重要かもしれない記述シリーズ{「」内は先生の発言です} ~課題プリント(再試にはここから出す、という発言あり)に載ってて、しかも授業中そ れらしい発言した編~ 1.アレルギーを分類して述べよ・・・「覚えといてねー」「特に代表的疾患覚えて」 Ⅰ型;アナフィラキシー型 抗原⇒外因性(アレルゲン) 免疫機構⇒IgEが抗原に結合し、好塩基球や肥満細胞からヒスタミン、ロイコトリエン などが放出され、炎症細胞が動員される 代表的疾患⇒アナフィラキシー、気管支喘息、花粉症、食物アレルギー Ⅱ型;細胞融解型 抗原⇒内因性(細胞膜抗原、細胞吸着抗原)、外因性(輸液、輸血) 免疫機構⇒IgGあるいはIgMが抗原に結合し、補体あるいはマクロファージ、好中球 などによる標的細胞の貪食・融解がおこる 代表的疾患⇒血液型不適合輸血、自己免疫性溶血性貧血、胎児赤芽球症、Goodpasture 病 Ⅲ型;免疫複合体型 抗原⇒外因性、内因性 免疫機構⇒抗原抗体複合体が沈着することによって補体が活性化され、好中球が集まって くる。リソソーム酵素や酵素フリーラジカルなどを放出する。 代表的疾患⇒アルサス反応、血清病、SLE、急性糸球体腎炎 Ⅳ型;遅延型 抗原⇒外因性、内因性 免疫機構⇒抗原提示されたTリンパ球がサイトカインを放出、あるいはT細胞性の細胞障 害がおこる 代表的疾患⇒ツベルクリン反応、接触皮膚炎、細菌、真菌 2.脾腫をきたす疾患を列挙し、それぞれの特徴を述べよ・・・「口頭試問でよく出したん だよ」 ロビンス(566 ページ)参照。正直これ全部覚えて特徴覚えられる気がしなかったので、ゆ るくまとめます。すみません。 白血病・・・白血病細胞の浸潤のため。 リンパ腫・・・腫瘍細胞が脾臓に浸潤するため。 マラリア・・・赤血球が破壊され、貪食機構の活性化により貪食細胞系の活性化がおこる ため。 Gaucher 病、Niemann-Pick 病・・・脾臓内の単核性貪食細胞に不溶性代謝物が蓄積する ため。 慢性うっ血性脾腫(門脈圧亢進、脾静脈閉塞) ・・・肝硬変などでおこる。血液がたまるた め。 Thalassemia major ・・・ヘモグロビンにおけるグロビン鎖の量的異常により、溶血性貧 血が起こる。髄外造血と単核貪食細胞の過形成によって脾腫がおこる。 自己免疫性溶血性貧血・・・異常な赤血球を脾臓で破壊するため。 アミロイドーシス・・・アミロイド沈着のため。 脾炎・・・炎症による腫脹 結核、サルコイドーシス・・・脾臓内に肉芽腫ができるため 伝染性単核症・・・異型リンパ球が被膜などに浸潤するため 敗血症、SLE・・・全身性の炎症反応による。SLEでは、被膜が繊維性に肥厚し、リ ンパ濾胞の過形成、中心筆毛動脈の肥厚、血管周囲の繊維化(玉ねぎ皮病変)がおこる 2.腎不全の病理を述べよ・・・・人工透析など付け足して編集しなおしました 腎機能を表す指標としてのクレアチニン値が2,5mg/dl 以上の状態を腎不全という。尿 比重の低下があり、水分貯留によって浮腫・腔水症がおこり、さらに水の摂取は肺水腫や 心不全をきたす。カリウムの尿中排泄が傷害されるので、高カリウム血症がおこり、心筋 の巣状壊死をきたす。 慢性腎不全は糸球体の硬化性変化、尿細管の萎縮、間質の繊維化がおこる。尿細管から 水素イオンをアンモニアとして尿中に排泄することが困難であり、老廃物の蓄積がおこり、 尿毒症がおこり、倦怠感、意識障害が起こる。尿毒症では、しょう膜に胸膜、心外膜の繊 維素性炎が起こる。肺には肺水腫、肺出血、肺胞内フィブリン析出による尿毒症性肺炎が おこる。消化管にも炎症がおこる。また排出した重炭酸塩を再吸収することも障害される ので、アシドーシスの状態になる。 またビタミン D を活性化できなくなることによって Ca 再吸収量が減少し、Ca 濃度が下 がる。これをあげるために PKH が放出され、二次性副甲状腺機能亢進症が起こると同時に 骨を壊して Ca を供給するので骨粗しょう症、転移性石灰沈着が腎や肺におこる。 また、エリスロポエチンによる造血ができないので貧血になる。尿毒症により引き起こ される溶血も貧血を増悪する。 腎不全に対する療法として腹膜かん流や血液透析といった人工透析がおこなわれ、血液 浄化が行われる。腹膜かん流では腹膜からの感染、腹膜炎の発生、また長期にわたると腹 膜の繊維化や癒着の問題が起きうる。長期透析患者の一部で透析されてにくい物質、とく にβ2ミクログロブリンによるアミロイドーシスがみられる。また患者の一部では腎臓に 尿細管上皮の増生がおこり、嚢胞を形成したりして腎が腫大する。これを後天性のう胞腎 という。 ~授業中、気になる発言をした編~ 1.梅毒の自然史を述べよ・・・「こんなの禁忌問題でしょ」 梅毒の病変は各病期によって異なる。感染源は初期の第 1 期または 2 期梅毒患者の皮膚や 粘膜の治癒していない活動性病巣である。性交時に皮膚や粘膜の傷から、または先天性に 母体感染の初期に胎盤を経由して感染する。 第 1 期梅毒は、3週ほどで、感染部位に硬い下疳を生じる。丘疹として始まり、無痛性の 潰瘍を生じる。所属リンパ節は通常軽度腫大し、硬いが無痛性である。治療を行わなくて も下疳は数週間のうちに消失し、わずかな瘢痕を残す。 第 2 期梅毒は、6 週ほどで、1 期の下疳が消失してから 2 ヶ月以内に病変を生じる。典型的 には全身のリンパ節腫大と種々の粘膜皮膚病変である。手掌や足底に皮膚病片が生じやす く、肛門や生殖器周囲、内股などに基底部がやや膨らんだ扁平コンジロームと呼ばれる病 変が生じる。この病変が消失した時点から、患者は潜伏梅毒早期になり、それは約 1 年間 続く。 第 3 期梅毒は、通常 5 年かそれ以上の潜伏期の後に生じる。梅毒性大動脈炎を生じると、 大動脈弓が拡張し、大動脈瘤や炎症・瘢痕化によって心筋虚血が生じる。神経梅毒を生じ ると、慢性髄膜血管病変、進行麻痺などの脳実質全体に及ぶ病変がおこる。良性の第 3 期 梅毒としてゴム腫が上げられ、骨、上気道、口腔粘膜に生じる。 先天性梅毒は、妊娠 16 週後母体から感染する。死産する場合も多いが、乳児性梅毒になる と、膿胞性梅毒疹、梅毒性天疱瘡、骨軟骨炎、肝・肺の繊維化などがおこる。晩期先天性 梅毒は、7~8歳で発症し、Hutchinson 三兆(難聴、盲目、ハッチンソンの歯)が認めら れる。 2.高脂血症の病理を述べよ・・・「どうして体に悪いのかを考えるのが重要」 HDL コレステロール 40mg/dl 未満、LDL コレステロール 140mg/dl 以上の時。まれの例 では、LDL レセプタ欠損症、家族性高コレステロール血症という本態性高脂血症もある。 脂肪肝、動脈硬化症(粥状硬化症) 、黄色腫を引き起こす。脂肪肝では、小葉辺縁性に脂肪 がたまる。
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