平成23年度全国キャリア教育・進路指導担当者等研究協議会(PDF:1.8

平成23年度
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Logo全国キャリア教育・進路指導担当者等研究協議会
日田三隈高校におけるキャリア教育の実践
学校名:大分県立日田三隈高等学校
発表者:教諭 宮脇
和孝
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発表の概要
2.本校キャリア教育の実践
3.30歳のレポート(卒業後の追指導)
4.今後のキャリア教育の在り方
平成二三年 五月二七日(
金)
1.本校の概要
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●人
口
1.本校の概要①
71,741人
(平成23年4月30日現在)
●産
業
林業・観光
●学校数
・高等学校
5校
(県立 3校/私立 2校)
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1.本校の概要②
総合学科としての教育目標(平成8年開設)
社会の発展と変化に対応し、生涯にわたって学習する意欲や態度を
育て、将来への夢を持ち、その実現のため自主的に自己の進路を選択
していく能力を養うとともに、心豊かな社会の実現を目指して主体的
に判断し行動することのできる人間を育成する。
生徒数464名(各学年4クラス)・職員数60名
進路状況(平成23年3月卒業生)
四大
短大
専門学校
就職
男女計
16
16
53
60
割合
11%
11%
36.6%
41.4%
進学:就職 = 6:4
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部活動
1.本校の概要③
【運動部】硬式野球部 ボート部 弓道部 陸上部 卓球部 バドミントン部 バレーボール部 テニス部 ソフトボール部
【文化部】 演劇部
放送部
美術部
華道部
茶道部 新聞部
生活研究部
ギター・マンドリン部 等
三隈マーケット
高校生による地域活性化を目指した空き店舗経営。毎週土・日、祝・祭日に営業。
支援学校交流
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1.本校の概要④
科目選択
全120科目
普通科目
専門科目(商業・家庭)
生徒の進路、興味・関心に応じて…
総合学科の理念を忠実に!
自由に、自主的に、
選択することができる
その他
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実施年
2.本校キャリア教育の実践①
総合学科に係わる運営及び組織
草 創 期
1994(H6)
総合学科改編を検討・決定、先進校視察
1996(H8)
第1期生入学
1998(H10)
総合学科完成年度
主な活動内容
検証と評価
発展期
充 実 期
第1期生卒業(進路100%達成)
第1回「課題研究公開発表会」
2000(H12)
第5回全国総合学科研究大会(大分大会)
インターンシップ開始
第1回「総合学科公開発表会」
2002(H14)
プロジェクトM(PDCA活動の本格化)
2003(H15)
Mikuma PAS Sysytem
転 換 期
2004(H16)
平成16年度九州総合学科大会 (大分大会)
2005(H17)
総合学科10年を検証する会
2006(H18)
Mikuma PAS Systemの改訂
キャリア教育連携推進事業の指定
2007(H19)
キャリア教育全体構想図等の作成
インターンシップの
セルフ・プロデュース化
2008(H20)
系列・科目選択の見直し
オール・インターンシップ
2010(H22)
キャリア教育の深化
「総合的な学習の時間」開始
キャリア教育の視点に
たった改革
一期生「30歳のレポート」
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2.本校キャリア教育の実践②
1年次「産業社会と人間」
● 具体的目標と生徒に身に付けてほしい力
「自分を知る」
(2・3年次)
「社会を知る」
6つの力
「自分と社会の接点を知る」
「自分の進路を選択する能力」
発見する力
計画する力
分析する力
判断する力
4つ 調べる力 まとめる力
の力 発表する力
聞く力
表現する力
行動する力
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2.本校キャリア教育の実践③
4つの力の育成
「調べる力」
「まとめる力」
「発表する力」
調査・収集し、分析する
自分のものとする
表現して再確認する評価を通じて再検討する
「聞く力」
他の発表を自分のものにする
「生きる力」
「産業社会と人間」
のダブルファイル
ポートフォリオの役割
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2.本校キャリア教育の実践④
●1年次「産業社会と人間」学習内容
4
月
4~5月
6~7月
夏休み中
9~12月
1~3月
1
2
「2年生に学ぶ」 … 1年だけ先輩の体験発表
「進路学習」
… 職業を知ろう
「上級学校見学」 … 幅広い進路選択と手段
「地域に学ぶ」
… 自分の住む街を知る
「この人に学ぶ」 … 職業人に正面から臨む
「キャリアプラン・ライフプラン」
… 将来を設計する
月 「3年生に学ぶ」 … 総合学科の教訓と今後の抱負
月 「卒業生に学ぶ」 … 近未来の大人を見つめる
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2.本校キャリア教育の実践⑤
● 学習活動の一連の流れ
調 査
記 録
発 表
まとめ
感想用紙の提出(8割以上記入しなければならない)
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2.本校キャリア教育の実践⑥
調査・記録・まとめ・発表・感想提出を
繰返す
常に将来の職業選択を念頭に置いた
進路意識の持続
マナーや言葉遣い、記録方法等の
スキルが身に付く
学習態度や意欲の面で効果があり、
入学時に比べて顕著な成長がみられる
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2.本校キャリア教育の実践⑦
2年次「総合的な学習の時間(PAS Second)」PS
「夏の活動」インターンシップ
新たな展開
●自ら体験先の
選定やアポイン
トメントをとる
●「2年生全員
が行う」
①勤労観・職業観の育成
働くことの大切さや職業を理解する。自己理解を深める。
②進路意識の向上
将来社会生活や職業生活を営むために、今何をすべきか。
セルフプロデュース・オール・インターンシップ
③計画力・行動力の育成
生徒自身が事業所の選定・アポイントメント・事前訪問
・履歴書作成を行う。生徒全員が参加する。
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2.本校キャリア教育の実践⑧
76事業所
で実施。
グループ
発表会
学年
発表会
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2.本校キャリア教育の実践⑨
3年次「総合的な学習の時間(PAS Final)」PF
●「テーマ(課題)研究」
興味・関心・進路に応じたテーマ(課題)を設定
調査・研究・実験・作品制作・資格取得など
課題の解決を図る
総合学科の集大成・生涯学習のスタート
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2.本校キャリア教育の実践⑩
Q.日田三隈高校の総合学科で学んだ事を、どう考えていますか?
(総合学科14期生、卒業時アンケートより)
※回答数137
誇りに思っている
54.4%
負担であったが
誇りに思っている
37.4%
そう思わない
91.8%が
誇りに思っている
3.4%
その他
4.8%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
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2.本校キャリア教育の実践⑪
平成22年度「第13回 総合学科公開発表会および30歳のレポート発表会」
●概要
1 日
時
平成23年1月28日(金)10:00 ~ 15:40
2 会
場
日田市民文化会館 パトリア日田
大分県日田市三本松1丁目8番11号
3 助 言 者
2年生「インターンシップ」
千葉商科大学商経学部 鹿嶋 研之助 氏
国立教育政策研究所生徒指導研究センター
総括研究官 藤田 晃之 氏
4 日
程
9:30 ~ 10:00 受
付
10:00 ~ 10:20 オープニング
10:20 ~ 10:30 1年生発表「産業社会と人間」
10:30 ~ 10:40
2年生発表「総合的な学習の時間(PAS Second)」
10:40 ~ 11:50
3年生発表「総合的な学習の時間(PAS Final)」
11:50 ~ 12:00 ビデオ
12:00 ~ 13:00
--- 昼
13:00 ~ 13:30
13:30
13:45
14:00
15:10
15:30
~
~
~
~
~
13:45
14:00
15:10
15:30
15:40
1期生「30歳のレポート」
食(60分)---
1期生『30歳のレポート』発表
1期生『30歳のレポート』アンケート結果発表
--- 休
憩(15分)---
『30歳のレポート』シンポジウム
--- 講評・助言(20分)---
エンディング
※質問会参加希望者のみ
15:40 ~ 15:55 移動・休憩
15:55 ~ 16:25 質問会(スタジオ1)
3年生「PAS Final」
シンポジウム
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3.30歳のレポート①
総合学科教育とは、
人間としての在り方生き方の指導、自己実現の支援
卒業時点では、評価できない
社会人としてある程度落ち着いた時点での評価
「30歳のレポート」
●目的
Ⅰ.総合学科教育の検証
Ⅱ.卒業生へのエール …「拍手」や「激励」を贈る。高校時代や
「産業社会と人間」などを振り返り、これから進むべき道を明らかにする。
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3.30歳のレポート②
●「30歳のレポート」提出状況
(卒業者数)
レポート
依頼数
レポート
提出数
アンケート
提出数
男子
17
16
5
7
女子
176
156
32
59
合計
193
172
37
66
生徒数
レポート回収率
= 19.2%
アンケート回収率 =
34.2%
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3.30歳のレポート③
「30歳のレポート」観点別評価 ⇒ 総合学科教育の検証
評価の観点
a
b
1.【関心・意欲・態度】
大変意欲的である 意欲的である
卒 業 後 の 社 会 ( 家 庭 ・ 職 場 ・ 地 ◎読む者に勇気を
域・国内外等)に興味・関心を持ち、与える内容である
意欲的に活動しているか。
2.【知識・理解・思考
・判断・表現】
働くことや職業についての知
識・理解があり、社会人としての思
考・判断ができ、以上のことが表現
できているか。
十分身に付いてい 表現できている
る
◎読む者を納得さ
せる内容である
3.【日田三隈高校独自の観点】
「4つの力」が身につき、「生
涯に渡って学び続けようとする姿
勢」があるか。
「4つの力」が十 「 4つの力」が
分身につき、「生 身 につき、「生
涯に渡って学び続 涯 に渡って学び
け よ う と す る 姿 続 けようとする
勢」が強い。
姿勢」がある。
◎読む者に感銘を
与える内容である。
c
*
意欲が読み取れ
ない
提出され
表現できていな た レ ポ ー
トやアン
い
ケートだ
けでは、
いずれと
も判断で
きない場
合の評価
「4つの力」や は * で 表
「 生 涯 に 渡 っ て 現する。
学び続けようと
する姿勢」が読
み取れない。
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3.30歳のレポート④
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「30歳のレポート」日田三隈高校API評価
総
合
評
価
評価の還元および支援
三隈高校キャリア教育卒業グ 温かく見守る。時には総合学科の後輩たちに
ループ
アドバイスを依頼する。1期生ネットワーク作
りのリーダーになってもらう。
A
Achieving Group
P
Progressing Group 現在善戦健闘中あるいは苦闘 温かく見守る。状況や要請に応じて支援する。
中のグループ
I
組織的に支援する。担当者やチームを決めて、
面談や手紙、電話等で支援する。
(関係職員だけでなく同級生の力も借りる)
U
Improving Group
支援を必要とするグループ
Unknown Group
現時点でレポートもアンケー 今後も継続して連絡を取り続ける。判明すれ
トいずれも提出されてなく、 ば上記3グループのいずれであるか判断する。
何ら情報がないグループ。
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4.今後のキャリア教育の在り方①
本校キャリア教育のイメージ
児童・生徒
中学
職業人・家庭人・地域社会の一員など
高校
30歳
進路指導
MIKUMA PAS System
中学校までの
キャリア教育
産業社会
と人間
PAS
Second
PAS
Final
最終課題
30歳のレポート
この人に学ぶ、インターンシップ、
テーマ別研究、ライフプラン 等
4つの力・6つの力
オリジナルのPAS System?
ライフプランの確認・修正 等
基礎的・汎用的能力
キャリア教育
「キャリア教育推進」の法的後ろ盾 = 高等学校学習指導要領(平成21年3月公示)第1章 総則
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4.今後のキャリア教育の在り方②
成果① インターンシップのセルフプロデュース化
進路意識・目的意識の向上
Q.あなたの進路決定に影響を与えた事は何ですか?
進路の先生との
面談
10.4%
インターンシップ
9.9%
その他
4.2%
産社
4.4%
PS
5.2%
PF
2.9% 1年次の授業
0.8%
2年次の授業
1.8%
部活
4.9%
3年次の授業
3.1%
先輩や友達
13.0%
教師の助言
16.7%
保護者の意見
22.7%
(総合学科14期生、卒業時アンケートより)
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4.今後のキャリア教育の在り方③
成果②「30歳のレポート」の実施
総合学科教育の検証、卒業生へのエール
・在校生への影響 …
リアリティーのある話(教員では語ることができない)
近未来を見つめる → 具体的なライフプランの策定
・教職員への影響 …
総合学科の教育が実社会でどう活かされているか
指導・支援が適切であったかどうか
・卒業生(1期生)への影響
…
卒業生相互の激励メッセージ交換
卒業生相互の協力、“つながり”の確認
ライフプランの再検討
それぞれにとって、最良のタイミング
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4.今後のキャリア教育の在り方④
課題① 基本理念の学校全体での共有化
教員一人一人が「総合学科教育」、「キャリア
教育」を実践しているという意識の確認。
第1期 平成 8年 ~ 草創期
第2期 平成14年 ~ 発展期
第3期 平成22年 ~
創設時の理念を確認・継承していくことが必要!!
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4.今後のキャリア教育の在り方⑤
課題② キャリア教育における評価の方法
生徒の何が、どのように変容したのかを把握する
必要がある。生徒の成長をどう捉えるか。
目的・目標に合わせて
定量的評価 ・・・
定性的評価 ・・・
アンケート調査、適性検査
レポート、面接、観察
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4.今後のキャリア教育の在り方⑥
課題③ 基礎学力の定着・選択力を養う
■言うまでもないが、授業が基本
■総合学科は授業を選択できるが・・・
・キャリア教育の視点に立った授業実践
「学力」≠「授業時間」
=「授業時間」+α
・現在の学習と自分の将来との関連を見出す作業
・これを習得することで何ができるようになったか
・この1時間で自分はどう変化したのか
「キャリア教育」⇒ 学習意欲向上・学習習慣確立
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4.今後のキャリア教育の在り方⑦
課題④ 進路指導における「追指導」の必要性
本校において、「追指導」は不可欠!!
どのような形で行うのか?
今後「30歳のレポート」を中心に展開する
まずは、
自校完結型の追指導から・・・
レポート提出による追跡調査
教員によるレポートの評価・還元
理念の継承と無理のない運営に努める = 取組の継続が最優先事項
広報とより多く方々の理解が不可欠!!
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4.今後のキャリア教育の在り方⑧
課題⑤ 目指すべき生徒像(目標)
現状)日田三隈高校独自の力 = 4つの力、6つの力を
身につける
学校教育目標 ・生徒の現状
基礎的・汎用的能力
社会的・職業的自立
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ご静聴ありがとうございました
END