『2009年度 安全報告書』(PDF - 朝日航洋

朝日航洋グループ
安全報告書
(2009 年度)
・朝日航洋株式会社
・朝日ヘリコプター株式会社
(本安全報告書は、航空法第 111 条の 6 に基づき作成したものです)
(公表:2010/6/14)
朝日航洋グループ安全報告書
Top Message
「2009 年度朝日航洋グループ安全報告書」発行にあたって
朝日航洋株式会社
代表取締役社長
立野
良太郎
平素より、朝日航洋グループをご利用いただき厚く御礼申し上げます。
朝日航洋グループが存続していくためには、航空・情報・労働の安全の確保が「全て」
だと考えています。既存の安全は無く、在るのは隣り合わせの危険であり、常に危険側か
らの問題意識を持ち、対応していく直向きな心と力で、引き続きグループ社員一丸となっ
て日々の積み重ねを忘れずに、正面からしっかりと「安全」の二文字に取り組んでいきた
いと思います。
今後とも、お客様のご理解と関係当局、航空業界の皆様方のご支援、ご支持の程よろし
くお願い申し上げます。
朝日航洋株式会社
常務取締役 航空事業本部長
安全統括管理者
越智
信夫
運航のサービスを提供する航空事業にとって、
「安全の確保」は至上命題です。私達は、
安全に関する情報を共有し必要な対応策を講じて、不安全事象の再発を防ぎ、不安全の芽
は大事に到る前に摘む取り組みを行っています。無事故で航空事業を遂行し、引き続きお
客様の信頼を得て社会に貢献して参りたいと思います。
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朝日航洋グループ安全報告書
1.輸送の安全を確保するための事業の運営の基本的な方針に関する事項
朝日航洋グループは、グループ共通の「経営理念」を掲げて安全を推進しています。
朝日航洋グループの HSE-MS コミットメント
(HSE-MS:Health Safety Environment-Management System)
・ 朝日航洋グループは安全運航を致します。
・ 朝日航洋グループは法令遵守を致します。
・ 朝日航洋グループは環境保全に取組みます。
・ 朝日航洋グループは全社員に健康的な職場環境を提供します。
経営理念
① 安全と信頼によるお客様満足度の追求
② 変化とスピードによるビジネス推進
③ 人を活かし人を育てる
航空事業本部安全訓:
「基本の確行」
“やるべき事は確実にやり、やってはいけないことは決してやらない”
(安全の確保は、航空事業にとって至上命題である)
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朝日航洋グループ安全報告書
2.輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理の体制に関する事項
安全管理規程
国土交通省が指導する「運輸安全マネジメント態勢構築」を実現するため、航空法では小
型航空機事業者には義務付けられていない『安全管理規程』を 2009 年 3 月 1 日に制定し、
『安全統括責任者』を選任して、経営の立場から『安全マネジメント体制』を推進してい
ます。
航空安全推進委員会
朝日航洋航空安全推進委員会(Aero Asahi Safety Committee)には、朝日航洋株式会社航
空事業本部の役員及び統括部門の長並びに社長及び一般管理部門の役員等が参加し、安全
に係る事案の共有と認識の一致を図ると共に、安全に係る事案に関する意思決定機関とし
て機能すると共に航空事業本部長がその任に当たる「安全統括管理者」を補佐します。
航空安全管理者及び航空安全委員
航空安全推進委員会の下部機関として、各職場には“航空安全管理者”及び“航空安全委
員”を置き、組織管理職による安全活動を支援すると共に、委員会の指示に従い、安全施
策の実行状況の点検を行なっています。
・ 航空安全管理者及び委員は、毎週職場の安全点検を行い、月に 1 度の“職場安全会議”
において、当該職場の不安全事項、不具合、インシデント等の分析・再発防止策等を
討議します。職場安全会議における討議内容は、議事録として航空安全推進委員会に
送付されます。
・ 航空安全推進委員会は毎月第 3 月曜日に開催され、各職場から送付された議事録から
現場の問題点把握、“発生情報”の発行状況等から安全施策の見直し・対応を討議し
ます。委員会の指示・決議事項は出席している統括部長を経由して、組織に指示され
ます。
朝日航洋グループ航空安全推進委員会
朝日航洋グループ各社の社長及び安全推進部門の長が、グループ内の安全に関わる情報を
共有し、各グループ会社に対してアドバイスや指示を行う、安全に関する最高の審議・意
思決定機関です。グループ内の安全品質の統一を目指し、2009 年 7 月から新たに導入しま
した。朝日航洋株式会社の社長が委員長を務め、グループ各社の社長、安全統括管理者又
は安全推進部門の長から構成されます。半期に1回開催されます。
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朝日航洋グループ安全報告書
安全に関する指示の流れの図
1) 組織及び人員に関する情報
① 朝日航洋グループの安全確保に関する組織
朝日航洋グループ
安全組織図
(注)*1:安全統括管理者は安全管理規程により選任されます。
*2:朝日航洋 安全推進室は朝日航洋グループ航空安全推進委員会の事務局を務めると
共に、グループ各社の航空安全教育を支援します。
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朝日航洋グループ安全報告書
i)
朝日航洋グループ会社の定義
朝日航洋株式会社が株の 50%超を保有する航空運送事業又は航空機使用事業会社
② 朝日航洋各社の安全確保に関する組織
朝日航洋株式会社
i)
安全組織図
安全統括管理者
安全管理の取組みの統括管理者であり、安全管理体制の継続的な改善を推進し、安
全の監視を行なうと共に、安全に関する重要事項について、経営の最高責任者に報告
します。
ii)
安全推進室
航空安全推進委員会の事務局として、運航事業全般に渡る安全活動を活性化するた
め、企画、評価、対策、訓練、点検等を行ないます。
iii)
航空事業本部
航空事業本部は、5 つの統括機能部門と 4 つの航空支社、川越メンテナンスセンタ
ー及びビジネスジェット(BJ)事業本部から構成されています。4 つの航空支社がヘリ
コプターの運航を、BJ 事業本部がビジネスジェット機の運航を行っています。
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朝日航洋グループ安全報告書
朝日ヘリコプター株式会社
i)
安全組織図
安全管理室
運航事業全般に渡る航空安全活動を活性化し、自社の安全活動の企画、評価、対策、
点検等を行ないます。
ii)
運航事業部
遊覧、空撮・調査等のヘリコプターの運航を行なっています。
iii)
管理部
山口防災基地において、山口県防災ヘリコプターの受託運航を行なっています。
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朝日航洋グループ安全報告書
③ 人員に関する情報
i)
各組織における人員数
航空安全
朝日航洋
推進委員会
株式会社
ii)
iii)
航空安全
安全推進室
9
管理者
5
航空安全委員
32
71
朝日ヘリコプター
安全管理室
航空安全管理者
航空安全委員
株式会社
1
1
1
航空機乗員、客室乗務員及び整備従事者の数
朝日航洋
航空機乗組員
客室乗務員
整備従事者
株式会社
111
0
236
朝日ヘリコプター
航空機乗組員
客室乗務員
整備従事者
株式会社
4
0
5
運航管理者(運航管理従事者)及び整備従事者のうち有資格整備士の数
朝日航洋
運航管理従事者
有資格整備士
株式会社
186
208
朝日ヘリコプター
運航管理従事者
有資格整備士
株式会社
3
5
2) 日常運航の支援体制
① 航空機乗組員、客室乗務員、整備従事者及び運航管理者に係る定期訓練及び審査
の内容
「運航規程審査要領(空航第 58 号)」
、
「整備規程審査要領(空機第 73 号)」及び「航空
運送事業及び航空機使用事業の許可及び事業計画変更の許可審査要領(空機第 68 及び
69 号)」により定められています。これらの規程については、国土交通省航空局ホーム
ページをご覧下さい。
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朝日航洋グループ安全報告書
② 日常運航における問題点の把握とその共有、現場へのフィードバックの体制
i)
ヒヤリハット報告
「発生情報」と呼ばれる IT によるデータベースを利用した自発的報告システムを
活用し、運航・整備作業における小異常の顕在化を図っています。「発生情報」は社
員誰でも入力・閲覧が可能ですが、入力者は秘匿されます。「発生情報」が発行され
ると、社長を含む経営幹部から組織管理職、航空安全管理者及び航空安全委員まで件
名が付された発行通知メールが自動配信され、朝礼、終礼、TBM(Tool Box Meeting)
等で末端社員にまで伝達されます。
ii)
航空安全推進委員会(会議)
発生したインシデントの要因分析と再発防止策を確認し、月間安全重点項目を設定
します。
iii)
職場安全会議
全国 38 の部署において開催し、議事録は航空安全推進委員会に提出し検討されま
す。
③ 安全に関する社内啓発活動等の取組み
i)
航空安全の日
毎年 10 月 5 日を「航空安全の日」と定め、安全の誓いを新たにし、安全祈願を行
なっています。
ii)
航空安全大会
毎年 4 月の第 3 週に全国から航空安全管理者、航空安全委員及び組織の長を集め、
事故レビュー、航空安全管理者教育等安全教育と安全意識の統一を行なっています。
iii)
安全パトロール
役員を中心に航空安全推進委員会メンバーにより、夏期作業ピーク時及び年末年始
のみならず定期的に全国の運航現場を訪問し、安全に係る点検を目的として安全パト
ロールを実施しています。
iv)
“安全五七五”、
“安全ポスター”等の募集
社員のみならず社員の家族も一緒に参加しています。
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朝日航洋グループ安全報告書
v)
安全関連教育実績(2009 年度)
教育内容
受講人数
航空安全管理者教育
87
KY(危険予知)訓練
98
事故レビュー(航空事故に学ぶ)
133
CRM 訓練※1(導入&リカレント)
133
MRM 訓練※2
86
(注)※1:CRM(Crew Resource Management)訓練
運航クルーのヒューマンエラーの発生を予防し、チーム・パフォーマンスを
向上させる訓練です。
※2:MRM(Maintenance Resource Management)訓練
整備職のヒューマンエラー発生を予防し、チーム・パフォーマンスを向上さ
せる訓練です。
vi)
S・QDC(Safety・Quality
Delivery
Cost)活動
「安全確保をベースに、品質に気を配り期限を短縮すればコスト削減」を合言葉に
改善提案活動を行なっています。又、営業・一般管理部門社員を含めて全社員が現場
に集合し、「機体に 10 分間集まり、気づきアイテム抽出」の活動も行います。
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朝日航洋グループ安全報告書
3) 使用している航空機に関する情報
機種
機数
座席数
導入時期(年)
平均飛行時間
平均機齢(年)
アエロスパシアル式
AS332L
アエロスパシアル式
AS350B
アエロスパシアル式
AS350B3
アエロスパシアル式
AS350BA
アエロスパシアル式
AS355F1
アエロスパシアル式
AS355F2
アエロスパシアル式
AS355N
アエロスパシアル式
AS365N3
3
10~21
1985
453:24:00
25
5
5
1979
237:33:00
28
9
5
2001
286:27:00
5
1
5
2005
793:41:00
21
4
5
1982
125:34:00
26
5
5
1983
130:19:00
22
1
5
2009
27:10:00
15
1
5
2009
175:45
8
ベル式 BELL206B
11
4
1972
299:23:00
15
ベル式 BELL 412
1
10~14
1981
429:13:00
29
ベル式 BELL 412SP
2
10~14
1984
246:47:00
23
ベル式 BELL 430
6
8~10
1997
206:14:00
6
川崎式 BK117C2
5
7~10
2001
137:52:00
5
セスナ式 C560
2
7
1996
477:45:00
12
ユーロコプター式
EC135T1
1
6~7
2009
244:35:00
9
富士ベル式 204B2
1
8~10
1972
397:48:00
19
1
6~7
1995
146:06:00
14
8
6~7
1995
163:11:00
9
2
8~13
1991
125:15:00
18
4
8~13
1996
412:25:00
9
MD ヘリコプターズ式
MD900
MD ヘリコプターズ式
MD902
シコルスキー式 S76C
シコルスキー式 S76C+
合計機数
73 機
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朝日航洋グループ安全報告書
3.法第 111 条の 4 の規程に基づく報告に関する事項(規則第 221 条の 6 第 3 号)
航空法第 111 条の 4 に基づき、航空運送事業者として報告する航空機の正常な運航に支障
を及ぼす事象に関しては 5 件発生しました。また、航空事故は下記のとおり 1 件発生、重大
インシデントは発生していません。
1) 総件数
グループ会社
件数
朝日航洋株式会社
6
朝日ヘリコプター株式会社
0
報告事象:航空事故 1 件の概要
2009 年 8 月 3 日 AS332L 型ヘリコプターJA9690 機による物資輸送作業中、地上にい
た作業員が負傷する航空事故が発生しました。国土交通省運輸安全委員会が作成した
航空事故調査報告書によると、原因は資材の吊り上げのため作業場に徐々に降下した
際、作業場所周辺の内部が朽ちていた立木が、ダウンウォッシュにより折れて地上の
作業員に当たったため、作業員が負傷したことにより発生したものと推定されました。
当社は、本件について次の再発防止策を採りました。
・ 営業統括部にて作成している「現場確認表」及び「CHECK LIST」を改訂し、ダウ
ンウォッシュの危険性について、本事例を用いて追加説明をする。
・ 営業担当者はお客様へ本事例を示し、樹木がダウンウォッシュにより倒れたり折
れたりする可能性を伝え、場合によっては処置を依頼する。
・ 当社からお客様へ配布している「資材輸送の手引き」を改訂し、ダウンウォッシ
ュの危険性について、本事例を用いて追加説明をする。
・ AOP※1「物資輸送」項目へお客様に事前配布する書類一覧を記載する。
・ AOP※1「物資輸送」項目を改訂し、ダウンウォッシュの危険性について、本事例を
用いて追加説明をする。
(注)※1AOP(AeroAsahi Operation Procedure):当社内の運航手順書
2) 主要な事態(安全上の重大性や社会的反響が大きかった事態)の概要及び対応
状況
該当する事態はありません。
3) トラブルの種類別、機種別、国内線・国際線の別の発生状況等、参考となるデータ
・ 航空事故
:1 件…前述のダウンウォッシュによる事故
・ 重大インシデント
:0 件
・ その他安全上のトラブル:5 件
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朝日航洋グループ安全報告書
4.安全を確保するために講じた措置及び講じようとする措置に関する事項(規則第 221 条の 6 第 4 号)
1) 国から受けた事業改善命令、厳重注意その他の文書による行政処分又は行政指
導を受けた場合、それに関して講じた処置
航空法の規定により認可を受けている認定事業場として実施した当社所有の回転翼
航空機に対する整備及び検査において、確認主任者の選任手続きがなされていない者
により航空機基準適合証を発行した事例が判明したため、直ちに東京航空局へ報告し、
耐空証明書を返納しました。その後、2009 年 10 月 30 日に国土交通省東京航空局保安
部長より厳重注意を受けました。本事例は、認定事業場の確認主任者の指名を受けた
整備士が、グループ会社出向に伴い解任され、その後当社に復帰後再任の手続きがな
されなかったことにより発生したものです。同年 11 月 18 日東京航空局より立入り検
査を受け、以下の再発防止策を実施する旨の報告書を提出しました。
・ 認定事業場の組織管理職を対象とした当該事象に対する対策等の講習実施
・ 航空事業本部長より全社員に対して通達文書を発行
・ 品質保証部より全整備士に対して改善対策を含めた注意喚起文書発行
2) 輸送の安全に関する目標の達成度、安全に関する取組みの実施状況
前述のとおり、昨年度は物資輸送中ダウンウォシュにより地上作業員が負傷する航
空事故が発生したため、2010 年度安全目標として「ダウンウォッシュ被害の低減」を
盛り込み、社内のみならずお客様や関係各所にも事象の周知と再発防止への協力を要
請しました。今後もお客様に最大の安全と安心を提供できるよう、不断の努力を続け
ます。
3) 2010 年度の安全目標
① 事故を起こさない。
② セイフティレポートの要因分析を行って横展開し、不安全の芽を事前に摘み取る。
③ 安全教育の受講による安全意識の向上。
④ 安全管理体制に則った安全活動の推進。
⑤ ヒューマンエラーによるインシデントを 4 件以下。
⑥ ダウンウォッシュ被害の低減(5 件以下)。
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