670 日呼吸会誌 ●原 38(9) ,2000. 著 肺クリプトコッカス症の臨床病理学的検討 ―胸部 CT 所見と病理所見の比較を中心に― 岸 一馬1) 栄1) 黒崎 敦子2) 川畑 雅照1) 中谷 龍王1) 田中さゆり3) 中田紘一郎1) 本間 成井 浩司1) 坪井 永保1) 要旨:肺クリプトコッカス症 12 例(男 7,女 5,平均 54 歳)の臨床病理学的検討を行った.発見動機は 12 例中 11 例が自覚症状を欠き胸部異常影で発見された.基礎疾患は 2 例に糖尿病を認めた.画像は孤立結節 影が 9 例(75%)で最も多く,次いで多発結節影,浸潤影であった.結節影の大きさは 10 例(83%)が 2 cm 以下で,それらは全例肺野末梢に存在した.胸部 CT で空洞,散布巣を認めた症例は肺結核と,spicula, 末梢血管収束像,胸膜陥入像を認めた症例は肺癌との鑑別が困難であった.切除肺 8 例の病理組織像は peripheral pulmonary granuloma(被包化された肉芽腫)5 例,granulomatous pneumonia(周囲の肺炎を伴 う肺胞腔内の肉芽腫)3 例であった.肺クリプトコッカス症は,画像上肺癌や肺結核に類似するため,その 診断には病理組織学的検索が重要である. キーワード:肺クリプトコッカス症,胸部 CT,病理所見 Pulmonary cryptococcosis,Chest CT,Pathological findings 緒 言 肺クリプトコッカス症(以下肺ク症)は,Cryptococcus 用いて HRCT 画像を作製した.病理組織学的検索は, 手術摘出肺を 10% ホルマリンで伸展固定,パラフィン 包埋後 5 µm 幅の薄切標本を作製し,Hematoxylin-Eosin neoformans の経気道的感染によって発症する肺真 (HE)染色,Periodic acid-Schiff(PAS)染色,Grocott 菌症である.その画像所見は多彩で,肺癌や肺結核との 染色を施し,光顕で検討した.尚,肺病変の病理所見は 鑑別が問題になることが多い 1) ∼3) .しかし,これまでに McDonnell らによる分類5)に従った. 胸部 CT 所見と病理所見を比較検討した報告は殆どな 成 い4).そこで我々は,肺ク症の胸部 CT 所見と病理所見 の対比を中心に臨床病理学的検討を行ったので報告す 績 (1)臨床像(Table 1) 性別は男性 7 例,女性 5 例で,年齢は 27 歳から 75 歳, る. 対象と方法 平均年齢 54 歳であった.基礎疾患を有する例は,糖尿 病 2 例のみであった.発見動機は,検診で胸部異常陰影 対象は 1986 年より 1997 年までに,当院で病理組織学 を指摘されたものが 11 例(92%) ,全身倦怠感が 1 例で 的または菌学的に肺ク症と診断された 12 例である.こ あった.髄膜炎の合併および鳩の飼育歴は 1 例もなかっ れらについて,臨床像,胸部 CT 所見,切除肺の病理所 た.診断方法は,開胸肺生検 4 例,胸腔鏡下肺生検 3 例, 見,胸部 CT 所見と病理所見の対比,治療を検討した. 経皮針生検 3 例,経気管支肺生検 2 例であった.血中ク CT の機種は General Electrics 社製 9800 HiLite ある リプトコッカス抗原は測定された 4 例中 1 例(25%)の いは 9800 High Speed Advantage を使用し,スライス 厚 3∼10 mm,スライス間隔 10 mm で撮像した.画像 みで陽性であった. (2)胸部 CT 所見(Table 2) 表示条件はウィンドウ幅 1800,ウィンドウレベル―500 陰影の性状は,孤立結節影が 9 例(75%) で最も多く, とした.さらに,病変部を中心にスライス厚 3∼5 mm 多発結節影が 2 例,浸潤影が 1 例であった.結節影の大 で撮像し,FOV 15 cm から 20 cm で bone algorithm を き さ は 1∼27 mm 大 で,20 mm 大 以 下 が 10 例(83%) 〒105―8470 東京都港区虎の門 2―2―2 1) 虎の門病院呼吸器科,2)同 放射線診断学科 3) 同 病理部 (受付日平成 11 年 10 月 4 日) であった.病巣部位は,右上葉 2 例,右中葉 1 例,右下 葉 7 例,左上葉 2 例,左下葉 5 例で両下葉に多い傾向が あった. 辺縁の性状は,整・明瞭が 3 例,不整・明瞭が 6 例, 肺クリプトコッカス症の臨床病理学的検討 671 Table 1 Patient characteristics Case Age Sex Underlying disease 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 41 53 54 44 62 59 55 75 41 27 74 61 M M F M F F M M M F F M ― DM ― ― ― ― ― ― ― ― ― DM Mode of detection Lung specimen sampling method Cryptococcus antigen VATS Needle biopsy VATS OLB Needle biopsy OLB OLB OLB TBLB VATS Needle biopsy TBLB NE Negative NE NE NE NE NE NE Negative Negative NE Positive Abnormal chest shadow Abnormal chest shadow Abnormal chest shadow General fatigue Abnormal chest shadow Abnormal chest shadow Abnormal chest shadow Abnormal chest shadow Abnormal chest shadow Abnormal chest shadow Abnormal chest shadow Abnormal chest shadow DM: diabetes mellitus. VATS: video-assisted thoracoscopic surgery. OLB: open lung biopsy TBLB: transbronchial lung biopsy. NE: not examined Table 2 Chest CT findings Case 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Type Size Locations (mm) Margin Smooth 14×14 Lt S9,S10 Sharp Smooth Solitary nodule 20×18 Lt S9 Sharp Irregular Solitary nodule 10×10 Rt S9 Sharp Irregular Solitary nodule 13×10 Rt S8 Sharp Irregular Solitary nodule 27×21 Lt S1 + 2 Sharp Irregular Solitary nodule 14×14 Rt S9 Obscure Irregular Solitary nodule 10×10 Rt S6 Obscure Irregular Solitary nodule 10×10 Rt S1 Sharp Irregular Solitary nodule 19×17 Rt S9 Sharp Smooth Multiple nodules 1∼10 All lobes Sharp Irregular Multiple nodules 8∼20 RLL,LLL Sharp Irregular Infiltration 65×50 LLL Obscure Solitary nodule ConverInternal Pleural Contact gency of Satellite Pleural airbronindenwith peripheral lesions thickening chogram tation pleura vessels Spicula Cavitation − + − + − − + − − + − − + + + − − − − − − − + − − − − + + + − − − + − + + + + − + − + − − − + − + − − + − − − − + − + + + − − + + − + + + + − + − + − − − ND + − − − − + + ND + − ND − − ND ND ND + − RLL: right lower lobe. LLL: left lower lobe. + : positive. − : negative. ND: not describable 不整・不明瞭が 3 例で,spicula を 4 例(33%)に認 め 胸膜陥入像を 6 例(50%) ,そして散布巣を 4 例(33%) た. に認めた.胸膜陥入像は肺癌で見られるものと区別でき 内部の性状として,空洞を 4 例(33%) ,Internal air- なかった.散布巣は,主病変周囲の幾つかの微小な結節 bronchogram を 3 例(25%)に認めた.空洞以外の結 影(粒状影)であった.全例が肺野末梢に存在し,8 例 節内部の濃度分布は比較的濃厚で均一であった.air- (67%)が胸膜と接していた.胸膜肥厚像は 2 例に認め bronchogram は高分化型腺癌で見られるような牽引の 強いものではなかった. 病巣周囲の変化として,末梢血管収束像を 7 例(58%) , られた. (3)切除肺の病理組織像(Table 3) 切除肺 8 例の病理組織像は McDonnell らの分類では 672 日呼吸会誌 38(9) ,2000. Table 3 Pathological findings in resected lungs Case McDonnel’ s Classification Capsule (margin) + (smooth) + (smooth) + (irregular) + (irregular) − Central necrosis Cavity Intraalveolar Surrounding granuloma (margin) alveolitis + + − − + + + − 1+ + + − − − + + − − 1+ + − − 2+ + 2+ + Cryptococcus 1 Peripheral pulmonary granuloma 2 Peripheral pulmonary granuloma 3 Peripheral pulmonary granuloma 4 Peripheral pulmonary granuloma 6 Granulomatous pneumonia 7 Granulomatous pneumonia − − − 8 Granulomatous pneumonia − − − + (irregular) 1+ + + (smooth) + + − 1+ + 10 Peripheral pulmonary granuloma + (irregular) + (irregular) + : positive. − : negative. Intensity of surrounding alveolitis:1 +,mild; 2 +,moderate B A Fig. 1 Peripheral pulmonary granuloma(case 2) (A)HRCT scan shows thick-walled cavitary mass in the subpleural region of the left S9. (B)Microscopic appearance of the resected lung at low magnification shows fibrous capsule associated with central necrosis. (HE stain) (C)Cryptococci are stained positively with Grocott stain in the necrotic area.(×100) C peripheral pulmonary granuloma が 5 例,granuloma- 度の炎症細胞浸潤(胞隔炎)を伴っていた.肉芽腫の辺 tous pneumonia が 3 例であった.Peripheral pulmonary 縁はいずれも不整であった. granuloma の 5 例はいずれも被膜と中心部の壊死を有 し,3 例で空洞形成が認められた.被膜の辺縁は症例 1, 2,10 が整で,症例 3,4 は不整であった. Granulomatous 8 例全例でクリプトコッカスの胞体が壊死巣あるいは 肉芽腫周囲に確認された. (4)胸部 CT 所見と病理所見との対比(Table 2,3) pneumonia の 3 例は病巣中心部の肺 胸部 CT 上辺縁が整・明瞭で空洞を有する 3 例(症例 胞腔内に肉芽腫があり,その周囲の胞隔に軽度から中等 1,2,10)は,病理組織学的には peripheral pulmonary 肺クリプトコッカス症の臨床病理学的検討 673 Table 4 Treatment and outcome Case 1 A 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Treatment Outcome Partial lung resection (VATS) 5-FC + AMPH → Partial lung resection Partial lung resection (VATS) Partial lung resection 5-FC + AMPH syrup Partial lung resection Lobectomy Partial lung resection No treatment ICZ ICZ ICZ Improved without recurrence 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 VATS: video-assisted thoracoscopic surgery 5-FC: 5-flucytosine. AMPH: amphotericin. FCZ: fluconazole. ICZ: itraconazole 明瞭で spicula を認める 3 例(症例 6,7,8)は,病 理 B 組織学的には granulomatous pneumonia であった.胸 部 CT での spicula は,病巣辺縁の胞隔炎ならびに肉芽 腫の不整な辺縁に対応した(Fig. 2A,B,C) . (5)治療と予後(Table 4) 治療は,手術単独が 6 例,抗真菌剤単独が 4 例,抗真 菌剤+手術が 1 例,無治療が 1 例であった.手術単独の 6 例はいずれも術前に確定診断のつかなかった症例で, このうち 2 例は胸腔鏡下肺手術であった.術式は,部分 切除が 5 例,肺葉切除が 1 例であった.抗真菌剤は Itra- C Fig. 2 Granulomatous pneumonia(case 7) (A)HRCT scan shows spiculated solitary nodule resembling lung cancer in the right S 6. (B)Microscopic appearance of the resected lung at low magnification shows intra-alveolar granuloma surrounded by focal alveolitis. Central cleft is an artifact. (HE stain) (C)Cryptococci are stained positively with PAS stain (arrow)in the alveolar space(×100) . conazole が 3 例,5-fluorocytosine(以下 5-FC)と amphotericin B(以下 AMPH)シロップの併用が 1 例に投与 された. 症例 2 は,5-FC 8 g 日と AMPH 20 mg 日の併用後に 部分切除術を施行した.症例 9 は約 1 カ月間で結節影が 自然消退した.いずれの治療においても再発はなかった. 考 案 肺ク症は,Cryptococcus neoformans による慢性もし くは亜急性の経過をとる比較的稀な感染症で,基礎疾患 のない健常人に発症する場合と糖尿病,後天性免疫不全 granuloma であった.胸部 CT での明瞭な辺縁は,病巣 症候群(AIDS)等の何らかの基礎疾患を有する患者に 周囲の平滑な線維性被膜に対応し,空洞は病巣中心部の 発症する場合がある.感染経路は気道より侵入し,胸膜 壊死に対応した(Fig. 1A,B,C) . 下に初感染巣をつくり,ときに全身に散布される. 胸部 CT で辺縁が不整・明瞭で,spicula を認めない 2 肺ク症は,男性に圧倒的に多く,半数以上が無症状で 例(症例 3,4)も,病理組織学的には peripheral pulmo- 検診などで偶然に発見されることが多い6).今回の検討 nary granuloma であった.不整な辺縁は,被膜の不整 でも男性にやや多く,1 例を除き無症状で胸部異常影と に対応した. して発見された. 一方,胸部 CT で辺縁不整・不明瞭または辺縁不整・ 胸部単純 X 線像は,内田らの集計6)によると腫瘤影 72 674 日呼吸会誌 38(9) ,2000. %,浸潤影 24%,粟粒小結節散布影 2% で,腫瘤影の monia では肺癌と鑑別を要する胸部 CT 像を呈する可能 大きさは平均 3.9 cm 大であった.自験例も結節影が 75 性が示唆された.尚,今回の検討では,切除例はいずれ %で最も多かったが,その大きさは 83% が 2 cm 大以 も基礎疾患がないために,宿主の免疫能と病理組織像の 下で,従来の報告に比較して著しく小型であった.空洞 関係は明らかではなかった. から多いものでは 70% まで 内田らは6),肺ク症の術前診断率を 51% と報告してお の報告があり,自験例では 33% であった.病巣部位は り,自験例は 41% で若干低かった.その理由として, 下葉にやや多く,単発が大部分であると報告されてお 自験例は大部分が小型の結節影を呈したことと,胸膜下 形成は本邦では約 30% 2) 6) 7) 1) 8) 6) 8) り ,今回の我々の検討結果と一致している. の結節影に対して最近では胸腔鏡下肺生検を積極的に施 今迄に肺ク症の胸部 CT 所見に関する詳細な検討は中 2) 行したこと,などが考えられた. 島らの報告 のみで,彼等によると,肺ク症は,肺野末 肺ク症におけるラテックス凝集反応による血清クリプ 梢背側領域から発生することが多く,孤立腫瘤影を呈す トコッカス抗原の検出感度は 81.8% と報告 さ れ て い るものは肺癌または肺結核の所見と類似していると報告 る12).しかし,今回の検討では血清クリプトコッカス抗 している.自験例も全例が肺野末梢領域に存在し,67% 原が測定された 4 例中 1 例(25%)のみしか陽性となら が胸膜と接しており,肺ク症の気道を介する感染経路を なかった.クリプトコッカス抗原陽性の症例 12 は,胸 裏付けているものと考えられた.胸部 CT 所見で肺ク症 部 CT では浸潤影を呈し,陰性の 3 例は単発または多発 に特異的なものはなく,空洞や散布巣を認めた症例では, 結節影であった. 最近松山らは13),肺ク症患者 10 例中, 肺結核との鑑別が困難であり(症例 1,2,4,5) ,辺縁 血清クリプトコッカス抗原は 7 例が陽性で,陰性であっ 不整で spicula,病巣内気管支透亮像,末梢血管収束, た 3 例は全例胸部 X 線写真上単発性結節影を呈してい 胸膜陥入像を認めた症例では,肺癌との鑑別が困難で たと報告しており,結節影を示す肺ク症における血清ク あった(症例 6,7,8) . リプトコッカス抗原の検出は困難であり,更なる検出法 5) 肺ク症の病理所見分類には,McDonnell ら ,Mark ら9),伊藤らの10)分類等がある.このうち McDonnell ら の検討が必要と考えられた. 本論文の要旨は第 37 回日本胸部疾患学会総会で発表した. の分類は,肺ク症の病理所見を Intracapillary interstitial 文 involvement,Massive pulmonary involvement,Granulomatous pneumonia,Pulmonary peripheral granuloma の 4 型に分けるもので,自験例の病理所見とよく対応し たため,今回の検討で用いた.Intracapillary interstitial 献 1)道津安正,真崎美矢子,増山泰治,他:原発性肺ク リプトコッカス症 11 例の臨床像と内科的治療成績. 日胸疾会誌 1989 ; 25 : 229―239. involvement はびまん性に肺胞毛細血管内および間質に 2)中島秀行,島 智子,臼杵則朗,他:原発性肺クリ クリプトコッカスを認め,僅かに炎症反応を伴うかまた プトコッカス症の CT 所見の検討.日本医放会誌 は伴わない形態である.Massive pulmonary involve- ment は多数のクリプトコッカスが炎症反応を伴わずに 肺胞腔内および血管内に充満する形態である.Granulomatous pneumonia は肺胞腔内の肉芽腫とその周囲に 1995 ; 55 : 1032―1037. 3)西田有紀,千場 博,瀬戸貴司,他:原発性クリプ トコッカス症の検討―特に検診等で発見された無症 候例に関して―.日呼吸会誌 1999 ; 37 : 614―617. 4)日高利昭,一瀬一郎,田村和夫,他:肺クリプトコ 種々の程度の炎症反応を伴うもので,McDonell らは肺 ッカス症の 4 例―画像と病理の比較を中心に―.日 ク症に最も頻度の高い病理組織像であると報告してい 胸疾会誌 1997 ; 35 : 129―135. る.Pulmonary peripheral granuloma は被包化された 肉芽腫で,剖検等で偶然みつかることが多く,ときに結 5)McDonell JM, Hutchins GM : Pulmonary cryptococcosis. Hum Patho 1985 ; 16 : 121―128. 核様の乾酪壊死巣や空洞形成が認められる10).前 2 者は 6)内田達夫,今泉宗久,浅岡峰雄:原発性肺クリプト AIDS などの重篤な基礎疾患を有する患者に全身の播種 コッカス症―症例報告と本邦 115 例の検討―.日胸 性クリプトコッカス症として発症し,後 2 者は抗酸菌症 外会誌 1987 ; 48 : 639―644. のスペクトラムに類似した肉芽腫性反応を伴う形態であ 11) る .自験例には重篤な基礎疾患を有し播種性クリプト コッカス症を呈した症例はなく,切除例の病理組織像は 5 例が pulmonary peripheral granuloma で,3 例が granulomatous pneumonia に相当した.これらの病理組織 像の相違点が画像所見に反映され,主として peripheral pulmonary granuloma では肺結核,granulomatous pneu- 7)倉澤卓也,池田宣昭,佐藤敦夫,他:肺クリプトコ ッカス症の臨床的検討.感染症学雑誌 1998 ; 72 : 352―357. 8)高崎雄司,衛藤寿仁,近藤哲理,他:原発性肺クリ プトコッカス症の 1 自験例と本症本邦 41 例の検討. 呼と循 1980 ; 28 : 1007―1014. 9)Mark EJ : Lung Biopsy Interpretation. Baltimore : 肺クリプトコッカス症の臨床病理学的検討 Williams and Wilkins, 1984 ; 50. カス症診断用ラテックス試薬の開発と評価.Jpn 10)伊藤 誠,発地雅夫:クリプトコッカス症の病理. 675 J Med Mycol 1989 ; 30 : 211―221. 病理と臨床 1991 ; 10 : 1288―1295. 13)松山 航,溝口 亮,岩見文行,他:肺クリプトコ 11)田村厚久,松原 修,蛇沢 晶,他:クリプトコッ ッカス症 15 例の臨床的検討―血中抗 HTLV-I 抗体 カス症における肺病変の病理形態像の検討.日胸疾 陽性者と陰性者の比較―.日呼吸会誌 1999 ; 37 : 会誌 1994 ; 32 : 1149―1157. 109―114. 12)篠田孝子,池田玲子,西川朱實,他:クリプトコッ Abstract A Clinicopathological Study of Pulmonary Cryptococcosis ―Chest CT and Pathologic Correlation― Kazuma Kishi1), Sakae Homma1), Atsuko Kurosaki2), Masateru Kawabata1), Eiyasu Tsuboi1), Koji Narui1), Tatsuo Nakatani1), Sayuri Tanaka3)and Koichiro Nakata1) 1) Divisions of Respiratory Diseases, 2)Diagnostic Radiology, and 3)Pathology, Toranomon Hospital, 2―2―2 Toranomon, Minato-ku, Tokyo 105―8470, Japan We reviewed the clinicopathological features in 12 patients(7 males and 5 females ; mean age 54 yr)with pulmonary cryptococcosis. Eleven of the patients were asymptomatic and the disease was detected by chest radiograph abnormalities. The underlying systemic disease had been diagnosed as diabetes mellitus in two. Chest CT scans showed a solitary nodule in 9 of the 12 patients, multiple nodules in 2, and infiltration in 1. The nodular diameter was less than 2 cm in 10 of the 12. All nodules were located in the subpleural region. On the chest CT, cavitary nodules, scattered nodules, or both, and spiculated nodules were difficult to distinguish from pulmonary tuberculosis and primary lung cancer, respectively. According to McDonnell's pathological classification of pulmonary cryptococcosis, the resected 8 lungs revealed peripheral pulmonary granuloma in 5 and granulomatous pneumonia in 3. It is important to perform a pathological examination for the diagnosis of pulmonary cryptococcosis to avoid misdiagnosis as lung cancer or pulmonary tuberculosis.
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