安定供給のためにLPガス備蓄(874KB)

第7 章
L Pガスの 安 定供 給
安定供給のためにLPガス備蓄
国民生活に不可欠な一次エネルギーの安定供給の確保は、国家にとって重要な課題です。特に、そのほとんどを輸入に
頼っている我が国においては、エネルギー源の多様化や新エネルギーの開発、輸入相手国の分散化など、様々な角度か
ら手段を講じる必要があります。その中の一つに、国内での備蓄があげられます。
今後数年をかけてLPガスを貯蔵していく予定となって
●国家備蓄と民間備蓄
います。それらの貯蔵が全て完了した場合、約150万
現在、日本国内で法律によって備蓄が義務づけられて
トンのLPガス備蓄されることになり、民間備蓄と合わ
いるエネルギーは、石油とLPガスの二種類だけです。こ
せると約300万トン、輸入量の約100日分が備蓄され
のうち、民間企業が備蓄しているものを「民間備蓄(法
ることになります。こうした備蓄によって、海外からの
定備蓄)」、国家が備蓄しているものを「国家備蓄」とい
供給途絶や地震等の災害発生時に対応できるよう、予め
い、LPガスの場合、輸入量の50日分が民間備蓄として
備えています。
義務づけられています。
なお、東日本大震災の際には、神栖基地に備蓄されて
また、全国に5カ所ある国家備蓄基地のうち3カ所は
いるLPガスが放出され、国内への安定供 給に大きく
既に稼働中で、残りの2ヵ所は2013年3月に完成し、
貢献しました。
■LPガス国家備蓄基地建設地
備蓄方式について
地上備蓄…地上にある鋼製タンク内
にLPガスを入れ、低温の
状態で貯蔵します。
石川県 七尾
(地上)
地下備蓄…地下の岩盤に巨大なトン
ネルを掘り、そ のトンネ
ルをタンクとしてLPガス
を貯蔵します。
(次頁参照)
茨城県 神栖
(地上)
岡山県 倉敷
(地下)
長崎県 福島
(地上)
愛媛県 波方
(地下)
国家備蓄基地(神栖)
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2013/03/27 18:10:26
第1章
■国家と民間の備蓄量
民間備蓄
150万トン
輸入量の50日分
(約150万トン)※
第2章
国家備蓄
第3章
神栖基地:20万トン
合計
七尾基地:25万トン
約300万トン
約100日分
第4章
福島基地:20万トン
倉敷基地:40万トン
第5章
波方基地:45万トン
※2011年平均
石油備蓄法制定
(石油に法定備蓄義務付け)
1981年
7月
石油備蓄法改正
(LPガスに法定備蓄義務付け)
1989年
3月
LPガス民間備蓄義務量50日を達成
1992年
6月 「国家石油ガス備蓄制度」創設を提言
国家備蓄会社が発足
2002年
6月
七尾基地が起工
9月
福島基地が起工
2003年 10月
神栖基地が起工
2005年
七尾基地が完成(ガスイン開始:8月)
7月
10月
水封水
水封トンネル
水封ボーリング
地下水圧
第8章
1998年 12月
地下水位
第7章
1975年 12月
■地下岩盤貯蔵方式
第6章
■LPガス備蓄の年譜
LPガス
福島基地が完成(ガスイン開始:11月)
1月
神栖基地が完成(ガスイン開始:7月)
LPガスの蒸気圧より高い地下水圧によりLPガスを地中に閉
じ込めているので、
LPガスはもれることなく備蓄されます。
2013年
3月
波方基地、
倉敷基地が完成
水圧を安定させるため水封ボーリングから岩盤に給水します。
海外でも多く採用されており、石油の備蓄基地にも使わ
れています。
第9章
2006年
資料編
自主的な備蓄
民間及び国家備蓄は、産ガス国での紛争や事故、地震等の災害等により供給が一時的に停止した時に対応する
ためものですが、このほか、輸入業者が自主的に行っている「流通在庫」があります。これは、需要の少ない夏場に
在庫を貯め、需要期である冬季に輸入量を極端に増大させることがないようにするための手段で、これによって
輸入量を平準化し、価格と供給の安定化を図っています。
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