■カフ上吸引の効果は? Caroff DA, et al. Subglottic secretion drainage and objective outcomes: A systematic review and meta-analysis. Crit Care Med. 2016; 44: 830-40. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26646454 現在のガイドラインでは、人工呼吸器関連肺炎(Ventilator-associated pneumonia: VAP)の予防方法としてカフ上吸引可能な気管挿管チューブの使用が推奨されて います。本研究では、カフ上吸引が人工呼吸器管理期間や入院日数、(Ventilatorassociated events: VAE)や死亡率や再挿管率について影響するかを明らかにする ことを目的に系統的レビューとメタ解析を行っています。研究として、人工呼吸 器患者に対してカフ上吸引を行った群と、カフ上吸引を行っていない群を比較 した無作為化比較対照試験を選択しています。 結果、17 研究、3369 名の患者が対象となりました。カフ上吸引は有意に VAP の 発症を低下させ(リスク比 0.58:95%信頼区間 0.51-0.67)たが、人工呼吸器管 理期間や ICU 入室日数、入院期間、VAE や死亡率、再挿管率には有意差を認め ませんでした。Table 1 に各研究の VAP の定義が記載されていますが、考察の中 でありますように VAP の定義が各研究で異なることが結果に影響した可能性も ありますし、VAP の発生率が低いので死亡率を検討するには十分な検出力がな かった可能性もあります。著者らは結論の中で、さらなるカフ上吸引の利点を証 明するような研究が必要であると述べています。VAP の予防として有用なこと は再確認されましたので、臨床の中でも適切に使用したいですね。
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