治療をたすける 口腔ケアのエビデンスと実際 - Pier Online

視野が広がる
めざせリスクゼロ!
治療をたすける
口腔ケアのエビデンスと実際
口腔ケアは人工呼吸器関連肺炎(VAP)予防策の 1 つとして位置付けられており,自力
で歯磨きができない重症患者さんや高齢患者さんへの誤嚥性肺炎予防としても有効です.ま
た,患者さんが洗面所に行けない場合や,心負荷となるため歯磨き動作ができない場合,そ
して抗凝固剤・血栓溶解薬などの投与で患者さんが出血傾向にある場合などは,看護師によ
る口腔ケアが必須となってきます.そのほかにも,口腔内の爽快感を得るというメンタル的
な要素もあります.いずれにせよ,循環器・集中治療領域では看護師が行う重要なケアの 1
つであることは間違いありません.しかし,正しい目的や方法,リスクを理解して行わなけ
れば,逆に口腔ケアから誤嚥を起こすこともあります.
そこで今回は,リスクゼロの口腔ケアでスムーズな治療につなげるための知識を会得でき
るよう,ミニ特集にまとめました.医師や患者さんの「なぜ?」にもこたえられるよう,エ
ビデンスを踏まえた内容になっていますので,自信をもってケアにつなげてみてください.
医療法人 鈴木歯科医院 院長・日本口腔ケア学会
鈴木俊夫 すずき としお
Presented by MEDICUS SHUPPAN, Publisher