印刷用PDF - リクルート進学総研

C O N T E N T S
特集
6 『奨学金制度に関する学長調査』
結果報告
22 事例① 慶應義塾大学
優秀で多様な学生の獲得を目指す
経営戦略としての
30 事例③ 金城学院大学
ニード・ベースとメリット・ベースの組み合せ
高校生の保護者が進路検討にあたって重要だと思う情報(複数回答)
80
(%)
70
40
2011年
50
2009年
60
2007年
学 費
26 事例② 神奈川大学
成長支援を目玉に独自奨学金を全て給付型へ
30
20
10
25.9
25.8
23.9
23.2
10.0
10.0
8.3
8.2
33.7
29.0
22.9
25.1
22.4
9.6
7.8
7.4
6.4
2007 年 987
50.6
50.5
55.9
41.9
33.9
24.8
24.0
27.8
26.1
8.8
─
9.6
7.5
各年で最も高い
各年で 2∼5 番目に高い
通学の便
38.6
38.6
校風・雰囲気
38.6
52.7
奨学金の種類と採用条件
一方、大学の学生募集の観点から見ると、学費はと
サポート体制
42.7
46.5
進学に利用できる
教育ローン
51.9
49.1
難易度
入試の内容
52.3
2009 年 924
就職の状況︵実績︶
ると、2010 年の 1世帯当たりの平均所得が 538 万円
生活費など)
」
に変化している
(図表)
。
調査数
学部・学科の内容
生労働省が発表した2011年国民生活基礎調査によ
年時の
「入試制度」
から、
2011年には
「進学費用
(学費・
現在の入試制度の仕組み
長引く不況により、世帯収入が減少している。厚
将来の職業との関連
資格取得の状況︵実績︶
進学費用
︵学費・生活費など︶
2011 年 852
0
リクルート、全国高等学校 PTA 連合会『高校生と保護者の進路に関する調査』
と前年比 11万 6000円(2.1%)減少したと発表した。
るべき戦略の一つである。マーケティングミックス
23 年ぶりの低水準で、これまで最も多かった94 年と
戦略で用いられる 4 つの Pがある。4 つの Pとは、
うに思う。しかし、長引く不況の影響から昨今、入学
置かれた課題に対応し、戦略的に学費・奨学金を活用
比べて約126万円の減少となっている。特に18 歳未
Product(製品)
、Price(価格)
、Place(流通)
、そして
検定料における併願割引制度の導入が多くの大学で
する大学が増えてきた。
満の未婚の子を持つ、子育て世帯の減少が大きく、前
Promotion(プロモーション)である。大学において
進んでいる。加えて、インターネット出願により、受
年比39万2000円
(5.6%)
減少した。
は、Productにあたる学部・学科やカリキュラムの改
験料割引を実施する大学も登場した。
今回の特集では、学費・奨学金をどのように戦略的
に活用していくのか、文部科学省科学研究費「教育費
こうしたことから、高校生の保護者が進学検討に
編は、常に積極的に行われてきた。また、近年はキャ
2012 年度には、募集の厳しかった歯学部や地方で
負担と学生に対する経済的支援のあり方に関する実
おいて重要だと思う情報が、変化している。全国高
ンパス移転や再配置、地方入試など、Place 戦略にも
学費値下げを実施した大学があった一方、競争力の
証研究」と小誌の共同プロジェクトで調査を実施し
等学校 PTA 連合会とリクルートの合同調査である
力を入れている。また、学生募集広報(Promotion)
ある大学では授業料を値上げする大学もあった。ま
た。その結果を報告するとともに、戦略的に学費・奨
「高校生と保護者の進路に関する意識調査」による
も戦略的に行われている。こうした3つのPに比べ
た、国公立との差額分を奨学金で支援する制度、地方
学金を活用している事例をご紹介する。
と、保護者が進路検討に最も重視する情報が、2007
て大学はPrice 戦略には、あまり積極的でなかったよ
学生に向けた奨学金を充実させる制度など、大学の
リクルート カレッジマネジメント177 / Nov. - Dec. 2012
(小林 浩 本誌編集長)
リクルート カレッジマネジメント177 / Nov. - Dec. 2012