PowerPoint プレゼンテーション - 電通ワークス

“ISOを活用したBCPのススメ”
やがてくる。きっとくる。必ずくる。
その時に備えたBCPを考える。
2013.12.24
電通ワークス
ビル環境総合研究所
序 章
大規模なインシデントにより「事業が中断」すると、企業の存続を揺るがしかねない問題になる
ことは、東日本大震災で見られた幾多の事例から明らかです。
事業継続計画を、中小企業庁の定義に倣って、ゴーイングコンサーンのための、つまり倒産
しないための取り組みと解釈すれば、それは「最上位の経営課題」として位置づけられることに
なります。
事業継続計画とは、「事業体として、継続するという目的のために、共有化された信念と姿勢を
表したもの」とも言えます。
昨年発行された事業継続計画に関する「ISO22301」では、従来の考え方を踏まえながらも実効
性を担保するための重要項目については明示的な取組みを求めている点に、大きな特徴があり
ます。
このISOの理念に沿った形で、計画策定や見直し改善活動にそれをうまく活用していくことが
できるならば、有効かつ有意な事業継続計画が実現するのではないか、我々はそう考えました。
常に、「最新の理解に基づく先を見越したアプローチ」により、事業継続計画を策定・是正し
ていくことこそが今まさに、求められていることと認識しているからです。
本資料は、ISO22301の認証取得か、もしくは考え方に準じることが如何に効果的か、そのメリットを様々な角度
から徹底研究したものです。
ご一読いただき、今後の取組みへのひとつの契機になり得るならば 望外の幸せです。
1
目次
第
一
章
第
二
章
はじめに
3
南海トラフ巨大地震の被害想定
4
あなたの会社・ビルは大丈夫ですか?
5
第
三
章
ISO22301認証件数
21
ISO22301認証取得まではしないけれど
22
ISO22301認証の評価方法
23
耐震改修促進法改正 概要
6
建築基準法改正 概要
7
簡便なプライベート認証のススメ
24
消防法改正 概要
8
ビル管理版 プライベート認証の構成
25
東京都「防災都市づくり」 概要
9
26
これまでのBCPの問題点
10
ビル管理版 ISO22301規格読替え
ISO22301(BCMS)規格化の背景
11
同上(例)
ISO22301とは?
12
ISO22301のメリット
ISO22301のここがポイント(1)~(4)
BCP運用力を担保する資格制度
「国」も後押し!(1)~(2)
13
14~17
18
19~20
第
四
章
27~30
ビル管理BCP運用力の指標 事業継続計画書(例)
31
ビル管理BCP運用力の指標 予防点検、予防処置、復旧作業(例)
32
ビル管理BCP運用力の指標 設備毎の目標復旧時間の設定(例)
33
ビル管理BCP運用力の指標 建物設備のチェックシート(例)
34
ビル管理BCP運用力の指標 訓練シナリオ(例)
35
はじめに
内閣府の有識者会議は2013.5.28にM9クラスの南海トラフ巨大地震の最
終報告を発表しました。当報告書は「地震の規模や発生時期を高い確度で
予測することは困難である」とし事前防災が極めて重要との考え
方を示しました。
<有識者会議の主な提言>
◆水や食料などの備蓄を1週間以上確保
◆迅速かつ主体的に避難行動が取れるよう「自助」「共助」の取組みを強化
◆総合的な津波対策が丌可欠
◆重要施設は高台への事前移転
◆住宅・建築物の耐震改修・重要インフラの耐震化の強化
一過性の取組みとなってしまっている防災計画では、いざという時に
機能しません!!
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
3
南海トラフ巨大地震の被害想定
南海トラフ巨大地震の
◆被害想定額は220兆円
◆最悪の場合死者想定は32万人
2013.3.19
◆関東大震災の約3倍
◆東日本大震災の約20倍
◆日本の災害史上、記録のない規模
に達する想定
2012.8.30
讀賣新聞 朝刊 引用
讀賣新聞 朝刊
引用
有識者会議は「市民の避難が早く、津波避難ビルなどが有効に機能すれば、
被害は大幅に減らせる」と指摘
今、機能する対策が求められています
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
4
あなたの会社・ビルは大丈夫ですか?
会社の指示・計画等が
明確なほど混乱尐ない
首都直下型地震で帰宅
困難者が448万人発生
東京消防庁が「待機」基準
を明示
Q:3.11はどこにいた?
建物の待機者が増加
●東京都防災都市づくり
南海トラフによる死者32
万人、220兆円を想定
備蓄がポイント
女性必須の備蓄品
防災、減災
Q:どんな備蓄品が役だった?
あたなの会社・ビルは
大丈夫ですか?
Q:ビル管理会社は
大丈夫?
ビル管理会社の
BCP運用力
事業継続
ISOを活用したBCP
(企業価値向上)
ⓒ株式会社電通ワークス
Q:あなたは
帰る派?残る派?
家族との安否確認
Q:ビルオーナーに訊いてみよう?
「釜石の奇跡」:自
分の命は自分で
「国」の最新動向
Q:それでもあなたは
帰る派ですか?
●耐震改修促進法改正
(2013.11.25施行)
●建築基準法改正
(2014.4.1施行)
●消防法の改正
(2014.4.1施行)
ビル環境総研レポート
家族でルールを決めて
いますか?
Vol.4
5
国の最新動向
耐震改修促進法改正 概要
大規模な地震の発生に備えて、建築物の地震に対する安全性の向上を一層促進
するため、地震に対する安全性が明らかでない建築物の耐震診断の実施の義務
付け、耐震改修計画の認定基準の緩和等の所要の措置が講じられました。
建築物の耐震化の促進のための規制強化

耐震診断の義務化・耐震診断結果の公表
(1)病院、店舗、旅館等の丌特定多数の者が利用する建築物及び学校、老人 ホーム等の避難弱
者が利用する建築物のうち大規模なもの等
(2)地方公共団体が指定する緊急輸送道路等の避難路沿道建築物
(3)都道府県が指定する庁舎、避難所等の防災拠点建築物
全ての建築物の耐震化の促進

マンションを含む住宅や小規模建築物等についても、耐震診断及び必要に応じた耐震改修の努力
義務を創設
(参考) 朝日新聞が全国の主要100社 ( BCP策定済み90社 ) に行った主要拠点の耐震化調査ほかの結果 (2013.12.16)

主要拠点の耐震化・免震化済み 64社

耐震診断したが対策未実施 23社

耐震診断未実施 9社

無回答 4社
ⓒ株式会社電通ワークス
<経営トップのコメント>


インフラが途絶えるとBCPも思うように
機能しない
耐震補強に莫大な投資が必要
ビル環境総研レポート
Vol.4
多くはBCPを見直すなど災害対策
を強化していたが、事業継続の前
提となる対策の遅れが浮き彫りに
なった。
6
国の最新動向
建築基準法改正 概要
平成23年に発生した東日本大震災では、大規模空間を有する建築物において天
井が脱落した事故が多数生じ、またエスカレーター等の脱落事故が多数確認され
ました。建築物等の更なる安全性を確保するため、建築基準法が改正され2014
年4月1日から施行されます。
 特定天井に対する脱落防止措置の追加

特定天井とは脱落によって重大な危害を生ずるおそれがある天井として定義

特定天井で特に腐食、腐朽等のおそれがあるものは、防止措置をした材料の使用が義務化

特定天井の構造は、構造耐力上安全なものとして大臣が定めた構造方法を用いるか大臣認定を受けること

時刻歴応答解析及び限界耐力計算を行う場合、特定天井が地震その他の震動及び衝撃に対して構造耐力上
安全であること
 エレベーター等に対する脱落防止措置等の追加

エレベーター及び遊戯施設は、釣合いおもりについて地震その他の震動により脱落するおそれがないものとして
大臣が定めた構造方法を用い、構造計算により地震その他の震動に対して構造耐力上安全であること

エスカレーターの構造は、地震その他の震動によって脱落するおそれがないものとして大臣が定めた構造方法を
用いるか大臣認定を受けること
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
7
国の最新動向
ⓒ株式会社電通ワークス
消防法改正 概要
ビル環境総研レポート
Vol.4
8
東京都の最新動向
東京都「防災都市づくり」 概要
東京都は、2013年4月1日に「都市開発諸制度活用方針」と各制度の運用基準
などを改定しました。首都直下型地震等の大規模な地震その他の大規模災害時
に、建築物の自立性の確保を促すとともに、帰宅困難者のための一時滞在施設
の確保を図ることにより、「防災都市づくり」の強化を推進しています。
改定内容 : 防災都市づくりに寄不する取組
大規模災害時における建築物の自立性確保の推進
一定規模以上の防災備蓄倉庫及び一定レベル以上の自家発電設備の整備
を都市開発諸制度の適用条件とする
「自助」が出来ない建物は容積率緩和などのメリットを受けられない
帰宅困難者のための一時滞在施設の確保の推進
一定の基準を満たした一時滞在施設を整備した場合、その整備面積の一定
割合について容積率の割増しをする
「共助」の観点から外部の帰宅困難者を受け入れることを評価
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
9
これまでのBCPの問題点
日本では、東日本大震災を始めとする災害や新型インフルエンザの発生をきっ
かけに事業継続という考え方が広まり、「まずはBCPを作る」ということが繰り返
されてきました。なぜBCPを作ることが繰り返されてきたのでしょ
うか?
答えは簡単! 従来のガイドラインはPDCAの記述に触れながらもBCP
の策定までを中心とした記述が目立ち、「組織への定着」が目的とされて
いなかったからです。
BCP取組上の問題点として
◆担当者が兼務で手薄
◆進め方がわからない
◆被害想定や影響度分析ができていない
というような悩みを抱えておりませんでしょうか?
このような課題の解決を目指した規格が”ISO22301”なのです。
昨年の5月15日に発行され、発行から1年半が経過しています。
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
10
ISO22301(BCMS)規格化の背景
従来のガイドラインでは、BCPの策定までを中心とした記述となっていましたが、
ISOでは平時の改善を確実に進めていくマネジメントシステムの適用を、より具
体的に示しています。単に計画が策定されていれば良い時代が終わり、組織に
定着させることが強く求められる新時代に入ったと言えます。
◆グローバルスタンダードの
「ISO22301」は
普及
2012年5月に発行され、
◆BCMのベストプラクティス
の共有化のニーズ

ビジネスインパクト分析

リスクアセスメントなど
◆サプライチェーンのBCM
国
際
的
な
要
求
日本工業標準調査会の
審議を経て2013年10月に
「JIS Q
22301」として制定
強化の要請
ISO22301:国際規格
◆差別化や競争力強化
ⓒ株式会社電通ワークス
JISQ22301:国家規格
ビル環境総研レポート
Vol.4
11
ISO22301とは?
ISO22301は、災害、事故などによって事業活動が中断・阻害した事
態が発生したのち、早期に重要な業務を継続、再開させる能力を確
立し、定着させるために、全ての組織がやるべきことを書いた処方箋
である。そのために、事業継続計画のノウハウを、PDCAサイクルを活
用したマネジメント手法を使って、全ての組織に導入できるマネジメン
トシステム規格として策定されている。
(一般財団法人日本規格協会)
ISO22301の構成
(一般財団法人日本情報経済社会推進協会 事業継続の手引に加筆)
<ポイント>
Do(運用)のステップに※「演習及び試験」が
規定されている。
ポイント
※ISOでは「演習・試験」の国際規格の検討を進めています
<理由>
従来のBCPは計画策定が目的となっていま
したが、これからのBCPは、黙っていても行
動できるような「組織への定着状態」を強く求
めています。
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
12
ISO22301のメリット
第三者認証にも使える継続的改善の国際規格
●妥当性のお墨付きが得られる、自己流のチェックでは限界
●国際規格であり、用語も共通言語なので説明丌要
ステークホルダーへの防災・危機対応に関する説明責任が果たせる
●防災・危機対応力が今後取引先の選定の要素の一つに挙げられるかも
現場の参画意識の確立、高揚につながる
●マインド連携が高まり、日常のイノベーションにもなり得る
サプライチェーンとの整合性が保てる
●目標復旧時間を自社で勝手に決めても意味がない
経営コミットメントになる
●企業市民としての社会的責任や社会貢献をアピールできる
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
13
ISO22301のここがポイント(1)
◆ビジネスインパクト分析とリスクアセスメント
 BCP策定の際の重要な作業がビジネスインパクト分析とリスクアセスメントです
 ビジネスインパクト分析では、事業活動の中で最優先で復旧すべき重要業務を
明確にし、その重要業務遂行に丌可欠な経営資源を特定します
 一方、リスクアセスメントは、最優先される重要業務を中断又は阻害する恐れ
のあるリスクを評価します
 社会的責任として、又は顧客との契約履行のために、企業として「許容できる
最大限度の中断時間」(MTPD)に達してしまう前に、重要業務を再開すべき目標
復旧時間(RTO)を設定します
 具体的な目標復旧時間(RTO)を掲げることで、より現実的で実践的な計画の策
定が可能になります
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
14
ISO22301のここがポイント(2)
◆事業継続のための戦略
 目標復旧時間(RTO)を達成するために、実際の取組みや対策を選択して実施す
ることが事業継続の戦略です
 被災で施設が使用できない事態が想定されれば、代替施設の確保が必要で
す
 目標復旧時間(RTO)内に復旧できない資源がある場合には、そのバックアップ
や代替を用意しなければなりません
 予想外の事態にも対応できるように柔軟性をもたせておくことが重要です
 優先順位の高い対応策から実施しておき、万一対応策が未実施でも、対応策
の選択肢をもっていることが、復旧を早める有効な手助けとなり得ます
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
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15
ISO22301のここがポイント(3)
◆事前対策、緊急事態対応と復旧対策の3段階
 「事前対策」
は、インシデント発生前の防災・減災対策のことです
 「緊急事態対応」
は、インシデント発生時に優先事業に絞って再開させる対応
と二次災害の防止対応のことです
 「復旧対策」
は、緊急事態が鎮静化した後の、平時の事業活動の復旧に向け
た対策のことです
 事前の防災対策が十分であったとしても、インシデント発生に備えた緊急事態
対応、復旧対策を準備しておかなければなりません
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ビル環境総研レポート
Vol.4
16
ISO22301のここがポイント(4)
◆演習・試験
 万一の災害・事故への備えとして策定したBCP
が、本当に機能するものかどう
かは、演習や試験を実施してみなければわかりません
 リアリティ溢れる演習や試験を定期的に実施し、問題点を抽出し改善していく
ことが「機能するBCP」定着の鍵です
◆マネジメントの枠組み
 BCP
を定着させるためには、全従業員を巻き込んだ取組みのBCMSの構築と
その実施運用体制を確立させることが重要です。
ISO22301はBCPにおける手順を具体的に示した手本集です。
効果的な計画策定のために、これをうまく活用しない手はないと
言えないでしょうか
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
17
BCP運用力を担保する資格制度
事業継続推進機構(BCAO)
 BCAO認定事業継続初級管理者(事業継続とは何かを理解できるレベル)
 BCAO認定事業継続准主任管理者(事業継続の担当者の役割を理解しているレベル)
 BCAO認定事業継続主任管理者(事業継続の推進の実務を担えるレベル)
日本リスクマネジャー&コンサルタント協会
 事業継続経営リスクマネジャー資格(研修1日+試験90分)
BCI(Business Continuity Institute: 事業継続協会)
 BCI認定資格(試験120分)
ISO審査員研修機関
 IRCA認定
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BCMS審査員コース(5日間/拡大コース3日間)
ビル環境総研レポート
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18
「国」も後押し!(1)
内閣府は昨今のBCP普及の状況、東日本大震災やタイにおけ
る水害の教訓、さらにはISO22301発行による国際動向を踏ま
えて「事業継続ガイドライン」を改定し、平成25年8月30日に発
行しました。
内閣府「事業継続ガイドライン」改定について 引用加筆
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
19
「国」も後押し!(2)
◆経済産業省では、我が国の共通課題である減災・省エネ対策と事業競争力・組
織力・ブランド力強化の実現のため、事業競争力ワーキンググループを発足させ
2013年4月に中間報告をまとめました。
 3.11の震災以降、災害等リスク対応やエネルギーコスト削減に取り組みながら事業競
争力を高めていくためには、個別組織の単位での取組では限界
 地域・業界・サプライチェーン等のグループ単位で協力・連携して取り組むことによってス
ケールメリットが見出せる解決策も多く、グループ全体の競争力強化にもつながる
 当事業は、災害時の事業継続(ISO
22301)やエネルギーマネジメント(ISO 50001)に
基づいた取組を支援することで、成功事例を抽出・分析、モデルとして共有することに
よってわが国の産業における競争力強化を促進
◆経済産業省では、「事業継続等の新たなマネジメントシステム規格とその活用等
による事業競争力強化モデル事業」を推進しています。
ISO22301がニッポンの事業競争力を強化する
日本工業標準調査会 標準部会・適合性評価部会管理システム規格専門委員会
事業競争力ワーキンググループ中間取りまとめより 平成25年4月
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
20
ISO22301認証件数
◆ISO22301認証件数(JISQ22301,BS25999-2含む)
は徐々に増加しています
ISO9001やISO14001同様に、今後は取引先選定の要素のひとつとして挙げられ、インシデント対応
力の強化が企業の競争力となりつつあるのかもしれません。
認定機関:日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
• 認証件数:47件(公表44件) 2013年11月20日現在
【認証事例】
• ㈱NTTファシリティーズ災害対策本部(災害対策室)
→ 顧客保有施設の日常保守業務、及び維持管理業務
• 適用範囲はデータセンター、システム保守業務などが多いのが現状
JIPDEC認定の認証機関
•
•
•
•
•
•
※JIPDEC認定以外の認証機関も多数活動中
日本品質保証機構
日本検査キューエイ
BSIグループジャパン
日本環境認証機構
ビューローベリタスジャパン
SGSジャパン
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
21
ISO22301認証取得まではしないけれど
◆ BCMS構築、運用において参考資料としてISO22301を
活用する企業は徐々に増加しています
<ISO22301の活用例> 東京海上日動リスクコンサルティング㈱ リスクマネジメント最前線2013No22
 BCMS構築を企画する際の参考資料として
 重要業務の選定手法やリスクアセスメントの確認資料として
 BCPを作成する際に文書に盛り込むべき要素のチェックリストとして
 教育・訓練、演習・試験を企画する際の着想のヒントとして
 内部監査を行う際の基準として
 取組み成果のパフォーマンス評価制度検討の参考資料として
 次年度以降の取組みを検討する際の基本的な視点の確認資料として
「ISO22301の認証取得まではしないけれど」
「簡便な認証機関からプライベート認証取得」は可能です。
第三者認証なので、「妥当性のお墨付き」は得られます。
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
22
ISO22301認証の評価方法
◆認証の評価方法には3パターン
通常の認証
あります
・審査機関が通常行うISO22301
の第三者審査での認証
・ただし適用範囲は広い
プライベート認証
ISO22301認証
・フルスペックでなくビル管理
やBCP運用力に関連がある
ISO22301の要求事項に絞って
審査機関が認証
・ただし公的ではない
アドオン認証
・ISO22301又は他のISOマネジメ
ント規格を使った通常審査を
ベースにBCP運用力に関連する
追加要求事項をアドオンして
審査機関が認証
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
23
簡便なプライベート認証のススメ
通常の認証
BCMSの主任審査員による審査
基準:ISO22301
フルスペックで審査
22301
登録証
ビル管理におけるBCP力のプライベート認証
予防点検・処置マニュアル
BCMSの主任審査員による審査
システム版
ISO22301(部分)
ビル管理版の場合
ISO22301(部分)
ビル管理に特化したスペックで審査
ⓒ株式会社電通ワークス
証明
BCMSの主任審査員による審査
ビル管理に特化したスペックで審査
+
電通ワークス指標
審査機関
設備の予防点検
ビル環境総研レポート
Vol.4
審査機関
証明
電通ワークス
点検結果
24
ビル管理版 プライベート認証の構成

3.11の教訓から特にビル管理に重
要な要求事項をピックアップ
審査基準
審査体制
ISO22301(ビル管理に読替え)
+
+
電通ワークスの
設備の予防点検
(アドオン用スペック)
設備予防点検基準

認証機関(例:日本能率協会・審査登録セン
ター)のBCMSの主任審査員が審査、
電通ワークスが技術コーディネーターとし
て審査チームに同行
電通ワークスの独自基準である
ビル管理BCP運用力の指標
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル管理に読替えたスペックで審査
ビル環境総研レポート
Vol.4
25
ビル管理版 ISO22301規格読替え
ISO22301(事業継続マネジメントシステム:BCMS)の要求事項は、あらゆる
国・地域の組織に適用できるように、汎用性の高い記述になっています。
例えば、都市圏で多くの人々が働く 「ビル」 を想定してみます
BCMSを 「ビル管理」 の視点から見てみます
ビル管理BCP運用力への規格読替えは簡単です
ビル管理に特化したプライベート認証に活用
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
26
ビル管理版 ISO22301規格読替え(例)
【前提】規格本文中の”組織”は”ビル管理会社(ビルオーナー)”へ読替えてみました
ISO22301要求事項
ビル管理のBCP運用力へ読替え
ポイント
4.組織の状況
4.1 組織とその状況
の理解
4.2 利害関係者のニーズ
及び期待の理解
4.3 BCMSの適用範囲の決
定
4.4 BCMS
-
利害関係者は”テナント”に絞り、ニーズ及び期待 ●事業継続計画書
は”ビル機能の早期復旧”に特化する。ビルに
●備蓄品リスト
よってはこれに、“備蓄品の充実度”が加わるかも ●テナントリスト
しれない。
適用範囲は”ビル本体”とする。
●設備予防点検マニュアル
-
5.リーダーシップ
5.1 リーダーシップ及び
コミットメント
5.2 経営者のコミットメ
ント
5.3 方針
5.4 組織の役割、責任及
び権限
トップマネジメントは”ビル管理会社(ビルオー
●ビル管理会社としての
ナー)”とする。(以下の項番で共通)
BCP
リーダーシップ、コミットメントについては、テナント
とビル管理会社(ビルオーナー)の意思疎通(コ
●意思疎通のツール
ミュニケーション)に力点を置くものとする。
-
-
※―:読み替えなしの要求事項
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
27
ビル管理版 ISO22301規格読替え(例)
【前提】規格本文中の”組織”は”ビル管理会社(ビルオーナー)”へ読替えてみました
ISO22301要求事項
ビル管理のBCP運用力への読替え
ポイント
6.計画
6.1 リスク及び機会に対
処する活動
リスク及び機会の決定は”ビルの設備”に特化す
る。
6.2 事業継続目的及びそ 事業継続目的は”ビル機能の早期復旧”とする。
れを達成するための計画
●事前対策マニュアル
●予防点検・処置マニュア
ル
7.支援
7.1 資源
7.2 力量
7.3 認識
7.4 コミュニケーション
7.5 文書化した情報
-
ビル管理会社、メーカー・保守会社との契約(個
人の力量より、ビル管理会社と設備保守対応組
織との関係性が重要になると思われる。)
ビル管理会社、テナントとのコミュニケーションを
重視する。
テナントとのコミュニケーションを重視する。
●委託契約書の見直し
●事業継続計画書の中で
役割を明文化
●事業継続計画書の中で
伝達の内容等を明文化
-
※―:読み替えなしの要求事項
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
28
ビル管理版 ISO22301規格読替え(例)
【前提】規格本文中の”組織”は”ビル管理会社(ビルオーナー)”へ読替えてみました
ISO22301要求事項
ビル管理のBCP運用力への読替え
ポイント
8.運用
8.1 運用の計画及び管理
-
8.2 事業影響分析及びリ
スクアセスメント
ビル設備の停止・故障に特化してリスク分析を行 ●ビル設備毎の目標復旧
う。
時間の設定
8.3 事業継続戦略
優先事業活動は、”ビル設備の安定運転”に特定
する。(ただし、ビルによって、優先事業活動は異 ●ビル設備毎の目標復旧
時間の決定
なる可能性もある。)
8.4 事業継続手順の確立
及び実施
ビル設備復旧手順と設備のメーカ及び保守会社
との契約(予備機の準備、部品のストックなど)
8.5 演習及び試験
-
●ビル設備復旧マニュア
ル
●訓練 シナリオ
※―:読み替えなしの要求事項
ⓒ株式会社電通ワークス
ビル環境総研レポート
Vol.4
29
ビル管理版 ISO22301規格読替え (例)
【前提】規格本文中の”組織”は”ビル管理会社(ビルオーナー)”へ読替えてみました
ISO22301要求事項
ビル管理のBCP運用力への読替え
ポイント
監視及び測定の対象は”ビル設備”に特化する。
●予防点検・処置マニュア
ル
9.パフォーマンス評価
9.1 監視、測定、分析及
び評価
9.2 内部監査
9.3 マネジメントレ
ビュー
-
インプット情報は、テナントとのコミュニケーション、 ●テナントとの意思疎通
ニーズ及び期待に基づく。
ツール
10.改善
10.1 不適合及び是正処
置
10.2 継続的改善
-
-
※―:読み替えなしの要求事項
ここに記載されている情報はあくまで一般的なものであり、特定の個人や組織が置かれている状況に対応するも
のではありません。
私たちは、的確な情報をタイムリーに提供するよう努めておりますが、情報を受け取られた時点及びそれ以降に
おいての正確さは保証の限りではありません。何らかの行動を取られる場合は、ここにある情報のみを根拠とせ
ず、プロフェッショナルが特定の状況を綿密に調査した上で提案する適切なアドバイスをもとにご判断ください。
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Vol.4
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ビル管理BCP運用力の指標
事業継続計画書(例)
事業継続計画書には、インシデント対応体制の整備、通信手段の確保とビルオーナーやテナン
トとのコミュニケーション、設定した時間枠内で優先業務継続または復旧するための手順、復旧
対策等を内容に盛り込みます。
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ビル管理BCP運用力の指標
設備毎の目標復旧時間の設定(例)
ビルの目標復旧時間は電気のライフラインが復旧する6日後とします。それまでに、ビル内の電気
設備の被害状況を把握し、復旧させなければなりませんが、そのためには事前対策(事前点検と
予防処置)が欠かせません。(水道・ガスも同様の考え方でライフライン復旧に合わせて設定)
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ビル管理BCP運用力の指標
予防点検、予防処置、復旧作業(例)
平時から実施しておくべき事前点検により建物設備の状況を把握し、事前対策しておくべきも
のがあれば被害を最小限に抑えるための予防処置を行います。
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ビル管理BCP運用力の指標
建物設備のチェックシート(例)
各フロアーのチェックシートは事前に準備しておく必要があります。
当チェックシートは緊急事態対応と復旧対策に役立てることが出来ます。
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訓練シナリオ(例)
BCPが果たして有効に機能するかどうかが重要です。
演習や試験を通じて、問題点を洗い出し改善していくことが機能するBCPを定着させる鍵です。
ISOでは、演習・試験の国際規格(ISO22398)を現在策定中です。
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企画協力 : 一般社団法人日本能率協会