A.acidoterrestris (耐熱性好酸性菌) - 栄研化学

News Release
平成 17 年 6 月 14 日
‘栄研’
各
位
会社名
栄研化学株式会社
代表者名
代表取締役社長
コード番号
4549
黒住 忠夫
東証1部
果汁増殖菌(耐熱性好酸性菌)検出用試薬新発売のお知らせ
栄研化学株式会社(本社:東京都文京区、以下 栄研化学)は、栄研化学の遺伝子
増幅技術 LAMP 法*1 の基礎研究用プライマーセットとして、果汁中で増殖する耐熱
ア リ シ ク ロ バ シ ラ ス
ア シ ド テ レ ス ト リ ス
性好酸性菌の 1 菌種であるAlicyclobacillus acidoterrestris*2検出用試薬
『Loopamp®
プライマーセット A. acidoterrestris』を 6 月 24 日より新発売いたします。
A.acidoterrestris は、果汁飲料中で増殖し、異臭(グアイアコール)を放ち、
品質劣化を引き起す原因菌として注目されております。そこで、弊社はサッポロビー
ル株式会社およびサッポロ飲料株式会社と共同で LAMP 法に基づくこの菌の検出試薬
の開発を進め、通常、7~10 日かかっていた検査が、前培養を含め 2 日程度で検査
結果を得ることができる検出系を確立いたしました。LAMP 法に基づく検査の導入に
より、原料入手時および製品出荷時の迅速検査(判定)による在庫管理のコスト低減
が図れるものと期待されます。
『Loopamp® プライマーセット A. acidoterrestris』は A. acidoterrestris 検出を
行うためのプライマーセットで、
『Loopamp® DNA 増幅試薬キット』との組み合わせ
により、増幅から検出までを 1 ステップで行うことができ、一定温度(65℃)で迅速(60
分)に A. acidoterrestris の増幅あるいは有無をリアルタイム濁度測定装置または蛍光
目視によって確認することが可能です。
Loopamp® プライマーセットは、LAMP 法用プライマーをコントロール DNA(ま
たは RNA)とセットにし、株式会社富士通システムソリューションズ*3が運営する
インターネット上のマーケット「WebSERVE/e Genome Order」*4を通じて、学術
研究目的にご使用いただく商品です。既に「ウエストナイルウイルス」
、
「H5型鳥イ
ンフルエンザウイルス」並びに「コイヘルペスウイルス」を発売し、各研究分野でご
好評頂いております。これらプライマーセットは『Loopamp® DNA 増幅試薬キット』
あるいは『Loopamp® RNA 増幅試薬キット(RT-LAMP)』と組み合わせることで、
対象遺伝子の確認や検出が可能となります。
以上
『Loopamp®プライマーセット A. acidoterrestris』
発売日:平成 17 年 6 月 24 日
包 装:48 テスト分
価 格:標準小売価格 35,000 円
製造発売元:栄研化学株式会社
販売元:株式会社富士通システムソリューションズ
【本件に関するお問い合わせ先】
栄研化学株式会社 広報部
TEL:03-3813-5405 FAX:03-3813-2206
e-mail:[email protected]
【製品販売に関するお問い合わせ先】
株式会社富士通システムソリューションズ
Web ソリューションサービス本部スマートソリューション・コンサル部
TEL:03-5976-5879
FAX:03-5977-5345
【用語解説】
*1
LAMP 法
栄研化学が 1998 年、PCR 法に代わる遺伝子増幅技術として、独自に開発した
新しい遺伝子増幅法です。反応は、サンプルとなる遺伝子、プライマー、鎖置換
型 DNA 合成酵素、基質等を同一容器に入れ、一定温度(60~65 ℃)で保温する
ことにより、増幅から検出までを 1 ステップの工程で行うことができます。鋳型
が RNA の場合でも、逆転写酵素を添加するだけで DNA と同様に増幅が可能です。
増幅効率が高く、DNA を 15 分~1 時間程度で 109~1010 倍に増幅することが
でき、また、極めて高い特異性をもつため、目的とする DNA 配列の存在を増幅
産物の有無で判定することができます。(詳細 http://loopamp.eiken.co.jp/)
なお、「Loopamp®」は、栄研化学の LAMP 法製品のブランドネームです。
*2
Alicyclobacillus acidoterrestris(A. acidoterrestris)
A. acidoterrestris は、耐熱性好酸性菌(TAB ; Thermo-acidophilic Bacilli)の
1 菌種です。TAB は、本来土壌中に成育している芽胞菌であり、至適 pH が 3~5、
発育温度が 20~70℃の間で菌体内に芽胞を形成し、特徴的な脂肪酸を有してい
ます。耐熱性好酸性菌の多くは、果汁、ペクチン、糖類から分離されており、
これらを含む原料を使用することにより、果汁飲料中で増殖し、菌種によっては
グアイヤコール臭を放ち、品質劣化を引き起こします。その異臭を放つ菌として、
果汁飲料中からは主に A. acidoterrestris が分離されます。
TAB 並びに A. acidoterrestris の検査方法は確立されておらず、様々な方法で
検査されていましたが、最近、果汁協会より「耐熱性好酸性菌統一検査方法」が
策定されました。
*3
株式会社 富士通システムソリューションズ(以下 Fsol)
代表取締役社長 秦 聖五
〒113-0021 東京都文京区駒込 2-28-2(文京グリーンコートセンターオフィス)
TEL 03-5977-5311(代表)(http://www.fsol.fujitsu.com/)
*4
WebSERVE/e Genome Order (http://genome.e-mp.jp)
Fsol のインターネット統合ソリューションサービス。LAMP 法の原理をベースと
したプライマー設計から試薬キット・検出装置など、研究に必要なサービスや商品
がインターネット経由で揃います。