06月(PDF:186KB) - 愛媛県

26 愛防第 21-1 号
平成 26 年 5 月 27 日
各関係機関・団体長 様
愛媛県病害虫防除所長
病害虫発生予察情報について(送付)
このことについて、6月の予察情報を送付します。
病害虫発生予報(6月)
平成 26 年 5 月 27 日
愛
媛
県
1 気象予報(高松地方気象台)
1ヶ月予報
5月 22 日発表(5月 24 日~6月 23 日)
< 確 率 >
地
域
低い(少ない)
平 年 並
高い(多い)
要
素
気
温
四国地方
20
40
40
降 水 量
四国地方
40
40
20
日照時間
四国地方
20
30
50
< 概 要 >
天気は数日の周期で変わりますが、平年に比べ晴れの日が多いでしょう。
向こう1か月の平均気温は、平年並または高い確率ともに40%です。降水量は、平年並または少
ない確率ともに40%です。日照時間は、多い確率50%です。
2 病害虫の発生予想
水 稲
(1) いもち病(葉いもち)
ア 予報の内容
発生量:並
イ 予報の根拠
(ア) 定点調査では、葉いもちの発病を確認していない。
(イ) BLASTAM による葉いもちの感染好適条件は、5月1~20 日には県下で出現していない(病
害虫防除所ホームページ掲載データを参照)
。
(ウ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発病を
助長する要因はみられない。
ウ 防除上の注意
(ア) 塩水選と種子消毒は必ず行う。なお、種子消毒に当たっては、①乳剤以外の長時間浸漬では処
理中1~2回攪拌すること、②処理後は風乾し薬剤を十分付着させること、③浸種後2~3日間
は水換えしないこと、③水換え時や浸種時の上下移動は静かに行うなどの基本事項を遵守する。
(イ) 苗いもちの防除対策では、①播種時の薬剤処理、②播種した籾を露出させない覆土量の確保、
③育苗中の多湿条件の回避、④発病の早期確認と薬剤処理などの基本事項を遵守する。
(ウ) 本田での窒素質肥料の過用は避ける。
(エ) 置苗は本田での葉いもちの伝染源になるので、ほ場内に放置しない。
(オ) 常発地での栽培や罹病性品種を植え付けする場合には、本病に登録のある育苗箱施用剤を必ず
処理する。
(カ) 平成 24 年に県下で QoI 剤(ストロビルリン系殺菌剤)に対して耐性を示すイネいもち病菌の
発生を確認したので、本剤(混合剤を含む)の使用を中止し、作用機作の異なる薬剤を選定する。
なお、平成 25 年の調査でも県内の一部地区で本剤耐性菌の発生を確認している。
(2) ヒメトビウンカ
ア 予報の内容
発生量:やや少~並
イ 予報の根拠
(ア) 昨年は普通期栽培で並発生であり、4月に行った畦畔(4 箇所)
、休耕田(9 箇所)における本
虫の捕獲調査(捕虫網 20 回すくい取りによる成・幼虫数調査)では、畦畔は 0 頭(昨年:0.00
頭、一昨年:0.25 頭)
、休耕田は 0 頭(昨年、一昨年:0.00 頭)と捕獲虫はみられなかった。
ウ 防除上の注意
(ア) 畦畔・休閑田では6月上旬までに雑草を刈り取り処分する。
(イ) 本虫に登録のある育苗箱施用剤を処理し、初期防除を徹底する。
1
かんきつ
(1) かいよう病
ア 予報の内容
発生量:並
イ 予報の根拠
(ア) 2月に伊予柑を対象に行った越冬病斑調査では、
発生ほ場率が41.29%、
発病度が3.72であり、
平年並の発生となっていた。ただし、南予地域では発生園地が多く、東・中予地域と発生差がみ
られていた。
(イ) 5月の定点調査における発病は確認されなかった(発病度の平年値:0.05、発病葉率の平年値:
0.30%)
。
(ウ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発病を
助長する要因はみられない。
ウ 防除上の注意
(ア) 園地に残存する夏秋梢などの罹病枝葉を除去し、病原菌密度を下げる。
(イ) 強風により付傷すると発病が助長されるため、防風垣や防風ネットを整備する。
(ウ) 幼果への感染防止のため、梅雨期の薬剤防除を徹底する。
(エ) 食害痕が病原細菌の侵入箇所となるミカンハモグリガの防除を徹底する。
(オ) 新品種(
‘甘平’
、
‘ はれひめ’等)については、本病に対する感受性が高いので注意する。
(2) そうか病
ア 予報の内容
発生量:少~やや少
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査における発病度は 0.02 であり、平年(0.18)より低く、発病葉率は 0.05%で
あり、平年(0.65%)より低くなっている。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発病を
助長する要因はみられない。
ウ 防除上の注意
(ア) 罹病枝葉の除去を徹底する。
(イ) 常発園、幼木園、高接ぎ更新園の温州みかんでは、発病増加に注意し、梅雨期の防除を徹底す
る。フロンサイド剤を使用する場合は皮膚かぶれに注意する。
(ウ) 発病葉が多く見られている多発園では6月中~下旬に追加防除を行う。
(3) 黒点病
ア 予報の内容
発生量:並
イ 予報の根拠
(ア) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発病を
助長する要因はみられない。
ウ 防除上の注意
(ア) 枯死枝の除去を徹底する。
(イ) 梅雨入り前の防除を徹底する。なお、マンゼブ剤およびマンネブ剤の散布間隔は累積降水量が
200~250mm(または散布後 30 日)に達した時である。ただし、本病に対して罹病性が高い品
種‘せとか’
、
‘ 河内晩柑’
、
‘清見’
、
‘ 天草’等の散布間隔は累積降水量約 180mm(または散
布後 25 日)とする。
(4) ミカンハダニ
ア 予報の内容
発生量:やや少~並
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査における寄生葉率は、先月よりやや増加したが平年より低く、1葉当たり雌成
虫数は先月と同等であり、平年より少なくなっている(下表参照)
。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発生に
は助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 園内の早期多発樹で、1葉当たりの雌成虫が平均2~3頭に達した時期が防除の目安となる。
(イ) 薬剤は、掛けむらのないように丁寧に散布する。
2
定点調査におけるミカンハダニの発生状況
寄生葉率(%)
調査時期
本年
0.69
5月
平年
3.60
本年
0.50
4月
平年
2.86
注:平年は H16~25 年の平均値。
1葉当たり雌成虫数
0.01
0.09
0.01
0.16
(5) ヤノネカイガラムシ
ア 予報の内容
発生時期:やや早
イ 予報の根拠
(ア) 第1世代幼虫の初発は、八幡浜市では5月第2~3半旬、松山市では5月第4~5半旬である
ため、全県的には平年並となっている。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発生に
は助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 防除時期は初発の 30~35 日後であるが、
アプロード剤を使用する場合は 20~25 日後となる。
(イ) アプロード剤、スプラサイド剤の感受性低下が疑われる園地では、他系統の薬剤を使用する。
(6) アブラムシ類
ア 予報の内容
発生量:やや少
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査における寄生新梢率は 0.40%であり、先月(0.00%)から増加したが、平年
(2.67%)より低くなっている。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発生に
は助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 新梢での発生に注意し低密度時に早めに防除する。特に幼木や高接ぎ樹では発生に注意する。
か き
(1) 炭疽病
ア 予報の内容
発生量:並
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査における新梢での発病はみられていない(発病新梢率の平年値:0.02%)
。
(イ) 3~4月の広域調査(全県:110 園地)において、剪定後であっても発病枝(越冬病斑)の残
存を確認していた。
(ウ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発病に
は抑制的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 園内をこまめに観察し、発病枝は早期に除去する。
(イ) 梅雨期は発病に好適な時期であることや発病後の薬剤の防除効果は低いことを念頭に置き、幼
果への病原菌の感染防止のために薬剤防除を徹底する。
(2) うどんこ病
ア 予報の内容
発生量:並
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査では発病はみられていない(発病葉率の平年値:0.52%)
。また、昨年は少発
生であったため、子のう殻密度(本菌越冬量)は平年より低いものと推察される。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発病に
は助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 通風、採光を図り園内の排水を良くする。
(イ) 梅雨期の薬剤防除を徹底する。薬剤防除では、薬液が葉裏にもかかるよう丁寧に散布する。
(3) カキノヘタムシガ
ア 予報の内容
発生時期:やや早
イ 予報の根拠
(ア) 宇和島市における成虫の初発期は、5 月第3半旬(一昨年:5 月第5半旬、昨年は極少発生の
ため判定不能)である。
3
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発生に
は助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 第1世代幼虫に対する1回目の防除時期は6月上~中旬である。なお、昨年多発した園地では
その2週間後に2回目の防除を行う。
(4) フジコナカイガラムシ
ア 予報の内容
発生量:やや少~並
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査における寄生花(蕾)率は 0.44%であり、昨年(0.11%)より高いが、平年
(0.75%)より低くなっている。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発生に
は助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 第1世代幼虫の防除を徹底し、6月中~下旬に1回目の防除を行う。なお、常発園や多発園で
はその3週間後に第2回目の防除を行う
果樹共通
(1) カメムシ類(うめ、もも、びわ、キウイフルーツ、なし、すもも、かんきつ、かき等)
(平成 26 年3月 17 日付け平成 25 年度病害虫発生予察注意報第2号参照)
ア 予報の内容
発生量:甚
イ 予報の根拠
(ア) 2月に県下 40 ヵ所で行った落葉中のチャバネアオカメムシの越冬密度は、県下平均で 2.63
。また、
頭/2m2であり、最近 10 年間で最も高かった(越冬密度の平年値:0.57 頭/2m2)
越冬確認地点率は 55.00%(平年:23.87%)
、越冬頭数は最大 13 頭/2m2と高かった。
(イ) 集合フェロモントラップにおける誘殺数は、全体では平年並で推移しているが、5地点の内、
2地点で平年値を超え始めている(病害虫防除所ホームページ掲載データを参照)
。
(ウ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、園地へ
の飛来には助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) もも、なし等の果樹では早めに袋掛けする。
(イ) 曇天で夜温があまり下がらない日、山林に近い園地に集中飛来する傾向があるため、園内への
飛来に注意し、飛来確認後は早急に防除する。
(ウ) 園内で飛来を確認した場合には薬剤散布を行う。
野 菜
(1) 黄化えそ病(冬春きゅうり・夏秋きゅうり)
ア 予報の内容
発生量:やや少
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査における発病は認められなかった(発病株率の平年値:0.60%)
。
(イ) 5月の定点調査における媒介虫のミナミキイロアザミウマの寄生虫数は 0.03 頭/10 葉であり、
先月(0.02 頭/10 葉)と同等であったが、平年(1.29 頭/10 葉)よりは少なくなっている。
(ウ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、媒介虫
のミナミキイロアザミウマの発生には助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 発病株は直ちに抜き取り、適切に処分する。栽培を終了する場合にはきゅうりの株元を切断し
ハウスを密閉して蒸し込み処理を行い、媒介虫の夏秋きゅうりへの分散を防ぐ。
(イ) 媒介虫の卵・蛹には薬剤の効果が劣るので、発生ほ場では5~7日間隔で2~3回防除する。
(ウ) 媒介虫は雑草等でも増殖するので、ほ場内外の除草を徹底する。
(エ) 今後定植する夏秋きゅうりについては、定植時にアザミウマ類に登録のある粒剤を処理する。
(2) べと病(冬春きゅうり)
ア 予報の内容
発生量:少
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査における発病葉率は 6.17%であり、先月(0.00%)より増加したが、平年
(10.39%)より低くなっている。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発病に
はやや抑制的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 換気を図り、多湿を防ぐ。
4
(イ) 草勢の低下は発病を助長するので、適正な肥培管理に努める。
(ウ) 老化葉はできるだけ除去し、通風を図る。発病葉は除去し伝染源の減少に努める。
(エ) 薬剤防除に当たっては、薬液が葉裏までかかるよう丁寧に散布する。
(3) うどんこ病(冬春きゅうり)
ア 予報の内容
発生量:やや少
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査における発病葉率は 1.33%であり、先月(1.83%)よりやや減少し、平年
(9.87%)より低くなっている。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発病に
はやや助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 葉裏、葉柄まで菌叢が広がると薬剤防除が困難となるため、病勢が進展した発病葉は可能な限
り除去する。
(イ) 窒素過多を避ける。
(ウ) 発病初期の防除に重点を置き、薬液が葉裏までかかるよう丁寧に散布する。
(4) 褐斑病(冬春きゅうり)
ア 予報の内容
発生量:少~やや少
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査における発病葉率は 3.67%であり、
先月
(1.17%)より増加したが、
平年(12.07%)
より低くなっている。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、このま
まの発病が続くものとみられる。
ウ 防除上の注意
(ア) 換気を図り、多湿を防ぐ。
(イ) 草勢の低下、窒素質肥料の過用は発病を助長するので、適正な肥培管理に努める。
(ウ) 老化葉はできるだけ除去し通風を図る。発病葉は除去し伝染源を減少させる。
(エ) 栽培終了時期を勘案しながら定期防除に努め、薬液が葉裏までかかるよう丁寧に散布する。
(5) 灰色かび病(冬春トマト、冬春なす、冬春いちご)
ア 予報の内容
発生量:少~やや少
イ 予報の根拠
(ア) 冬春トマト:5月の定点調査における発病果率は先月と同等であるが、平年より低くなってい
る(下表参照)
。
冬春なす:5月の定点調査における発病は確認されていない。
冬春いちご:5月の定点調査における発病果率は先月より減少したが、平年並となっている(下
表参照)
。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発病に
はやや抑制的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 換気を図り、多湿を防ぐ。
(イ) 過繁茂や軟弱な成育は発病を助長するので、適正な潅水や肥培管理に努める。
(ウ) 発病果や枯死茎葉は早めに除去する。なお、葉枯れ箇所に本病原菌の菌叢を生じている場合に
は、ハウス内での病勢が進展しているものと判断される。
(エ) 耐性菌の発生を防ぐために同一系統の薬剤の連用を避け、ローテーション使用を心掛ける。
定点調査における灰色かび病の発生状況
冬春なす
冬春トマト
調査時期
(発病果率 %)
(発病果率 %)
本年
0.20
0.00
5月
平年
0.38
0.12
本年
0.20
0.00
4月
平年
0.16
0.15
注:平年は H16~25 年の平均値。
(6) 黄化葉巻病(冬春トマト・夏秋トマト)
ア 予報の内容
発生量:並
イ 予報の根拠
5
冬春いちご
(発病果率 %)
0.30
0.26
0.64
0.42
(ア) 冬春トマトの5月の定点調査における発病は確認されていない(発病株率の平年値:0.03%)
。
媒介虫のタバココナジラミの寄生株率は 4.20%であり、先月(2.20%)より増加し、平年(0.73%)
より高くなっている。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、媒介虫
のタバココナジラミの発生には助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 発病株は発見次第速やかに抜き取り、肥料袋に詰めたり、土中に埋めるなど適切に処分する。
(イ) 媒介虫に対し、定期的な薬剤防除を行う。なお、薬剤感受性の低下を防止するため、同一系統
の薬剤の連用は避け、ローテーション使用を心掛ける。
(ウ) 媒介虫のハウス内侵入を防ぐため、ハウス開口部に防虫ネット(0.4mm 目以下が望ましい)
を被覆する。また、紫外線除去フィルムを組み合わせると効果的である。
(エ) 媒介虫は多くの植物に寄生するため、ほ場内外の除草を徹底する。
(7) 葉かび病(冬春トマト・夏秋トマト)
ア 予報の内容
発生量:少
イ 予報の根拠
(ア) 冬春トマトの5月の定点調査における発病は確認していない(発病株率の平年値:15.70%)
。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発病に
はやや抑制的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 草勢が衰えると発生が多くなるので、肥切れしないように適正な肥培管理に努める。
(イ) 発病初期には下葉より発病すること、二次感染を防ぐためには定期防除(7~10 日間隔)が
必要なことを念頭に置き、初期防除に重点を置く。
(ウ) 抵抗性品種作付けほ場であっても定期的な薬剤散布を疎かにしない。また、薬液が葉裏までか
かるように丁寧に散布する。
(8) うどんこ病(いちご育苗床)
ア 予報の内容
発生量:少
イ 予報の根拠
(ア) 5月の定点調査におけるハウス内の発病葉率は 0.40%であり、先月(0.00%)より増加したが、
平年(3.59%)より低くなっている。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、このま
まの発病が続くものとみられる。
ウ 防除上の注意
(ア) 葉の過繁茂による発病助長を防ぐためと薬剤の付着性を高めるため下葉は適宜除去する。
(イ) 葉裏を十分に観察し、発病初期の防除を行う。薬剤散布は、薬液がランナーの先端部や葉裏ま
でかかるように丁寧に行う。発病によって葉が巻き上がるまで放置しないように注意する。
(9) 炭疽病(いちご育苗床)
ア 予報の内容
発生量:並
イ 予報の根拠
(ア) 県内では罹病性品種が多く栽培されている。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、このま
まの発病が続くものとみられる。
ウ 防除上の注意
(ア) 親株の萎凋株は直ちに除去し伝染源を減らす。ランナー、小葉に病斑がみられる場合は株ごと
廃棄する。
(イ) 育苗時の主な発病時期は8~9月であるが、現時点から定期防除を実施し、親株から子苗への
感染防止(予防)に努める。
(10) アブラムシ類(野菜全般)
ア 予報の内容
発生量:やや少
イ 予報の根拠
(ア) 黄色粘着トラップによる有翅アブラムシの誘殺数は平年より少なく推移している(病害虫防除
所ホームページ掲載データを参照)
。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発生に
は助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) 新葉の葉裏などをよく観察して早期発見に努め、発生がみられたら早めに防除する。
6
(11) ハスモンヨトウ・オオタバコガ・シロイチモジヨトウ(野菜全般)
ア 予報の内容
発生量:並
イ 予報の根拠
(ア) 誘殺数はハスモンヨトウの一部の調査地点を除き平年並で推移している(病害虫防除所ホーム
ページ掲載データを参照)
。
(イ) 気象予報では、気温は平年並~高く、降水量は少ない~平年並とされていることから、発生に
は助長的である。
ウ 防除上の注意
(ア) ほ場内において早期発見に努め、若齢幼虫期の防除を心掛ける。
【病害虫発生予察情報】
愛媛県病害虫防除所ホームページでご覧になれます。
ホーム > 仕事・産業・観光 > 農業 > 鳥獣害・病害虫対策 > 愛媛県病害虫防除所
ホームページアドレスは http://www.pref.ehime.jp/h35118/2406/byocyubojo/index.html
【農薬使用時の注意】
◎農薬の選定にあたっては、農薬取締法に基づき登録された農薬から選定しましょう。
◎農作物の安全性を確保するため、農薬の使用にあたっては、適用作物、使用回数、
使用時期、使用濃度、使用量、使用方法等の使用基準を遵守しましょう。
◎病害虫等の発生を的確に把握し、適時適切な経済防除に努め、農薬や労力等の低投
入を図るとともに、低毒性農薬を使用しましょう。
◎農薬による防除のみに頼らず、耕種的防除法、物理的防除法及び天敵導入等を積極
的に取り入れた総合防除を推進しましょう。
◎同一薬剤の連用は耐性菌、抵抗性害虫の出現や助長をまねくので、農薬のローテー
ション使用を心掛けましょう。
◎農薬の使用にあたっては、当該散布場所の地形、当日の気象、養蚕、養蜂、その他
の環境条件を考慮し、周辺環境に影響の少ない薬剤を選定するとともに、危害の未
然防止や環境の保全に努め、農薬事故防止対策を徹底しましょう。
◎農薬を使用する際、農薬のラベルに記載された登録内容、使用上の注意事項等を遵
守し、農薬の散布にあたっては、農薬の種類に応じた保護具を必ず装着しましょう。
〔 表示事項の遵守 〕
① 適用がない食用農作物へは使用しないこと。
② 定められた使用量又は濃度を越えて使用しないこと。
③ 定められた使用時期(収穫前日数等)を守ること。
④ 定められた総使用回数以内で使用すること。
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