識の啓発とスキルアップを図っています。さらに、安全性優良事業
所としての認定
(Gマーク)
を継続するため
「セーフティチャレンジ
(交
通安全:無事故無違反)
」
などに参加し、地域とのコミュニケーションを
図っています。
フォークリフト安全運転講習会
日本化成株式会社 RCレポート2011
26
グループ会社のRC活動
小名浜蒸溜
取締役社長
佐野 正
会社概要
小名浜蒸溜
(株)
は、各種溶剤の蒸留精製事業を展開している
蒸留専業メーカーです。お客様の製造工程から排出された混合
物を蒸留して有用物を分離回収したり、不純物を含んだ使用済
み溶剤を蒸留精製してリサイクルする事業を展開しています。廃
棄物として燃焼処理されたり、蒸発して大気に放出されたりする
有機溶剤を回収、蒸留精製し、再利用可能な溶剤として提供。事
業を通してCO2排出削減や地球温暖化防止、VOC排出削減対
策に貢献しています。
25年以上にわたって培ってきた技術と蓄積したノウハウで、
お
客様のさまざまな環境保全ニーズにお応えしています。
●
本社所在地
福島県いわき市小名浜字高山312-5
●
設立
1986年
(昭和61年)
3月
●
資本金
80百万円
●
従業員数
23名
●
事業内容
有機溶剤などの蒸留・精製
●
ホームページ
http://www.ojr.co.jp/
RC活動のTOPICS
環境保護への取り組み
小名浜蒸溜は、お客様の使用済み溶剤を蒸留精製し、限りある資
源の有効利用を可能にする事業を通して地球環境保護や温暖化防
止に貢献しています。
関 係 の 講 習や年 1 回
のフォークリフト安全
作 業 講 習 、資 格 取 得
の 推 進などを通じて
また 、スチ ー ム 配
知識レベルの向上も
管の保温強化による
図っています。
灯油使用量の削減や
一 方 、保 安 防 災に
製造プロセスの見直
しによる産廃排出量
つ い て は 、日 々 の 自
生産活動においても
メンテナンスを実 施
主保全活動で装置の
の 削 減 など、日 々 の
環境保護に努めてい
ます。
朝のゼロ災宣言
するとともに、保安リスクを低減する健全性検査と診断を定期的に
月例の工場内清掃
労働安全・保安防災への取り組み
実施し、適切な改善計画を立案・実行しています。また、ベテラン社
員が培ってきた製造技術・ノウハウを若手社員に伝承し、ブラッシュ
アップしていくために、作業標準書
(SOP)
の見直し整備を随時実施
「労働災害ゼロ」
「保安事故ゼロ」
の継続を目標に、
さまざまな活
しています。
労働安全については、日々の5S活動に加え、月例会でのヒヤ
行われるホース操法競技会に参加しているほか、火災・漏洩事故を想
動に取り組んでいます。
リ・ハット発掘などの危険予知活動や不具合・不安全箇所の改善、
MSDSでの安全教育、事故事例を題材にした討論会など、社員の危
険に対する感受性を高める活動に力を入れています。また、外部研
27
修機関による労安法
日本化成株式会社 RCレポート2011
こうした取り組みとともに、緊急時に備え、
日本化成・小名浜工場で
定した緊急対応訓練
(消火ポンプを使用した放水訓練、漏洩拡大を防
止する土嚢構築訓練など)
を実施しています。
日化トレーディング
取締役社長
髙田 忠廣
会社概要
日化トレーディング
(株)
は、1945年11月に日本化成とその
グループ会社社員の福利厚生事業を担う会社として設立され
ました。その後、高圧ガスや工業薬品の販売を開始し、日本化成
グループの商事部門としての地位を確立。現在では、日本化成
グループの化成品・無機化学品・機能化学品、他社の工業薬品・
各種産業用燃料・高圧ガス・電子材料などの企業向け商品をはじ
め、LPGなどの家庭向け商品も販売するなど、多岐にわたる商品
を取り扱っています。
柔軟な発想をもつ社員一人ひとりのチャレンジを尊重すると
●
本社所在地
福島県いわき市小名浜字隼人50-4
●
設立
1945年
(昭和20年)
11月
●
資本金
60百万円
●
従業員数
37名
●
事業内容
無機化学品、有機化学品、工業用ガス、
LPG、
水処理材、活性炭、重油、灯油、軽油、
ガソリン
等の石油製品、電子材料、物流資材の販売
●
ホームページ
http://www.nktr.co.jp/product_list.html
ともに、時代の変化とともに多様化するお客様のニーズを的確
に捉え、
より優れた商品やサービスを提供しています。
RC活動のTOPICS
環境保護への取り組み
商社としての省エネルギー、省資源や廃棄物の削減に積極的に
取り組んでいます。
また、敷地内にある高圧ガス容器置き場で施設の安全を毎日確
認し、
ガス漏洩など不測の事態の未然防止を図っています。
労働安全・保安防災への取り組み
職場の災害未然防止として、5S
(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)
活
動があります。この中でも特に重要と認識している
「整理」
「整頓」
にポ
イントを絞った
「2S活動」
が、職場の保安活動として定着しています。
交通安全啓蒙活動
2S( 整理・整頓)活動では、不要なものを取り除く
「整理」
と、必要な
ものを使いやすく、取り出しやすいように、あるべき場所に正しく置く
「整頓」
を行い、職場内にある
「物」
を必要なものと不要なものに分
けます。
また、お客様に品物を届けるために車を運転することが多いた
め、地元警察署との交流を密にした交通安全運転活動に注力して
います。
保全防災活動においては、
リスクの高い高圧ガス容器置き場の点
検や、小名浜港の津波発生を想定した通報訓練を実施しています。
今後もさらなる安全に向けて取り組みを強化していきます。
高圧ガス容器置場の安全確認
廃棄物置場の2S活動
日本化成株式会社 RCレポート2011
28
環境保全や
安全性確保と並んで重視して
いるのが、コーポレート・ガバナンス
の充実と徹底したコンプライアンスの推
進です。さらに、事業を展開している各地域
との絆を育むなど、多面的な活動を実践し、
ステークホルダーから高い信頼を得る誠
実な企業グループであることを目指
しています。
社会
29
日本化成株式会社 RCレポート2011
● コーポレート
・ガバナンス
30
● 地域社会との共生
32
● RC活動の歩み
32
● 情報開示
32
コーポレート・ガバナンス
経営会議
コーポレート・ガバナンスの考え方
経営会議は、
日本化成および日本化成グループ全体の経
営施策や、各部門の重要な執行案件にかかる審議を行って
日本化成グループは、
コーポレート・ガバナンスの強化・充
います。
実を経営上の最重要課題と位置づけており、経営における
重要事項に関する意思決定および業務執行を迅速かつ的確
監査役および監査役会
に実施するとともに、
コンプライアンスの一層の徹底を図っ
ています。
監査役会は、社外監査役3名で構成され、月1回開催され
ています。常勤監査役1名は、取締役会、経営会議などの意
コーポレート・ガバナンス体制
思決定会議に出席し、取締役の業務執行をチェックしていま
す。また、監査室および会計監査人と連携し、計画的な業務
監査を実施しています。
取締役会
監査室
取締役会は月1回以上定例的に開催し、重要な経営課題
に関する意思決定を迅速に行っています。また、必要に応じ
監査室は監査役、会計監査人と連携し、
日本化成グループ
臨時取締役会を開催し、機動的な意思決定を図っています。
内の独立的立場
(経営者の視点)
から、内部監査を通じて業
務の有効性・効率性、法令遵守、財務報告の信頼性の確保な
ど、内部統制の目的達成のためのチェックを行っています。
コーポレート・ガバナンス体制図
株主総会
監査役会
監査
取締役会
監査
会計監査人
選定・監督
監査
代表取締役
監査
グループ・内部統制推進会議
経営会議
独占禁止法遵守委員会
各事業部門・グループ会社
担当者の
声
職場研修の充実により、全体のレベルアップを図っています
日本化成グループでは、グループ全構成員のコンプラ
研修を実施し、各職制が所属員に職場研修を行うことに
イアンス意識の向上に努めています。
より、全構成員への意識の浸透を図っています。更には、
グループ・内部統制推進会議を年1回以上開催し、タイ
コンプライアンス自主研修
(ネット研修)
を受講し、
コン
ムリーに事例を紹介しながら、
コンプライアンスの重要
プライアンスに関する意識の維持と知識の向上に努め
性の再認識と更なる推進を呼びかけています。また、例
ています。
年、
グループマネジャー・課長クラスの職制を対象とした
総務人事部 総務グループマネジャー 中村
文仁
日本化成株式会社 RCレポート2011
30
コーポレート・ガバナンス
内部統制システムの整備
J-SOXへの対応
日本化成は2010年3月期決算における内部統制報告書
日本化成グループ内部統制推進体制
監査役会
において
「有効」
を表明し、監査法人からも
「無限定適正」
の
取締役会
評価を受けました。この良好な体制を維持するべく、各社・各
監
査
役
の
ア
ク
セ
ス
を
確
保
報告
部門、監査室、内部統制推進グループの関係者間で連携し
社長
ながら、
さまざまな取り組みを行っています。
事務局
経営企画部
意思決定
内部監査
総務人事部
監査室
コンプライアンス推進、
リスク管理
経営会議
グループ・内部統制推進会議
経営戦略
(含む事業リスク)
と
執行上の重要事項の審議
執行全般について
コンプライアンスおよび
リスク管理の観点から必要な
対策の審議とモニタリング
J-SOXへの対応における重点項目
1.● グループ全体にわたる統制環境の充実
● 共通する内部統制ルールの徹底とリスク管理体制の強化
2.● 事業目的に大きくかかわる重要業務プロセスにおける
内部統制の評価
● 体制の確立と継続的運用
3.● J-SOXに対応したグループ内部監査の充実
グループ・コンプライアンス・
リスク管理委員会
コンプライアンス、
リスクマネジメント全般の対応
コンプライアンスの徹底
内部統制の取り組み
2005年3月
● 日本化成グループ企業倫理憲章 制定
● 日本化成グループ・
コンプライアンス行動規範 制定
● 日本化成グループ・
コンプライアンス推進規程 制定
2005年11月
● 日本化成コンプライアンス・ホットライン運用規則 制定
「企業倫理を含めた社会的ルールを遵守すること」
です。コ
ンプライアンスの徹底により、
お客様はもとより、社会からの
信頼に応えていくことが、企業存続の基礎であると強く認識
し、全グループ会社の構成員一人ひとりのコンプライアンス
2006年4月
● 監査室 設置
に対する意識と知識の維持と向上を図っています。
2006年5月
● 内部統制システム整備の基本方針 制定
1. コンプライアンス意識の向上
2007年1月
● 日本化成グループ・
リスク管理規程 制定
● 日本化成グループ・
コンプライアンス・リスク管理委員会規則 制定
● 内部統制推進会議規則 制定
● 日本化成グループ・情報システムセキュリティポリシー 改定
2008年4月
● 内部統制システム整備の基本方針
日本化成株式会社 RCレポート2011
親会社である三菱化学社と共有する理念のもと、
「三菱化学グ
ループコンプライアンスガイドブック」
を全社員に配布し、意識
の徹底を図っています。また、
グループ・内部統制推進会議を年
1回以上開催し、
意識の向上を図っています。
2. コンプライアンス知識教育
2007年4月
● 日本化成グループ経営規程 制定
31
「コンプライアンス」
とは、
「法令の遵守」
にとどまらず、広く
改定
三菱化学社が定期的に実施するコンプライアンス自主研修
(ネット研修)
を全構成員が受講することにより、知識の向上を
図っています。また、年1回、グループマネジャー・課長クラスの
職制を対象としたコンプライアンス研修を実施し、
さらに、各職
制が所属員に対する職場研修を行うことにより、全体的なレベ
ルアップを図っています。
地域社会との共生/情報開示/RC活動の歩み
地域社会との共生
RC活動の歩み
日本化成では、地域との共生をテーマに、地域の皆様と良
1995年
● NKC活動
(TPM的小集団活動)
開始
(3年間)
好なコミュニケーションを図りながら、地域社会の発展への
1996年
● 第4次中期経営計画
1997年
● 小名浜工場
:ISO9002認証取得
1998年
● NKC活動
1999年
● 第5次中期経営計画
貢献に努めています。
● NKC活動
いわきおどり
担当者の
工場周辺の清掃
(小名浜工場)
● 第6次中期経営計画
「Ds
● NKC活動
● 日本化成RC活動
2004年
● グループ会社へRC活動の展開
2005年
● 第7次中期経営計画
「New
2006年
● RCレポート2006
小名浜工場
総務人事部
小名浜総務グループ
鈴木 雄蔵
Win21 開始
(3年間)
2003年
催の「いわきのまちをきれいにする市民
周辺の美化に努めています。
Plan 21」開始
(3年間)
● 小名浜工場
:ISO9001認証更新
サッカーグラウンド)
の開放を行っていま
ループ社員約50名が清掃を実施し、工場
Part-2ダッシュ 開始
(3年間)
2002年
す。また、春と秋に実施されるいわき市主
総ぐるみ運動」
に毎年積極的に参加し、グ
開始
(3年間)
2000年
声
貢献する工場を目指し、工場施設(野球・
Part-2 開始
(1年間)
● 黒崎工場
:ISO14001認証取得
街の美化運動
(黒崎工場)
日本 化 成グ ル ープでは、地 域 の 方々に
開始
(3年間)
実施宣言
● 小名浜工場
:ISO14001認証取得
Ds Plan 21」開始
(3年間)
● 日本化成グループ・
コンプライアンス推進プログラ
ム運用開始
● New Ds Plan 21に伴うRC活動 開始
(3年間)
● RC監査 実施
● New Ds Plan 21に伴うNKC活動 開始
発行
● 黒崎工場
:ISO9001認証取得
● RC監査
情報開示
2007年
テークホルダーの方々に知っていただくために、
「RCレポー
WEB
「日本化成株式会社」
トップページ
http://www.nkchemical.co.jp
発行
実施
● 第8次中期経営計画
「NKC-Plan
2010」開始
(3年間)
● RCレポート2008 発行
● RC監査 実施
日本化成グループのRC活動への取り組みを多くのス
ト」
をホームページ上に掲載しています。
● RCレポート2007
● RC監査
2008年
実施
2009年
● RCレポート2009
● RC監査
2010年
発行
実施
● 黒崎工場
:労働安全衛生マネジメントシステム
(OSHMS)
取得
● RCレポート2010
● RC監査
発行
実施
日本化成株式会社 RCレポート2011
32
〒104-0033 東京都中央区新川1-8-8 アクロス新川ビル
お問い合わせ先:経営企画部
TEL: 03-5540-5884 FAX: 03-5540-5961
レポートに関する内容はホームページでもご覧いただけます。
http://www.nkchemical.co.jp/
この紙製品の製造ラインに使用されて
いる木材ファイバーの30%以上は、適
切に管理された森林から切り出された
ものです。適切に管理された森林とは、
FSCの規定に従い、独立した機関によ
り認証された森林を指します。
発行:2011年11月
この印刷物は、大豆油インキを使って、
「水なし印刷」で印刷しております。
この冊子は、FSC認証紙、植物油100%のインキを使用し、
「 水なし印刷」
で印刷しています。
次回発行予定:2012年10月
Printed in Japan