第5回 岐阜県省エネ・新エネ推進会議 ―議事要旨― 日時:平成 24 年 2 月 29 日(水) 10:30∼12:00 場所:岐阜県庁 シンクタンク 5−4 会議室 出席者(敬省略) 会長 安田 孝志 岐阜大学 教授 副会長 江崎 禎英 岐阜県商工労働部 部長 委員 エネルギー供給事業者 川村 達一 中部電力(株)岐阜支店総務部 課長 村田 純一 東邦ガス(株)北部支社 業務部長 高橋 一夫 JX 日鉱日石㈱システムインテグレート Gr 澤田 栄一 社団法人岐阜県エルピーガス協会 副会長 エネルギー関連産業 橋本 昌憲 三菱自動車工業(株)EV国内推進部 上級エキスパート 服部 哲幸 イビケン(株)Eプロジェクト エキスパート職 事業者団体 岩崎 曠 岐阜県工業会環境技術委員会(岐阜プラスチック工業(株)) 消費者団体 金山富士子 岐阜県生活学校連絡協議会 会長 行政 西本 明弘 岐阜市自然共生部 課長 坂 正光 岐阜県環境生活部 部長 12 名出席 オブザーバー 大野 弘 名鉄観光バス㈱岐阜支店 支店長 土岐 渉 名鉄観光バス㈱岐阜支店 岡田佳寿美 岐阜県地球温暖化防止活動推進センター 副事務局長 丸山 晴男 新エネルギー・省エネルギー推進専門員 寺井美貴彦 いび森林資源活用センター協同組合 専門理事 庭屋 晶彦 電源開発㈱中部支店御母衣電力所 所長 草野 順樹 中津川生活環境部環境政策課 主任主査 -1- 7 名出席 議事 1.この冬の節電対策について(結果) 2.県の次世代自動車普及推進の取り組みについて 3.新エネルギーバスツアーについて 4.来年度の県の施策について 5.意見交換 -2- 議事要旨 【この冬の節電対策について(結果)】 今冬は全社で昨年より最大電力(3 日平均電力)が 2 万キロワットの増加であった。しかし岐阜 支店では 6.5 万キロワットの減少となった。実績の評価等は現在分析中であるが、企業、ご家庭 での節電効果が織り込まれている。 特に、最大電力(2 月 2 日 9 時台)では平均気温マイナス 0.9℃の中、昨年より全社で 25 万 キロワットの増加に対し、岐阜支店では 6.5 万キロワットの減少となり、企業、ご家庭での節電効果 が織り込まれている結果と考える。 その結果、今冬の供給予備率では予想より大幅に供給予備率確保出来た。 12 月:計画 7.6%→結果 11.1%、1 月:計画 7.6%→結果 10.5%、2 月:計画 7.2%→結果 7.3% このように岐阜県では県政の色々な取り組みもあり、節電効果が明確に表れている事を他府県等 にアピール、説明出来る結果となった。今後も継続的に節電対策をお願いしていきたい。 【県の次世代自動車普及推進の取り組みについて】 EV・PHV 普及の為、2011 年度の取り組みから 2012 年度 3 月に向けマスタープランを策定中で ある。方向性については、「中山間地次世代自動車モニター実証」の結果から次の5つが整理さ れた。①活用モデルの周知を軸とした普及啓発、②充電インフラの普及、③次世代エネルギーイ ンフラと一体となった普及、④自治体・企業における率先導入、⑤産業振興 モニター実証のデータから、EV・PHV 普及効果として、2030 年度には約 60 万台(全体車両数の 約4割)が普及したと想定した場合は、約 20%のエネルギー消費量の削減が見込める。 エネルギー転換の可能性から見ると、2030 年に車両総数全てがガソリン車と仮定した場合と比 較して、目標普及台数達成時ではガソリン消費量の約4割の削減効果が期待できる。 更に、モニター実証から、日平均稼働時間(車両)は約 1.4 時間となり、残りの 22.6 時間は稼動し ていないことが確認された。 EV・PHV 普及による電力需要増は、将来的に電力供給に問題を与える可能性は否定できない。 電力需要増への対策としては、ピーク時以外での給電、次世代エネルギーインフラによる供給、 系統側の供給力増強の3点がある。 日平均充電量も 4.77kWh/日程度であり、約 1.6 時間(200V15A)でフル充電が可能であるため、 深夜の充電などピーク時以外での充電などの対応が必要となる。 【新エネルギーバスツアーについて】 次世代エネルギー施設見学と観光を組み合わせ、体験・実験できる親子ツアーを企画した。目 的としてはエネルギー・環境問題を理解して頂きながら、地域と連携する事で地域活性化を図る ことが目的である。 事業は 2 箇年計画で、当初は無料で段階的に有料化を行い、2 年間で合計 20 本のバスツアー を企画・実施した。 2 年間の応募者総数は 4068 名に対し定員数 785 名の倍率 5.1 倍であり一定の成果が出た。 平成23年度は有料化したことで、より観光面の要素を充実化させた。 アンケート(新エネルギー理解度等)により、理解度の減少が確認された。取り組みに一定の効果 -3- はあったが、観光要素と新エネルギーへの興味を如何に結びつけるかが課題となった。 【来年度の県の施策について】 次世代エネルギー導入による「道の駅」の防災機能強化を実施する予定。 これは、岐阜県には 53 ヵ所「道の駅」があり(2 番目に多い県)、中山間地も多く、災害時は孤立 性が高いため、災害時でもエネルギー供給(太陽光発電・燃料電池・蓄電池)できる体制を整え るのが目的。 内容としては、太陽光発電(5kW)・燃料電池(0.7kW)・蓄電池(20kWh)・EV 充電器を導入し、 30 家族で 10 日程度の避難を可能にする。 また、家庭版 ESCO(エスコ;Energy Service Company)の導入促進も実施する予定。 家庭など 10 棟程度のモニター抽出し、エネルギー消費状況・使用状況を把握した後に次世代エ ネルギーインフラ導入の可能性を模索していく。 【意見交換】 電力供給率は定期点検時の火力発電停止や、水量不足などによる水力発電停止などで変動す る為、一般の方に誤解を与えないように、状況に応じて供給力は変動し、供給予備率も変わると いう事を示した方がよい。 EV・PHV モニター実証時のアンケート結果では EV・PHV 自動車単体で購入検討すると、魅力が 少ないが次世代エネルギーインフラ(スマートハウス等)のシステムの一部と考えた場合は必要不 可欠であると考えられる。 今回のバスツアー企画は、岐阜県の新エネ・省エネ推進の一環であり学校等への周知、専門説 明員の協力が大きく得られたが、今後民間企業で運営していく際には、この当たりの周知方法や 費用面が課題となる。 バスツアーは、体験・見学を通し学びの場として非常に優れている企画である。岐阜県の良い取り 組みとして他府県へのアピールにもなり、節電効果・新エネ、省エネ推進にも繋がると思うので継 続的な事業での模索を検討してほしい。 -4-
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