ファーストオーダーアナリシスと分解に基づく部品生成法による モジュール構造部品の設計 Modular Structural Component Design using the First Order Analysis and Decomposition-Based Assembly Synthesis Onur L. Cetin (ミシガン大) 正 西垣 英一(豊田中研) 正 尼子 龍幸(豊田中研) 菊池 昇(ミシガン大) ○正 正 正 斉藤万裕(ミシガン大) 西脇 眞二(豊田中研) 小島 芳生 (豊田中研) Onur L. Cetin and Kazuhiro Saitou, University of Michigan, Ann Arbor, MI, USA Hidekazu Nishigaki, Shinji Nishiwaki, Tatsuyuki Amago, and Kojima Yoshio, Toyota Central R&D Labs.Inc. ,Nagakute,Aichi Noboru Kikuchi, University of Michigan This paper discusses an automated method for designing modular structural components that can be shared within multiple structural products, such as automotive bodies for sibling vehicles. The method is an extension of the concept of decompositionbased assembly synthesis. A beam-based topology optimization method, originally developed for First Order Analysis (FOA) of the automotive body structures, is utilized in order to obtain the “base” structures subject to decomposition. It is expected that the method will facilitate the early decisions on module geometry in automotive body structures, by enhancing the capability of the FOA system. Several case studies with two-dimensional structures are reported to demonstrate the effectiveness of the proposed method. The results indicate that two structures optimized for a similar, but slightly different boundary loading conditions are successfully decomposed to contain a component that can be shared within the structures. Several Pareto-optimal decompositions E æare efghiPQ \ ]R [ S to illustrate the trade-offs among multiple decomposition criteria, with different weights for each objective fun presented 2.2 グラフ分割による部品生成 2.1 で得られた各梁 構造の位相データから構造の位相グラフを抽出し、このグラフ を分割することにより、構造の分割を行う。分割後におけるグ ラフ内の各エッジの有無を示す 0-1 変数と、各エッジに対応す る接合部における接合角(図2に示す離散値に限られる)を変 数とし、個々の構造の分割後の構造強度、および分割後共有で きる部品の相似度を最大にするような分割を得る。接合法とし てスポット溶接を想定し、接合部における引っ張り力の大きさ により、分割後の構造強度を評価する。 Fig.2 Four possible mating angles at the joints 二つの構造のモジュール分割のための、評価関数の概要を以 下に示す。 本稿で提案するモジュール構造部品の設計法は以下の2ス テップからなる。 2.1 FOA による複数の最適位相構造の生成 似通 った境界条件をもつ二つの構造設計を、ファーストオーダー アナ リシ スに よ り求 める 。こ こ で位 相最 適 化の 基本 構造 (ground structure)としては、互いに重ならない梁構造を 持った位相を実現するようなものを用いる(図1) 。各構造 は、梁の直径を変数とし、与えられた体積内で平均コンプラ イアンスを最小にするような位相構造として得られる。最適 化手法としては、CONLIN (Convex Linearization) を用いる。 ファーストオーダーアナリシス (FOA) の詳細については、 参考文献(4)を参照されたい。 Fig.1 Modified ground structure approach minimize ws1 fs(x1,y1) + ws2 fs(x2,y2) + wm fm(x1,y1, x2,y2) subject to COMPONENTS(GRAPH(x1)) = k1 COMPONENTS(GRAPH(x2)) = k2 IS_CONNECTED(COMBINED_GRAPH(x1,y1)) = 1 IS_CONNECTED(COMBINED_GRAPH(x2,y2)) = 1 x2 ∈ {0,1}N2; y1 ∈ FN1; y2 ∈ FN2 x1 ∈ {0,1}N1; (1) ここで、 • fs(x, y):分割後の構造の強度評価関数 • fm(x1,y1, x2,y2):分割後の構造 1 と 2 内での共有不可部分の 度合いの評価関数 • ws1, ws2, wm :各評価関数の重み • x1,x2:構造 1 と 2 の位相グラフのエッジの有無を示す 0-1 変数 • y1, y2 :各エッジに対応する接合角 • N1, N2 :構造 1 と 2 の位相グラフのエッジ数 • F:可能な接合角の集合 = {– 45, 0, 45, 90} である。はじめの2つの拘束条件は位相グラフが所定の分割数 k1, k2 に分割されることを指定し、次の2つの拘束条件は分割 されたグラフに対応する部品を接合して、もとの構造が保たれ ることを指定する。分割後の構造の強度評価 fs(x, y) は、接合 面にかかる引っ張り力、接合角の違い、接合部の数の重みつ き和により与えられる。共有不可部分の度合い評価 fm(x1,y1, x2,y2)は構造1と2の各部分グラフの間のノードとエッジの 数の差、接合角の差、対応する部品の重心周りの1次モーメ ントの差の重みつき和により与えられる。 グラフ分割は NP 完全問題でありさらに設計変数が離散値 であるため、最適化手法としては遺伝的アルゴリズムを用い ており、拘束条件はペナルティ項として扱われている。分割 に基づく部品生成法の詳細には参考文献(1)を参照されたい。 3. 適用例 適用例 まず、L 字型の 2 次元片持ち構造の、最適構造と分割例を 図3から図4に示す。図3(a) に2つの構造の境界条件、図 3(b) に FOA による最適構造を示す。ここで梁の直径上限値 の 30%に満たない梁は消去されている。 (a) (a) Design domains and boundary conditions Design domains and boundary conditions (b) Optimal designs Fig.5 Design of floor frames for the base structures for decomposition (b) Optimal designs Fig.3 Design of L-levers for the base structures for decomposition これら2つの最適構造をそれぞれ 4 部品に分割した結果を 図4に示す。図4(a) は共有不可部の評価関数の重み wm を ゼロにして、構造 1 と 2 の強度のみをもとに分割した結果を、 図4(b) はこれに十分大きな値を与えてモジュール分割を試 みた結果を示す。接合角は 1 から 4 の数字(1 は-45 度、2 は 0 度、3 は 45 度, 4,は 90 度)で示されている。図4(b)では 構造 1, 2 ともに 3 部品にしか分割されていないが、これは部 品共有を強制した結果、分割数に関する拘束条件を満足する 解が得られなかったものと考えられる。 (a) (b) Fig.6 Optimal decompositions a) no modularity considered, and b) modularity considered 4. 結論 本稿ではファーストオーダーアナリシスの拡張として、概念 設計の段階における、複数の構造の共有部分と強度を最大化す るように所定の部品数に分割する手法を紹介し、その有効性を 単純な2次元構造への適用により示した。以後は、3 次元構造 を含む、より複雑で現実的な構造設計例への適用が必要である。 (a) 謝辞 本研究への援助の一部は、米国科学財団 CAREER Award (DMI9984606) およびミシガン大学 Horace H. Rackham School of Graduate Studies により与えられた。 参考文献 (b) Fig.4 Optimal decompositions a) no modularity considered, and b) modularity considered. Circled “s” symbols indicate the shared components 次に、自動車の床を模した構造の、複数の荷重に対応す る最適構造と分割例を図5から図6に示す。構造1と構造2 への3種類の境界条件を図5(a) に、それらを同時に考慮し た FOA による最適構造を図5(b) に示す。前例と同様に、図 6 (a) は強度のみをもとに分割した結果を、図6(b) はモジ ュール分割を試みた結果を示す。 (1) Yetis , F. A. and Saitou, K., 2000, “Decomposition-Based Assembly Synthesis based on Structural Considerations,” Proc. ASME Design Engineering Technical Conferences, DETC2000/DAC-1428. (2) Ishii, K., 1998, “The Life-cycle of an enterprise,” in Molina, A., Sanchez, J. M. and Kusiak, A. (Eds), Handbook of Life-cycle Engineering, Kluwer Academic Publishers & Chapman and Hall. (3) Nelson, S., Parkinson, M. B. and Papalambros P. Y., 1999, “Multicriteria Optimization in Product Platform Design,” Proc. Of ASME Design Engineering Technical Conferences, DETC99/DAC-8676. (4) Nishigaki, H., Nishiwaki, S., Amago, T., and Kikuchi, N., 2000. “First Order Analysis for Automotive Body Structure Design,” Proc, of ASME Design Engineering Technical Conferences, DETC2000/DAC-14533.
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