平成 21 年度 第 1 回調査研究委員会 日 時:平成 21 年 5 月 26 日(火) 15:00∼17:30 場 所:日本エネルギー経済研究所 議事要旨 16 階会議室 出席者:議事要旨末尾に記載 配布資料:議事要旨末尾に記載 議 事: 1)バイオマスボイラによる熱生成に関わる補機使用電力量をグリーン電力証書化する事 業スキームについて<エナジーメイト株式会社申請案件> 2)廃棄物発電の取扱いについて<株式会社 エコ・エナジー・ジャパン申請案件> 議事概要: 冒頭、事務局より資料確認のうえ審議に入る。 1.バイオマスボイラによる熱生成に関わる補機使用電力量をグリーン電力証書化する事 業スキームについて(エナジーメイト株式会社申請案件) エナジーメイト㈱より、資料 2 に基づき事業スキームについて説明。 ・ 下関三井化学に電力は供給されるのか。 ・ (申請者)発電電力量はボイラ補機で全て使用、下関三井化学への電力の供給はない。 ・ バイオマスボイラのこのような事例はあったのか。 ・ (事務局)熱電供給プラントでは複数の副生成物を供給するものが多い。その際に事務 所等に充当する場合は自家消費とみなしていたが、これまでは熱電供給の解釈が別れて いた。熱に帰属する電気、電力に帰属する電気があるが、電力に帰属する電気をグリー ン電力として特定する方向だった。従来はグリーン熱という制度がなかったため、ボイ ラ補機電力をグリーン電力として認めてきたが、グリーン熱ということになれば補機電 力となる。 ・ 自家消費の定義を決める必要がある。 ・ バイオガスの案件が多く、発電に供する消化ガス設備等については補機とする整理で進 んでいる。これまでは、プラクティカルにやってきたが、厳密に見るようになってきた。 目的に対して補機の扱いをどう切り分けるかが、従来と異なる。 ・ (事務局)質問 3 は、添付の「比較概念図」はすべてを表わしていないのではないか。 1 環境対策設備や燃料を投入する付帯設備があるはず。発電部分については帰属するが、 この概念図ではプロセスが明確になっていない。グリーンな蒸気ということであれば、 それ以外の設備を見て判断する必要がある。発電部分だけだとグリーンではない。 ・ (申請者)所内補機がボイラを動かすための電気であり、コンベア等を動かすために 220kW くらい使用している。 ・ 機会費用としては発電により購入電力が減っておりグリーン電力だが、グリーン熱とし ては補機と考えられる。 ・ 発電のために必要とされた、バイオマスボイラの電気の部分について論理的に分けられ 得るのであれば議論しやすい。 ・ 押し込み通風機もボイラ補機なのか。 ・ (申請者)蒸気タービンは押込み通風機 240kw と余剰発電 220kw の合計 460kW の仕 事をしている。押込み通風機はタービン駆動で電力消費しているわけではないがボイラ 補機である。 ・ 基本的に熱で考えた方が理解しやすい。補機は補機だがバイオマス 100%なので勘案す るかどうか検討が必要。数値が無い上での議論であるため慎重にならざるを得ない。 ・ 通常のコジェネの概念に比しても場合もギャップがあると思う。オレンジ部分がグリー ン電力かどうか疑問である。発電のためのボイラであれば、補機として考えるべきでは ないか。黒点線が上記部分に入ると思う。 ・ すべて発電に使われているわけではない。電力の視点から見ると切り分けが難しい。今 までは広めにとっていなが、過渡期にある。これまでの議論を集約するとグリーン熱で 見たほうがシンプルとの意見が大勢を占めており、認証基準に落とし込み易いと思われ る。 ・ (申請者)グリーン熱認証基準は、太陽熱温水器のみであるが。 ・ (事務局) グリーン熱(量)については計測がネックになっている。電力の場合は検 定済みの計量器設置により「誰がやっても同じ」計測が行える。これと同じ制度上の担 保をどうするかが最も重要な点。これをクリアするのが今年度。ただ、予算措置がつい ていないので今後の課題となる。熱も同等のレベルで行う必要があり継続して検討して いく。 ・ 熱を売っている記録は取られているのか。発電設備からの電気は全て所内で使われてい るのであればグリーン熱で考えるべき。 ・ (申請者)グリーン熱分野で検討している最中。数年前であれば当社の発電はグリーン 電力として認証されていたと思われる。グリーン電力として認証したかった。グリーン 熱となると販売できるマーケットの見通しがつかない状況であると認識している。 2 2.廃棄物の取扱いについて(株式会社エコ・エナジー・ジャパン申請案件) ㈱エコ・エナジー・ジャパンより、資料 3 に基づき委員等の意見に対するコメントにつ いて説明。 ・ エネルギー収支は計算しているか。 ・ (申請者)今後提出する。 ・ 資源化するエネルギーより利用するエネルギーの方が多いのか。 ・ 食生活について無駄を出しているという点に愕然としている。法的に処分が義務付けら れている者に対しては追加性がないということだとう思う。RPS の設備認定をして余剰 電力を販売しているが、 グリーン電力認証するのであれば RPS 相当量はどうするのか。 ・ 売り電しているものは、自家消費分を証書取引の対象としたい。グリーン電力証書の価 値いかんによっては、検討するが、経済的には RPS 相当量を販売すると思われる。三 分の一から 4 割は自家消費。 ・ 本当にリニューアブルと言えるかどうか、グリーンといえるかは疑問である。廃棄物処 理法において法的な義務付けがあった場合は、政策の中で行われることであるため、や るのは当たり前で追加性はないと思う。 ・ 他のバイオマスも引っかかってくる。 ・ 食品リサイクル法は義務づけまではいっていない。勧告、命令できることになっている ので、排出者に負担を求めればいい。バイオエナジーも食品廃棄物であると思うが、厳 しく見た方がよい。追加性の 3 と 4 番、通常燃料となりえないというのが分からない。 食品リサイクル法は、ある程度の効率性があり、近隣にリサイクル施設がない場合は、 燃焼して熱回収するものもリサイクルとするというのは事実である。内容物の特徴をみ て、油分・塩分が多いように見えない。コンビニ弁当はそのまま破砕してパックはプラ スチックごみ、中身をリサイクルすることも進んできていることもあるが、弁当より油 分・塩分が多い廃棄物はないと思う。 ・ 疑問なのはビジネスとして運営し、多大なコストをかけているのは、うまみがあっての ことではないか。社会的なグリーンの価値に頼るべき無く、追加的負担は排出者に負担 を求めるべき。仮に認められた場合、コストが安い証書が市場出回るという危惧がある。 ・ 自家消費分を証書対象とし、売り電分は RPS を継続し、将来変更する場合もあるとい うことだが、地域性に偏りがあるために太陽光等を阻害しないとあるが、証書となると 全国に買い手がつき、地域性はなくなる。 ・ 補機動力をどこまで考えているのか。廃棄物サンプルリストでは、含水率が高いが、木 くずが 10000kcal を超しているというのはあり得ないと思うが。廃プラをかなり入れな いと燃えないと思われる。 ・ 木くずは 3000∼4000kcal が普通であり、1%程度であるので私も驚いた。建設廃棄物 3 で接着剤が付いていたとも聞いている。3 月末で RPS の比率は 60%程度である。詳細 な資料を提出したい。補機は中間処理の焼却炉は補機にあたらないと考えるが、事務局 からも以前に指摘を受けたので、それに従って取り扱う。 ・ (事務局)過去の事例では食品廃棄物を利用している事例はあるが、直接燃焼ではなく メタン発酵によるバイオガス発電である。 ・ ファミリーマートかローソンでは、廃棄物から作った肥料で作った弁当であることを謳 っている。近隣 75km範囲内でなければ燃やさざるを得ないということである。 ・ 排出事業者の判断に基づくということでは、排出事業者に聞かないとマテリアルリサイ クルが困難か分からない。 ・ 汚泥は全てバイオとして認めているということだが、一部バイオ系とそうでないものに 分けられるのか。 ・ (申請者)缶そのものではなく、製缶工程ででる汚水である。動植物性残渣は製品その ものの残渣であり、食べ物を汚泥と称して流れる場合がある。食品由来の汚泥とそうで ないものは分ける。 ・ (事務局)このサンプルはあくまでサンプルで、詳細は別途提出するのか。 ・ (申請者)例示として示したが、改めて提出する。 ・ (事務局)同じ計測業者を使うのか。 ・ (申請者)計量の免許を持っている事業者にお願いしたい。 ・ 認証基準は事例に沿って作成されてきたので、バイオガス中心となっている。廃プラを 含めて多く混ざっているものをどうするかという議論があった。委員には廃棄物発電と みる方も多いと考える。廃棄物発電として総合的に見てどこに分類するか議論する必要 がある。過去の議論でのバイオマス比率 60%を限度とし、40%の助燃材を認めている が、廃プラの場合は助燃剤なのかどうか、また、明確に計測できるかという問題が運営 委員会で問題となる可能性はある。廃棄物発電と見なされる可能性が高い。 ・ 仮に認証されたとすると、ビジネスとしてよくなるが、処理業者間の競争に発展し、処 理代を下げる方向になる可能性がある。その分顧客還元という形で処理費用を下げると いうことはあり得るのか。 ・ 会社としてはあり得るが、処理費の収入は大きいが、下げなければいけないという意味 では、グリーン電力取引が影響を及ぼすことはない。証書事業上問題であればそれに従 う。 ・ 認証センターとして、焼却を誘導するインセンティブは避けたいはず。 ・ 過去に食品リサイクルで認められた例があるので、新規施設についてはグリーン電力証 書取引を見込んで設置する場合は追加性はあるが、既存施設の場合は、厳密に見ていく 必要がある。追加性が意味を成さなくなることも考える必要がある。 ・ 法的義務は整理した方がよいと思う。 ・ グリーン電力の初期は、広めていきたいという趣旨から基準を広げてたくさん証書を出 4 したような気がする。新たなプレーヤーが出てきて、いろいろな解釈が出てきているの でもう一度見直す必要があるのではないか。 ・ (事務局)認証の審査においては、センター化してから収斂してきた。以前の解釈と相 違している。 ・ 多大なコスト負担について説明する資料が追加性の判断に必要がある。必ずしもグリー ン電力証書だけでなく、カーボンオフセットとしての対応も可能だと思う。参考資料と して CO2 量のデータがあれば参考になると思う。 ・ RPS 認定時のカロリー評価資料があれば参考となる。 以 上 <出席者> 1.運営委員 田頭 直人 (財)電力中央研究所社会経済研究所 主任研究員(調査研究委員会委員長 浅見 康弘 岡安 直比(代理:池原庸介)(財)世界保護基金ジャパン グリーンエネルギー認証センター センター長 自然保護室 室長 2.専門委員 長野 克則 北海道大学大学院 工学研究科 教授 丸山 康司 東京大学 鮎川 ゆりか 大阪大学サステ ナヒ ゙リ ティ ・サイエンス 研究機構 関家 一弘 ㈱エックス都市研究所 環境開発本部 サステイナフ ゙ルデザイングループ 温暖化対策チー 教養学部(教養教育開発機構)特任准教授 特任教授 ムシ ニアコンサルタント 工藤 拓毅 グリーンエネルギー認証センター 副センター長 3.オブザーバー 小澤 秀成 東京ガス 松原 弘直 環境エネルギー政策研究所 二宮 康司 環境省 永見 靖 環境省 都筑 建 特定非営利活動法人太陽光発電所ネットワーク 谷口 信雄 東京都環境局 今井 有俊 日本自然エネルギー㈱ 5 4.申請事業者 森島 茂夫 ㈱エコ・エナジー・ジャパン 古市 恵三 エナジーメイト㈱ 小田 浩平 〃 5.事務局 小笠原(潤)、小笠原(和) 、小林、大沢、清水、土方 <配布資料> ○ 平成 20 年度 第 3 回グリーンエネルギー運営委員会 議事要旨(抜粋)【資料 1-1】 ○ 平成 20 年度 第 4 回グリーンエネルギー運営委員会 議事要旨(抜粋)【資料 1-2】 ○ 廃棄物発電およびダム式水力発電に関する意見募集結果について <エナジーメイト株式会社 申請案件 追加提出資料> ○ エナジーメイト下関事業所発電設備について <株式会社 【資料 1-3】 エコ・エナジー・ジャパン 【資料 2】 申請案件 追加提出資料> ○ 今回申請に係る基本的考え方 【資料 3-1】 ○ 処理工程フロー 【資料 3-2】 ○ 廃棄物サンプルリスト 【資料 3-3】 6
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